経済予測脳で人生が変わる!―仕事も投資も成功できる「起こりえる未来」の読み方

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478012055

感想・レビュー・書評

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  • いろんな知識を幅広く持って今後の経済を予測しながら生きようという本
    意図はわかるし同意だけど、いかんせん文章が散発的で面白くない
    あと後付感がすごくて予測できるか怪しいなあと

    歴史・心理・哲学

  • 日本や世界経済を予測した本が巷に出回っていますが、それを読んでも「付け焼刃的」な知識が得られていないと感じる最大の原因は、その著者の結論を導き出した前提条件や考え方が理解出来ていない事にあると思います。

    それを解説することは、ある意味で解説者としてのノウハウを開示することにも繋がるので、それに触れられることは少無いと私は思っています。その中で、この本のタイトルに含まれる「経済予測脳」という言葉を私のアンテナが捉えました。

    中原氏の提唱する、いま起きている出来事を、歴史学・経済学・心理学・哲学の4つの視点から見てみることの重要性(p82)は私に取っては新鮮でした、特に後者の心理学(欲望、エゴ)・哲学(西洋史はキリスト教、日本史は怨霊信仰)の観点はより根本にかかわる重要な概念だと思いました。

    筆者が最後で、より高いレベルを身につけるには、理系学問(生物、物理、化学、数学)や人類学等も必要と述べていました(p268)、バランスのとれた知識が重要だということでしょうか。

    以下は気になったポイントです。

    ・米バブルが崩壊したのは、その過熱ぶりを警戒したFRBが2004年以降、利下げから利上げに転換したのが遅すぎたのが原因、2006年に5.25%まで政策金利が上がって米穀住宅価格が下落した(p35)

    ・FRBバーナンキ議長は、2008年4月に、「ベア・スターンズと同様の破綻が起きることは想定していない」と発言したがリーマン倒産(同年9月)となった(p50)

    ・マクロ経済学の教科書通りに金融政策を実施した日本(政策金利:無担保コール翌日物レート」を0.15%、量的金融緩和)は、景気が回復しない状況が10年以上続いた(p67)

    ・歴史から学べることは、「時代や場所が違っても、同じ状況と条件がそろえば歴史は繰り返す」ということ、拡大しようとする根本は、「人間の欲望」である(p77、95)

    ・今起きている出来事を、史学・経済学・心理学・哲学の4つの視点から見てみることが大切(p82)

    ・ローマ帝国の衰退の原因は、1)ゲルマン人に国を囲まれて新たな領土獲得が困難、2)戦争奴隷を獲得できずに経済基盤の農業衰退、である(p102)

    ・農業生産が立ちいかなくなって崩壊に追い込まれたローマ帝国のように、国際巨大資本も「国際分業体制」というビジネスモデルの限界にあと10~20年で到達しようとしている(p103)

    ・西洋史を研究する上で、常にキリスト教の影響を考慮すべきなのと同様に、日本史を解明するには、怨霊信仰の影響を考える必要がある(p114)

    ・バブル発生から拡大までのプロセスとして、1)需給の不均衡、2)投機家による買い、3)一般投資家らによる買い、の3段階がある(p142)

    ・人間は、利益が出る場合にリスク回避的な行動を好み、損失が出る場合にリスク指向的行動を好むと言われている(p158)

    ・知の「OS」とは、哲学のこと(p166)

    ・「構造と力:浅田氏」とであったことが、哲学を学ぶ出発点となった、この本により、「人間はお金に縛られ続ける限り自由になれない」ということを学んだ(p168、177)

    ・ボーダーレス化によって、米国経済が地球規模で膨張した姿が、現在の世界経済であるという本質を理解したので、デカップリング論はあり得ないと予想した(p185)

    ・米国住宅市場では、販売件数の80~90%が中古住宅なので中古住宅の販売件数が米国経済と深い関係がある(p189)

