自我と無意識 (レグルス文庫 220)

  • 第三文明社 (1995年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784476012200

作品紹介・あらすじ

個性とは何か。自我と自己をめぐって展開されるユング本人による「ユング心理学入門」。ペルソナ、アニマ、アニムス、自己といったユング心理学の基礎概念が、平易かつ丹念に説明されている。

みんなの感想まとめ

個性や自我の理解を深めるための心理学的探求が展開される本書は、ユング心理学の基礎概念を平易に説明しながらも、時に難解な内容が含まれています。集合的無意識や個人的無意識、ペルソナといったテーマが症例を交...

感想・レビュー・書評

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  • ユングの精神論はあんまり合わなかった。男女の在り方から個人の無意識や自我が崩壊していく過程や、不完全な自分を保ちつつ最高の状態になる方法が書いてあった。確かに内側ばかりに気を取られると、いろんな方面でおかしくなると思うので、外部との接触をして自分の置かれている状況や価値観、信念を磨いていきたいです。

    【メモ✍️】
    三代巨頭ユング、フロイト、アドラー。

    ユングとは
    1875年スイスのバーゼル市で誕生
    「父という言葉は私にとって何よりも信頼と無力さを意味している」
    母親は本能的な温かみがあり、料理を作りまた愉快な人であった。しかしそれは、子供の前で見せる一面にすぎず、無意識では驚くほど気性の荒いもう1人の人格がいた。時に豹変する母親を何者にも犯されぬという権威を持つ不可解で堂々とした姿であった。
    それで、自分の内面に深い注意を向け、「善と悪」「神と人間」といった抽象的な施策に没頭し自然、科学、哲学、文学など様々な学問に興味を示した。
    精神医学は、人の心を扱う上で自然科学であると同時に人文学とも深く結びついていることに強く興味を持つ。
    「精神分裂病」を提唱したオイゲンブロイラー教授の一番弟子だった。
    「夢判断(フロイト)」という一冊に出会う。フロイトは「無意識」という20世紀最大の発見を成し遂げた人物。
    ユングは、夢を通して人間の無意識を読み解く理論を夢判断の中で明らかにした。その革新的な手法に感銘を受けた。
    ユングは、フロイトの性理論に強く反対。「リビドーの転換とシンボル」という論文で強く批判し、フロイトと決別。
    精神的危機に陥り曼荼羅のような絵を描く。西洋の錬金術や各国の神話などにも同じような模様が書かれていた。
    一人一人の経験が反映された個人的な無意識のほかに、全人類が共通して持つ普遍的無意識が存在すると確信した。

    無意識の世界
    人間の心「意識」「無意識」に分かれる
    意識は、自分のしていることや置かれている状況を認識できる。
    無意識は、自分のしていることに気がついてない状態、または、自分の意識が及ばない心の領域

    無意識「個人的無意識」「普遍的無意識」に分かれる
    個人的無意識は、一人一人が持っている無意識。個人の経験や記憶抑圧された感情などが蓄積
    普遍的無意識は、人種、国境、時代を問わず全人類が共通に備えている無意識のこと。「集合的無意識」ともいう。

    世界樹:一本の大きな木で成り立つとする考え方のこと。ユグドラシル(北欧神話)、天木(中国)、北アジアの民間伝承やシャーマニズム、古代アメリカ文明の建築や芸術に登場。
    祖先は、地上生活を始める前木の上で暮らしていた。その経験と記憶が世界全体を木と認識する感覚を育んだ

    普遍的無意識の内部構造
    元型:コレはこういうものだと感じ取るイメージが鋳型のようなものが備わっている

    タグレートマザー:二面性を持つ母親、聖母マリア、女神ガイア、観音菩薩が代表例。反対の例は、女神カリーや魔女。

    老健者ワイズオールドマン:公平な態度で接し悪事を厳しく戒め、正しい方向へと導いてくれる理想的な父親像、ゼウス、ヨーダが代表例。


    ダメな自分との付き合い方
    影に目を向けてこない人は、より一層苦しむ。ショックのあまり誰もが影を持っていることを忘れてしまったり、自分の全てを疑い何もかも間違っていたのだと自己否定する

