直球勝負の会社―日本初! ベンチャー生保の起業物語

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478008874

感想・レビュー・書評

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  • 還暦まで業界トップ企業で勤めた人がゼロから同業でベンチャーを立ち上げようとする精神。保険の専門的な話はよく理解できなかったがスピリットと人との出会いが凄いのは理解。

  • 【愛情溢れる還暦ベンチャー起業】
    多くの人が出てくる。ライフネット生命の起業ストーリーであり、お世話になった人への感謝と愛情が伝わってくる。

    出口さんが他の本でよく言われる「数字・ロジック・ファクト」「タテ・ヨコ思考」を武器に、ライフネット生命を設立する際に掲げた3つのビジョンの実現を果たそうとしたことが垣間見える。

    3つのビジョンは、
    「保険料を半額にしたい」「保険金の不払いをゼロにしたい」「比較情報を発展させたい」
    であった。

    作中において、1つ目のビジョンに関しては、ターゲットを30代に絞り、シンプルな商品とすることで半額を実現している。

    最後に、最も自分が活かせると思った組織を率いるリーダの資質についてまとめてから終わる。

    組織を率いるリーダーに必要な資質は3つ。
    ①明快なビジョンを持っていなければ駄目だ。
    やりたいことがなく偉くなりたいだけの人間がトップになれば、その組織は不幸だと言う以外にない。
    ②そのビジョンを仲間にロジカルに説明して納得させる能力が必要だ。
    ③そのビジョンの達成に向けて組織のやる気を起こし、引っ張っていく能力が必要だ。

    出口さんが主体性を持ち、楽しく仕事をしたからこそ、日本や世界に大きな貢献をした。まさに組織を率いる強いリーダーだ。

  • ライフネット生命誕生の歴史。

  • 日本初のベンチャー生命保険会社を還暦で立ち上げるという姿勢に、若者が負けていてはいけない!とやる気に火をつけることができる本。
    また、日頃従事する製造業とは離れた分野の話だけれど、事業や仕事を進めていく上で大切にしなければならないことは共通していると再認識できた。(お客さま視点って「言うは易し、行うは難し」だなって思う)。
    蛇足だけれど、読んでいてネガティブな思考が全然出てこないのは著者の人間性の現れだと思う。非常に人間として尊敬できる方。

  • 保険の勉強をしているときに見つけたので、どんな思いでライフネット生命が誕生したのか興味が出てきたので読んでみました。

    読んでみて文章から感じた印象ですが、著者の出口さんは還暦での起業でありながら、子どものように素直で変な欲のない純粋さを持っているような気がして好感を持ちました。

    戦後初の独立系生命保険として立ち上がったライフネット生命の立ち上げのころの話が書かれているのですが、
    開業にこぎつけるまで、ひとつひとつハードルをクリアしていく過程を読んでいるうちにこっちまで少しわくわくしてしまったり、
    岩瀬さんが出口さんのお誕生日に綴ったブログにちょっとじーんとしてしまったりしました。

    いろいろと困難も出てくるでしょうが、生命保険の新しい形としてこういったベンチャーが立ち上がったことを嬉しく思いました。

  • 150124読了。最初はドキドキしながら、楽しんで読めた。会社設立の経緯、設立準備のあたりは興味深かかった。
    後半は、著者自身の経歴の話で、起業とは関係なかったが、人との出会い、人脈、人とのつながりの作り方?は非常にためになった。

  • 遅ればせながら、出口氏の本書を読みました。出口さんは、人との出会い、つながりを大事にされてきたのだと思う。これから先のご活躍を期待しています。

  • 出口治郎 著

    ライフネット生命 初代社長 出口氏の起業ストーリー。
    100億円超の資金を集めての起業は特異。
    還暦ベンチャー!
    また、谷家氏、松本氏、岩瀬氏との出会いなど、
    とても運命的な感じを受ける。

