顧客はサービスを買っている 顧客満足向上の鍵を握る事前期待のマネジメント

  • ダイヤモンド社 (2009年1月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784478006672

みんなの感想まとめ

顧客満足度を向上させるためには、サービスマネジメントの重要性が不可欠であるというテーマが本書の核心です。製造業であっても、ハードウェアの差異が少なくなっている現代において、顧客の期待を理解し、それに応...

感想・レビュー・書評

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  • サービスの分解の仕方が載っている。それがとても興味深い。
    経済産業省のホームページから現存するサービス業は450種ほど。それをおおまかに、「モノ提供サービス」「情報提供サービス」「快適提供サービス」の3つに、その中で細かくさらに21個の基本メニューでサービス業を分類できたとの事。
    また、提供するサービスの型を対立項として考えると、サービスの考察が深まる項は以下の10に絞られた。
    ①「手順型サービス」と「気づき型サービス」
    ②「ロースキル型サービス」と「ハイスキル型サービス」
    ③「個人型サービス」と「組織型サービス」
    ④「お客様受け身型サービス」と「お客様参加型サービス」
    ⑤「当たり前サービス」と「期待度大サービス」
    ⑥「リピートサービス」と「その都度サービス」
    ⑦「パブリックサービス」と「会員制サービス」
    ⑧「自分でできるサービス」と「自分でできないサービス」
    ⑨「実務サービス」と「感動サービス」
    ⑩「実務サービス」と「自己実現サービス」
    である。
    自分の業種のサービスがどれに当たるかを考え、対立項のサービスと比較して、何を求められるか、、と思考が深まる。

    さて、サービスの分解であるが、まずプロセスで分解するのが基本である。レストランであれば、
    ①お客様のお迎えと席への案内。
    ②メニューを渡し、注文を受ける。
    ③飲み物や料理を提供する。
    ④料金を頂き、お見送りする。
    となる。そして、それぞれに品質の評価軸6つ(正確性・迅速性・柔軟性・共感性・安心感・好印象)の内、どれが重視されるかを考えていく。
    小売店の顧客満足評価で最も不満を顧客に与えるのは、「店員が無愛想」だそうである。なので、上記レストランのサービスフローであれば、
    ①迅速性・共感性・好印象
    ②正確性・共感性・好印象
    ③共感性・好印象
    ④正確性・共感性・好印象
    が高級レストランでは重要となる。
    逆に定食店などでは、正確性と迅速性が必要となろう。
    サービスは形が無いため、デモンストレーション、他の製品との比較、が難しく、提供する側も提供される側も、満足度や期待がすぐに変わってしまうのである。特に顧客は形の無いサービスをどのように評価したら良いか、明確な指針を持つのが難しい。なので、事前期待をマネジメントして、とても素晴らしいサービスであると思わせる事が必要なのだ。

    他にも、
    ・製造業は秒単位でラインを管理しているのに、サービス業は良くて「時間」、ものによっては「日」単位である。つまり、1日以内のロスは問題にされない。
    ・米国で病院のクレーム解決の満足度を計ったところ、当日内なら90%、翌日内なら80%以上だったが、2日目以降だと30%程度に下がり、日数が経過してもあまり満足度が変わらない事が分かった。なので、例えば修理に7日かかるものを6日に短縮してもあまり満足度は変わらないのである。

    思った通り、まとめたら長くなりました。著者がオムロンで実際に行ったサービス改革の事例も多々載せられており、革新的で素晴らしかった。

  • 「いまや、すべての企業はサービス業である!」をキーワードに、サービスマネジメントの神髄を語る。

    たとえ製造業であってもハードウェアに差異が見受けられなくなってきた現在、顧客に支持されるにはアフターサービスなどの「サービス」で顧客満足度を向上させることが肝要である。

    そのようなサービスをマネジメントするための秘訣を多数記述しているのが本書である。

    ====================================

    メモ:

    ■サービスによる顧客満足度を向上させるには、顧客の期待を知ることからはじまる

     “日本の企業文化は、つくづく製造業文化であることを強く感じさせられる。(…中略…)いい商品(サービス)を作れば売れると考えている企業が多く、いい商品(サービス)作りが何よりも優先されている。
     しかし、サービスはハードウェア製品と比較すると、お客様の期待される内容がさまざまなため、いいサービスだと思ったことが余計なお世話になってしまうことも少なくない。サービスは何といっても、お客様が何を期待されているかを理解することから始まる。” (北城恪太郎[監修], 諏訪良武(2009)「顧客はサービスを買っている 顧客満足向上の鍵を握る事前期待のマネジメント」(ダイヤモンド社) P.6)


    ■サービスによる顧客満足度を向上させるには、従業員満足度が必要

     “サービス業が成功するためには、何といってもお客様に満足していただくことが必要である。そのためには、その前提となる従業員満足(ES)を高めなければならない。” (同前掲書 P.4)


    ■サービスをプロセスに分解すると、サービスの改善点が見えてくる

     “サービスの評価は、この成果だけでは決まらない。このサービスの提供を受ける際のプロセスがどうだったかが大きな評価要素になる” (同前掲書 P.54)

    ■サービス品質
     “サービス品質は、(…中略…)「正確性」「迅速性」「柔軟性」「共感性」「安心性」「好印象」の6つの評価軸で管理していくべきである”(同前掲書 P.56)

  • すべての企業はなんらかのサービスを提供している。そのサービス全体を見える化するための手法が紹介されている

  • 2020年代のサービスから見ると事例等は古く感じるが、サービスという捉えどころの難しい業態について非常に論理的に整理されており参考になった。

  • サービスを科学する、という試み。分類、分解し、整理して仮説をたてる。これらが可視化されることで共有できるし、改善していくこともできる。科学として完成された結果を共有している本というより、こんな視点をもち、分析していくことの価値を共有しているため、自分の業務に応用しやすい。

  • 自分の業務は改めてサービスだなと感じた。そして重要なのは、お客様の事前期待の把握。自分で当てはまったのは、スピード対応をしまくって期待値をあげにあげすぎていき、何かあったら時に期待値が下がる。水準に戻すという意識と、自分で無理なら営業にお願いして連携しながら、常に調整し続ける必要があるなと感じた。また引き継ぎも同様なことが言える。

    あとは、プロマネの仕事を分解してサービスメニューにするのはよいなと思った。管理費一式ではなく、要素を分けて見せる。代理店の領域ではあることだと感じた。メニューにすることで、ある程度サービス定義がされるため、お客様との認識のズレが起きにくく、またお金も追加でもらいやすい。

    最後に顧客満足向上には、失点をなくすか、得点をふやすか、また、人による満足度を上げるか、仕組みによる満足度をの視点は良かった。属人化する傾向にあるため、やはり仕組みに落としていきたい。またプロジェクト概要、業務フロー、単価表や管理表の統一や更新は絶えず続けようと思った。

  • サービス業をしている人は、一度読むべき本
    以下は学びのポイントになる部分を箇条書きで

    ・サービスを因数分解する p53
    コアサービス、付帯サービス、臨機応変サービス
    ・サービスの評価は、成果とプロセスで決まる p55
    ・サービス品質を分解 p57
    ・サービスには、形がない p83
    ・生産と消費が同時 p83
    ・サービスは在庫も出荷検査もできない p85
    ・サービスは製品より個別化要求が強い p87
    ・サービスはお客様と共同生産 p90
    ・成功しているサービス業の4プロセス p94
    ・顧客はサービス提供者のプロセスが見えると安心 p97
    ・サービスか余計なお世話かは事前期待次第 p102

  • 顧客はサービスを買っている。

    ともすると、直感、感性、伝承、個人技、気合、根性と言われるサービスも、分類し、分解し、モデル化できることをと説く。また、顧客満足の前に、従業員満足が必須であることも説く。

    製品と異なり、サービスは見えないと言われるが、同様に、顧客の事前期待も見えない。製品を提供するのにマーケティング調査が必要であるように、サービスについても、顧客の事前期待の把握が必要であろう。

