この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講

  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 1991
感想 : 203
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478013243

作品紹介・あらすじ

クソつまらなくて退屈、そんな「ミクロ経済学」のイメージを「世界で唯一のお笑い経済学者」がぶっとばす! 需要と供給からゲーム理論までカバーし、お笑いと経済学を両立した奇跡の入門書、ついに日本上陸!

感想・レビュー・書評

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  • ミクロ経済学を分かりやすく解説したマンガの訳本。
    最適化する個人、取引、ゲーム理論、パレート改善、囚人のジレンマ、市場、需要と供給、弾力性など、ミクロ経済の概要を理解するための概念を解説している。

    今まで、経済学の教科書などで勉強しても理解できなかった人には、とてもよいかもしれない。

    しかし、概念のきちんとした定義が後半の「用語集」にしかないので、ある程度は経済学を勉強したことがあり、言葉について聞きかじったことのある、もしくは既にだいたい理解した人でないと難しいかもしれない。
    ミクロ経済の知識のない人が、ゼロから勉強するための本ではない。

    自分はミクロ経済について断片的にしか学んでいなかったので、最適化する個人、取引、ゲーム理論など、元々ある程度の知識があった概念については理解が深まったが、よく理解していない概念については、分からず仕舞いであった。

    また、本書の解説でも触れられているが、本書はあくまでもミクロ経済学の基礎について取り扱っているので、行動経済学的な知見はあまり出てこないし、個別具体的な事象についても取り扱っていない。あくまで、基礎的な理論を理解しましょうというのが目的である。

    本書を読んだだけで、ミクロ経済学を理解できる訳ではないが、途中で挫折した人や、ある程度勉強した人が全体を俯瞰するためには、一助となる一冊。

  • すぐ読める、というと内容が薄いようにも思うが、あまりに厚い本だと読んでいる途中で前のほうの内容を忘れてしまう。これぐらいの内容だとミクロ経済の概要がすっと入ってきてよいかも。
    比較優位や需給曲線といった基本的な内容から限界分析、ゲーム理論などのエッセンスが学べる。
    個人の行動、取引、市場、、、と具体例がイメージしやすい例で始まり、次第に抽象的な内容に進むという構成も分かりやすい

  • 分かりやすく、マンガ形式で説明されているので初心者にオススメ!
    大学1年次に出会いたかったなー。

  •  「経済学ってそもそも何を扱うの?」こんな問いで始まる本書は、この答えが何もアタマに浮かばないアナタのために書かれた経済学の入門書だ。さて、本書は、経済学で扱うのは、「最適化する個人(=合理的個人)」だと明快な答えを提供するのだが、これまたよくわからない。けれども、このよくわからない「最適化する個人」がどんなものなのかをストーリーの中で説明していくうちに、経済学で重要となる「ディシジョンツリー」、「パレート効率性」、「ゲーム理論」などをひと通り概説してしまうというハナレワザを、本書は成し遂げてしまうのだ。
     本書のもう1つの特徴として、経済学とお笑いの両立が挙げられる。全編がまんがで描かれるのは、それが各理論の理解の手助けになるだけでなく、読者がクスクス笑いながら最後まで読めるようにという、明白な意図がある。
     これだけで経済学がわかるとは言えないが、経済学世界を素早く見渡せる「見取り図」として、おススメの一冊だ。

  • 経済学を小難しい文章ではなく漫画形式で学べる本。ただ、漫画とはいえやはり小難しい(笑) だが繰り返し出るメッセージである「個人の最適化」がキーワードとなるため、学生時代に意味不明だった用語や経済学の考え方が少しずつ分かってくるのは純粋にうれしい。次はマクロだ!

    メモ)
    ・個人の最適な意思決定。きめるためにディシジョンツリーを作成
    ・サンクコストは埋没費用。回収できないコスト。サンクコストの呪縛
    ・売り手は書いての情報を知らない。それにより生じる「逆選択」現象。
     健康保険、中古車販売など
    ・個人が自己利益を望むことで陥る囚人のジレンマ
    ・囚人のジレンマは話し合いがあれば解決する
    ・売り手にとっての囚人のジレンマは買い手にとっての利益(安価に入手)
    ・オークションは「せり上げ」「せり下げ」「第一価格」「第二価格」がある
     だが、どれを選んでも売り手の期待収入は同じ
    ・税金が売り手、買い手のどちらにかかっても効果は同じ。これを「税の等価性」という
    ・需要と供給。これらの曲線は需要供給曲線と考えても良いし、限界費用と限界便益の曲線と考えても良い
    ・市場価格があがったときの変動。買い手の買う量、売り手の売る量の変動。これらは需要の価格弾力性、供給の価格弾力性で示される
    ・買い手の税金負担は不公平に見えるが売り手の競争にも影響しているため、競争市場視点では得をしている
    ・競争市場のルールは「限界を理解する事」「競争を守る事」「やり直しの機会を与える」

