伝える本。―受け手を動かす言葉の技術。

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478012826

作品紹介・あらすじ

言葉は伝える技術である。言葉の送り手が言葉の受け手を、自分の望む方向へ動かすための技術である。それを叶える方法は、送り手が受け手の言って欲しいことを言ってあげることだ。すべてを決めるのは受け手だから、である。ある言葉の専門家が、筆を尽くして伝えたいこと。

感想・レビュー・書評

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  • 送り手の言葉は約束である。
    すべては受けてが決める。
    それを聞くと私にどんなトクがあるのか?がベネフィットの正体
    受けての状況でベネフィットは変わる。
    1.主観に左右される言葉は使わない。
    2. 受け手の判断の尺度をあらかじめ明確にする
    3. 受け手と同じ言葉を使う
    4. 受け手の状況を把握して、ベネフィットを提案する

    受け手の言って欲しいことを、言って欲しいように言ってあげる。

  • この方のコピーを見るととても素敵なものばかりと思うのですが、本は読むのが一苦労、文章を不快に思うことすらありました。
    この本を読んで思ったのは、思考してコピーに凝縮する能力と、本のように長々と文章を紡いでいく能力は別なのだなということ。
    酔っぱらった若しくは自分の意見が参考になると思って疑わないおじさんがしゃべるような、管をまくような調子が延々と続いていきます。
    セルフツッコミの数がとても多い、親しき中にも礼儀ありというのがないくだけすぎた文体、内輪ノリなのかな?と。

    レンタルさんのブログ(https://dktkyk.hatenablog.com/entry/2017/05/08/215219)を読むと、有名なコピーライターの人の本なのに、理解できない着いていけない自分がおかしいのか?とよぎる不安を一蹴できます。自分の快不快センサーを信じて良いと思います。

    この本が出たのが2010年ということで、いきなり2021年から殴りかかるのはずるいかな?と思いもしますが見過ごせないので書きます。
    言葉に対して真摯であろうとして、その情熱を理解できない人ばかりの世の中に鬱憤があるかもしれませんが言葉を大事にする割には言葉を通して行われる他のコミュニケーションに対してリスペクトも理解もないのでは?と引っ掛かりました。
    P240.241の上司と部下の話。デートなんてプライベートなこと、言う必要ありません。
    P245の母子の話。いい子にしなければ~という教育の仕方は、良くないはずです。交換条件のようなものや、お母さんが悲しむから子供に良い行いをしろというのもおかしいです。
    P260でエコってなんだろうね、丁寧に会話を重ねていけばわかっていけるようなことを言っているその姿勢は良いと思うのに、なぜそれをP245の育児に当てはめることができないのか。
    休みなく続く大変な育児の中で理想論を言うのは…というスタンスならわかりますが、そうではなくこの人は言葉を扱う自分たちを上に見て、育児なんて簡単とでも見下しているのではないかと思います。

    言葉に対してこの方なりの思いがあるのでしょうが、それと同じように各々がそれぞれのフィールドで友人家族知人心を許した人、と段階に応じて熱心に言葉を大切にコミュニケーションをしていると思います。だから一概に言葉不全なんて言えないと思います。
    この言葉をチョイスした、文章の雰囲気から、自分以外の人が言葉の素人と思って疑わないリスペクトしない姿勢が見て受け取れます。とても不快でした。

    私はこの人を前にしたら、心を開きたくないのでまともに話せないと思います。
    そうしたらこの人からしたら私は言葉不全の扱いになるんでしょう。私だけに限らず、世の中で自分が見せて貰えていないという可能性に気付いた方がいいのではと思います。
    世の中にあふれる言葉はプロのコピーライターのものでなくても面白いものがいっぱいあります。もちろんプロのコピーライターの仕事や能力を否定することも疑うこともないですが、自分が思うことを伝えるのに見下したり否定的で人を不快にさせるのが果たして良いやり方なのか?と甚だ疑問です。

  • 選んだ目的

    最近 SNSなどで文章を書く時間が増えたから

    読んだ感想、新しい学び。

    ―言葉は伝える技術である。言葉の送り手が、言葉の受け手を自分の望む方向へ動かすための技術である。それを叶える方法は、送り手が受け手の言って欲しいことを言ってあげることだ。全てを決めるのは受けてだからである。

    ―言葉のメカニズム
    ・誰かが言葉を発した途端に、自動的に受け手が誕生する。言葉を発した誰かは、同じく自動的に送り手になっている。

     言葉は発された途端に、送り手と受け手を作り両者をつなごうとする。送り手は言葉で送り手の気持ちや考えや意思、願い、状況を受けてに伝えようとする。
     
     送りてはその言葉を伝えることで、受け手を自分の望む方向へ動かそうとする。

    ―認知
    ・そこに言葉があること。それに気付いてもらわなければ、何も起こりようがない。

    ―ベネフィット
    ・どうやら送り手の言葉は受け手に「何かスペシャルなこと」を約束した方がいいらしい。

     そして、その約束こそがめんどくさい受けてをコントロールできる唯一の材料。

     それを聞くと私にどんな得があるの?がベネフィットの正体。

    「受け手の言って欲しいことを言ってあげる」
    これを知るためには自分が受けてだったらと考えれば良い

    これからどうするのか?


