もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 23479
レビュー : 4023
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478012031

作品紹介・あらすじ

公立高校野球部のマネージャーみなみは、ふとしたことでドラッカーの経営書『マネジメント』に出会います。はじめは難しさにとまどうのですが、野球部を強くするのにドラッカーが役立つことに気付きます。みなみと親友の夕紀、そして野球部の仲間たちが、ドラッカーの教えをもとに力を合わせて甲子園を目指す青春物語。家庭、学校、会社、NPO…ひとがあつまっているすべての組織で役立つ本。

感想・レビュー・書評

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  • 「もしドラ」は「おお振り」にそっくりだ!!説。

    「もしドラ」という愛称まで付けられたベストセラー。
    「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」なんて、
    見事に人を魅きつけるタイトルと内容です。
    著者の岩崎夏海氏。さすが秋元康氏の下で修行を重ねただけのことはある。でも、この方、東京芸大卒なんですね、びっくりした。
    芸大の建築科ですよ。本来なら、スペインのバルセロナであのガウディのサグラダ・ファミリアの修復に携わるような仕事をしていてもおかしくない。
    まあ、本人を直接知らないから、何故に芸大を卒業して放送作家になったのか、全く見当つきませんが。
    ウィキによると、秋元事務所を解雇されたと書かれているが、ホントかなあ。
    こういう仕掛け作りの名人ですからね、秋元さんは。
    どうすれば話題になるかをとことん研究して物事を進める天才。
    オニャン子だって、AKBだって、結局はマーケティングの賜物。
    だから独断と偏見で言えば、これ自体、秋元氏が仕掛けたのではないかと未だに疑ってかかっています。テレビ業界というのは何でもありの世界だから。
    岩崎夏海なんて名前なので、てっきり若い女性アナリストかマーケッターを想像したら、出てきたのは全く想像を裏切る容姿の男性だったし。あのギャップがまたすごかった。

    これは、2009年12月発売ながら、2010年と2011年の二年連続でビジネス部門年間ベストセラー1位に輝いた化けもの本。電子版も入れると、今では300万部くらいになるのだろうか。
    おかげで、本家ドラッカーの「マネジメント」までミリオンセラーになった。

    病に倒れた親友に頼まれ、仕方なく弱小野球部のマネージャーを引き受けることになった主人公、川島みなみ。このネーミングだけでも、漫画「タッチ」の南ちゃんを彷彿とさせるもの。可愛い女子マネージャーって。
    で、すごいのが、というか、ある意味当たり前で、でもそれまで誰もが気づかなかった、マネージャー=マネジメントする人だということ。
    ポイントはこの一点。
    そうなんです。マネージャーって雑用係とかスケジュールを組む人じゃなくて、本来はマネジメントすべき人なんだよね。ビジネスの世界では常識。でも高校野球の世界では非常識。
    絶対権力者は監督。ここに切り込んだ発想がすごい。

    註:広辞苑と英和辞書で確認しましたが、広辞苑では、やはり単なる世話人的な記述。英和辞典では、世話するだけならcare takerと言うようです。

    野球部のマネージャーの役割を何も知らないみなみちゃんだからこそ、勉強しようと本屋の店員に薦められて買ってしまったドラッカーの著書「マネジメント」。
    どうして今まで誰も気づかなかったのだろう、そのことに。
    みなみちゃんは、全く畑違いの経営本だったことを知り、後悔するが、読み進めていくうちに「あれ、これって野球部にも当てはまるんじゃ?」と思うようになる。
    そして、どんどんイノベーションが始まっていくわけですね。
    弱小野球部がいわゆる体育会的発想、例えば根性とか、死に物狂いとか、精神論的なものではなく、組織論とかマーケティング論とかを応用して強くなっていく。これは面白いはずですよ。
    そのうえ、みなみちゃんの悲劇まで物語として織り込んでいるのだから。
    今から読んでもお釣りの来る一冊でしょう。

    で、ここからが私の持論。
    実はコミックで「おおきく振りかぶって」という野球漫画があるのですが、「もしドラ」は、これにヒントを得たのではないかというのが、私の独断と偏見に満ちた推測なのです。
    時系列でいうと、こちらのほうが明らかに早い。
    この漫画の連載が始まったのは「月刊アフタヌーン2003年11月号」らしいので、もう8年以上前のことになる。
    私がこの漫画の存在を知ったのは、2009年の秋。たまたま深夜にぼうっとテレビを見ていたら、このアニメが始まり「これ、面白いな」と思ったのがきっかけ。
    毎週楽しみに見て、そのうち話の途中で終わってしまったので、子どもに訊くと、原作のコミックがあるとのこと。後で訊いたら、私が見たのもアニメの再放送の途中からでした。

