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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784469246179
感想・レビュー・書評
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「時制と相」、「法と時制」という話題を、「大学3年生の健斗とゼミ指導教員の高橋先生との対話形式」(p.iii)で解説したもの。高校英文法の延長線上にある、英語学、言語学での時制や相、法の捉え方が紹介されている。
英文法を勉強していると、各文法項目の様々な記述を知るというもあるけど(江川先生の『英文法解説』を読むとか)、その先の、歴史的にどうだとか、他の言語と対照させるとどうなのかとか、人間のどういう認知が働いているのかとか、そういうことを知る勉強もある。特に後者は大学で主にやることだと思う。特に「認知」の面でどう分析されるか、というのがこの本のメイン。
面白いとは思ったし、おれにとって新しい捉え方も色々あったような気がするけど、なんかこういう入門書を中途半端に色々読んでしまった結果なのか、読み終わって3週間以上経ってしまった今となっては、本当に深く記憶に残って腑に落ちるまでの納得する説明はなかった気がする。ゆるい外見だけどそれなりに内容はあるので、リラックスして読むにはキツイかもしれない。
あとはチェックしたところのメモ。「新たなトピックを会話に導入する時には、基本的に『現在時制完了相から過去時制単純相へ』という談話のパターンを守ります」(pp.44-5)で、You've got a bruise. How did you get it?のようにする、というのは考えてみれば当たり前の話だけど、あんまりこれを意識して喋ったことがなかった気がする。あとI was doing my homework when he called.とI had been doing my homework when he called.の違い、とか、分かっているようで説明しろと言われるとなんか適当になってしまう気がするが、「完了進行相にすると、『彼が電話してきた時にはすでに宿題をやり始めてしまっていた』というような、前後関係を強調する文に変わってしまう。」(p.47)ので、そういう意味でも込めない限りは進行相、というのをはっきり説明できるようにしたい。あとp.60の「進行相が背景を作る」というのが分かりやすい。I was doing my homework when he called.のような文で、「宿題をやっていたら彼が電話してきた」というようなものを教える時に使いたいと思う。もう1つ進行形を教える時に、「家のリフォームをしているそうだけど、出来はどう?」I ( ) you ( ) your house remodeled. How ( ) it ( )? (p.69)のHow is it looking?なんか生徒に出したら面白そう。How does it look?との違いを言ったりして。あと進行形から物質名詞の話になるところがあるが、Thank you for your kindnesses.のkindnessesなんかも名詞の授業で紹介したい。さらに、「知っている」、「住んでいる」でknowやliveを進行形にしない、というのは高校英文法は有名だけど「インド英語ではOK」(p.83)なんだそうだ。面白い。あと具体的な話とは違って、「どんな概念でも典型例が本質を表すと思っています。文法を理解するには典型例を押さえるべきだ。」(p.65)というのは、何となく分かる気がする。次に法の話に移って、will be doingは学校英文法ではもっぱら未来進行形として教えるけど、Don't phone them now - they'll be having dinner.(夕食を食べている最中だろう)(pp.93-4)という、「現在についての推量」を表すwillの使い方は「英語学習者には盲点になりやすいので要注意」(p.94)ということだ。あと推量のcanの代わりに「『特徴』を表すcan」(p.96)という記述は初めて見たように思う。あと、よく「カンニング」は和製英語だからcheatingを使って、cunningはずるいっていう意味だ、というところまでは知っていても、「cunningには、かつて『知識がある』という意味が合って、実はこれ、canと同語源です。」(p.100)は、健斗と同じように「へぇ~!」という感じだ。あとはいつもの、仮定法×比較×否定、というのはおそらくおれの中でも最も苦手な文法項目の1つだけど、I was so nervous, but she couldn't have been nicer to me. (p.110)みたいなのをパッと訳せるくらいに修行したい。あと仮定法現在はshould+原形はイギリス英語でこっちが新しい用法で、アメリカ英語で残っている仮定法現在が古い、というのは有名だが、「実は18世紀、19世紀のアメリカでも、イギリスと同じように法助動詞による代用の方が優勢だった。ところが20世紀に入り、アメリカで独自に先祖返りとも言うべき現象が起こります。1920年から1960年の期間に、衰退していたはずの仮定法現在がアメリカで急激に使われるようになった。」(p.127-8)というのは知らなかった。
時制についてサラッと、でも本気で勉強してみたいという人にはおすすめ。(19/11)
著者プロフィール
宗宮喜代子の作品
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