のら犬 (絵本・新美南吉の世界)

  • 大日本図書 (2005年2月1日発売)
3.62
  • (6)
  • (3)
  • (10)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 64
感想 : 10
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (36ページ) / ISBN・EAN: 9784477018409

みんなの感想まとめ

孤独や疑念がテーマのこの物語は、常念御坊が不気味な犬に導かれながら思索を深める様子を描いています。彼の後ろにぴったりとついてくる痩せた犬は、果たして本当に犬なのか、それとも何か別の存在なのかという疑問...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 戌年の多い5年生読み聞かせに。
    時間は10分強くらい。

    ※※※
    村から自分の寺に帰る常念御坊は、自分の後ろを付いてくる痩せた犬に気づきます。
    キツネ色の毛、立った耳、あばらの褪せた不気味なヨロヨロ犬です。
    暗い道を歩く常念御坊の耳に入るのは自分の後ろにぴったりついてくる犬の吐息。
    果たして自分の後ろにいるのは本当に犬なのか、人を化かすキツネなのか、そしてそのキツネが女にでも化けているのではないか…

    やっと寺に戻った常念御坊は、小僧の正観さんにのら犬を追い払わせます。

    部屋でくつろぐ常念御坊は、のら犬の事を思い返します。
    あれをキツネだなんて思っていたけれど、やはり本当はただのお腹を空かせた宿無し犬ではないか、自分の後を着いてきただけなのに、可哀相なことをしたなあ。
    まだいるならこの寺に迎え入れてやろうか…
    常念御坊は犬を探しに立ち上がりました。

    ※※※

    挿絵は版画です。墨色の暗闇のなかにぽっと灯る薄黄色が色づきます。
    話としては「幽霊の正体見たり」というような、暗闇と孤独の疑心から小さなものを大きなものに見えてしまったというわけですが、常念御坊の後ろに迫るあやかしい女の姿など雰囲気たっぷりです。

    ラストは「捜しに出かけた」で終わっていて、あとは読者のご想像にお任せなのですが、
    娘に感想を聞いたら「肝心の事が書いていない!!犬は見つかったの?!」と怒ってました。
    ラストが「読者にお任せ」はすっきりしないのかなあ(笑)

  • タイトルに惹かれて読んでみました。
    のら犬って言葉に、どこかさみしくて一定の距離感あって、でも近づきたい必死さを感じていたけれど、
    新美南吉さんと少しだけ感覚が同じで嬉しく思いました。
    声に出して読むと楽しい。

  • 胸がきゅっとせつなくなるお話。新美南吉さんだわぁ。ラストがよかった。わんこ、まだそのへんにいるといいね。

  • おしょうさんいい人

  • 小学1年生にはちょっと怖いような内容でしたが
    読んでいるほうも 聞いているほうも
    このドキドキ感がたまらない。
    鶴田陽子さんの版画絵がその「怖さ」を引き立てる
    小学校高学年でも楽しめる、そんな絵本でした!

  • 新美南吉の本は暗いけど、ほんのりした暖かさがあるよね~

  • タイトルに惹かれて読みました。
    碁を打って負けたであろう帰り道。だんだん暗くなっていき、常念御坊は本当はとても心細くてのら犬がついてくるのをホッとしていたのではないかな。
    犬なのか、それともきつねが化けてていたのかは常念御坊も私たちも想像の世界。
    まだそこらにいるのであれば、そばにおいてやってもいいかなと思ったのでしょうね。絵本の中では険しい表情の常念御坊の優しさが見えてホッとしました。

    のら犬、見つかっていたらいいなぁ。

  • うそをつく気持ちは本当だから、君は何度もうそをつくのだろう。

    別れても、キープインタッチしたいのを受け入れるのは、ほんとの優しさじゃない。新しい出会いを応援したいならシャットアウトが礼儀だし、単なる社交辞令。

    自分を化かしに来たかもしれないきつねを、のら犬だと言って、探しに行く和尚に、新美南吉の優しさを感じる。

    騙されてたっていいよ。はじめから気付いてたし。相談があると言われたその日から。ほんとのことを伝えてくれれば、ゴールは違ってたのに。

    きつねと和尚には、縁があるんだろう。ほんとに縁があるのなら、どんな状況になったって、つながってくる。でも、ぼくは、だんごを届けるだけの縁だったって思うけどね。

  • 新美南吉の優しさがあらわれている。
    途中ドキドキしながら最後ほっこりする。

全9件中 1 - 9件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1913年、愛知県知多郡半田町(現・半田市)に生まれる。中学時代から童話を書き始め、『赤い鳥』『チチノキ』などに投稿。東京外国語学校在学中に病を得、20代後半の5年間は安城高等女学校(現・県立安城高等学校)で教師をしながら創作活動を続けた。1943年、29歳の生涯を終える。代表作に「ごんぎつね」「おじいさんのランプ」「手袋を買いに」「でんでんむしの悲しみ」を始めとして、多くの童話・小説・詩などの作品を残す。

「2024年 『だれのかげ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

新美南吉の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×