スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 3259
感想 : 463
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478002292

作品紹介・あらすじ

あのモノやサービスの値段はどうやって決まっているのか?有名コーヒー店の値段のしくみ、携帯電話の超複雑な料金体系、映画DVDの「だんだん値下げ」、100円ショップの安さの秘密…今まで「そういうものだ」と思っていた社会のしくみに、経済学というフィルターを通すと、意外な理由が見えてきます。

感想・レビュー・書評

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  • ごく身近な企業や事例を取り上げて、経済学の基本的なところについて語られている一冊。

    経済を学んだことのある人にとっては、特段目新しくもない内容かも知れないが、そうでない人にとっては「なるほど!」な視点が盛りだくさん。
    入門書としては最適かも。

    一昔前に話題になったので読んでみたが、個人的には資産格差の話がとても印象に残った。

  • 久々に読んだ経済の本。わりとわかりやすく、身近なので考えやすい

  • 同じ商品の値段の違いを「取引コスト」という概念で説明している。
    それ自体に真新しさは無かったが、経済格差が所得格差でなく「資産格差」にある、という考え方は初めて読んだので興味深かった。
    所得の高い人には2種類いて、「能力が高いので長時間働き高級を得る人」こちらは何も問題はないが「能力ではなく地位・役職(資産)で高級を得る人」が問題としている。天下り政治家、役員、公務員などを例に挙げている。

    そして「自分がどの分野において比較優位にあるのかを知ることが大事」とも述べている。
    それには自分の能力を客観的に把握する必要がある。
    能力が高く自己評価も高い「スター」と、能力が高いが自己評価の低い「器用貧乏」・能力は低いが自己評価も低い「縁の下の力持ち」との間では、比較優位が成り立つ。
    なので組織の中で自分の居場所を見つけることは可能である。
    問題なのは能力が低いのに自己評価が高い人、である。
    この人は誰とも比較優位の関係を結べないので邪魔である。
    最近この自意識過剰タイプが増えているらしい。
    そうならないためにも、きちんとした自己分析、自分には何ができるのか・その集団の中ではどこで比較優位に立てるのかをきちんと把握し、論理的に相手にそのことを説明できる力が求められる。
    このような基本的なことが出来る人の方が、長期的には実は仕事ができるタイプである。

    何事も基本をおろそかにしてはいけない

  • 生活に関わる身近な話題を、経済の観点からわかりやすく説明した本。
    タイトルが目を引く。この本の作者は他の本もタイトルが特徴的。
    副題が価格と生活の経済学。

    経済学をやっていないし、取っ付きにくいので、こういう簡単なものからコツコツやって、最低水準くらいまで身につけたい。

    コストを考えると、価格が見えてくる、自分の選択を主体的に行うことができる。選択とは本来主体的なものではあるが、経済を知らないと選択させられてしまう。賢い消費者とは選択を主体的にできる人のことである。

    取引コストという考え方を用いて色々説明している。

    就活に関連して
    簡単な仕事でも、
    ①自分に何ができてできないか、きちんと自覚し、自分にできることを責任を持っておこなう
    ②相手が望むことを想像できる(色々な状況の想定)
    ③論理的に、熱意誠意をもって説明する
    ④自分がミスすることを前提に、重要な点は他人に確認する

    特に最初のうちは、これが大事であろう。


    面白かった事例
    ・子供の医療費無料化のデメリット
    ・スタバでグランデを頼むこと
    ・所得格差より資産格差
    ・固定コストと変動コスト
    ・集中した出店
    ・日本がガソリンの輸出を伸ばしている
    ・価格差別←付加価値をつける

  • 経済学に全く興味はなかったのだけれど
    スタバが大好きで・・・
    何でスタバでグランデを買った方がいいのかなと
    その理由が知りたかったから。。。(笑)

    なるほど~でした。

    そしてグランデ派に変わりました!