    どうしても最初から見たいと思い、とりあえず息子の持っていた漫画を読んで、それも途中までしかなかったので、買っちゃいましたね、自腹で。
    自分のために漫画のコミックを買うなんて、何年振りだったろう。
    こんな野球漫画見たことない、というのが第一印象。
    「もしドラ」が、経営論、マーケティング論なら、こちらは、野球をスポーツ心理学から分析。個人のメンタルトレーニングや、試合でもお互いの心理を読み取ることが勝利への秘訣。
    それまで全くなかった新しい野球漫画でした。

    主人公のピッチャー三橋廉は、とても気が弱く、自分に全く自信がない。野球が好きというだけで、とりたてて凄いスピードボールを投げられるわけでもない。ただ、練習のおかげで、コントロールだけは人並み外れたものを持っていた。
    進学した高校も弱小野球部。しかもそれまで軟式だったのがようやく硬式に変わったばかりで、部員は全員一年生で10人だけ。
    でも、その10人とも何かしら一つだけはとりえがあるような。
    この10人のそれぞれのキャラもまた独特で魅力的なんですね。
    で、この野球部の監督は何故か若く可愛い女性。
    この監督の経歴がまた謎で、でも野球を心理学的に分析する眼は鋭い。
    「こりゃあ、すごい」と思わず唸ってしまいました。
    アニメは、第一期が2007年、第二期が2010年に放送され、終了。漫画は新刊が出る度に購入。現在18巻まであります。
    とにかく面白い。野球が好きじゃなくても、野球を知らなくても楽しめる漫画。
    *もっと詳しく語りたいんだけど、それは「おお振り」を本棚に入れてレビューを書けばいいか。
    ウィキで見たら、やはり評価が高く、手塚治虫文化賞とか講談社漫画賞とかを受賞してるんですね。そりゃあ、そうでしょう、こんな素晴らしい野球漫画初めてだもの。
    話が「おお振り」寄りになってしまいましたが、言いたいのは「もしドラ」は「おお振り」の小説版だということです。これを見て閃いたんじゃないのかな、と思う私です。

    最後に:
    本当にどうでもいいことなのですが、ドラッガーじゃなくてドラッカーなんです、彼は。正式には、ピーター・ファーディナンド・ドラッカー。半分くらいの方々がドラッガーと書かれていたので。
    ホントにどうでもいいことなんだけど……。
    調べていたら、彼の父親はフリーメイソンのグランドマスターらしい。
    これまた、ホントにどうでもいいことなんですけどね。

  • 小説続きだったので、たまには勉強系も読もうと思い手を伸ばす。

    ドラッカーの経営哲学の根底にあるのは「真摯さ」「丁寧さ」である。そこを軸に、「顧客の創造」や「人を生かす」という考えが派生して生まれてくる。熱量がありながら、圧迫感もない哲学であることが支持される理由な気がする。マネジメント読んでみよかな

    表紙の絵の感じから、非現実的な話なのではないかと勝手に思っていたが、そうではなく有り得る話だと思う。本書の野球部のように、毎日の長時間の練習の一部をマネジメントに当てて、効率よく練習を重ねていくことができれば甲子園も不可能ではないはず。今大学野球を経験し終えたので、このやり方が有効なものであると思えるが、高校生の時にこのやり方をもし提案されたら反対してると思う笑 やはり、脳筋で練習しまくるのもある種いい思い出ではある笑

    チームの成功を楽しむという、個人の成功を楽しむということはまた別次元の至高体験をしてみたい。マネジメントは確実にその手助けとなるだろう

  • マネージャーという言葉をあなたはどの様に捉えるだろうか?もしかすると「後片づけやスコア付けをする人」という、いわゆる部活の女子マネージャーを想像される方も多いのではないだろうか。だが、英語圏ではその様相は大きく異なり、監督など大きな責任を伴う人物を指し示す。このことに注目した著者が、「女子マネが自分を監督的なマネージャーと勘違いしたら、、、」という想定で野球チームをマネジメントしていく物語である。その際に愛読書としたのがタイトルにもある通り、ドラッガー著の「マネジメント」である。

    想像を大きく超えるほどの良作であった。キャラクターがそれぞれとても生き生きとしていて、その考え方や気持ちの機微までリアルに感じることができた。かつ、100年を超えて現代に語り継がれる名著にこれほどまでに分かりやすく触れられたことが大変貴重であった。いきなり「マネジメント」を読んでいては挫折しかねなかったが、本書を通じてとてもポジティブなイメージを持つことが出来た。あと表紙や挿絵が可愛いかったのも幅広い読者を惹きつけることに成功した要因であろう。

    最も印象に残った言葉は、
    「『顧客に感動を与えるための組織』というのが、野球部の定義だったんだ!」

  • 私的には”小説”として面白いかといわれると微妙です。
    しかし”教科書”として読むと、いいものです。
    「マーケティング」と「イノベーション」について、その重要性がわかりやすく、すっと頭に入ってくると思います。
    就職活動に向けて企業を知りたい人、就職して活躍していく人、そんな人に薦めたいです。

