凡才の集団は孤高の天才に勝る 「グループ・ジーニアス」が生み出すものすごいアイデア

  • ダイヤモンド社 (2009年3月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784478004098

みんなの感想まとめ

個人の力だけではなく、チームの協力がイノベーションを生む鍵であることを強調した作品です。著者は、名だたる「天才」と呼ばれる人物たちも、多くの人々とのコラボレーションを通じて成功を収めてきたことを示し、...

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの5つ星。ジョブスやザッカーバーグのような「天才」と呼ばれる人も、実際にイノベーションを生み出す過程では多くの人の協力なしにはできなかったわけで、特に日本人は「孤高の天才」という神話に憧れすぎだと思う。現実的に個人では勝てないとしてもチームでなら勝てる。しかし大きすぎる組織になると勝てないというのも納得。「X線ゲーム」「コラボレーションの原点であり、イノベーションの源泉は、会話。」「閃きが起こる五つのプロセス。準備、中断、閃き、選択、練磨。」「早期に失敗し、頻繁に失敗し、見事に失敗せよ。」「誰もが誰かの何かを借りている、という感覚。」

  • 心理学研究者のキース・ソーヤー(Keith Sawyer)による
    集団での創造性発揮に対して
    豊富な事例研究から、現実に使えるヒントをまとめた
    「実用書」。
    原題は Group Genius The Creative Power of Collaboration.

    著者はもともとがチハイ・チクセントミハイの弟子というところから
    研究をはじめており、
    「フロー状態」に関して専門家である。
    あくまでチクセントミハイが「個人のフロー」に焦点を当てていたのに対して
    著者は、集団がそのようなことを起こせるのか、起こせるならその鍵は何か、
    というところに焦点を当てている。

    面白い知見が詰まっているのだが、
    私としては以下のことが特に面白かった。

    「すごい発明・発見が独力によるものであることは、まずない」
    →私たちは、天才の閃き、という説明を好むし、
     また当事者も、そう思わせたい、とか、そう思い込んでいる、
     ということが実に多いが、
     綿密に調べてみると、
     いずれも、数多くの人とのコラボレーションの結果生まれた
     方策、というくらいのものである。

    「異質の集団は、同質の集団より、はるかにコラボレーションの創造を生む」
    →当たり前のような気もするが、
     研究として、実証された話として認識できたのは、
     私にとっては初めてだった。

    「親密度は低すぎても高すぎても、最適な創造性は発揮されない」
    →100年かかる科学的発見はさておき、
     現実の企業や研究組織による活動は、リアルタイムな人間どうしの
     やりとりから生まれる。
     そうしたときに、親密度が低いと、文脈の共通理解がもたれないが、
     一方で親しくなりすぎると、相互の反応が刺激的でなくなって
     創造性への寄与が下がるという。
     これは面白い。
     確かに私自身、新しいチームや、別の会社に移った場合、
     最初は共通理解を持つまで自分が何もできない感じがして辛いのだが
     ある程度、理解できて親しみを持てるようになると、
     個性に基づく相互刺激を適切に発揮できるような気がする。
     ただ、これがそのまま固着してしまうと、多分新しいことは生まれづらいだろう。

    今日、とりわけB2C、消費者向けビジネスでは、
    あらゆる商品やサービスがコモディティ化しつつある。
    よほど「その商品じゃないとだめ」という理由がないと、
    値段によって選択肢からあっさり外される運命にある。
    それに抗うには、常に創造的に顧客の問題を解決しうる商品を
    開発し、営業していくことが求められる。
    となると、その企業集団は、開発の1部門や、何かの事業部だけ
    ではなく、組織全体が集団で創造できる仕組みと文化を持っていることが
    競争力の持続の鍵になると思われる。
    本書で示されるように、同質化集団だけではさして創造的ではない。
    たとえば企業組織の中でも、営業と開発、国籍の違う人々、など、
    異質性を持つものどうしの接点を持ち、そこから協同的にすぐ取り組めることが
    重要だと思う。

    さて、ここから敷衍して。
    なぜ日本企業の商品やサービスの創造性が世界の中で
    落ちているかのように見えるか、という問いを立て、それが仮に正しいとして、
    それは相対的に他が上がっているからか、日本が下がっているからか、は分からない。
    が、ひとつ思うのは、80年代までに経験していた
    右肩上がりの経済成長状態というのは、
    「社内のコラボレーションと新規挑戦を”飼う”余裕があった」
    のではないかという仮説である。

    プロダクト・ポートフォリオのマトリクスをイメージしたときに、
    金のなる木が十分に仕事をしてくれていると、会社として財務的に
    不安がないので、問題児を持っておく余裕ができる。
    それが、やがてスターとなっていくことが、ほっといてもなされていたのでは、と。

