頭のでき―決めるのは遺伝か、環境か

制作 : 水谷 淳 
  • ダイヤモンド社 (2010年3月12日発売)
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  • 21レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478001240

作品紹介

IQの違いはどこから生まれるのか?人間の知能を決めるのは遺伝か環境かをめぐって、アメリカを代表する社会心理学者が明らかにした驚愕の事実!知能の本質に迫り、知能を高めるための具体的な方法を示す。

頭のでき―決めるのは遺伝か、環境かの感想・レビュー・書評

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  • 正直なところ、これまでに遺伝と環境についての本はたくさん読んできたので、材料は出尽くしていて、あとは料理の仕方が違うだけだろうと思いながら読み始めた。実際、どの本を読んでもとどのつまり

    「もって生まれた遺伝子によって頭のできはかなり決定される。しかし、その素材を生かすも殺すも環境次第」という結論になる。つまり、たとえば、もって生まれたIQ(という形式であらわせるとしたら)80の人と100の人と130の人がまったく同じように伸ばす教育をされた場合、やはり130の人が一番頭がよいという結果になる。

    しかし、物事はそう単純ではない。IQ80の人は悪い環境におかれていることが多い。80の人が適切な環境で育てばもっと高い能力を持てるはずなのに、環境の悪さが故に持って生まれたもの以下の低い能力しかもてなくなる。この本はその部分に注力している(と私は理解した)。私は理解した・・・と書いたのは、そうはっきりは書かれていないからである。遺伝によって能力が違わないとは言わないという前提を常に提示しつつも、遺伝による違いにはあまり触れていないからである。正直なところ、この本を読んでいる上で、常にその前提を挙げつつ「頭のできは環境で変わる」と結論付けている点には疑問を感じた。

    それでも高い評価をつけたのは、細かく根拠が挙げてある点、自説に反する研究もきちんと紹介している点など誠実さを感じたからである。

    最初の料理の仕方が違うだけ・・・という予想に反して、たくさんの研究データを知ることができた。人種間や民族間でIQの違いがどのように生まれるのかという仮説、若干思想的なものを感じなくもないが、細かく検証してあり、おもしろかった。最近、一般向け専門書?的な本を読んでよく思うのは、論理的な作文において日本人はかなり劣っているということ。同じ内容であれば、欧米人によって書かれた本の方が数倍おもしろい。日本人による本は、何が言いたいのかわかりにくいものが多い。とてももったいない。多分、欧米では論理的に書く、話すということを小さい時から叩き込まれているのだろうが、日本人の著者による良書がたくさん産まれる時代が来るのを期待したい。というか、夫よ、がんばってそういうもの書けるようになってくれ。

  • 人の知能レベルを決定するのは遺伝か?この問いに答えるべく、筆者は手を変え品を変え、様々な例を提示します。結論か言うと、人の知能は遺伝よりも、環境的要因によって決定します。つまり、どんな両親のもとで育ったか、故郷の治安はどうなのか、兄弟の知的レベルはどれくらいか、周囲の友人との交流はあったのか、など、環境的要因が人の知能に大きな影響を及ぼします。
    なかでも、本書で興味深かった点を以下に挙げます。

    ①教育に投資される金額それ自体に意味はない
    地方政府が大金を教育政策に投じても、効果が上がらないことがある。これは、地方政府が腐敗していたり、マネジメント能力が著しく低い場合には、効率的に資金を分配することができないからである。

    ②アジア人のIQが欧米人よりも高いのは、東洋の文化が大きく影響している。東洋では(主に、中国、韓国、日本)では、家族間のつながりを非常に重視し、家族も子供に良い大学に合格させたいという思いが強い。このため、子供への教育により熱心になり、教育投資も欧米よりも高くなる。

  • 原題:Intelligence and How to get it: Why Schools and Cultures Count
    著者:リチャード・E・ニスベット
    訳者:水谷淳

    【書誌情報】
    価格(税込み):¥ 2,160
    発行年月: 2010年3月
    判型/造本:46上型
    頁数:360
    ISBN:978-4-478-00124-0

    人間の知能が生まれつきか、育つ環境によるものかは長い論争がある。アメリカを代表する社会心理学者のひとりである著者は、子供が育つ環境は遺伝よりもはるかに重要であることを実証し、人間の知能を伸ばすための具体的な方法を説く。数多くの調査・実験にもとづく統計的分析が鮮やか。
    http://www.diamond.co.jp/book/9784478001240.html

    【メモ】
    ・たまたま見つけた記事。
    http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/02/-2-1_1.php


    【簡易目次】
    第1章 知能の種類は一つではない
    第2章 遺伝子はどれほど重要なのか
    第3章 学校は人を賢くする
    第4章 学校をさらによくするための方法
    第5章 貧富の差は知能に大きな影響を及ぼす
    第6章 黒人と白人のIQ
    第7章 知能の差は縮められるのか
    第8章 アジア人のほうが賢いか
    第9章 ユダヤ人の教育の秘密
    第10章 あなたの子供、そしてあなた自身の知能を高める
    エピローグ 知能と学力についてわかっていること

  • 頭のよさは遺伝子によって決まらない事を論ずる学術的知見の紹介。7割くらいは環境。既存の遺伝研究の問題(双子養子研究は養子に出される場所が似通う可能性が高いなど)を指摘。
    心理学、教育経済学、教育学の面からの実証分析に基づく、育児論、社会政策論。
    貧困に対してどのように教育介入を行うのかについても論じているだけでなく、幼児教育に何が重要化についてもきちんと知見を紹介していて、育児書としても大変良いです。10章に現状の研究結果がまとまっている。

  • 知能における遺伝と環境の特に環境要因の影響の強さを主張している。説得力はある。

  • 氏か育ちか、で、ほとんど氏だと思われてたけど、結構育ちだよ、という本。
    ずいぶん評判の本のようだが、それ以上のインパクトを感じない。

  • 類書の焼き直しである前半と、噴飯もののオリエンタリズムまみれの錯誤にまみれた東アジア表記の中盤
    よって多様な研究結果から気のままに取捨しているように見える著者の選択眼を疑わざるを得ないのは当たり前で、後半の内容も同様に眉唾な感じです

  • 系推薦図書 3系(情報・知能工学系)
    【配架場所】図・3F開架 
    【請求記号】141.1||NI

    【OPACへのリンク】

      https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=141609

  • 大変面白く読んだ。アイルランドやユダヤ系の部分など。

  • 遺伝と環境の相互作用に関する議論が環境寄りの主張中心になされていた。研究に協力する一卵性双生児のSESの分散が小さいことで遺伝率が高く見積もられる可能性の指摘は参考になた。

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