- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784469221824
感想・レビュー・書評
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最初「違う」と思った。
著者は「体験・経験」を小論文の核に据える。
自分の経験から感じたことを深め、問題意識を作る。
その問題意識を提示された資料と絡め、何かを論じる。
そうしないと観念だけが先走りし、一般的な倫理を唱える空理空論しか書けない、と。
正論ではある。
ではあるけれど、現実的に可能なのだろうか、との疑問がふつふつと。
ほとんどの高校生が、特別な経験などせず、ただなんとなく無難に日常を過ごしているのではないか?
その中で、何か人に伝えられるような問題意識を育めとするのは、あまりに酷な要求なのではないか?
ただ読んでいくうちに、僕の違和感は間違っていることに思い至る。
何も「特別な経験」など必要ないのだと思う。
大切なのは
「経験から問題意識を見つけだし、それを人に分かる形でアウトプットする」
と、「普段から意識」すること。
この意識が、日常を一変させる。同じ経験をしても、その経験の捉え方がガラッと変わる。
ちょうど僕が、子どもが生まれた翌日から、周りに赤ちゃんが驚くほど多いことに気付いたように。
持っている意識が違っていれば、見えるものや聞こえるものもまた、違っているのだ。確実に。
それにしても本書で例に使われている高校生の文章、おそろしくレベルが高い。
こういう訓練をされた子たちが大人になり、社会で活躍してくれるってことを、とても心強く思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
学校の先生向きの本だと思う。結局のところ、問題意識を持てということ。
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中井先生。