    しかし、バブル崩壊以来成長が止まり、既存産業の衰退が加速する中で、
    すぐに結果の出ない活動や挑戦は、お金の無駄遣いというように
    経営者や、社内・社外の財務的な部分を気にする人々が考えてしまい、
    それを厳しく追放するようにした結果、
    さて、次の問題児→スターを生む流れがぶっ壊されてしまったのではないだろうか。
    それは当然、企業全体の衰退を早めるのだが。

    仮に大企業がそういう事業の新規展開ができない体質になったとするなら、
    それはベンチャー企業などにまかされることになるが、
    そうなると、たとえば米国と日本のように、ベンチャーの事業拡大を加速させる
    仕組みと文化が整っている国とそうでない国があったときに、
    歴然たる差が生まれてしまう。
    ICTに関わる産業では、その速度特性からしても、差が顕著だったのかもしれない。

    という、本書の感想とは直接関係ないけれど、思ったこと。

    ///

    Group Genius: The Creative Power of Collaboration [Kindle Edition]
    Keith Sawyer (Author)
    http://www.amazon.com/dp/B0095XK76A


    (レビューは
     http://evolution.edoblog.net/
     に投稿のもの)

  • 創造性を発揮するチームの7つの特徴
    1時間をかけてイノベーションを生み出す
    2「ディープ・リスニング」を実践する
    3コラボレーションから生まれるアイデアを積み上げる
    4個々のアイデアの重要性は、閃いた時点ではわからない
    5問題を発見する
    6効率を追わない
    7現場を重視する

    グループ・フローを生み出す10の条件
    1適切な目標
    2深い傾聴
    3完全な集中
    4自主性
    5エゴの融合
    6全員が同等
    7適度な親密さ
    8不断のコミュニケーション
    9先へ先へと進める
    10失敗のリスク
    (2011/9/19 第5章まで読了)

  • いろいろな事例がみっちり
    ホンダカブのアメリカ進出成功も初めから戦略ではなく、偶然だったのね

    どのクリエーターにしても、最も創造的な作品は、作品数が最も多かった時期に生まれている。皮肉なことに、作品創造のペースを落とし、一つの作品に集中すると、かえって創造性は低下するのである。

    おしゃべりとアイデア

    モノポリー ビデオテープ

    とにかくオープンにコラボすると良い

    2009年刊行なので少し事例古め

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1403510

  • チームでイノベーションを起こす

  • まさに、グループ・ダイナミクス!

  • イノベーションに必要な閃きは何が必要なのかを詳細な調査とさまざま、現実社会の例題をもとに紐解いたもの。豊富な実例は興味深く、面白い。孤高の天才か英知を結集させる凡人か。いかにしてコラボレーションを結集させ、新たなイノベーションを起こすかグループを統括する立ち場になりうる人に目を通して欲しい一冊。

  • コラボレーションウェブのあり方。
    アイデアは積み重ねてイノベーションとなる。
    天才的な孤高のひらめきだけではない。

    組織作りや遊びのなかで集団の即興性がいかに大事かを知る身としては納得。
    JAZZにいきたいものである。

  • 創造的になるための本。手法、場の設定次第で創造性を発揮できることがかかれている本。1人でアイディアを出さなきゃいけないときは、これを参考にするのもありかなぁ。もっとアカデミックかと思っていたけれど、そんなことなかった。

  • ともすれば一人の奇才・天才による革新が神話のように浸透している。けれど著者はそのように思える歴史上の人物たちでも、決して一人ではなしえなかったことを様々な角度から検証している。また、日常の仕事を行う上でどのような発想を持てばよいのかという方針を示している。

    グループシンクを脱するための方策などはすぐ参考になるもの。ただ、創造性とは何か定義されていないことから明確に何かが伝わるというものではない。

  • No.636
    原題:グループ・ジーニアス
    グループ・ジーニアスをつくりだせるファシリテーターになれたら最高。
    グループ・フローを実現するためのステップが紹介されている。
    「アイデア・イノベーション」の参考書籍にもなっている本。

  • 天才のヒラメキがいかに嘘であるか、ということが実験で明らかになっていることを示している.テレビはある人が思いついたというのは大嘘であるということは役に立つ。
     卒論で実際に実験する価値はある。

  • Group Genius: The Creative Power of Collaboration ― http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=978-4-478-00409-8

  • 「孤高の天才なんていない」が内容的には正しいのではないでしょうか。
    人が集まると何かが生まれる。
    人々の関係は同質過ぎてもダメだしあまりにも違いすぎてはダメ。
    期間は長すぎてもダメだし、グループの人数が多すぎてもダメ。
    目的によってはうまくいかないものもある。(問題解決より問題発見)
    台本通りにとはいかないし、成果物を占有することもできない。(しないほうがよい)
    ブレーンストーミングで何でも解決できるわけではないけど(適切に運用すれば)有効な場合があるとのこと。参加メンバーの質や経験も必要。

  • 革新的なアイデアがどのようにして生まれたのか。
    それは閃きではなく特殊能力でもなく、小さなアイデアの相互作用による成果であるという理論。
    ハウツーや自己啓発ではないので、"すごいアイデア"の出し方は書いてない。心理学の実験や、歴史上の偉業と言われる発明を分析しているもの。

