自治体議会の取扱説明書―住民の代表として議会に向き合うために―

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784474067387

作品紹介・あらすじ

議会・議員は住民の「代表」として何をなすべきかという立ち位置を、自治体議会の取扱を通じて客観的に捉え、自治体議会をとりまく首長、議会運営、政策、財政、住民自治等について、現実と理想のギャップ、本音と建前の乖離を具体的に分析し、二元代表制の枠を超えて自治体議会の本来の意義を解説する。

議会と首長・議会と運営・議会と人間という3部構成で、二元代表制や議員提案条例、政策、財政、議会事務局との関係、住民自治等の各テーマについて解説する。 制度や運用の表面的な解説ではなく、各個別テーマにおける現実のあり様について、政治学的・行政学的視点から解説し、これまで一般的に議会が二元代表制として捉えられてきた概念を越えて「討議広場代表制」という新しい概念を打ち出している。

感想・レビュー・書評

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  • 住民自治の充実のためには、住民も住民代表としての議員も、自治体議会をどのように取り扱うのか、すなわち自治体議会の取扱が問われているという問題意識の下、自治体議会の取扱のために、自治体議会の実態を冷静に見つめ直し、自治体議会の機能強化を目指していくための考察を行っている。自治体議会を巡る論説の主流となっている二元代表制論を批判し、機関としての首長あるいは議会がそれぞれ代表なのではなく、首長・議員・副首長などが寄り合って議論をする≪討議広場(フォーラム)としての議会≫こそが住民代表機関であるとする討議広場代表制論を提示した上で、議会運営、議員提案条例、議会と予算を中心とする政策、議会と議員、議会事務局、議会と住民など様々な議会に関するトピックを取り扱っている。
    自治体議会のあるべき姿について深い考察が行われており、議会改革のヒントに富んでいるとは思うが、いかんせんまどろっこしい観念的な議論が繰り広げられているという印象も持ち、なかなか議員や住民、議会事務局職員が本書を読んでも、表題のような「取扱説明書」としては使いこなせないような気がした。
    本書の主要な主張である「討議広場代表制論」については、議会の「代表性」がどこに存在するかという点の理念としては理解できるが、制度としての「代表制」としては、機関としての首長と議会がそれぞれ住民代表として役割を分担しつつ互いに抑制均衡を行うという二元代表制論と比べて、十分に理解できなかった。すなわち、「代表制」と「代表性」の概念がごっちゃになっているような印象を持った。

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著者プロフィール

金井 利之(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

「2018年 『地方自治論 変化と未来』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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