小さく始めて農業で利益を出し続ける7つのルール―家族農業を安定経営に変えたベンチャー百姓に学ぶ

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 141
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478013007

作品紹介・あらすじ

ルールを守れば、独立1年目から売上4000万円を上げられる!もちろん黒字!これから始める人、小さな農家でもできる安定した収益を上げる農業マネジメント。

感想・レビュー・書評

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  • 農業経営の考え方、簡単な管理方法などがわかりやすく書いてあり、参考なった。

  • ちょっとマダ早かったかな

  • 零細こんにゃく農家から年商20億円の大法人を築いた著者。最初は家業が農家である強みで成功した勝ち組の著作だと思った。しかし、破綻寸前から工夫と努力で農業経営を発展させていく内容は、新規参入者にも参考になることが多い。また、著者は法人化して経営が安定していくのと並行して、新規参入者への支援も行っており、行政や補助金に頼らず農業発展に寄与しているように感じた。方針管理手帳の創出も素晴らしい。

  • 最初は農業の企業(的)経営に関する本かと思って、それほど期待しないで読み始めたのだが、非常に参考になった。確かに億を超えた営農を行う企業組織の運営に関しての部分は自分には当てはまらないが、「そもそも農業をするということとは」的な指摘やアドバイスは非常に心に響いた。朝5時から夜10時まで畑に出ている人の話、農業技術なくして経営どころではないという話、顧客の求める声に応えることの大切さ、農業日誌の大切さ、手元に置いてこれからもチェックのために使いたいと思う本。

  • いろいろな苦労、失敗をして 本当になにが大切か、きづかせてくれる。

  • 忘れた

  • 一見王道を通っているかのように見えるが、その実、細かなチャレンジの積み重ねでリスク→プロフィットを生み出してきた。そんな男の手記。農業をビジネス化する為のエッセンスを感じました。

    日本農業の問題点を、一般的に取沙汰される政策レベルの構造問題ではなく、「農家は再生産出来る価格を明示せず、相場を狙って高く売るか」、「業者はいかに安く買い叩くか」という商売としての思考回路にあるとしているのは新鮮でした。

    「これからの農業=A.顧客のニーズを満たす+B.世の中の課題や問題を積極的に解決する」という一文は、端的に作者の意向を表している気がします。(個人的には、A≒Bも同時に成り立つと思いますが。)
    その為には、農産物の持つ価値を再確認する必要があります。①そのものが持つ機能価値、②届け方が生み出す価値、③栽培方法による価値、④生産者の価値、⑤加工出来るという未来的価値の5つ。言われてみれば当たり前だけど、しっかりと頭に叩き込む必要がありますね。

    ①の例でレタス。通常、生産者は、重く歩留まりの良いレタスを作ろうとしますが、大手ハンバーガーチェーンの要望は全く異なります。「一枚当たりの重さが20-30gで、かつ、青ければ青いほど良い。」です。「レタスの価値」に顧客と生産者の間で大きな乖離が存在するのは自明でしょう。これこそ、「再確認」が必要なケースです。(個人的には、生産者が作りたいものを作る、というスタンスも大好きですが。)

    ⑤の例では、「顧客の注文よりも多めに作付し、規格外品や余剰野菜を加工して、全く違うシーンで使用できるようにする。」という話もありました。
    一方で、トマト等は、普通の品質のものに、「もぎたて」というwithout costなプレミアムを付けて一気にグレードアップさせるという、生鮮食品を流通の観点からの「the 農家的な」アプローチも忘れていないことにも好感が持てます。

    ここで、気になった言葉を羅列すると。
    「農地は生産設備でありながら、減価償却出来ない。」
    「農業では、播種~出荷までの間、手元の資金が出ていくばかりで、入ってくるお金はない。新品種等に手を出すときも同様、相応の自己資金を持たなければ、運営はできない。」
    「適地適作で周年出荷しつつ、作物の営業に特化した部署を作れ。」
    どれも、現代農業の問題点を的確についていると感じました。

    最後は、熱い言葉で締めくくります。
    「肩書きや企業の後ろ盾や学歴に囚われず、自分の技術を一旦忘れ、馬鹿になり、一人の人間として農業を究めようとしたとき、農家は本当のことを教えてくれる。」
    三洋電機創業者:井植の言葉「日本の製造業が栄えたのは、農業で培った優秀な労働力とその考え方(百姓=一人で百の仕事をする)があったからだ。」

    わざわざサインまで貰った甲斐がありました!

  • 農業で利益を出し続ける上で必要となる視点や基本姿勢を、著者自身の経験に照らしながら解説した本。

    生活を賭けて、厳しい市場で道を切り開いてきた人間の持つ迫力が、遺憾なく伝わってくる。

    著者が農業経営者として目指しているゴールは、何ら新規性がなく、著者自身が序文で述べているとおり、「当たり前」なものである。曰く、成功する経営とは、「自分のお客様を作り、長期的視点で本業とその技術を究め、価値ある商品を開発し、堅実な投資をしていく」、「それらを行う人財教育を継続的に行い、個人を活かして幸せにする組織化を行う」ことである。

    然るに、本書を少し読むだけで分かるのは、現在日本において、この「当たり前」の事を農業で実践することが、如何に困難であるか、である。まず、農協が流通を支配しており、多くの農家は、自分の商品がどこで消費されているかすら知らない。「自分のお客様を作る」以前の問題である。また、生産人口が著しく高齢化しており、「長期的視点」どころか、そもそも成り手がいない。生産調整や横並びへの同調圧力により、「技術を究める」のも憚られる。その結果、「価値ある商品」が何であるか分からず、「堅実な投資」も何も商品開発に向けた投資をしない。そのような状態であるから、「人財教育」も「組織化」なく、これがさらに生産人口の高齢化と農協支配を強め、負のスパイラルを完成させる。

    著者は本書で、この「当たり前のこと」を実施することが著しく困難な産業構造下で「当たり前のこと」を実施していくための視点やノウハウを、平易でありながらも高密度な文章で、教えてくれる。それらは、「長期的な安定供給を行うために農業を家業として息子や孫たちに受け継いでいく」、「農業において価値ある商品を作るには、気まぐれな自然に合わせて全ての予定を常時組み立て直す必要がある、よって家族はこれを理解し、一家の予定を全て農作物最優先な体制にする必要がある」、「全く同じ作物であっても、新しい土地では、その土地に適した全く別の栽培プロセスが必要になり、これは地元の人間に教えてもらうしか無い。然るに地元の人間は、地元に骨を埋める覚悟のある人間にしか、ノウハウを教えない。よって、実際に地元に骨を埋めるほかない」、といった、時代に逆行するかのような言説のオンパレードである。しかし、農地法の抜本的改正による一般法人の新規参入完全自由化などが起こらない限り、現状において農業で利益を出し続けるには、これらが最良の策なのであろうことが、本書を読む内に体感される。

    血尿を出しながら新商品開発にチャレンジし成功した著者の、農業にかける気迫と重みが込められた出色の書。☆5つ。

  • ずいぶん前に読んだ本ですが、これを読むと農業とは加工して初めて利益が出るということがよく分かりました。

  • さらっと読めました。
    あまり、記憶に残らないかもしれません。

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