1坪の奇跡―40年以上行列がとぎれない 吉祥寺「小ざさ」味と仕事
- ダイヤモンド社 (2010年12月3日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478013632
感想・レビュー・書評
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2年前程前に読んだ本。
吉祥寺にある有名な和菓子屋さん『小ざさ』。
一坪の小さなお店にも関わらず年商3億を超える。
何より凄い事に、開店前から並ぶお客様の行列が
40年以上絶えないこと。
本書では小ざさの社長、稲垣篤子さんの半生が書かれている。お店や従業員への思い。家族、お父様から受け継いできた思い。
真面目に誠実に商売をされてきた方の言葉には
深く重みがある。
本書の中で書かれている大好きな言葉たち
『少しずつ少しずつ前に出ていけば、
いつか一番いいところに行ける。
だから、急がなくていい。
ただ前に出ることだけは忘れずに。』
『"ありがとうございます"も
"いらっしゃいませ"も真心を込めなければいけない』
『真心がこもっているかどうかは態度にでる。』
『慈悲より言葉』
『こちらに気持ちや思いがあっても、言葉にしなければ伝わりません。』
『慈悲より言葉』は本当に身に染みた言葉で
今も挑戦中。
心でどんなに、相手に感謝しているか、大切に思っているか、心配しているかは、言葉にしないと伝わらないんだと気付かされたから。
言葉で相手に気持ちを伝える事は今も恥ずかしいけれど、この言葉に出会ってから意識して伝えるようにしている。
稲垣篤子さん、大切な事を沢山教えて頂き
ありがとうございます!(^^)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
40年以上行列がとぎれない吉祥寺の和菓子店「小ざさ」社長の稲垣篤子さんが店と家族について書かれた本です。
現在は羊羹ともなかの店として全国からファンが買いにくるお店です。
家族のルーツ・商売人としての父の教え・疎開・吉祥寺での再出発・餡練の神髄等読み応えがあります。
表紙のお写真はおだやかできれいな方ですが、こんなにすごい経験をされた方なのだなと、本当に尊敬します。
小ざさのお菓子をぜひ食べてみたいと思いました。-
2019/11/09
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2019/11/10
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吉祥寺の人気和菓子店『小ざさ』のルーツと、仕事に対する思いが記載されている。人や仕事への思いは特筆すべきものがあり、小ざさに寄りたくなった。
小ざさのバトンは次の世代にも引き継がれてほしい。こういう老舗を大事にしていきたいと切に思う。 -
たった1坪で年商3億ですか?
しかも 扱ってるのは
「羊羹 580円」「もなか 54円」 というのです。
大量生産で薄利多売なのかと思ったら
羊羹は 味を保つには 一日150本しか作れないそうです。
凄いですね~~
著者のお父さんが始めた このお店を引き継いだときに お父さんの 心と味を 引き継いだようです。
一度行ってみたいお店ですが
朝早く行かないと 羊羹を買えないようなので
もなか狙いで いつか行きたいですね。 -
吉祥寺にある小ざさという1坪の店を経営している著者の、さまざまな経験とその中から生まれてきた仕事に対する考え方など。
戦前世代が強いのはやはり戦中戦後と大変な時代を生き抜いてきた、その経験から生まれる覚悟が全く違うんだろうな。 -
「やらなくちゃならない仕事」を「やりつづけたい使命」に変えた女性の一人語り。吉祥寺の駅前の一坪の小さなお店だけど星のような光を放っています。ダイヤ街の道の真ん中の大行列(他のお店の邪魔にならないように?)を見たことがありますが、その光を目指してのちょっと異常な風景なのでありました。そんなに羊羹・最中食べたいの?その光は、もしかしたら彼女が仕事を始めて10年目に感じた「炭火にかけた銅鍋で羊羹を練っているときに、ほんの一瞬、餡が紫色に輝くのです。」という瞬間の発光か?いやいやそれは商品の輝きでも店の輝きでもなく稲垣篤子という人間の放つ強い光なのでありました。ものすごい負けん気の持ち主です。屋台時代の雪の日の涙の想い出、高校の同級生が通りかかったとき顔をしかめたり、目をそむけた一瞬の記憶、そしてなんとしてもカメラを学ぼうとする意志、そして夫とのフィフティフィフティの関係、障がい者雇用の補助金辞退の意地、強い強い!なににもまして、父との師弟関係の強さ!まさに、羊羹版「巨人の星」!しかしもしかしたらすべての職人魂、商売道として、どこにでもあった物語だったのかもそれません。その意地がどんどん消えていくのに比例して、吉祥寺の行列が伸びるのでは?今となっては絶滅危惧種のような欲のない光です。そう、中島みゆき「地上の星」はここにも輝いていました。
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あんの練り方の話が、詳しく話されている部分が興味深かったです。(自分が学んでいるマクロビとも共通点があったりして)
かなり細く書いていただいているので お店の風景が目に見えるようです。
こんなお店の残る吉祥寺がうらやましく思いました。 -
稲垣社長のノンフィクション。唯一無二のお店を育ててきた社長の経営や人に対する考え方が、要所に散りばめられている。小難しい理論やテクニックを紹介しているわけではないので、エッセイ感覚で読めて読みやすい。
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吉祥寺にある名店、小ざさの店主による本。
……。
個人的には専業のライターが話を聞いて構成を練って書いた方が素直に読めたかなぁという感想である。苦労をしてきたし、味にもこだわりがあり、店を構える意気もある。しかしながら我が強すぎて「はぁ」って鳴ってしまうのである。
立派すぎて直視できない。我が身の小ささに呆れ果てる。つらい。
もちろんその立派さは立派だし、それぐらいの我が無ければ小ざさは名店たり得ないのであろうなぁとも思う。
いつかここの洋館を食べてみたい。
稲垣篤子の作品
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