エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?―市場・技術・政策の最新動向と各社の戦略

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478012024

感想・レビュー・書評

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  • ハイブリッド、エタノール燃料など、エコカーの動向を示している。
    日本では、エタノール燃料の情報が不十分であることがわかった。

    ただ、燃費だけがエコじゃないはずです。
    製造費用、材料のリサイクルなど、エコの要点はいろいろあるはずです。

    クリーンディーゼルについても、もっと情報があってもいいかも。
    BRICSではブラジルの情報は豊富ですが、インド、中国の安価な自動車の情報もあるとうれしい。
    エコカーの勝者は誰なのかわからなかった。

  • 桃田健史
    かなり詳しい人

  • EVなのか、その前にプラグインハイブリッドなのか、どの技術が制するのか、非常に興味深い。国をあげて標準化を狙うアメリカや日本の3大自動車メーカーの戦略など非常に丁寧に解説されている。それでも何が優位かさえ分からないほど混沌としているのが、現在の状況のようだ。興味深い内容で参考になりました。

  • 桃田健史著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」ダイヤモンド社(2009)

    * 次世代自動車の普及について、一般的に論じられている、ハイブリッド車→プラグインハイブリッド車→電気自動車→燃料電池車というピラミッド構造がある。
    * エコカーが一般メディアで重宝され始めたのは、東京議定書の実行開始の08年の少し前だ。日本のスローガン「マイナス6%」の一環として、「車も取り込まれた」かたちである。また、アメリカではオバマ政権「15年までにアメリカのプラグインハイブリッド車の普及計画が進む中、15年までにアメリカのプラグインハイブリッド車市場を100万台規模にする」という方針がなされている。
    * 民主党が衆議院選挙に向け掲げたマニフェストによれば、11年後の「2020年(平成32年)までに温暖がガスを25%削減('90年比)するため、排出量取引市場を創設し、地球温暖化対策税の導入を検討」するとある。また、「太陽光パネル、環境対応車、省エネ家電などの購入を助成し、温暖化対策と新産業育成を進めます」とも。
     最初の『11年後までに'90年対比-25%のCO2削減』は、非常に重い公約だ。
     チームマイナス6% のデータによれば、06年度の日本のCO2排出量は、'90年に比べ6.2%増加となっている。京都議定書での日本の公約は'90年比-6%なので、すでに-12.2%削減しなければならない状況だが、民主党の公約は、実質6.2+25=31.2となり、現状から-31.2%CO2を減らさなければならないことを約束している。

    * エコカー戦争の4大要素 ①アメリカ自動車産業の崩壊 ②BRICS等の暖冬とその後の変則的な一部崩壊 ③電気自動車、プラグインハイブリッド車のバブルに突入したアメリカ~「リカバリー&リインベスト・アクト」はオバマ大統領が09年2月にい発行して総額2000億円の次世代蓄電池開発に関する公的資金であり、米エネルギー省の研究員達はたくみにアメリカを一緒にやればいかに得かをプレゼンしている。 ④
    * エコカー戦争の構図は、「トヨタ・ホンダ陣営」対「日産・アメリカ軍団」という構図である。
    * 電気自動車の本格的量産スケジュール
    (日本)
    ・ 三菱「i-MiEV」10年4月発売
    ・ 富士重工業「プラグインステラ」09年7月発売
    ・ 日産「リーフ」10年秋発売
    ・ トヨタ 12年発売予定
    (アメリカ)
    ・ テスラ「ロードスター」発売中
    ・ テスラ「モデルS(4ドア車)」11年発売予定
    ・ アプテラ「2e」09年後半発売予定
    ・ マイルズ 10年高速走行可能車発売予定
    ・ フォード「トランジットコネクト」10年発売予定
    ・ フォード「フォーカスEV」10年発売予定
    ・ クライスラー「ENVIプロジェクト」10年以降発売予定
    (ヨーロッパ)
    ・ ダイムラー「スマートEd」09年9月発売予定
    ・ BMW「MINE E」09年実証試験
    ・ マグナステア(オーストリア)「ミラEV」10年OEM(相手先ブランド製造)
    ・ THINK(ノルウェー)「CITY」2010年
    (アジア)
    ・ BYD(中国)「e6」11年発売予定
    ・ タタ(インド)「インディカヴィスタEV」10年8月発売予定
    ・ REVA(インド)発売中 (NXR、NXG 2011年発売予定)
    ・ ユーロン(台湾)10年発売予定
    ・ プロトン(マレーシア)10年発売予定

    * ホンダ・トヨタの電気自動車計画が遅いのは、ZEV(ゼロエミッションビークル)規制の対策が関係していると考えられている。これはカリフォルニア州大気資源局が90年から立法した規定車両である。現状で電気自動車技術を確立している企業はごくわずかで、それら各社が裏でつながったり、内輪もめをしたりして、そこに世界中の投資マネーがうごめいているという図式になる。

    *ホンダ
    →アメリカにおいてFCXクラリティ(世界初市販型燃料電池車)はゼロエミッションビークル対策としての中心的役割を果たし、日本での環境対策車としてはインサイトを中心にしたハイブリッド戦略を進める。
    →09年4月に設立した新会社ブルーエナジー(出資比率GSユアサ51%、ホンダ49%)が今年秋にGSユアサで量産を開始するリチウムイオン2次電池をハイブリット車へと随時搭載していく予定。そのためブルーエナジーは、ハイブリッド車専用の電池開発に集約する。
    →電気自動車専用2次電池を主力に開発しているリチウムエナジージャパン(出資比率GSユアサ51%、三菱商事34%、三菱自動車15%)