    サービスは見えないという点に関して、見える化の事例として、著者の勤務先であるオムロンフィールドエンジニアリングのコールセンター・保守サービスを例に挙げており、分かりやすい。保守員の進捗状況は、見える化し、顧客と会社側で共有できている。同社では、顧客にコールセンターを見学してもらうことにより、受注につなげており、オムロン外からの受注増加で売上を伸ばしている。

    <hr>
    目次
    第一章 いまや、企業はすべてサービス業である
    第二章 分類すると、サービスの特性が見えてくる
    第三章 分解すると、サービスの要素が見えてくる。
    第四章 モデル化すると、サービスの骨格が見える。
    第五章 サービスの論理をマスターすれば勝てる。
    第六章 サービスと顧客満足の鍵を握る「事前期待」
    第七章 誰も気づかなかった事前期待のマネジメント
    第八章 いかにサービスバリューを高めるか
    第九章 サービスサイエンスでイノベーション

    <hr>
    大雑把な分類(2章より)
    ・モノ提供サービス
    ・情報提供サービス
    ・快適提供サービス(安心、楽、自己実現)

    特性による分類(2章より)
    ・手順型 vs. 気付き型
    ・ロースキル型 vs. ハイスキル型
    ・個人型 vs. 組織型
    ・お客様受身型 vs. お客様参加型
    ・当たり前サービス vs. 期待度大サービス
    ・リピート vs. その都度
    ・パブリック vs. 会員制
    ・自分でできること vs. 自分でできないこと
    ・実務 vs. 感動
    ・実務 vs. 自己実現

    サービス品質(3章より)
    正確性、迅速性、柔軟性、共感性、安心感、好印象
    成果品質<============>プロセス品質

    事前期待の持ち方(6章)
    ・共通的な事前期待
    ・個別的な事前期待
    ・上京で変化する事前期待
    ・潜在的な事前期待

  • とある大先輩からの課題図書.経営者としての実績に基づくサービスサイエンスの解説本でした.サービスを広く捉えているので,経営一般が対象となっています.
    経営者の書いた本といえば,精神論が先立つイマイチな内容を想像していましたが,本書はすでにコンサル業を立ち上げている著者なので,比較的科学的な切り口での論理的な解説になっていて好感が持てました.何よりも,経営層がどのように考えているのか?考えるべきなのか?が理系人間にも分かるように説明されているのが印象深かったです.
    論理の組み立て始めの根拠が「実感」を元にするところはどうしてもあるのですが,そもそも人を対象としている「サービス」においては,合理的なアプローチなのかもしれないなぁ,と思いなおしました.

  • 事前期待のマネージメント方法がもうちょっと詳しく欲しかった

  • 自分の仕事に当てはめて考えてみようと思う。
    事前期待をマネジメントするというのは必要なことなのだろう。

  • サービスは分析できる。

  • ServiceCのセッション資料で紹介されていた

  • 顧客はサービスを買っている

    弁護士業はそのつど、期待値大のサービス。信頼感、安心感、妥当ならば高価でもよい。
    どんなにスキルが高くても、その作業者の態度が悪いと低い評価しか得られない。したがってテクニカルスキルを磨くのと同様に、ヒューマンスキルのトレーニングが大切である。
    例えば、飲食店などのプロセスをモデル化すると、どのサブプロセスで何をしなければならないかが明確になる。
    サービスの材料はお客様の課題。サービス業こそ教育とトレーニングが命。
    マーケットリサーチ、カスタマーリサーチを徹底的に行い、お客様が何を期待しているかを徹底的に調べる。これがサービス業の原点である。次に、サービスシナリオを作成。サービス業はヒューマン要素が大切。
    サービスのスタートは好印象を与えること。身だしなみ以上に、挨拶と笑顔が大切。ここを間違えるとどんなに良いアウトプットをしても、お客様に喜んでもらうことは難しい。


    クライアントの事前期待に対して適切に応えることができなければ、こちらがいくら素晴らしいと思っているサービスを提供しても意味がないという点が、当たり前のことではあるが、できてないな…と思った。ニーズに応えることが好印象に次いで大切なのだなと。

