- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478005675
感想・レビュー・書評
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購入者:鶴岡
コメント:日立ハイテクの教育センタ長から薦められた。
「コーチング」という言葉はでてこないが、
我々がやりたいことが「教育学」の観点で書かれている。
「一斉授業」の伝統と弊害などについての言及もあり、
メタファー集めにもいいです。
著者の中原氏は東大の教育学の研究者で、
”ラーニングバー”という企業の人材開発担当者
及び教育ベンダー向けの交流会を開催している。
今度ラーニングバーに参加してきます。
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企業人が、大人が「学ぶ」とはどういうことか。「情報が正確に伝わる」だけではなく、「意味づけ、関係性が理解され、腹に落ち、行動が変容する」ところまでを「学ぶ」と考えるとき、そういった場所を作るには・・・といったお話。目新しい話題は少ないが、分かりやすく、理論的にも整理されていてよい。
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企業や組織の中のコミュニケーションの問題を取り上げ、議論や会話などとは異なる社会構成主義に立脚した「対話(ダイアローグ)」によるアプローチが学びにつながるというもの。ビジネスの文脈で語られてはいるが、もちろん、教育現場にも十分に落とし込めるなぁと考えながら読みました。「教員組織の学び」として捉えるのもよし、「学習者の学び」として捉えるのもよいだろうなぁと。
英語教育の文脈でよくある「達人の技を伝授的ワークショップ」などで起こっているコミュニケーションはどうなっているか、一方通行になっていないか、対話になっているか、と考えてみることは面白いのではないだろうか。別にワークショップを批判しているのではなく、「情報を有形のものとして伝達する」ことになじんでしまった教育現場で、同様の形で情報を得ようとワークショップに集まる、というループに陥ってしまってはいないか、と警戒しておきたいところ、とでも言えるかな。そんなことを考えさせてくれた一冊。