  • 広告のコピーを書きたい人には良いかも。最初と最後だけ読めば良いかなって感じ。受けての言って欲しい事を言うしかない。って事。

  • 「クリエイティブ・ディレクター」「コピーライター」とカタカナ肩書きの筆者が、自らも仕事で大いに使っている「言葉を他者に伝える」ことに関して書き連ねたエッセイのような本。

    言葉や宣伝文句、呼び掛けは発しただけではただ単に「言った」だけであり、受け手がそれを受け止めて初めて成立する。しかしそれは発した側の意図とは別の受け取りかたをされる場合もある。伝えたい時はとにかく相手の立場になって考えてみよ、ということが度々登場する。

    言葉を武器に伝える側の人だからこその説得力と、伝える側による自戒が込められている。軽々しく言葉を使っていないか、メディアは受け手のことを考えて発信しているか、と。

    しかし説得力と同時に、読みやすくエッセイ風に書かれているためか私の偏見なのか、どこか「業界人臭」は感じてしまう。やはり伝えるということはなかなかに難しいもののようだ。

  • 送り手、受け手、送り手、受け手…。
    今までこの関係性をここまで考え続けたこともなかった。

    「受け手に対して、自分の言葉は伝わっていない気がする」
    どうしたらいいんだろうと漠然と感じていた。

    山本さんの文章は、言葉の技術を270頁の中で反復して教えてくれた。

    「受け手との共有エリアを見つけるために、受け手の状況を知ること」
    自分が受け手なら、どうしたいか考えて「言って欲しいこと」を伝える。
    この本を読まなければ気づかなかった大事なことだ。

    山本さんは尺度という言葉を使っていたが、自分は「受け手が対岸にいるなら、受け手の岸まで行ってここからの景色はどう見えるのかな?と見渡すイメージ」を持った。

    確かに面倒くさい。
    でも、周りの人とコミュニケーションして生きていくにあたって必ず身に付けたいこと。
    会話の中で考えると、まだスラスラと言葉が出てくる自信がないが、まずはメールや引き継ぎメモなど、文章を書く際に意識して技術を習得していこう。

    あと、資生堂やトヨタなどの広告コピーをこしらえたときには技術をこう使ったというコピーライターならではのお話や、悪いことをカッコ悪く言おう(ドラッグ→アホ薬)というお話も面白かった(あ、曖昧でごめんなさい)。

  • 言葉を伝える技術であるということが伝わる。送り手、受け手についても書かれている。

  • 言葉に向き合う心構えの一冊。

    ・言葉にうるさい友人が近くにいる人
    ・言葉の取り扱いに思い悩んでいる人
    ・言葉について考える時間がある人

    ▼本質は?
    伝わらない言葉は音である。
    ▼芝蘭友からひとこと
    「コミュニケーションは受け手が決める」というのが
    本質だろうけど、それはもはや私にはあまり目新しい視点
    ではないので本質はあえて上記を採用。

    すべては受け手が決めることならば、
    送り手の言葉はすでに受け手のものなのである。(引用)

    言葉も消費される。(引用)
    言葉はコミュニケーションではない。ギャンブルである。(引用)

    というわけで『案本』(山本高史著/インプレスジャパン)
    に続き10万字という言葉のギャンブルにでた著者。

    正直、もっと深いところが知りたい。

  • 著者は電通の元クリエイティブ・ディレクター。
    冒頭で、これから書こうとしていることは、以下だと
    言い切る。

     言葉は伝える技術である。
     言葉の送り手が言葉の受け手を、自分の望む方向へ
     動かすための技術である。
     それを叶える方法は、送り手が受け手の言って欲しい
     ことを言ってあげることだ。
     すべてを決めるのは受け手だから、である。

    コミュニケーション論あたりの領域を超えて、著者の
    哲学が書かれてあるといった趣き。
    頷くことや、胸がすくようなことも書いてあって、
    貼った付箋の数もかなりのもの。

    ただ、読み進めていくと、どうにも気になることが。

    自分で書いたものに自分で突っ込んだり、あるいは
    ボケたり。著者の心の声(みたいなもの)を連発
    したり。
    しかも、こういうものが、著者の論理展開の中で
    挙げている事例などと同じように、すべて括弧( )
    でくくられて出てくる。

    ほかに表現のしかたがあったんではないかと。

  • 言っていることは正しいと考える
    が、言いぐさが肌に合わない。。

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著者プロフィール

クリエーティブティレクター、コピーライター
1961年生まれ。85年大阪大学文学部卒。同年電通に入社。コピーライターと して活躍し、数多くのキャンペーン広告を手がける。2006年に電通を退社、 コトバ設立。
TCC最高賞、クリエイター・ オブ・ザ・イヤー特別賞など多数受賞。2013 年から関西大学社会学部教授も務める。

「2018年 『伝わるしくみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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