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本 ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784478007716
感想・レビュー・書評
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昨年(2010)の夏は暑くて大変だったのを覚えていますが、今年の夏は熱中症の話題が一部あったものの、暑いとは感じないうちに秋に突入しています。クライメート事件が明るみになってから、温暖化を否定的に考える本も多く出される中で図書館でこの本を見つけました。
出版されたのが2008年12月なので、この続編を読みたいものです(先程、2009年に最新版を出していることを確認し取り寄せ予定です)。
地球温暖化の原因も興味ありますが、一部では寒冷化に向かっているという議論もあるなかで、お互いの主張の根拠について、今後とも自分なりに理解していこうと思いました。
以下は気になったポイントです。
・米国海軍大学のある博士は、最も単純な予測として2013年夏に北極海氷は消滅すると発表した(p22)
・太陽黒点や宇宙線変化で説明しようとしても、少なくとも過去20年間は逆相関であり、定性的にも説明困難、成層圏寒冷化と対流圏温暖化が同時に生じている(p25)
・2007年9月の発表では、北極海氷面積は1979-2000までの平均値比較で40%減少した(p36)
・北極海氷の厚さが数メートルに比べて、南極氷床は2000メートルある(p43)
・ロンドン東京間はパナマ運河経由なら1万5000マイルだが、北西航路(地球温暖化により可能)を利用すると8500マイル、スエズ運河経由は1万3000マイルに対して、北東航路なら8000マイル(p64)
・ほんのわずかな温室効果ガスの濃度上昇や地球表面温度の上昇で、地球気候のサブシステムが急激に変化する、夏の北極海氷の消滅はその典型例(p73)
・グリーンランド氷床は厚さ1515メートル(全部溶けると7メートル上昇)で地球上の淡水の10%、グリーンランドと呼ばれているのは、982年に発見されたときには沿岸部が緑に覆われていたから(p87)
・人間活動が温暖化に影響しているポイントとして、1)海洋よりも陸域の温暖化が大、海洋では表層の温度上昇が大きい、2)対流圏が温暖化する一方で、成層圏は寒冷化している、太陽活動の変化であれば両方の温度が上昇する(p114)
・温暖化による表面温度は、CO2以外の温室効果ガスの温暖化と、エアロゾルの冷却効果が打ち消し合っているのでCO2のみで議論できる(p120)
・2℃上昇すると、大規模な極氷床の分離、15-40%の動植物の絶滅、危険な海洋酸性化、相当量のツンドラ消滅等が起きる(p125)
2011年11月6日作成詳細をみるコメント0件をすべて表示
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