  • ところでN.グレゴリー・マンキューの本って、どーしてあんなに高いのですか?(新書にでもなれば良いのに)

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    「マンキュー、まさかの大絶賛! シニカルな笑いとマンガ、そしてべらぼうに「とっつきやすい」構成で、経済学はこんなにわかりやすくなるなんて!? クソつまらなくて退屈、そんな「ミクロ経済学」のイメージを「世界で唯一のお笑い経済学者」がぶっとばす! 需要と供給からゲーム理論までカバーし、お笑いと経済学を両立した奇跡の入門書、ついに日本上陸!」
    ↓立ち読みが出来ます
    http://www.diamond.co.jp/book/9784478013243.html

  •  経済学というのは人がよりよく生きようとする上で強力なツールになりうると思った。そもそもすべての学問は人生の向上のために存在するから、それは当然のこと。けど、主観的にならざるを得ない個人の選択の手助けをしてくれるというのは凄くありがたい。1冊きちんと教科書読み込むくらいの投資はする価値がありそう。以下のような疑問点も出たしマンキューでも注文しますかね。

    ・研究開発費がサンクコストになるというが、例えばその費用が仮に公開されていたとしたら、消費者の心理に影響を与えないだろうか。それだけ金がかかってるなら効くだろう的な・・・

    ・銀行の利子率で貨幣の将来価値を計算してたけど、なんで銀行なのだろう、他の投資で得られる(だろう)利率ではだめなのだろうか。それに変化する利子率を基準にしていいのか。あとはデフレ下な上に利子率ほぼ0の日本にいると、これ本当に正しいのかなと。

    ・ケーキ分割は等分に切ればそれで終わりではないのか。

    ・収入等価の定理がよく分からない。2位の上限額=1位の上限額-のりしろが成り立つということ?そうとは限らないんじゃないか。

    ・市場供給曲線はそもそもの前提から分からない。価格が下がったら逆に数を多く売らないと利益が出ないではないか。

    ・chapter13、限界費用・便益曲線はちんぷんかんぷん

    ・公害税は公害の緩和のために使われるのであって、他の税金を下げられるというのはどういうことだ?

  •  タイトルに「この世で一番おもしろい」とあるが、「この世で一番わかりやすい」ミクロ経済学の入門書であるかもしれない。

     その理由は、翻訳者があげているように、需要供給の法則が第3章になるまで出てこないなど、配列が練りに練られているからだ。

     それ以外に驚いたのは、分かりやすい説明には細かいことを思い切って「捨てる」ことが必要だが、本書はそれを実践しているところ。

     例えば、どんなミクロ経済学の入門書でも登場する補完財だとか代替財だとかの説明を「細かい話をすればきりがない」と切ってしまう。そうすることで本来説明したいこと(この場合であれば需要と供給)を、読者にシンプルに伝えている。だから説明がスムーズに流れるので、分かりやすい。

     すなわち、本書は「ミクロ経済学の本当に大事なところ」を著者が厳選して、さらにそれを漫画を使って説明しているのだ。これで分かりやすくならないはずはないし、その点で本書に勝るものはないんじゃないだろうか。

     繰り返すが、非常に工夫されているため、本書はおもしろいだけではなく、分かりやすい本だ、というのが読後感である。

  • ミクロ経済学の概略を漫画で表現した本。
    絵も内容も、違和感なく読める。


    1 個人の最適化戦略
    2 相互関係における最適化戦略
    3 市場における最適化戦略

  • 概要をさらっと理解するのには良い。
    最後にまとめの章を設けてあるのは素晴らしい。ミクロ経済学を俯瞰して見るという本書の役割を合っており、時間がなければ最後の章だけ見るのもあり

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