    ・パソコン業界がネットブックにより価格下落となったように、自動車業界も同じような状況になると予測できる(p211)

    ・新聞を読むメリットは、1)世の中の流れを大局的につかめる、2)自分にとって関心のない記事にも目を通せる、である(p215)

    ・今後の世界経済の流れは、1)米国依存の経済発展の限界、2)金融から環境主導の経済、である(p239)

    ・欧州が温暖化ガス削減に取り組んでいるのは、欧州が育てた(2005年開始)排出権取引制度の存続がかかっているから(p241)

    ・ドイツの大手銀行では、5カ国(ギリシア、ポルトガル、スペイン、アイルランド、イタリア)への与信残高はGDPの20%、フランスの場合は同30%であり危険水準(p245)

    ・日本のハイテク企業が韓国企業に苦戦しているのは、為替相場と法人税率にもよる、2009年最高益のサムスン電子も、ウオン相場が円相場並に高かったら赤字の可能性あり(p254)

  • 自称エコノミストの著者。
    この著者の本は定価で買うに値しないと思った。

    経済学だけでなく、歴史や心理など幅広い知識を備えることが将来を予測することに役立つという主張には同意する。

  • デフレも株価暴落も先読みできれば怖くない! 人気エコノミストによる経済予測の背景にある、歴史学、心理学、哲学などを通した独自のアプローチ方法の身につけ方をわかりやすく解説する。


    第1章 経済学だけでは経済予測はできない
    第2章 わたしが「経済予測脳」を身につけるまで
    第3章 歴史学編 歴史から学んで未来を予測する
    第4章 心理学編 人間の欲望を理解して正しい判断を下す
    第5章 哲学編 哲学を使って物事の本質を見抜く
    第6章 新聞を「経済予測」に活用する技術
    第7章 世界経済を変えるふたつの潮流を予測する
    エピローグ これからの厳しい時代を、軽快に生きていくために

  • 貧困率が拡大したのは、労働市場の二極化と無関係ではありません。
    OECDの「対日経済審査報告書 2008年版」によれば、日本の非
    正規労働者の割合は1994年の20%から2007年には34%に上昇しました

    大幅利下げの結果、米国には大量の資金があふれ返りました。その
    資金が「住宅バブル」「金融バブル」という新たなふたつのバブル
    を生み出した

    金融工学はリスクを完全に排除できない

    現代の消費者の欲望や感情を想定していない「需要と供給」の考え
    方では、変化に対応しきれなくなっている

    歴史を学んだことによって得られた、もっとも大きな収穫は、「人間は、同じ過ちを何度も繰り返す生き物である」という真実にたど
    り着いたことでした。人間の歴史は、「繁栄」と「衰退」、「拡大」と「縮小」、「膨張」と「収縮」の繰り返しです

    ローマ帝国が領土を拡大できなくなってから衰退したのと同じように、労働力が安価な国を追い求めるフロンティア開拓式の資本主義は、いずれ限界にぶつかります。実際に、中国では、急激な経済成長によって沿岸部では人件費が高騰しており、価格を武器に輸出を拡大することが難しくなりつつあります

