<大学生および20代前半の読書をほとんどした事がない人向け>
バブル時代の価値観と現代の価値観の違いの指摘を試みている、レバレッジなんちゃらを慫慂している本田直之氏の2012年発刊の書。
自由に生きるための条件として、以下の条件を提示。
1. 仕事を楽しんでいる
2. いい仲間、いい家族がいる
3. 経済的に安定している
4. 精神的・肉体的に健康である
5. 刺激のある趣味やライフスタイルをもっている
6. 時間を自分でコントロールできると感じている
7. 住む場所をしっかり選んでいる
8. いい考え方のクセを持っている
9. 将来の見通しが立っている
10. ゴールに向っている感覚を持つ。
果たしてこれが新しいのか、以前からそうであるようにも思いますが、ともすれば、物がなかった時代に新しく登場した価値は、総じて物に化体したものであって、機能としての物への欲求が満たされている現代の特に日本においては、経験することや成長することが新しい価値として受け入れられつつあるということをたぶん指摘しているのだと思われます。
Take awayとしては、
「如何なる時代もすべてを手に入れようと思えば、それは難しく、目線を高めに設定していれば、いつまでたっても満足できない。こだわりを持ちたい部分を決めて、選択と集中で、資源(時間、労力、お金など)を投資する。こだわりを持ちたい部分は、周りに流されることなく、本音丸出しで、自分の心に問いかけてみようよ、周りの評価ばかり気にしていても、疲れるだけだぜ。自分らしく、自分だけらしくいられればいいいじゃない」
ということかと思います。多くの指摘は、客観性のないデータや定性的なインタビューに基づいたものであって、こうゆう世の中になってきたんだな!と見なすことはまったくできませんが、直感的には間違っていることが書いてあるわけでもありません。
また彼自身の選択が素晴らしいかのような記載が目立ちますが、まぁ、それはご愛嬌ということでしょうか。一般的な教養のある方は、もっと別の本を読む方が、“レバレッジ”を利かせられると思います。