    文章が分かりづらく読むのに時間がかかった。章立てもロジカルでないので迷子になる。
    その点で、以前読んでお気に入りの『フロー体験 喜びの現象学』( http://www.amazon.co.jp/dp/4790706141 )に似てる。と思ったら、著者のキース・ソーヤーはミハイ・チクセントミハイのお弟子さんらしい。
    たくさんの歴史上の事例や知らなかった偉業が紹介されているのだけど、理論にたいする統計的な根拠が示されていないので、事例が特殊なんだと捉えることもできる。理論の裏付けが乏しいのが残念だった。

    それでも、個人的にはスーパーマンの活躍よりも、人々のコラボレーションの力を信じているので、その価値観では参考になる理論も多かった。

    凡才でも革新的なアイデアが出せるとなると飛びつきたくなるが、残念ながら、コラボレーションの結果として生まれたモノが何であるかに気づいて具現化するには特殊能力が必要なんだと思う。

    • Yamamoto Yuichiroさん
      記憶がぼやけてきたので再読。
      コラボレーションウェブというコンセプトは共感できるし現実社会でヒントになる。ただ、膨大な事例の紹介が繰り返され...
      記憶がぼやけてきたので再読。
      コラボレーションウェブというコンセプトは共感できるし現実社会でヒントになる。ただ、膨大な事例の紹介が繰り返されるが論点にあまり発展はなく、後半に向かって理論や考察というより主観が強くなって食傷気味。
      2019/10/29
  • キーワードは「グループ・ジーニアス」。一人の天才が生み出すイノベーションよりも、平凡な人たちがグループで生み出すイノベーションの方が率が高い、ということだ。本書ではマウンテンバイクを例に、コラボレーションが生み出した経緯を例に出している。
    グループがフロー状態に入った時に創造性が高まるとして4つの条件を提示している。すなわち「挑戦的な仕事」「明確な目標」「進捗状況の容易な確認」「仕事への没入」(一部意訳してます)
    フロー状態に入り、更に天才的な結果を出すためには多様性を重視すべきだとしている。異なる分野の活動で生じる相互の衝撃が引き金になるからだ。

    著者はブレーンストーミングの罠についても言及し、これを避けるために「メンバー数を絞る」「熟練の進行役」「多様性」「楽しさ」などを加えることで結果が出ると示唆。

    また外部の知識やひらめきを活用する「コラボレーションウェブ」を定義し、内外問わずのコラボレーションがいかに有用かを説いている。

    自分の企業が世界一のコラボレーション企業を標榜しているので、本書の内容は賛同できる。当社が成功企業として幾度も登場することもあるが、人と人をつなぐ「ヒューマンネットワーク」は重要だ。
    我々はそれぞれが抱える課題や知識や思いつきを持っている。それを一つに目標設定し、自由自在にコラボレーションが出来るとしたら。会社や地域の枠を超えて、不便のないコミュニケーションが出来るとしたら。
    本書にあるような条件を引き出すことによって、これまでにない新しい世界を描き出すことも可能だろう。
    本書から得ることは方法論だけでなく、あなた自身がそのコラボレーションの一翼を担うきっかけになるかもしれない。

  • ワールドカフェなどのファシリテーションをする人、リーダーにはぜひ読んでいただきたい本。組織観における軸は、民衆は賢いのか愚かで優秀なリーダーが指導監督しければいけなのか。民衆が愚かで、利己的なのだとしたら、そんな世の中に絶望するのも当然です。必ず道はあると信じたい。愚衆になる時もあれば、健全な判断もできる時もある。その条件をひもといたいい本です。

  • 僕の考え
     アイデアってひとりで生み出すものじゃない。
     色んなひとの意見を自分でよく噛んで形を変えてみる。
     試行錯誤をしながらまた見てもらう。
     
     即興的っていうワードは面白い。
     もちろんある程度の知識があるのが前提だけど、どう進むのかわからない中で
     相手に他の解釈ができる余地のある言葉を使うこと。
     そのアイデアに対して相手が、自分が思っていたのとは違った反応、返しをする。
     それが計画をひっくり返すキッカケとなり、イノベーションとなる。
     
     よくあるアイデアワード集(「赤」+「球体」みたいなもの)は
     組み合わせを自分で予想できないから時たま突拍子もない言葉が生まれてくる。
     これって即興だよね。またはもうひとりの自分との対話、みたいな。
     
     素晴らしいイノベーションを起こすにはどこかでアイデアをバウンドさせる為の
     ジャンプ台が必要で、それは自分が持っているかもしれないし
     仲間や本やまだ見ぬ誰かが持っているかもしれない。失敗、練習だって必要。
     「どうせこうなんだろ」の思い込みを捨てて
     オープンマインドで飛び込んでいった先に良いアイデアは待っている。

  • 齋藤先生『「意識の量」を増やせ!』で紹介されていた。

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