  • 出口治明著「直球勝負の会社」ダイヤモンド社(2009)
    *人智を超えた大きな時代の力が常に働いている。人間は1人では生きて行く事はできない。すべての人間は他者や時代との関係性の中で生かされている。そであれば、川の流れに身を委ねて自然体で生きて行きたい。
    *長所と短所はまったく同じもの(その人の個性)であり、長所をのばして短所を直すという考え方はそもそもあり得ないと思っています。無邪気にそう思っている人はトレードオフの関係を理解できていません。長所をのばして短所を直そうとすれば三角形や四角形の中に収まる小さな円(破棄を失い、ひたすら円満を心がける面積の小さな人間)になってしまう。
    *プレゼンではベンチャーが成功する5つの要因を最初に説明(1)市場規模が大きい事。毎年40兆円以上の市場であり、これは税収に匹敵する。自動車産業は7〜8兆円。(2)商品、サービスに対数消費者の不満が大きい。これは保険金の不払い問題。(3)たこをあげる風が吹き始めている。つまり生命保険はこのままではいけない。もっと改革が必要だと言う流れが起きている。(4)インターネット販売による分かりやすくて安くて便利な商品サービスお提供という明確なソリューションをもっている(5)参入障壁が高い、すなわち免許事業であり、費用も莫大。
    *ライフネットのビジネスパートナー選定ルールは。原則三者以上の競争入札制度を採用しており、株主の紹介の有無については特段の考慮はしていない。徹底的な効率経営を進めて早く上場を果たす事が株主に対するライフネット生命の基本的な責務であって、株主の関係会社に便宜をはかる事ではないと考えている。株主にもこうしたアームズレングスルール(すべての応札社を公平に取り扱うルール)を適用することについては了解を得ている。
    *統計データと見たときにラオイフネット生命の最初の主戦場を20、30、40台の子育て世代を対象にきめた。(参考:世帯主の年齢階級別に見た一世帯当たりの平均所得)
    *比較して納得して加入して欲しいという考え方にたって、保険料の比較ボタンをもうける。
    *一般に生命保険会社が破綻する原因は3つです。(1)資産運用の失敗、(2)高い予定利益の設定による逆ザヤの発生、過去の日本の生命保険はほとんどこのパターンだった(3)乱脈経営。
    *純保険料はほぼ同一となります。したがって保険料の高低は、手数料によってきまります。ライフネットが生命保険料を半額にするためには、この手数料を引き下げる工夫をしなければなりません。生命保険料の手数料は一般に販売経費が6割、契約の維持管理経費が4割と言われています。この両方を引き下げて一番料金の安い保険料を実現したいと考えていた。
    *ライフネットは100年続く企業にしようと決意。そしてその最初のステプは開業後5年以内の上場、そのつぎは10年以内にアジアに進出して東アジアで評価が一番高い生命保険会社を目指す。
    *可能な限り、仕事本来の目的だけを考えようと努める事は重要だと考えている。
    *上司を自分の仕事で説得できないのであれば自分は無能だと思いなさい。なぜなら、上司の法が職務範囲が広く細部まで眼が行き届かないからである。またお茶汲みのおばさんにかわいがられなければ決して偉くなろうとは思っては行けない。なぜなら失う物がないかの上たちは諸君の人間性を一番みているのだから。
    *「悔いなし、遺産なし」が信条。
    *ほとんどすべての生命保険会社が、いわば金太郎アメの構造。同質的な競争がいくら激しくてもそこからは進化が得られないと考えている。異質の競争、すなわち多様な八ヶ岳型こそ進化の原動力になる。
    *心がけた事の一つにスピードの重視。
    *社内の会議は30分か1時間に決めて、最初に会議の目的を相互確認することが重要。今日は何を決めるから。人件費を考えれば会議ほど高くつくものはありません。

  • この社長好きなんですよね。勢いと知性と、バイタリティ。本を読み終わって、「記憶の中の話」って書いてあったのがすごく印象的。

    時間にも手帳にもとらわれないというポリシーだからなのか、素晴らしい記憶力。

    起業をする時の手順、考え方、すごくシンプルに何が大事か、シンプルなビジョン、実行力。

    岩瀬さんとの住み分けもうまくできてるんだろうなー。

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著者プロフィール

出口 治明(でぐち・はるあき):立命館アジア太平洋大学(APU)学長。ライフネット生命創業者。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒。日本生命入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画(株)を設立し、代表取締役社長に就任。2008年4月、生命保険業免許取得に伴いライフネット生命株式会社に変更。2012年上場。2018年より現職。著書に『全世界史(上・下)』(新潮文庫)、『0から学ぶ「日本史」講義』シリーズ(文春文庫)、『歴史を活かす力』『日本の伸びしろ』(文春新書)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)、『一気読み世界史』(日経BP)、『ぼくは古典を読み続ける』(光文社)等多数。

「2023年 『人類5000年史Ⅴ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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