- Amazon.co.jp ・本 (97ページ)
- / ISBN・EAN: 9784477020969
感想・レビュー・書評
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「椋鳩十文学の代表作・戦後児童文学の最高傑作と評される。家族の一員として愛された熊野犬マヤが迫りくる戦争の影に圧しつぶされて行くさまと、それを必死に守ろうとする子どもたちを重ねながら描く、感動の作品。
赤い鳥文学賞、児童福祉文学奨励賞、全国学校図書館協議会選定図書、日本図書館協会選定図書」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第二次世界大戦中、久保家にやってきた熊野犬の子犬はマヤと名づけられ、家族にかわいがられていました。やがて、マヤのもとにも戦争の悲劇が訪れます。飼い犬を愛する家族の心となにも知らずに家族を信頼するマヤの姿が胸に焼き付きます。
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3.5 反戦の物語。周りに流さない価値観を持てる人になりたいと思う。
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戦時中に動物を供出という形で集め、殺すというできごとがありました。椋鳩十の家で買っていたマヤもその対象となり、広場にて木刀で打たれ、結果死んでしまいます。
「かわいそうなぞう」(戦時猛獣処分)と同じく、かわいそうで読み続けられないところがありますが、当時実際に行われていたことを知るために、ぜひ、小学生に読んで欲しいと思う作品です。
椋鳩十の家族が、どうにかしてマヤを殺さないようにしていた様子がうかがえますし、家主である椋がいないあいだにマヤを子どもたちの前で殺そうとした卑怯な手段に、胸が締め付けられる思いです。 -
読み終わってから、改めてマヤの一生とは何であったのかを考える。マヤは生涯飼い主ら家族を愛していた。いかなるときもその愛ゆえに、ただただ一緒に家族らといたかったのだと思う。大きな大きな強くて美しい愛が、瀕死に近いマヤを自宅へと帰らせしめた。
多くの小説で、人は根本的には変わらないと言うが、戦争下の状況では表面的に人は変わるも、たとえ、それが表面的だとしても、非常に残虐なことをしうるんだと思えた。
『マヤの一生』はどんな人にでも読むことができ、どんな人にでも勧めることができる本。 -
甥への誕生日プレゼント③。
誕生日のプレゼントとして適切だったかは強く言えないが、いい本なことは確か。それに、迷ったのがシートンの「オオカミ王ロボ」なので、どちらにしても悲しく切ない系というのは同じだったか。
本を選ぶにあたっていろいろと探し、レビューも読んで実際に読んでもみました。さすが、動物描写はすごく生き生きとしていて前半が楽しいだけに、後半の悲しさがよけいにしみます。
子供の頃に「大造じいさんとガン」を読んでいて、ぜひ椋鳩十さんは読んでほしかったので。 -
戦争で犬もとりあげられて、マヤが殺されてしまった。ぼくは、犬を飼っていないけど、飼っていたらつらいと思いました。でもおすすめです。