    * トヨタ
    →リチウムイオン2次電池の開発製造において、パナソニックエナジージャパン(出資比率トヨタ60%、パナソニック40%)がある。

    * 日産
    →ロスのベンチャー企業ACプロバルジョンと共に電気自動車市場調査と走行テストを続けていたが、2社の関係は突然おわり、日産はNECトーキン製のラミネート型蓄電池を採用した。NECトーキンでセルの製造を行い、モジュール化(数個のセルの集合体)をNECトーキンと日産の合弁会社であるオートモーティブエナジーサプライ(出資比率日産51%、日本電気/NECトーキン49%)が行う。
    →日産の電気自動車戦略をバックアップする具体案として①電気自動車購入時の優遇権
    (購入補助金、税の軽減)、②利用時の優遇策(有料駐車場、高速道路料金の割引)、③充電インフラの整備(電気自動車充電ネットワーク)、④公用車として1000台の電気自動車の導入、レンタカーやタクシーなどでのモデル事業の実施。
    →目標として圏内に14年度までに3000台の電気自動車の普及。数値根拠は、県内で現在走っている300万台の0.1%という設定。また、初代プリウスは97年発売の5年後に県内で3000台レベルになっている。09年の三菱i-MiEV発売5年後に総数が3000台になる可能性は十分ある。

    * テスラ(ロードスター)
    →ACプロバルジョンのリチウムイオン2次電池18650を採用
    →パソコン用円筒型バッテリーは、型式18650。直径18ミリ×長さ65ミリの意味。製造メーカーは、三洋電機、パナソニック、ソニーのうちの1社。将来的には、韓国のLG化学、サムソンを加えた5社中から購入先を選択する。

    * BMW(MINE E)
    →ACプロバルジョンのリチウムイオン2次電池18650を採用

    * ダイムラーベンツ(スマートEd)
    →ACプロバルジョンのリチウムイオン2次電池18650を採用
    →メルセデスS400ハイブリッド用のリチウムイオン2次電池を米仏合併のジョンソンコントロール・ザフトから。メルセデスML450ハイブリッド用のニッケル水素2次電池を米コバシスから購入。
    →ダイムラーは、自社が直接投資するLiイオン二次電池開発会社「Li-Tec」を、ドイツの電気関連会社と設立済み。また、ハイブリッド車では、米仏合弁Johnson control -saft社と提携している。

    * ユーロン(台湾)
    →ACプロバルジョンのリチウムイオン2次電池18650を採用

    * ACプロパルジョンのつながり、として、テスラを通してダイムラー社に渡り、ACプロパルジョンから直接BMW、ユーロンへと販売された。
    →02年が18650を搭載した電機自動車tゼロを発表
    →IT企業家 マーク・ターペニング氏らがtゼロを購入し、その後ACプロパルジョンに投資。更に同社技術の使用権利を購入し、自社ブランド立上を検討
    →03年、ターペニング氏が、電気自動車ベンチャー企業・テスラを設立。テスラはACプロパルジョンの基礎特許から応用した、電気自動車について各種の独自特許をもつ。
    →07年、ACプロパルジョンの社長がtゼロの技術について講演し、そこでBMWの技術関係者が興味を持ち接触。最終的に、tゼロの技術を完全移植した電気自動車の開発を行う。
    →09年ACプロバルジョンは台湾ユーロンにtゼロ技術を完全移植した電気自動車を開発。
    →09年1月、デトロイトショーにて、テスラはダイムラー社に対してスマートEdの第二世代1000台について電気パックと充電システムを提供すると発表
    →09年、ダイムラー社はテスラ社の発行株式10%を取得すると発表


    * クライスラー
    →A123システムズに対して、次世代自動車蓄電池開発費用として、448億円を投資すると宣言している。しかしながら、イタリアフィアット社が主導する新クライスラーの本当の姿はまだ見えていない。

    * 東芝、日立、三菱重工、川崎重工など「日本産業界の大御所」は自社開発のリチウムイオン2次電池の販売先を探している。東芝はVWへの供給、日立はGMとの関係継続など、海外自動車メーカーとの連携する姿勢がある。一方で、トヨタ、ホンダ、日産、三菱は自社が直接投資するインハウス蓄電池メーカーが主体である。

    *九州電力は、「電気自動車インフラの世界標準化」にいち早く対応している。伊藤忠商事を介して、米エナデルと急速充電器の開発を進めている。また、インディアナ州のエナデル本社でノルウェーのシンクをテスト車両として実証試験を続けている。

    * エコカービジネスの課題とは?
    (1) 先が読めないエコカー減税、エコカー補助金
    →何がエコなのかも不明瞭である。
    (2) 充電インフラ、および非接触充電
    →充電インフラについては、地方自治体、電力会社、自動車メーカーの横断的なつながりを実現する、国のプロジェクトが必然である。
    →昭和飛行機では、自社の電気自動車e-VANに中型非接触給電システムを搭載した実証試験を行っている。e-VANは富士重工業のスバルサンバーを改造したものである。ノルウェーの電気自動車シンクでも搭載されているスイスのMES・DEA社のナトリウムニッケル塩化物2次電池を採用している。
    (3) スマートグリッド
    (4) 蓄電池の現状

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