ドラッカー名著集13 マネジメント[上]―課題、責任、実践 (ドラッカー名著集 13)

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478004333

作品紹介・あらすじ

組織に働く者の使命、責任、仕事の全貌を明らかにした記念碑的大作。

感想・レビュー・書評

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  • エッセンシャルはずいぶん前に読了、今回は全三巻にトライしてみた。
    マネジメントの役割とは何か、からしっかり考えながらこの本を最初から丁寧に読んでいくことは、非常に意義深いと思えた。
    企業とは何か、企業の目的とは、自分達の事業は何か、顧客は誰か、それを踏まえた目標は?
    常に考えているつもりにはなっているが、ズレている、原点を忘れた自分に気づく。長い、やや冗長かもしれない本だが、本棚に置きいつでも参照できるようにしておきたい。
    中でも「仕事と働くことと働く人たち」の章が必読。ここをイメージだけでなく、必要な言語・用語とともに理解できたら「人こそ最大の資産」の境地に到達し、そして上巻の主題「マネジメントの役割」の悟りにつながっていくのではないだろうか。

  • 自分にはちょっと難解だった。特に後半部分。話が大きすぎて受け止めかねた。

  • 前書きで専制に対抗するものとしてマネジメントを位置づけるあたりからして気合が違う。1970年代前半という時代背景もあろうが。マネジメントの技術よりも、何をなすべきかを中心に置くとも。「組織の構造は戦略に従う」。

    全体的にきわめて明晰な書きぶりで、内容も説得力に富む。箴言の連発。
    ある意味、オーソドックスというか当たり前に感じるところも。それも、いかにドラッカーの言説に後の世代が影響を受けているかの現われかも。


    今後の課題として予想されている、イノベーションのマネジメントや、知識労働者のマネジメントは今もって課題だ。生産性の測定が大事と言っても、マクロ指標ではいまだ生産性は残余概念でしかない。さらにイノベーションに関しては、この本以後の目ぼしいイノベーションであるITでは、大きな部分がガレージから興ったことを考えると、イノベーションに関してはマネジメントの旗色は悪いか。

    顧客あっての企業。よってマーケティングが重要。販売とマーケティングは違う。販売を不要にするのがマーケ。プラス、イノベーションが第二の企業家的機能。

    事業の目的とミッションについての明確な定義→目標→実行
    「われわれの事業は何か」の問いは、しばしばマネジメント間での根本的なことでの考えの違いを明るみに出す。だからこそミッションの問いかけは大事。
    「われわれの事業は何になるか」は、別個の問いとしてある。イノベーションの領分。そのためには新規分野だけでなく、既存の事業の廃棄も必要。

    目標は複数あるべき。目標間のトレードオフを意識する。短期と長期など。

    戦略計画。予測でもなければ、未来の意思決定を計画することでもない。明日のために現在の意思決定を行うことである。

    企業内サービス部門(俺らか!)も公的サービス機関と同じく、顧客から得る利益ではなく、予算からコストを賄っている。これらの抱える最大の問題は効率性ではない。予算から支払を受けるために適切な方向づけがされないことに問題がある。おのれの事業を定義して成果志向にマネジメントしなければならない。
    →ドラッカーによる問題点の指摘はもっとも。しかし、解決策のほうは、成功している公的サービス機関の例を挙げたりするが、企業編での切れ味に比べるとどうにもボンヤリしている。

    公的サービス機関においては非生産的な仕事をやめることが、企業に比べてはるかに難しい。それだけ意識的にやらないといけない。

    公的サービス機関の種類&マネジメント手法
    1.自然独占・・・民間にやらせて規制の下に置くのがベター。電力などか。
     →ドラッカーは企業内研究所をこの自然独占にグルーピングしているが、2番目の類型の方が当てはまりそう。複数組織による競争が有効。アメリカの宇宙開発は意図してかどうかは知らぬが、この時代にはまだ複数競争の形になっていた気がする。

    2.予算から支払を受けて事業を行う公的サービス機関(学校、病院)・・・複数のサービス機関による競争が有効。
     消費財のマーケティングを事業と定義している会社の事例が興味深い。本社にマーケティング支援専門部隊がいるが、それを使うかどうかは事業部の裁量。外部リソースを使っても、自前で抱え込んでも良い。各部の業績と、内外のマーケティング専門化利用状況とには相関を見出せないそう。

    3.伝統的な政府活動(司法、国防)・・・独立した機関による監査


    仕事は客観的なものであって、物と同じアプローチで対処できる。しかし、働くのは人間であり、仕事の論理とはことなる労働の力学がある。

    アメとムチは機能しなくなった。働く人間に仕事への責任を持たせること。
    →日本企業褒め、しかし労働力の移動が困難なのは欠点だと。ラインでの流れ作業の困難を指摘し、セル生産を思わせる箇所も。


    社会的責任も主体的にやらないと痛い目にあうと。しかしできもしない責任を取ろうとするのはまずい。

    規制について、抜け駆けの防止として、企業にとってもありがたいものだと。

  •  本書はマネジメント書の中でもバイブル級に位置づけられるが、これまであえて積読状態にしていた。しかし、自分の中でようやく読むべき時がきたのを感じたので、手に取ってみた。まだ上巻を読んだだけだが、考えさせられる点が多々ある。以前にエッセンシャル版を読んでいたが、やはり原典の重みは違う。
     ドラッカーの他の著作を読んでいるので既視感の高い章も多かったが、この本ならではの記述として印象に残ったのは第18章「仕事を生産的なものにする-管理手段とツール」と第25章「社会に与えるインパクトの処理と社会への貢献」だ。第18章はITが発達して様々なツールがビジネスに利用される中で、管理・ツールとはどうあるべきかを改めて考えさせられた。おそらく多くの企業で現場の生産性を落としている管理やツールが横行していると思われるが、もう一度、ドラッカーの言葉に立ち返る価値がある。また、第25章はSDGsがブームとなりつつある現代で企業が本当に何をすべきか、何をすべきでないのかを考える視点を提供している。
     ドラッカーは日本についてもよく研究しているため、本書には日本の事例も多数紹介されている。その中には現代では失われてしまった旧き良きマネジメント慣行も多い。原著は1973年に出版されたものであるが、古臭いと思わずに温故知新ととらえて、組織のマネージャークラス以上の方には是非、読んでいただきたい。

  • 多くの人に読まれているだけあって、非常に示唆に富んだ本。抽象的な内容であるため、どうとでも解釈ができ、わかった気になる度合いは非常に高いので、注意が必要。
    特に印象に残ったのは、マネジメントの意義のうち、
    ・マネジメントは人を使って成果を上げさせるもの
    ・組織に社会貢献させるためにマネジメントがある
    という考え方。

    マネジメントを担う人間に対する示唆はもちろんのこと、現代の社会における組織の中でどう振る舞うか、という個人の問題としても捉えられる。

  • 長くてちんぷんかんぷんだったけどとりあえず理解できるところは読めた。

  • マネジメント上

  • この本は何度も読み返して頭の中に叩き込むしかないだろうと思う。圧巻。時々、こんな事まで予見、あるいは事実として捕らえているのか・・・と感心して、感心の涙を流すこともあるくらい素晴らしい。

  • 1127読了。

  • エッセンシャル版を読んでいたのでわかりやすい。

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