- Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
- / ISBN・EAN: 9784473036100
作品紹介・あらすじ
なにが美しい?どこが機能的?町家っていつからあったの?京町家をもっと知りたい人にこの一冊がご案内します。食事処や宿、カフェ、和雑貨の店など-訪れてみたい町家ショップ二十軒。
感想・レビュー・書評
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ぴっちりと軒の並んだ町家の住まいを、狭苦しいうなぎの寝床としか認識していなかったことをおおいに恥じた一冊である。
ちなみに、前述した【糸に染まる季節】とこの本が、お洒落な福袋状のセットになって借りられるようになっていた。
手作りの「しおり」まで付けてくれた司書さんのセンスに脱帽。
そして中身は、まさに目からウロコの連続だった。
あの、突出しない等しい外観は、共同体への配慮の表れなのだとか。
他の都市では観られないそれらの特徴を、カラー写真と分かりやすい解説で紹介し、また京都にゆかりのある方々の随筆も載せてある。
財団法人奈良屋記念杉本家保存会理事長・杉本秀太郎氏の『京町家の住み心地』という3ページにわたる随筆が巻頭に掲載されており、ここを読むだけでもこの一冊の価値があると思われるほど。
町家と呼ばれるようになった経緯やその相続問題と保存問題、構造や間取りなどを巧みに述べられている。
次に町家の構成が写真とともに紹介され、その美意識の高さにもう圧倒される。
そして町家の歳時記、町家のデザインが細かに載せられているが、あの簡潔な外観からは想像も出来ないほどの繊細さと優雅さにあふれていることがわかってくる。
虫籠窓(むしこまど)、格子、犬矢来、駒寄、くど(変換が出来ない)・・
単にレトロなだけではなく、その控えめな主張にどれほど深い情緒があるか、読めば読むほど味わえるのだ。
引き手や欄干のデザインなど、もうため息もの。
『町家のお直し』には、それぞれの分野の匠たちが紹介され、続く『商う町家』では古い町家を丁寧に改修して商いの場として使われている例をいくつも挙げている。
京都に旅する際は、ぜひ町家を眺めてその意匠をしっかりと味わいたい。
わずか142ページの、入門編ともいえるこの一冊だが、その中身は濃い。
身近に、生まれも育ちも京の町家という人物がいるが、「隣近所の生活音は聞こえて当然」なので、そこは「お互い様と受け入れあい」、「不快にならないように暮らし方で工夫していくのだ」と教えてくれた。
う~ん、たったそれだけのことさえしないようになったのも、町家文化が廃れる遠因かと思うと、まことに寂しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
<閲覧スタッフより>
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所在記号:521.86||TAH
資料番号:20094623 -
<閲覧スタッフより>
京都の風情があふれる町屋。和のデザイン・建築美には秘められた技と「おもてなし」文化が光る!京町家の魅力を余すことなく感じられます。読み進めるうちに歴史的背景についても想いが巡って、気分はまるで京都人。和の様式や意匠の解説もわかりやすく書かれていて「なるほど」と感服できます。京町家MAPつき。
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所在記号:521.86||TAH
資料番号:20094623
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京都にかつて多く見られた町家造りの民家の特徴やそこに住まう人々の暮らしぶりを解説した本。モノを沢山持たず、限られた敷地にうまく暮らす知恵は、見習うべきところがあると感じました。
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短時間で、ざっくりと理解できるようまとまっている。町屋エッセイが興味深かった。
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京町家入門書。
町家の造りや内部装飾などから入り、それにまつわるしきたり、食事処や小物屋に変わった町家の事例紹介など。
装丁も親しみやすく、入門書としてはいい。
個人的に引き戸の取っ手(名前を忘れた;)の多様性が面白かった。
「立ち鶴」とか上手くデザインされてる。