    知らないことで損していることが多いのかもしれないなと思ったのでした。
    永遠に知らなければ損をしていることに気が付かないわけだから
    それそれで幸せなのかなとも思ったり・・・(笑)

  • 食べることが大好きな私は

    スタバではグランデって何で???

    という単純な気持ちで手に取りました


    なかなか深いことが書いてあり

    すらすらと読めてしまいました


    その中に同じお茶のペットボトルなのに

    スーバーでは98円

    100均では105円

    コンビニでは147円

    自動販売機では150円

    で売ってることについて

    研究してあったんです



    私は価格の違いは知ってましたが、

    なぜ?というところまで考えが及びませんでした

    作者吉本佳生さんの視点が素晴らしいと思いました



    私は価格の違いは賞味期限だと思ってました

    よく賞味期限の近い商品をスーバーで安く売っているからです


    でもそのことについても吉本佳生さんは

    同じ日に自動販売機とスーバーで同じものを買い

    賞味期限を確認するという徹底さでした。

    さすがです

    (ちなみに賞味期限はほぼ同じだったそうです。)




    じゃあ何なの????

    答えは

    取引コスト

    だそうです。


    今までは私はコストというと

    材料費、人件費、輸送費だけだと思ってました

    この本にはそのほかにも、

    お茶を作る手間だとか

    時間、労力、心理的負担なども

    具体的な例をあげて

    くわしく述べてありました


    一つ例をいうと、

    あと3分でバスが来るから

    待ち時間のあるスーバーで買うより

    自動販売機で買うとか・・・


    気がつかなかったけど

    いわれてみればそうだわ~っという例が多かったんです

    とても楽しく読み通すことができました。





    今まで経済の本を読んだことがなかったのですが

    これから色々なことを知りたくなりました

    これを機にビジネスの本ももっとよんでみようと思います


    吉本佳生さん、ダイヤモンド社さん、良い本をありがとうございます。

  • まずはタイトルとデザインが面白い。
    経済学とは銘打っているけれど、それらのおかげでだいぶと敷居が低い一冊のように感じられる。

    そしてやはり内容も非常に丁寧でわかりやすい。
    題名のスタバの他にも100均やコンビニなど、非常に身近な例を出しながら経済学の用語や考え方を学び取ることが出来る。

    しかし本書において真に重要なのはそこではない。と僕は思う。
    後半はそれら日常的ではありながらも、思考に移すのが憚られやすい政治の話が絡んでくる。
    例えば子供の養育費の無料化が挙げられているが、表層的には良いものに見えがちなこの政策の落とし穴を、前半部で用いた用語と考え方によってわかりやすく解説している。
    前半の導入部無しでこの話をした場合とでは、おそらく読者の理解度は歴然としていただろう。

    難しいことをわかりやすく解説してくれる一冊というのは非常に貴重だと思う。

  • コーヒーショップでドリンクの量が倍違うのに値段はあまり変わらないのはなぜか
    100円ショップは100円で経営を保っていられるのはなぜか
    というナゾを「取引コスト」という目線からわかりやすく説明してくれる1冊。

  • モノの値段の中に含まれるコストについて、わかりやすく書いている。
    身近なものを題材に取り上げているので、頭に入りやすい。
    文章がうまく書かれていて、ひっかからずスラスラ読める。

  • ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA83095460

  • 2008年と今となっては古い内容も含まれるが、日常の買い物など身近な消費活動を題材に経済学の概念をわかりやすく説明してくれている。大学の講義の様でわかりやすい。ビジネスの考え方を知る良書。