    考えるためにはその基となる知識が必要です。何のデータも与えずにパソコンを動かそうとしても、動かないのと同じことです

    歴史の事実をとらえるためには、史料と史料との関係を結ぶ推理・推察がどうしても必要

    そもそも正史や古文書は、時の為政者によって都合のいいように書き換えられやすいもの

    株価は上昇するときよりも、暴落するときのほうが、スピードが速い

    節約は、1人ひとりの個人にとっては合理的な行動でも、経済全体から見れば非合理的な選択

    人間は、利益が出る場合にリスク回避的な行動を好み、損失が出る場合にリスク指向的な行動を好む傾向を持っている

    効率的に哲学的な思考力を手に入れたいと考えるのなら、構造主義とポスト構造主義、ポストモダニズムの3つの思想を学んでみる

    情報を収集したり分析したりする際は、他人の主観に影響されることに注意するだけでなく、自分自身の主観や先入観もできるだけ排除することが求められます

  • 経済予測には、歴史学、哲学を筆頭に学問の雑食が必要であること。
    とにかく新聞を読むこと、読み方などについて書いてある。

  • ・今起きている出来事を歴史学的、経済学的、哲学的、心理学的に理解する
    ・他人の見解に一方的に耳を傾けるのでなく、その事実に対して自分で考え物事の本質を探り当てる
    ・文化形成過程
    コード化(原始共同体)=個人同士のぶつかりあい 
    超コード化(古代専制国家)=王による統治
    脱コード化(近代資本制)=貨幣&競争による秩序

  • 経済だけでなく、歴史、心理学、哲学の視点で考えるという中原氏のスタイルを紹介したもの。しかし、哲学編の浅田彰の著書の紹介が一番おもしろかった。

    構造主義の考え方(浅田彰「構造と力」):
    ・人間以外の生物は本能の導きによって自然の秩序を乱さない範囲で行われている。
    ・人間は壊れた本能としての欲動に突き動かされるため、それを制御するために象徴秩序としての文化が求められた。
    ・文化は人間同士のぶつかり合いによって形成される。個人対個人のぶつかり合いが複数となり、混乱を拡大する。
    ・混乱を解決するのが王の誕生であり、法と秩序の体系に縛りつけられることによって平穏がもたらされる。

    文化が形成されていく過程(ガタリ「アンチ・オイディプス」)
    ・コード化=秩序形成(原始共同体)
    ・超コード化(古代専制国家)
    ・脱コード化(近代資本制)→貨幣(競争)が人間の欲動を転換させることによって秩序を維持している。人間の欲望が満たされることはないため、幸福になれない(浅田彰「構造と力」)。

    パラノ人間からスキゾ人間へ(浅田彰「逃走論」)
    ・パラノ人間は偏執型で、競争の熱心なランナー。成長社会において肯定される。
    ・スキゾ人間は分裂症で、競争を拒絶して自分の思うままに生きる人間。成長社会では落ちこぼれだが、低成長社会では正常者になるのではないか。
    ・中原氏は、貪欲さを捨て、人間らしい生き方を求めることが答えであると解釈する。

    新しい世界経済の大きな流れ
    ・アメリカは輸出を増やして景気回復を図ろうとしている。そのため、緩やかなドル安に誘導し、経常黒字国に対する市場開放、中国への人民元の切り上げを求めるだろう。

  • ●他人の見解に一方的に耳を傾けるよりも、その事実に対して自分で考え、物事の本質を探り当てるように努力する必要がある。
    ●新聞…内容が将来、世界経済や日本経済、または国民生活にどのような影響を与えうるのかを考える

  • 経済を考える際には、経済学からのみ見るのではなく、歴史や哲学も応用することがポイント。多方面からの視点で、経済学だけでみていたら、見えないものが見えてくるということ。著者の実績から考えると、有効だろうから、歴史や哲学も時間を作って勉強してみようと思った。
    新聞は大局を把握するという意味で、ネットよりも有効。
    重要なところにマーカーでチェックをいれて、まとめてからパソコンに入力することを薦めている。
    これは、すでに読書でも同じようなプロセスでメモを作成しているので、間違いでは無かったと再確認できた。

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著者プロフィール

1970年生まれ。慶應義塾大学卒業後、金融機関や官公庁を経て、現在は経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。大手企業・金融機関、地方公共団体等への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に務めている。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。実質賃金、実質成長率など、名目数値よりも実体経済に近い数値推移で市場を把握する。著書に『AI×人口減少』(東洋経済新報社)、『日本の国難』(講談社現代新書)など。

「2021年 『マンガでわかる その後の日本の国難 稼ぐ力の高め方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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