強さと脆さ

制作 : 望月 衛 
  • ダイヤモンド社
3.78
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本棚登録 : 254
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478013847

作品紹介・あらすじ

『ブラック・スワン』でその名を世界に轟かせた著者が、ブラック・スワンが育つ危険な領域を明らかにし、それに対処するための具体的方法を示す。

感想・レビュー・書評

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  • ブラックスワン続編 実践の本 不完全な知識と、大きな影響を及ぼす不確実性の本

    ・無駄を愛する、(経済的 )効率化は脆さの元

    無駄→(予備的機能 )→本来の役割から外れた機能の発現

    目的志向ではなく分別ある遊び人

    差異のない区別
    区別の無い差異

    測るという言葉、予測するという言葉の使い分け
    予測するという場面では人は自分の判断にうぬぼれ黒い白鳥に見舞わられる
    「受けた教育と文化的環境に洗脳された私は、規則的に運動して規則的に食事をするのが健康にいいと思い込んでいた、」
    運動のバーベル戦略→たっぷりだらだら、時々猛烈に運動

    63

    不確実性→存在論的な、認識論的な
    前者→過去の経験から推測不可能

    86

    皇帝のアドバイスではなく否定のアドバイスに価値がある。前者は詐欺師の商売道具

    時の試練、はっきりと現れない知識への敬意
    →会社のシニア層

    確率が低い物事に典型的な姿なんてものはない

    コントロールできること(自分が何するか )に着目しコントロールできないこと(すでに投じた金融商品の推移 )わ心配すべきでない

    そして最後にはセネカ、実践的なストア哲学に行き着く
    スティルポーン→奪われるかもしれないものは自分のものと考えない

    Valu!(頑健であれ )

  • ・損失を社会化し、利益を私有化してはいけない
    ・成功報酬をもらえる人に原発の経営や金融リスクの管理をさせてはいけない
    経済学は学問でもなんでもないんだよ、ということはそろそろ声を出して言わなければいけない時期だ。
    今の日本ではブラック・スワンは来るべき巨大地震だと思えば、そのように見えてる人、見えない人という対比も含めて非常に腑に落ちるのではないか。

  • 前作の「ブラック・スワン」で散々分からず屋にいろんなことを言われたことがよっぽど腹に据えかねたのか、その怒りが行間からにじみ出てくるようだ。

  • 何でも確率的な理由で物事を正当化する社会に警鐘を鳴らしたものだ。実際著者は統計学の博士であるが、果ての国(誤差の大きな事例)で複雑なペイオフ(事象が確率的でその大きさにも関わる)のような世界(彼はこれを第4象限というが)では、ブラックスワンが生まれると指摘する。そしてこの第4象限を和らげる方法とブラックスワンに強い社会の10か条を提言する。人間は過ちを犯すものであり、過ちを犯さないようにすることも大事だが、それがかなわぬ第4象限では、起こった後にその被害をシステム全体に広がるのをどのように防ぐかを考える事が大切と提言する。基本的には自然や人間の持つような融通性(彼は無駄と称するが)が大きなものをいうと考える。データと確率分布の循環的関係(ベイズの統計学にも関わる)、進歩はオプション性に絡むランダム性から生まれる、などは目から鱗ものだ。また、[成功するには、損失を避けるのが一番で、儲けようとしないことだ]という確率論の基本は日頃忘れがちにあることだが、これを改めて認識させられた。しかし人間は正当なことばかりを理由に行動しないという事も真実で、その折り合いをどうつけるかが大事で、恐らく第4象限に属する話だろう。
     実際問題として、第4象限の事象を避けて通るのではなく、それを何とか第2象限や第3象限の様な確率が高く、安全なものに一旦昇華し、物事を決めてゆくことは日常的に行われていることではないだろうか。それも人間の知恵の一つだろう。
    そう考えると、その昇華方法は人間とのつながりあったりするのだが、別の意味で、第4象限の身近な対象は人間そのものではないだろうか。

  • 自分が死ぬということは、過去に起きたことがない事象のため、
    ノーベル賞を受賞した経済学者や金融工学が得意なウォール街の
    ビジネスマンにとっては黒い白鳥(1万年に一度の事象)なのだろう。

  • アメリカで開発された悪魔の金融商品、高度な数学を駆使しても、悪いことに使われては何もなりません。その点、リスクの原点に返って、素晴らしい本です。

  • ブラックスワンを読む前に読んだ。参考になったのは。。。最適化を避ける。無駄を愛する。リスクは避ける。壊れやすいものは早くまだ小さいうちに壊れたほうがいい。事故を起こした連中に二度と運転させてはいけない。成功報酬をもらえる人に原子力発電所を経営させてはいけばい。

  •  3・11の震災、それに伴う原発事故否人災というのは明らかに日本にとってのブラックスワンであった。第4象限、すなわち「果ての国」・複雑なペイオフという黒い白鳥の領域で起こったことだった。こうした状況にあって、相対的には優秀であるはずの管理者たちが、ほとんど無能であったことはいうまでもない。しかし、危機は起こってしまったし、これからどうすべきかを日本という国は考えなければならない。以下黒い白鳥に強い社会を創るための10の提言(原則)を引用する。

    1. 壊れやすいものなら、早く、まだ小さいうちに壊れたほうがいい

    2. 損失を社会化し、利益を私有化してはいけない

    3. 目隠しをしてスクールバスを運転していた(そして事故を起こした)連中は、二度とバスを運転させてはいけない

    4. 成功報酬をもらえる人に原子力発電所を経営させてはいけない。金融リスクの管理もだめだ。

    5. 複雑なことは単純なことで中和する

    6. 子供にダイナマイトを渡してはいけない。注意書きが貼ってあってもダメだ

    7. 信頼に支えられる仕組みなんてネズミ講だけだ。政府に「信頼を取り戻す」なんてことをさせてやらないっといけないいわれはない。

    8. ヤク中が禁断症状に苦しんでいても、麻薬を与えてはいけない

    9. 市井の人たちは金融資産を価値の保蔵手段として使うべきでない。
    また、あてにならない専門家のアドバイスに老後の生活を託してはいけない

    10. オムレツは割れた卵でつくる

    無論、比ゆ表現をつかっているのでわかりにくい場合は本書を。

    肯定形のアドバイスより否定形のアドバイスのほうが、現実的で堅牢である場合が多いということを認識していない人が多すぎる。次代を担う私たちは、この箴言を胸に新しい社会を見出さなくてはならないだろう。

  • 今回もまた終章がよかった。Vale!

  • ★勘違いを見事に訂正★さっと読んだだけだが、「ブラックスワン」の解説本といったら良いだろうか。前著を読んで、ブラックスワンを理解したら資産運用ではバーベル戦略(滅多に起きないことに少し賭け、残りは安全資産に投じる。中途半端なリスクは取らない)を「積極的に」取ることが重要なのだと思っていたが、この本で見事に間違いを指摘された。ブラックスワンは活かして稼ぐものではなく、その危険性を認識してできるだけ損をしないようにするべき考え方らしい。「じゃあどうすればいいのか」という問い自体がナンセンスのようだ。

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