  • いわゆる釣りタイトル。
    経済学の取っ掛かりとしてこういう本は本当に重要だと思う。

    価格は、商品やサービスの品質や付加価値を表す指標であり、それが高いからといって必ずしも高品質であるわけではない。

    また消費者は、価格以外にも様々な要因を考慮して商品を購入することがあり、価格に敏感であるとは限らない。

    ビジネスにおいては、価格設定は収益に直結する重要な戦略の一つであり、効果的な価格戦略を展開することが求められる。

    つまり自分が本当に必要とするものを見極め、自己の価値観に合った商品を選ぶことが大切。

  • タイトルはキャッチー。
    取引コストの話。

  • 身の回りのの経済の仕組みがわかる。
    文章が読みやすく、面白いので、サクサク読める。
    経済学の入門書にもなるし、賢く生きる知識も得られる。

  • 高くても買う客には高く、安くしか買わない客には安く売る。
    価格差別。時間を通じての価格差別。

  • 世の中の製品、サービスの価格のほとんどは、取引価格が占めている。企業はいかにして取引価格を下げるかの競争をしている。これだけで、価格戦略のほとんどが語られていると言ってもいいくらいだと思います。他にも、裁定取引、規模の経済、範囲の経済など、経済、ビジネスの基本がとてもわかりやすく解説されています。2007年の作品で、登場する製品、サービスは古いですが、不変的な価格戦略に焦点を当てているので、事例の古さはさほど気になりませんでした。

  • 価格差はコストに起因する

    規模の拡大に伴って値段も安くなる。乾燥機も安くなるはず

    範囲の経済性もいう考え方。共通の事項があれば、節約でき、その分安くなるということ。


    値段が高いもので企業は儲けている。人はこだわりが生まれると高くても買うからである。

    広告やパンフレットは消費者能力テスト。


    スタバではグランデを買えというのは、店は最も利益率の高い特別なドリンクの大きいサイズを買わせたい。
    サイズ間の価格差がどんなドリンクでも100円なのは特別なドリンクの大きいサイズを安く見せるため。

    スタバの原価は実は人件費がほとんど、大きなサイズのドリンクでも、人件費はほとんど変わらないため、利益はその分上がる。

    買う側からしても、大きいドリンクは割安なので、大きいドリンクが飲みたければお得。


    デパートで売っている1000円の皿と100円ショップの皿の違いは
    追加コストである。
    設備が労働者が遊んでしまう時間に作るから非常に安くできる
    デパートではいろいろ選べる代わりに、そのコスト900円は高くつく。



    多くの人が自分の能力を勘違いしてる

    スター
    器用貧乏
    縁の下の力持ち
    自信過剰


    まじめ(良き社畜的な)は、管理者のコストを大きく削減できるため、高く評価される。


    自分がどれだけ他人と違うか、を正しく認識できていると、賢く生きられる。

  • タイトルの通りの話や100円ショップ、携帯電話の料金などの身近な話から経済学を学べる。
    やはりスタバの謎が一番気になったから手に取ってみたのだが、全く考えてもいなかった理由だったのでビックリした。確かに量が違えど製造する時間は殆ど一緒なんだなと納得。
    著者は消費の大部分は取引コストに対するものだと強調する。自分でも無意識のうちに取引コストを計算してまとめ買いをしたり、荷物を減らしコンビニで買ったりする。言われてみれば価格差に見合った設定なのだと感じた。
    裁定取引、規模の経済性、価格差別、比較優位

  • ●買い物の取引コストの節約は、実は消費者と店の共同作業として行われています。多くの消費者は日常の買い物をどこでするかを決めたら、生活のスタイルをそれに合わせて工夫します。そしてお店は消費者の生活スタイルに合わせて商品の並べ方を変えるなどをして取引コストの節約を助けてくれます。両者の相乗効果で節約できるのです。
    ●1つで多機能は消費者の取引コストを節約する。スマートフォン。
    ●所得格差より資産格差の方が問題だが、解決は容易でない。
    ●容姿や資格だけを売り物にして得られる仕事では、さほど稼げない。偏差値が高いのに年収が低いそんな大学の方。〇〇外国語大学。
    ●乳幼児医療無料にすると。さほど必要がないのに病院に通う人が増えるということです。そして混雑して作業時間が長くなる。年金暮らしとおばあちゃんが連れて行ってくれるところはコストは0円だが、働くまた母親にとっては時間のコースとか3000円になる。

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著者プロフィール

エコノミスト

「2016年 『学校では教えてくれない経済学の授業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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