1坪の奇跡―40年以上行列がとぎれない 吉祥寺「小ざさ」味と仕事

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  • ダイヤモンド社
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感想 : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478013632

感想・レビュー・書評

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  • 40年以上行列がとぎれない吉祥寺の和菓子店「小ざさ」社長の稲垣篤子さんが店と家族について書かれた本です。

    現在は羊羹ともなかの店として全国からファンが買いにくるお店です。
    家族のルーツ・商売人としての父の教え・疎開・吉祥寺での再出発・餡練の神髄等読み応えがあります。

    表紙のお写真はおだやかできれいな方ですが、こんなにすごい経験をされた方なのだなと、本当に尊敬します。
    小ざさのお菓子をぜひ食べてみたいと思いました。

    • やまさん
      tomoさん
      こんばんは。
      やま
      tomoさん
      こんばんは。
      やま
      2019/11/09
    • tomoさん
      やまさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます。
      やまさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます。
      2019/11/10
  • 2年前程前に読んだ本。

    吉祥寺にある有名な和菓子屋さん『小ざさ』。
    一坪の小さなお店にも関わらず年商3億を超える。
    何より凄い事に、開店前から並ぶお客様の行列が
    40年以上絶えないこと。

    本書では小ざさの社長、稲垣篤子さんの半生が書かれている。お店や従業員への思い。家族、お父様から受け継いできた思い。
    真面目に誠実に商売をされてきた方の言葉には
    深く重みがある。

    本書の中で書かれている大好きな言葉たち

    『少しずつ少しずつ前に出ていけば、
    いつか一番いいところに行ける。
    だから、急がなくていい。
    ただ前に出ることだけは忘れずに。』

    『"ありがとうございます"も
    "いらっしゃいませ"も真心を込めなければいけない』
    『真心がこもっているかどうかは態度にでる。』

    『慈悲より言葉』
    『こちらに気持ちや思いがあっても、言葉にしなければ伝わりません。』

    『慈悲より言葉』は本当に身に染みた言葉で
    今も挑戦中。
    心でどんなに、相手に感謝しているか、大切に思っているか、心配しているかは、言葉にしないと伝わらないんだと気付かされたから。
    言葉で相手に気持ちを伝える事は今も恥ずかしいけれど、この言葉に出会ってから意識して伝えるようにしている。

    稲垣篤子さん、大切な事を沢山教えて頂き
    ありがとうございます!(^^)

  • 吉祥寺の人気和菓子店『小ざさ』のルーツと、仕事に対する思いが記載されている。人や仕事への思いは特筆すべきものがあり、小ざさに寄りたくなった。
    小ざさのバトンは次の世代にも引き継がれてほしい。こういう老舗を大事にしていきたいと切に思う。

  • 吉祥寺にある小ざさという1坪の店を経営している著者の、さまざまな経験とその中から生まれてきた仕事に対する考え方など。



    戦前世代が強いのはやはり戦中戦後と大変な時代を生き抜いてきた、その経験から生まれる覚悟が全く違うんだろうな。

  • 「やらなくちゃならない仕事」を「やりつづけたい使命」に変えた女性の一人語り。吉祥寺の駅前の一坪の小さなお店だけど星のような光を放っています。ダイヤ街の道の真ん中の大行列(他のお店の邪魔にならないように?)を見たことがありますが、その光を目指してのちょっと異常な風景なのでありました。そんなに羊羹・最中食べたいの?その光は、もしかしたら彼女が仕事を始めて10年目に感じた「炭火にかけた銅鍋で羊羹を練っているときに、ほんの一瞬、餡が紫色に輝くのです。」という瞬間の発光か?いやいやそれは商品の輝きでも店の輝きでもなく稲垣篤子という人間の放つ強い光なのでありました。ものすごい負けん気の持ち主です。屋台時代の雪の日の涙の想い出、高校の同級生が通りかかったとき顔をしかめたり、目をそむけた一瞬の記憶、そしてなんとしてもカメラを学ぼうとする意志、そして夫とのフィフティフィフティの関係、障がい者雇用の補助金辞退の意地、強い強い!なににもまして、父との師弟関係の強さ!まさに、羊羹版「巨人の星」!しかしもしかしたらすべての職人魂、商売道として、どうにでもあった物語だったのかもそれません。その意地がどんどん消えていくのに比例して、吉祥寺の行列が伸びるのでは?今となっては絶滅危惧種のような欲のない光です。そう、中島みゆき「地上の星」はここにも輝いていました。

  • あんの練り方の話が、詳しく話されている部分が興味深かったです。(自分が学んでいるマクロビとも共通点があったりして)
    かなり細く書いていただいているので お店の風景が目に見えるようです。
    こんなお店の残る吉祥寺がうらやましく思いました。

  •  吉祥寺にある名店、小ざさの店主による本。

     ……。
     個人的には専業のライターが話を聞いて構成を練って書いた方が素直に読めたかなぁという感想である。苦労をしてきたし、味にもこだわりがあり、店を構える意気もある。しかしながら我が強すぎて「はぁ」って鳴ってしまうのである。
     立派すぎて直視できない。我が身の小ささに呆れ果てる。つらい。