    誰もが影を持つ。
    影とは、個人の内面に潜む否定的な側面や社会的に容認されない欲望や感情を含むため、多くの人はその存在に生理的な嫌悪感を示す

    陰影があってこそ人間。それを全否定することはかえって心身の健康的なバランスを崩すことがある

    大切なのは相手に投げかけた影を自分のものとして引き受ける勇気を持つこと

    無意識にある自分の心理的傾向を掴むこと「影の引き戻し」

    ペルソナ(仮面)
    普遍で集合的
    ペルソナ形成に力を入れすぎると画面が自分から剥がれなくなり、やがて、全人格を覆い尽くす恐れがある

    アニマとアニムス
    アニマは、男性の普遍的無意識に潜在している、心理的な女性像
    アニムスは、女性の普遍的無意識に潜在している、心理的な男性像
    誰もが二つの性を有している


    人生の究極的な目的
    個性化
    自己実現の過程
    自己と自我の違い
    自己は、無意識に存在しながら心全体を支えている。自我の安定性を犠牲にしてでも、人をより高い統合性へと導き、本来あるべき、真の自分へと近づけようと作用する
    自我は、私たちはこれは私のものだ。私は私だというように自分で自分を感じ取ることができる。

    自我肥大
    内的世界に心を奪われすぎた結果、自我と自己が同一化してしまい、自分が特別な人間だと錯覚してしまう


    いきなり自己の世界に踏み込むのではなく、まずは自我を優先的に強化する。外界と接点を持ち、自分の価値観や信念、社会的役割を明確にしておく


    結論。人間は個性化を目指すべきである。個性化は不可欠なもの。そうでなければ私たちは社会生活で思いもしない、全く自分らしかなぬ姿を周囲に晒すことになる。その結果本人は納得して受け入れることができるか?自ら責任を持てるか?きっと彼はその屈辱とその不自由さを恨むことしかできないはず。この状況を脱するには、それこそが自分だ私がこうするのだと言い切れる自分を作ること。それができればどんな困難な人生であっても安心してその道を歩むことができる。個別化は難しいことだが、己を無意識内容から区別することができれば、実現可能。無意識内容が無意識の中にとどまり続けないように個性化が大事。個性化が一つの高い理想。

  • 3.4

  • 前々から読んでみたいと思っていたが難しい。

    集合的無意識やペルソナの概念は分かった。確かにその通りかもしれない。

    個性化、アニマ、アニムスの件が難解。今回はサラッとだけ読んだ。

    同じ時代の心理学の本を読んでみないとな。

  • 人の意識を何層かに分けて、それぞれがどう作用し、どう関係していそうか、ということが書かれた本。集合的無意識、個人的無意識、ペルソナ…などの内容が症例とともに書かれていて、どう解釈すべきかなどの話が主に書かれる。

    理解の敷居を下げるために当時の常識のうえに書かれているようなのだが、逆に現代的には理解しづらい例や比喩も多く、そもそも内容が難解なので、書かれていることを噛み砕いて理解に苦労する。正直良く分からないことも多かったので、色々調べながら聴いた。

    現代版に意訳したものがあれば、そっちの方が分かりやすいかもしれない。オーディブルで聴いたのだが、これは文字で読んだ方が良かったかもななどと思った。

  • ユングちゃんと読むの、というか心理学にまつわる本をちゃん読むの初めて。
    難しい!
    分かった気がしてすぐやっぱ分かんなくて、一つも理解できてないように感じてたのに途中に挟まれるたった一文で腑に落ちた気になったり。
    もっと勉強したい

  • N140

  • ユングの心理学と向き合うのには、忍耐と想像力、そして実際的経験を積むことが重要だと感じる。

  • 読書会課題本。かなり久しぶりの再読。今改めて読んでも、フロイトやユングは元祖トンデモと思う。訳は比較的平易だが、ユング特有の用語や言葉遣いに慣れてないと、かなり大変だろうとは思う。じっくり読むなら心理学辞典などを傍に置いた方が良いだろう。