  • ○製造業で製品設計情報を作成していないという会社はないが、サービス業の多くは実はサービス設計の専門知識を持っていない。(71p)

    ○トップ企業がこのようなサービスを提供し始めると、ユーザーはこのレベルのサービスを当たり前のように期待することになる。そうすると2番目以下の企業はお客様の事前期待に応えることができないため、顧客満足を下げることになってしまう。(137p)

    ○「仕組みによる顧客満足の向上」という努力の仕方がある(142p)

    ★著者はオムロンフィールドエンジニアリング責任者。非常に実践的である。

  • サービスをサイエンスとして捉え、サービスの特性の抽象化・構造化を「試みた」1冊。
    従って必ずしも一定の解があるわけではなく、自分たちで自分なりの解を見出して行くために、著者の試行錯誤を知り・学び・参考にする上で貴重かつ有用な1冊だと思います。
    個人的にはかなり参考になった半面、一部同意しかねる箇所もあったため-1の評価にしておりますが、特に自社の「サービス」の付加価値をどのように高めていくかに問題意識を持っている方には読んで損のない本だと思います。

  • トレーニングにも行かせて頂きました。以降は本からの引用です。トレーニング参加前の。//CS、その前提となるES。製造業はプロダクトアウト。サービスはお客様は何を期待されているか理解するところから始まる。分類。モノ提供。情報提供。快適提供(安心。保守サービス)。大半はこれらの複合。手順型と気づき型。ロースキル型とハイスキル型。個人型、組織型。お客様受身型、お客様参加型。当たり前、期待度大。リピート、都度。パブリック、会員制。自分でできる、できない。実務、感動。各種修理サービス、自分ではできない…ブランドや評判…実務なので価格は妥当。手順、個人、点検サービス、正しい手順に沿っていればよい、マニュアルやチェックリスト。お客様受身型…正確性と迅速性。標準サービスがしっかりした上でワントゥーワンサービス。ホスピタリティ、感動。ビジネスを分解、モノ、サービス、ブランド。サービス提供プロセスの分解、進捗状況の公開。サービスの見える化。コア、付帯、臨機応変サービス。付帯サービスで創造的な工夫。サービスの評価、成果とプロセス。サービス品質、正確性、迅速性、柔軟性、共感性、安心感、好印象。お客様の事前期待の把握。時間の管理単位の詳細化。サービスのプロセスのモデル化。サービスの材料はお客様の課題。サービス業は教育が命。顧客満足、スキル、マインド、仕組み。感動、顧客認知力、要望の事前予知力、運営力。お客様を中心…戦略、提供プロセス/システム、提供者。利益はカスタマーロイヤリティが生み出す。見えない、生産と消費が同時、個別化要求、お客様と共同生産。

  • サービスを業種ごとに分類して、構造化している図がとても参考になった。高級ホテルと街の定食屋では、そもそもの期待価値が違う。だからサービスも違う。期待価値と実際のサービスを見誤ることが失敗の原因。

  • サービス、というもののとらえ方、分解方法を論じた本。
    サービスの分類や、評価の種類は勿論のこと、事前期待について体系化しようとしている本は珍しい気がする。(2009年出版)

  • サービス分野での著者の経験をもとに、サービスというものを科学的に一般化しようとしている。いろいろ参考になる点もあるが、学問的な完成度は低く、著者の経験からくるひとつの意見程度にしかなっていない。この内容が、どこまで一般に拡張できるかは、かなり疑問。

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著者プロフィール

ワクコンサルティング取締役エグゼクティブコンサルタント
諏訪 良武 Yoshitake Suwa

1971年 オムロン入社。1985年通産省の∑プロジェクトに参加。1995年情報化推進センター長。
1997年よりオムロンフィールドエンジニアリングの常務取締役として、企業変革を実践。
現在、ワクコンサルティング取締役エグゼクティブコンサルタント。
サービスや顧客満足を科学的に分析(見える化)するなど、サービスサイエンスを探求している



「2016年 『サービスの価値を高めて豊かになる 豊かさを実現する6つの価値』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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