命あるかぎり: 松本サリン事件を超えて

著者 :
  • 第三文明社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784476032987

作品紹介・あらすじ

松本サリン事件から14年-。妻への思い、家族の絆、友への感謝、命の重み…試練を通して見えてきた人生の風景。いま、著者が綴る自伝的エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 2019年に新聞の長めのインタビュー記事を読んですごい人だなと思い、それを最近読み返してみてもう少しまとまったこの人の考えを知ってみたいと思って読んでみた。
    河野さんの何がすごいと思うかというと、こういう例えは何だけど、神さまは苦難を乗り越えられる人に応じた苦難を与えるのだなあということ。松本サリン事件で一時は犯人扱いまでされたけど、河野さんは警察やメディアのやり方を批判する一方で(その批判も謝罪などで決着がつけば後を引かない)、この本の冒頭でも書かれているんだけど、オウムの元信者だった青年を家に泊めてあげるようなことまでしている(しかも子どもたちも)。新聞記事を読んだだけでは何か信仰をおもちなのかなと思ったりもしたけど、この本を読んで河野さん自身が自ら主体的に生きてきたことがこういう人物をなしたのだなと思った。
    かといって聖人然としたわけでなく、この本ではやんちゃだった時代のことも書かれている。そして仕事より家族や趣味を大切にする生き方を大事にして仕事を選び、しかも数年おきにくるくると転職していたというようなことも書かれていた。
    自分の大切なものを大切にし、新しいことにどんどん臨んでいける人。松本サリン事件は河野さんにとって不幸なことだったと思ってしまうけど、河野さん自身はそういう言い方をしないだろうな。

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著者プロフィール

著述家。松本サリン事件の被害者。現在、犯罪被害者や講演活動を全国各地で行う

「2010年 『大澤真幸THINKING「O」第3号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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