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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784472404696
作品紹介・あらすじ
1971年から91年までハーバード大学の学長を務めた著者が、学部教育から大学院の教育・研究、専門職大学院までを包括的に分析。科学技術分野などでの新発見、専門知識の遂行や将来のリーダーの養成に貢献する大学。その大学が果たす本質的な役割を問い、アメリカの高等教育が直面する問題や挑戦を考察する。
感想・レビュー・書評
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本書はデレック・ボック著、宮田由紀夫訳コンビによる2冊目。前作は『商業化する大学』。長大な論文だが、訳にかなり助けられてなんとか読了できた。ボック自身の教育・研究・経営・行政の経験と、他の重要な研究結果を踏まえた指摘は、―いうのは誠に簡単なのだが執筆するには実に難しいことであるが―、バランスがとれていて、かつニュートラルな状態で読める土壌を与えてくれる。また政策関連の記述が多いが、これは各大学が自ら課題をとらえるために外部要因を概観することが意図されているためである。
序論では、アメリカの大学の質の高さを上げながらも、いくつかの問題があり国内の人々の満足にはほど遠い、と述べられている。ここで一つ省みておきたいことは、私たちが日々目にするアメリカの大学の煌びやかなニュースのイメージのみを参照枠とすることを控えなければならない、ということである。逆に本書にある諸課題から含意を得ることに注力する方が有用だろう。学費の高さとローン、コスト管理、大学というシステムの効率性、卒業率等、問題は少なくない。ただこうした諸問題を現段階で全て了解できなくとも、一読者の立場で関心のある章を読むだけで十分示唆が得られるかもしれない。
例えば、これまでの学校基本調査結果の推移からもわかるように、日本の大学事務職員の増加傾向は著しい。一方本書でも米国の状況にふれられ同様の指摘がある。この背景として両国に共通しそうなことは、プログラム数の増加とそれに伴う問題に対処する時間の増加、また関連して中核業務に専念できなくなること、調整すべき学内外組織の増加、資金調達コストの増、所轄庁からの法令や通達・行政指導によるモニタリングの対応といったことだろうか。
大学内の調整プロセスは、彼の友人もあるロソフスキーの取り組みが参考になりそうだ。概略から本書からも十分つかめるが詳細は彼の著者にあたったほうがよさそうだ。そして、とりわけ第8章の「何を学ぶべきか」は示唆的だった。今後精読する。
宮田由紀夫の作品
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