    所在: 楽しむコーナー
    請求番号:913.6 I96

  • 速攻で読めそうとざっと見て思ったので興味本位にストップウォッチで読破完了時間を計測してみた。
    途中、猫の邪魔や夕食などもあったので少し不正確だけど、2時間23分で読破。あとがき含めて272ページなので、大雑把に計算して32秒/1ページで読めたといったところ。途中、嫁のTVがうるさいとかの邪魔もなければ1時間読破余裕だったと思う。(邪魔がない時は1分間で5ページはいってた)

    何が言いたいかって、これ、つまりは絵の無い漫画。

    この本を読んで経営学云々言う人は、国語力や何よりも文章読む能力を高めるべきだと思う。それぐらい、ドラッカーさんの引用はとっつけた感が酷い。

    小学生でも読める文体なので娯楽小説として風呂一回分の暇つぶしぐらいは果たしてくれそうだけど、何度も読み返したくなるような面白さは、無い。

    多分、あとがきにあるように経営学とはなんぞやの感動を「著者なりの小説風まとめブログをそのまま書籍にしただけ」が本書の全てであって、バカ売れしたのはモデルがAKB48の娘ですよとかプロモーション戦略の成功であって内容じゃあねぇなぁと思った。あと、落ち目のソーシャルサービスサイト、はてなの力。

    一度、本屋で少し立ち読みしてこのような感想に至る事は想定できたので投げていたけど、読まずに批評するほど愚かなことはないので、そのために読んだ。残念ながら立ち読みの時に感じていた以上の収穫は無かった。

    この本に罪も恨みもないけど、このような本が「ビジネス書」であるかのようにちやほやされて売り上げトップになっている日本経済には暗い気持ちになった。そんな悪魔の一冊。

  • ドラッカーのマネジメントを詳しく読んだことないもののその概要がきっと把握できてるんだろうなという感覚が得られた。

    物語は進学校の野球部にマネージャーとして入部したみなみがタイトル通り弱小高校をドラッカーのマネジメントを読んで更生していく物語。顧客を定めて事業を定義することから始まり、高校野球にそれを当てはめるみなみの具体例が理解を加速させる。
    はたしてみなみの野球部はどうなるのか!

  • ベストセラーになった入門書というか、小説というか。。
    ドラッガーのエッセンスは詰め込んであると思うのですが、なんというか軽く、というかあっさりというか。。
    ストーリー仕立てなので読みやすいのですが、、、

  • 非常に面白かった。難解な経営学の本をここまで易しく書けるのか!
    感動を売り物にするあたり、秋元康の影響をもろに受けてる。
    しかしわかってても感動した。
    自分に落とし込んで使えそうと思えるほど、
    噛み砕いた解説に脱帽。

  • 経営における名著をベースとしたケーススタディ(悪く言えばパロディ)を物語風に創作し、書き綴ったものです。
    野球部にとっての「顧客」とは、野球部に関係する全ての人であり、野球部員でもある…とか、ノーバント・ノーボール作戦とか。あまりにも話に無理があり、強引と言わざるを得ません。

    しかし、です。
    この本はある種の“イノベーション”と言えるのではないでしょうか。
    ドラッカーの「イノベーションと企業家精神」における7つの機会をベースに考えた場合、これまで「経営書は向上心の高いビジネスマンが読むもの」という出版社の“認識ギャップ”(産業内部のものが物事を見誤り、現実について誤った認識をしていることによるギャップ)をこの本は見事に解消しました。

    あるいは“プロセスギャップ”を解消したという考え方もできるかもしれません。
    消費者は「自分も読めるものなら難しい本にチャレンジしてみたい」という無意識的な願望を持ちつつも、一歩踏み出して購入するにはやはりハードルが高かった、あるいはドラッカーという存在すら知らなかった…「もしドラ」は、そのハードルを下げ、ドラッカーの存在を知らしめることで、原著のマネジメントを購入する動機付けの触媒的役割を果たしたというわけです。

    ひょっとしたらノーバント・ノーボール作戦も、野球を知っているからこその“認識ギャップ”なのかもしれません。
    …いや、やっぱり話に無理があるよなぁ(笑)

    でも最後にホロリときた分を加味して、星4つとします。

  • 分かりやすい!納得!上に立つ人に読んでもらいたい。

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著者プロフィール

岩崎 夏海(イワサキ ナツミ)
作家
1968年生まれ。東京都日野市出身。東京藝術大学建築科卒。大学卒業後、作詞家の秋元康氏に師事。
放送作家として『とんねるずのみなさんのおかげです』『ダウンタウンのごっつええ感じ』等、テレビ番組の制作に参加。その後、アイドルグループAKB48のプロデュースなどにも携わる。
2009年12月、初めての作品となる『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』を著す。
近著として『エースの系譜』『宇宙って面白いの?』(講談社)、『小説の読み方の教科書』(潮出版社)、『チャボとウサギの事件』(文藝春秋)、『まずいラーメン屋はどこへ消えた?』(小学館)、『部屋を活かせば人生が変わる』(部屋を考える会著、夜間飛行)がある。

「2014年 『『もしドラ』はなぜ売れたのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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