クスリに頼らなくても「うつ」は治る

著者 :
  • ダイヤモンド社
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レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478011706

感想・レビュー・書評

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  • タイトルがちょっと誤解を招く書き方。
    うつから生まれ変わる、とかの方がいいんでないかしら。
    うつは、本性から離れた生き方をしてるから表れる。
    離れててもそれに我慢し続けてしまった結果、魂が悲鳴をあげるのだ。
    うつや身体症状は、どちらも魂からのメッセージ。まず聞かなければ。

    真面目で、誉められるのが当たり前で、努力家な私は偉かった。でもそれは自分のためじゃなかったのかも?
    偉かった私は、無理してたところが偉かったけど、無理してたから疲れてしまうんだ。
    無理しない、魂の延長線上にあるなにかを選びとらない?
    それを探すには、蓋をしてあった自分のごちゃ混ぜの感情に手を突っ込まなくてはならない。
    なにがでるかはわからないけど、犬だってなんだって、暗い部屋に鎖で繋がれてたのを解放されたら暴れまわるさ。
    暴れさせて、慈しみ、大事にしてやれば安心するんじゃないかな。
    あるべき自分なんかいない。それになる必要はない。
    魂がなりたい自分になろうよ。
    辛いことを努力し続ける人生と、やりたいことに熱中する人生、どっちがいい?しかも大概端から見たらどっちがどっちかわからないんだよ?

    緊張してるのにそれに気がつかない人は、緊張しなくなったら人間でなくなりそうな不安を抱えるけど、大丈夫みたいよ?

    いま何に嫌悪感があるのかを見つけ出そうよ。好きなこと探しと同じくらい必要だよ。
    有意義な時間を過ごすべきってのは誰かが勝手に決めた勝手なルールだから、気にしないで。
    逃げないで、っていうのも同じ。そもそも逃げるって行為は厳密には存在しない。選択肢を選ぶしかない。

    いつの時代にも悩みはあるけど、誰もがみな苦しい。悩みに貴賤はないよ。
    受身人間から目覚めたらもう引き返せない。先に進み、自分を勝ち取るのみ。
    自分探しと青い鳥探しは別のもの。自然なモチベーションで生きられる場を探そう。それを見つければ、努力でない、熱中した暮らしができるようになる。
    先を見越した生き方だけでは生きられない。鼻の先のニンジンだけでなくて、美味しい水も飲まないと。
    それは贅沢じゃない。
    幸せであれ!

  • 頭・心・身体という一般的な概念でうつという不安定な感情を理解する。不安定な感情は「心」ではなく「頭」が生んだもの。「心」は感情・欲求・感覚・直感。「頭」は記憶・計算・比較、分析。「心」はいま・ここにあるが、「頭」は過去と未来にある。うつは頭の独裁に対する心と身体のストライキ。うつが治るとは元の状態に戻ることではなく、新しく生まれ直すこと(reborn)。他人からの評判を気にし、孤独を恐れ群れ、無批判な組織への忠誠心、効率第一の成果主義などの価値観が大きく変わる。つまり、現代における覚醒の契機となる。

  • 治るにはもとにもどってはダメ。新しい自分に生まれ変わることが必要で、自分の枠組みそのものを新たに築きなおすことが大切。

  • 「頭」VS「心=身体」という図式で解き明かす「うつ」の意味。「頭」の過剰コントロールに対する「心=身体」の異議申立という理解は,非常に説得力がありました。しっかり「うつ」をやるという発想は森田療法にも通じるものがあるような気がします。

  • うつ本というと、「薬完全否定」も多く、そういうのは薬の弊害を徹底的に
    攻撃していたりするものですが、
    本書はタイトルこそ「クスリに頼らない」ですが、薬批判の本ではありませんでした。
    そこが、うつ患者としては「ホッ」とするところ。

    実際にうつになって病院に行くと、
    やはり薬治療は外せないわけで、
    薬を徹底的に批判した本って、逆に不安になってしまうんですよね。

    その点この本は、
    「こういったうつには従来の薬が効くよ」
    「こうったうつには薬の効果はなかなか発揮されません」
    と分けて書かれていて、
    とても良かったです。

    全体的に、うつ患者にとても優しい本ですね。
    うつを治す本って、
    「うつを叩くために、こうしよう」みたいな論調が多く、
    結局、出来ない自分に落ち込んでしまうことが多いのですが、
    本書のスタイルは、
    「うつにどっぷりつかるのもあり」

    休養についての記述で私の心にとても残ったのが、
    休養するために充電しようとすると同時に、放電してしまっているので、
    電池が貯まらない。
    というところ。

    そうか!
    だから、休養しても休養しても状態が良くならないんだ、と。

    前述もしましたが、
    苦しんでいるうつ患者には、「ホッ」とする本です。
    何もしないでいいじゃない。
    常に効率を求めて生きてきたのが、生物として常態じゃなかったんだよ。
    本当に何もしないで、休養しても、ダメ人間になんかならない。
    昼夜逆転したっていいじゃない。

    ・・・と、私が書いちゃうと語弊も出ちゃうかもしれませんが、
    そういったことが、ちゃんと論理的に書かれているので、
    読むだけで気持ちが軽くなるような本でした。

  •  うつ病が身近なものになって、もうずいぶん時間が経つ気がする。2008年の調査だが、12歳以上の8人に1人がうつ病だという結果には驚いた覚えがある。しかし時間が経っていても、その対策については、「必ずしもかゆいところに手の届くものになっていない」。なぜなら、治療の多くが「元の姿にもどることを目的とした<repair>的なもの」にとどまっているからだ。
     西洋医学では、うつの症状は<悪>であり、それを<駆逐>することがすなわち<治療>となる。けれどもうつというのは、どこか外から降りかかってきたものではなく、身体の内側で生じている現象である。ならば、どうしてこのようなことが起こるのか、そのメカニズムの理解なしにうつを<治療>することなどできないと著者は主張する。
     「人は先天的な資質を変えることはできないし、変える必要もない」。ポジティブシンキングが横行する世間(うつの原因の1つ)に疲れた人々に、本書が送るエールを受け取ってほしい。