  • ユングの著書の中でも、とりわけ無意識や自己、そういったところを扱っているということで。
    やはり、彼はフロイトと袂を分かつべきだった。フロイトが無いけど在るものに気付いたのなら、ユングはそれはなぜ存在してしまったのか、考えようとしている。フロイトはその存在を考えることなく、前提として認め疑うことがなかった。それに比べてユングはそれを疑ってしまった。もうフロイトからはみ出ざるを得ない。それどころか、心理学者というところからもはみ出ざるを得ない。彼が心理学の中で異彩を放つのは、心を超えた、意識を超えた、存在を超えた真実在をみてしまったから。彼もまたわかってしまったひとの部類に入ると思う。(彼のことばで言うなら、「感じて」しまった)
    哲学や宗教と一線を引くために、あえてそういったところに言及していないが、彼が考えたことは何千年も前に哲学や宗教が同じことを考えていた。たまたまそれが自己であったりいわゆる心理学的言葉を使っているだけで、宗教や哲学が語る魂を彼もまた考えていたのだ。仏教ではひたすら統合を求める(悟り)一方で、彼は分離(自己実現)を志向する。一見逆なことをしているが、やっていることはどちらも同じ。論理を超えた存在。自我と無意識、ペルソナとアニマ/アニムス、その対立を超えたところにある自己。見事なまでに弁証法。
    そうしたものの働きは呪術として、錬金術として歴史的に形をとってきた。オカルトを研究していたのではなく、オカルトによってそれを喩えたに過ぎない。
    最後に彼も述べているが、科学を超えた純粋な「思考」としてこの著書は存在する。(ただし、彼の言うところの思考は意識を働き。「思考」とは自己の働き)
    ただ、彼の「感じる」や「男性的」「女性的」ということばはひどく誤解を招いてしまうように感じられた。「感じる」は「わかる」ということであって、「五感」のことではない。五感を感じているその存在のことだ。「男性的」「女性的」というのは意識と無意識といった「相補性」を表すための便宜上の概念だ。また、彼もまたソクラテスのように鮮やかに騙している。自己のもたらす働きを述べながらも、自己そのものについて何一つ語っていないのだ。どうしてもそれが知りたい。

  • 文化庁長官を務めた故・河合隼雄さんがユング派心理学の心理療法士でしたが、
    そのユング派心理学の始祖であるユング自身が自らの考える心理というもの
    を解説した、いわば入門書的な自著が本書にあたるようです。

    はっきりいって難しいです。200pそこらですが、1/10も理解していないかもしれない。
    ユング自身も、本書の最後に、すべてを理解してもらえれば嬉しいが、この議論の根底にある
    経験というものがたいていの人には知られていないことなので、まぁ無理だろうと言っています。
    しかし、こういう未知の世界、未経験の経験領域があることを知ってもらえたら嬉しいみたいな
    ことを述べています。

    それでは感想や考えたことを、読みながらはやばやとツイートしているので、
    そのまとめを記載します。

    ___


    無意識の意識化が進むことによって、
    無意識による支配力が薄れて、意識、人格の拡張があるとユングはいいます。
    ふつう、読書とか会話によって、共感したり再発見したりということがあります。
    それって、無意識の意識化でもありますよね。
    そうやって、より「自分をわかった視座をもつ人」になるんだと思う。

    そういう意味で、本を読むことも人と接することも大事だなぁ思う次第。
    内向的外向的どちらにも、この場合、救いの道はあるということですが、
    内向的外向的の半々くらいがいいような気がする。
    内向には内なるアニマ(アニムス)という無意識が人生を決めるのに関係し、
    外向には他人との比較で関係する。

    内向外向半々だと、きっとアニマ(アニムス)とぎくしゃくした時に傷つくのも半分で済むし、
    他人とぎくしゃくした時にゆらぐのも半分で済む。
    こういうのはありなのか知らないけれど、ようは、逃げ道じゃないのかなぁ。
    内向的でダメになったら、「実は外向的でね」というモードに入る。逆もしかり。



    空想というもの。空想すること、その内容に没頭して積極的に関与する、
    そうすることで、その過程を自分のものとすることになるそうです、
    ユング派心理学の始祖ユングによると。
    そうやって、形作られていく、変容していくのがその人の人格だったりするみたい。