     もちろんその立派さは立派だし、それぐらいの我が無ければ小ざさは名店たり得ないのであろうなぁとも思う。
     いつかここの洋館を食べてみたい。

  •  吉祥寺の駅前商店街の中にある和菓子屋「小ざさ」の社長稲垣篤子さんの「私の履歴書」的エッセイであり、ビジネス訓集だ。彼女の生き様、羊羹作りにかける姿勢は勿論すばらしいが、初代の社長で実父の伊神照男氏による薫陶が光る。

    「事を始めるときに大方の人は、『資金や設備がないからできない』と言う。潤沢に揃えてからする事業なら、誰でもできる。なければ頭を使えばいい」

    「一家を背負え、背負えば背負うだけ力が出てくるんだから、背負え」

     戦火をかいくぐってきた男の凄まじい気概がにじみ出ている。

     1971年11月に駅前に伊勢丹吉祥寺店がオープンした時も、
    「もし、お客様が向こうに行ったとしても、コーヒースタンドで生き延びろ」と娘にアドバイスする。いくら人気の羊羹屋だからといって、事業にしがみつくことの愚かさを言っているのだろう。先に読んだ「ハモニカ横丁の作り方」で手塚一郎が言ってた「事業は継続しなければならないという前提なんて幻想です」とも通じる考えだろうか。
     いや、そんなビジネスモデル的なことより、生きていくこと、一家を養うこと、なにが事業の柱かをブレることなく全うした人間の生きながらに体得した教訓なのだろう。

     そんな厳格な父親との30年にわたる羊羹一筋の暮しが淡々と綴られていく。そして、とある年の大晦日に、”儀式”と呼ぶその日の羊羹の味見の席で
    「ようやったの。じゃあもう、これからよかごつやらんの」
     と、初めて娘の作品を誉める言葉を口にする。 そして翌元旦の日に静かに息を引き取る場面は、涙なくして読めないところだ。

     その後、今の人気を誇る名店となるに至る年月が綴られた一冊ではあるが、事業として成功させる秘策のようなものは何もなく、ただただまっとうに羊羹に向き合ってきた「小ざさ」という店の営みがあるだけ。ただただまっとうに正直に、、、秘策といえば究極の秘策なんだろうな。
     一方で、往時の武蔵野の暮しぶりが垣間見れる記述も味わい深いところ(昔の武蔵野は雪も多く、井の頭公園でスキーをしたそうだ・驚)。
     また、彼女が若いころ本当はカメラマンになりたかったというのも面白いエピソード。土門拳と張り合って撮影ポジションを確保した話とか(@砂川闘争)、「羊羹を練るときは、五感を研ぎ澄まし、手に伝わる感触や少しずつ変化していく色や質感で判断します。この感覚が写真の現像に似ているのです。」と楽しそうに語る場面が面白い。

     さぁ、あとは実際に小ざさの羊羹を食べてみないと!(もなかはこれまでに何度が食べたことがある)
     本書を上梓した時点で稲場社長は78歳。いまや85歳になられている。125歳まで生きることを目標にお元気に過ごされているとしても、そうそう現場には出てらっしゃらないのではと想像する。ご存命のうちに小ざさの羊羹を是非賞味させていただかなくては!と心が逸る。

  • 吉祥寺にある1坪の和菓子のお店「小ざさ」。扱っている菓子は羊羹ともなかの2品。試行錯誤を重ねてつくられた2品はまさに「小ざさ」の味。その味を求めて開店前には行列ができるほど。和菓子は季節のお菓子であるため気候に左右されやすい。その日の状態に合わせた細かい時間調整をします。「小ざさ」の味を守るための努力は計り知れません。

  • 池袋天狼院で店員のおにいちゃんに超すすめられ、「店長がこの本を読んで何度も泣き、泣いた箇所には付箋がしてあるんです。」という。見るとそこにはびっしりと赤線がひかれ、いくつもの付箋が貼られた一冊の本が置いてある。
    「小ざさという吉祥寺にある小さな和菓子屋さんを経営し、羊羹と最中だけを丁寧に作り続けるおばあちゃんが書いた本で、あまりにいい話だからNHKの朝の連ドラのモデルとして取り上げてもらえないかぼくらで運動を起こそうとしてるんですよ。」と力説する。
    タイムリーなことに、その日の情報番組は吉祥寺特集で、「小ざさ」も登場し、朝5時ぐらいから店の前に行列を作る人たちの様子を映している。そんなにすごい店ならば、とアマゾンで「一坪の奇跡」を買った。
    …確かにまじめで、商品やお客様に対する真摯な心構えとストイックなまでのこだわりには頭が下がるし、根強い人気があるのもうなずける。
    しかし朝の連ドラに匹敵するほどのドラマチックな出来事には欠けるなぁと少々意地悪に見てしまう。超真面目な人生ですからね。
    ついでに通販で最中をお取り寄せしてみた。
    ごめんなさい、それほどの最中通ではないので他との差がよくわからないっす。

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