  • 子どもの頃から、常に人間関係に敏感で、両親がいるも不機嫌そうにしているのも、
    自分が「悪い子」だからなんだと感じていました。

    小学校高学年の頃に学校でいじめを受けたこともありましたが
    「自分自身ですら大嫌いな自分なのだから、人からいじめをうけるのも当然だ」と思い、
    辛くても黙って飲み込んで、親に相談することもありませんでした。

    そんな彼女は、自分のことを「価値のない人間」と思い、
    「価値がない」からこそ
    人一倍努力して眼に見える成果を挙げなければ、
    自分は決して誰からも好かれないだろうし、
    生きている資格すらないと思っていたのです。

    そのため、
    E子さんは何もしないで一日を過ごすというのは
    悪いことのように思っていましたし、
    「自分が楽しむために時間を使う」のは何より苦手でした。

    E子さんにとっての時間とは、
    常に「何かのためになる」「有意義」なものでなければならなかったのです。


    ■自己否定から徐々に解放され心を休ませる休み方へ


    そんなE子さんですから、
    自宅療養で何もしないで居ること自体が「怠け」のように
    思えてしまい、何度も
    「自分は本当は病気なんかじゃなくて、きっと怠けたいだけのダメな人間なんだ」と思いました。

  • 25歳の私を救ってくれた本。

  • 精神力が強い人ほど「うつ」になりやすいという。精神力とは頭で、頭は心に対して強く独裁を敷く。その体制下で心は限界を訴えるために体を使ってストライキ(うつ症状)を引き起こす。
    本書では心の反発を自然な現象ととらえ、精神療法で心の訴えを掘り下げ、反発の理由を探っていく形でうつと向き合っていく。時にはクスリも活用するが、対処療法で症状をすべて潰していくような用い方はしないところが、現在広く行われている治療法と異なるところである。

    薬物療法と適度な休息、それから気合いでさっさとうつを乗り切ってしまおうと思っている軽度の人にはお勧めできない。というのは、本書では気付かずに生きていければそれで済むことまで掘り下げて悩むことを推奨している面があり、本書に書かれた通りに治療するとなると、どうしても膨大な時間と労力を要するからだ。なので、寛解を目指す段階でどうしても心の疑念をそらすことができず、時には人はなぜ生きるのかといったような哲学的に答えの出ないような悩みまで抱えてしまうほど、深刻化したうつの人に是非読んでほしい。

    または、うつ病者本人ではなく、身近にうつの方がいらっしゃる人に是非読んでもらいたい。本書に書かれていることはすべてその通りにしなくとも、寛解へ向かうことは往々にしてあり得るが、それはいわば誤魔化しでもあって、本来ならこれだけ大きな問題をうつ病者は抱えているのだということを知ってもらいたいからだ。

  • 人はなぜ「うつ」になるのでしょうか。
    その人の生まれ持った気質のせい?それとも置かれている環境のせい?どれも一因があるとは言えますが、うつになる本当のカラクリは人の「頭」と「心」と「身体」の中にあります。
    病の治癒はあくまで本人の自然治癒力によって成し遂げられるものです。「うつ」も例外ではなく、真に治療に求められるのは、そもそも「うつ」がその人に生じたのはなぜだったのかを探索し、自然治癒力を妨げているものが何であるのかを明らかにしていく、緻密で丁寧なアプローチです。「病という対象を異物として取り出し、それをコントロールし、ねじ伏せる」のではなく、なぜ私たちの内側から「うつ」は生じるのか、この疑問に真正面から立ち向かうことから始めていかなければなりません。
    本書は「うつ」を「脳内セロトニンのアンバランス」といった説明で済ませるのではなく、なぜ発病以前にはなかった「アンバランス」がその人に生じたのかという問いに対する本当の答えを明らかにします。それを理解することにより、クスリに頼らない療養のポイントや周囲の人たちに必要な認識、予防的観点がよくわかるはずです。さらに現代のさまざまな価値観や社会システムが「うつ」を産み出す母胎になっていること、本当に「うつ」が治るとはどういうことなのか、「うつ」から脱した後に人はどのように生きていくのか等幅広いテーマに対応しています。
    これまで類書で十分な手応えが得られず不満に思っていた方、治療についてどこか判然とせず新しい手掛かりを求めている方、身近にいる「うつ」の方にどう接するべきか悩んでいる方、「うつ」や自殺等が増えてきているという社会問題について考察を深めたい方等にお薦めです。

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プロフィール

精神科医。東北大学医学部卒。東京医科歯科大学医学部附属病院、(財)神経研究所附属晴和病院、新宿サザンスクエアクリニック院長等を経て、1999年に渡仏し、パリ・エコールノルマル音楽院に留学。パリ日本人学校教育相談員もつとめた。現在、精神療法を専門とする泉谷クリニック(東京・広尾)院長。大学や短大、専門学校等での講義も行ってきたほか、現在は一般向けの啓蒙活動として、さまざまなセミナーや講座を開催している。また、作曲家や演出家としての活動も行っている。著書に『「普通がいい」という病』『反教育論』(ともに講談社現代新書)、『「私」を生きるための言葉』(研究社)など。最新刊に『仕事なんか生きがいにするな』(幻冬舎新書)。

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