- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478010082
作品紹介・あらすじ
「手段の時代」から「目的の時代」へ。手段にとらわれすぎると、本質を見失う。リーマン・ショックの経験を経て、世界じゅうの先覚者たちが、目的の重要性を唱え始めた。本書は、まず「利益」ではなく、「よい目的」を考えるビジネスを実践するために書かれた。
感想・レビュー・書評
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<目次>
第1章 利益や売上げは「ビジネスの目的」ではありません
第2章 イノベーションは「よい目的」から生まれてくる
第3章 コラボレーション、コラボレーション、コラボレーション
第4章 「コトづくり」をデザインする
第5章 さまざまな人材をつなげる組織
第6章 「アポロ計画」に目的工学を学ぶ
第7章 目的第一のマネジメント
第8章 目的工学はこうして実践する 総括編
2018.08.26 読了
2018.08.27 社内読書部にて紹介する詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
■コラボ・ネットワーキング
対話ができるようなコミュニケーション術とネットワーキングの拡大
■経営・プロマネ
大目的:共通善をつかむこと
駆動目標:デマンド目線で、駆動目標をたてること
小目的:各個人の小目的を設定すること
・大目的を夢物語で終わらせない為には、ネットワークハブや基軸になれるリーダーが必要
・目的工学的には、情報は極力オープンのほうがよい
・チェックリスト重要
・そのためのコミュニケーションをしっかりメンバーととること(コーチング技術)
・みんな目的はバラバラ。一つにはならない。信頼関係が大切。まとめるためのオーケストレーションのスキルと能力が必要
・まかせる
・メンバーの思いをなおざりにすると、やらされ感がでてくる。
・課題の前では全員平等
・チームを構築する際、目的に対し、知識や能力が合致しているか。
・PR効果:外注ではなくマネージャー・リーダー自身が考える。
・経営層は、プロジェクトが継続的に生まれていくプラットフォームとして組織をデザイン
・バウンダリープロジェクト
・知識は無限でリソースに境界はない。
■その他
・コンシャスキャピタリズム、企業イメージ向上等の打算的な動機ではなく、社会や人間の立場から質の高いマネジメントを生み出す
・セオリーオブチェンジ
・循環がある中で要素還元的なやり方をすると、全体と部分の関係性が失われ、分業の罠にはまる。
・イノベーションにとって、「否定、ノスタルジー、傲慢さ」が死に至る罪。 -
タイトルを読んでドキッとしました。
正にその通りです。
売上を伸ばそうとして一番手っ取い手法である値下げを行う。
利益を出そうとして人件費や経費削減に走る。
これらは結局のところ極短期の結果しか残せません。
直近の成果を残すことばかり考えると、長期的に会社にとっては致命的な結果につながります。
価格を下げたことで利益が減る。質が落ちる。
人を減らしたことで質が下がり、客が逃げる。
優秀な経営者はこれらのことをわかっていますが、
世には経費削減の仕事こそ経営だと思っている経営者が山ほどいますね。
彼らはマイクロマネジメントこそマネジメントだと勘違いしています。
しかし彼らはあながち間違っていなかったのです。
少し前の世代は「利潤の最大化こそ企業の目的である」とし、「いかに競争優位を実現し、売り上げや利益、市場シェアを最大化しうるか」とされていました。
これらの言葉はマイケル・ポーターなどの有名なマネジメントグールーによって体系化されました。
そして管理経営こそ会社を繁栄に導くものとされていました。
現在はガラリと変わって、利潤の最大化という目的ではなく個人の目的を社会の目的を結びつけた考えが主流になりつつあります。
ドラッカーだけは早くから「社会的な目的を実現し、社会、コミュニティ、個人のニーズを満たすこと」が企業の目的だと喝破していました。根源的に哲学者であるドラッカーの面目躍如ですね。
本著では己の目的とは何かを熟考し、具体化することが共同体や社会に貢献するとします。
社会的な目的に目覚めることが幸福な人生につながる。
個人も会社も社会的な目的を掲げ、それを具体化することことで社会の発展に寄与する。
社会的活動をする会社は世間から支持され発展する、としています。
そのためには社会性のある目的を掲げることが大切とし、多くの成功した具体例を挙げて詳述しています。
なるほどと唸ることが多く、久しぶりに読み応えのある本に出会いました。
会社の社是社訓といえば空理空論を掲げただけの空虚なものが多いですね。
明確に目的やミッションを掲げていれば、組織員は自己実現を結び付けやすいです。
利益追求、売上追及ばかり言っている経営者には誰も付いていきません。
個人も会社も自己実現のためには明確な目的を持つことは大切ですね。 -
資料ID:21302395
請求記号:336.1||K -
手段の時代から目的の時代に。企業やビジネスの目的を問うことは古くて新しい課題であり、21世紀におけるビジネスパーソンの必修課題として書かれた一冊。メモ。目的の追求。イモムシの眼。現場の観察、対話から革新的なコトが生まれる(2)イノベーションにとって否定、ノスタルジー、傲慢さがこそが死に至る罪だ。
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ビジネスモデル検討に参考になれば、って読んだけど、今自分がいる会社・組織にいろいろと当てはまること(特にネガティブな面で)がたくさんあって、凹んだ(^^ゞ
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多摩大学大学院教授の方の本。目的志向、社会の役に立つよい目的、コラボレーション・協業・共同、モノではなくコト、目的志向の組織・マネジメント。実践・仮説統合分析。
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よくまとまっていると思います。
投資家たちのプレッシャーで数字の成長至上主義になってきた企業...。それらによる弊害、もたらされた悪い結果。
生きる、働く...ってなんなのか、原点に返ってみようということ。
でも、一度歪んでしまった社会から始まるのだから、ただ原点に返るだけでは駄目で。古くて新しい考え方なんですね。
ただし、タイトルが良くないと思います。あたかも「失敗してしまうのか?」について書いてあるようなタイトルですが、企業のあるべき姿について、今までの失敗を振り返りながら考えてみようっていうことなのではないでしょうか。