    これはイメージトレーニングに繋がりますね。
    イメージしたものに積極的に気持ちを関わらせていくことで、
    ポジティブな空想というものに浸ることになる。
    その結果、そこでの過程が自分のものとなり、あたかも現実の経験のように人格の形成・変容に影響する。

    もっと言えば、ものすごくありえない空想に関与していくこと。
    魔法使いの話でもSFの話でも、なんでもいいけれど、
    それでもそこに積極的にのめりこんで空想することでその経験は自分のものとなるわけです。
    それはすごく特別な、個人的な経験になるでしょう。独創性ってそういうとこから生まれるのかな。

    つまりは、ぼーっと空想しちゃう事って悪くない、むしろ良いねっていう。
    ユングはこうやって人格が変容して、ついには善も悪も融合するような人格になることを超越機能と呼んでいました。
    そうなると、精神の病気もはねとばせる確率が高まるのかな。

    なんか、独創性の正体見たりって感じだなぁ。
    どれだけスペシャルな空想に浸って生きてきたかで
    その人の思考システムがオリジナリティに富んだものになるかってことじゃないのかな。

    空想がぼうっと湧きあがってくるところがポイントなんだよねぇ。
    そこに無意識との関連があるから。無意識は奥が深いです。そして怖いものです。

    個性を磨け、なんて無責任というか勝手というか、
    そういう言い方をされた人が僕くらいの世代には多いかと思いますが、
    たとえば個性なんてものは、その人がいればそれだけで個性十分なんですよね、
    顔にしても身体にしても声にしてもなんにしても。

    独創性を磨けっていうんならば、その方法は空想にあることが今日わかったけれど、
    そのソースは1927年くらいのユングの本なんだから、
    独創性を磨けとか指図するほうがちゃんと勉強してればその方法付きでつばを飛ばさずに指導できたわけです。

    ___

    ええと、あくまで素人が素人なりに考えたことなので、確証があることではないです。
    一応、論理上そうなるねということですが、その論理のこね方にも間違いがあるかもしれないし、
    だいたいにおいて、難しい本なので誤読の可能性がけっこうあります。
    でも、大きな意味においては、だいたいこうなるだろうみたいな確信ににた気持ちがあります。

    そんなわけで、昨日誕生日をむかえ、新たな年齢で読み終えた最初の本になりました。
    こういう難しい本から始まる一年っていうのも悪くないですね。

  • 20年振りのユング。ペルソナ、アニマ&アニムス、集合的無意識…少し忘れかけていたので周辺作を今一度読む決意。

  • ( オンラインコミュニティ「Book Bar for Leaders」内で紹介 https://www.bizmentor.jp/bookbar )

  • 自我とは

  • 集合的無意識、アニマ、ペルソナなど、心理学で有名な概念について知ることができます。
    (ゲーム『ゼノサーガ』の考察のために購入しました。)

    ・集合的無意識
    何もないところから、ヒョイと湧き出してくるように感じる無意識が、実は、そうではなく、人間の脳という共通した規格から生まれるために、必然的に類似しているという概念は、大変合理的に感じました。

    ・アニマとペルソナ
    アニマとペルソナは対立物であり、補償関係にある。
    ペルソナは「ひとりのひとが、何ものとして現れるか」ということに関して、個人と社会との間に結ばれた一種の妥協である。
    アニマは自律的コンプレックスであり、男性においては、女性というものの無意識集合的なイメージである。無意識との関係組織。注意すべきこととして、自分の内面、魂=アニマではない。

  • 読みづらい(´Д` )心理学初心者は無理せず、嫌なら読むの辞めて次に行きましょうw

  • 思ってたよりもわかりやすかった。

  • 心理学のイロハも知らず河合さんの「ユング心理学入門」を読んで満足しているだけの自分には所々難解に感じました。

  • 比較的平易。
    ユング関連の書物では三冊目に読んだものであるが、この本を最初に据えれば、前二冊の理解も容易になっただろうと思われる。

  • 売却済み

  • 書は、ユングが多年にわたる経験から得た所見をできるだけ平易に、なんの予備知識も持たない読者に解き明かそうと努めたものであって、ペルソナ、アニマ、アニムス、自己といったユング心理学の基礎概念について、これほど丹念な説明を加えた自著は他にほとんどないといってよい。

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