2013年 大暴落後の日本経済

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  • ダイヤモンド社 (2011年11月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784478015377

みんなの感想まとめ

日本経済の現状と未来を考察する本書は、国債問題や国際的な経済情勢を分かりやすく解説しています。著者は、ユーロやアメリカの経済問題にも触れつつ、日本の経済の行く末について説得力のあるシナリオを描いていま...

感想・レビュー・書評

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  • "現在のユーロの問題、アメリカの問題にも触れつつ、日本の国債の問題について書かれています。
    極端な破綻論者ではなく、自分もかなりこの方の意見に近い形でこの後進展していくだろうなと考えています。非常に分かりやすく書かれていますし、勉強になる1冊だと思います。 "

  • 12.1.15
    平野 敦士カール
    まさに今読むべき本ですね!
    InterviewTube第三回のお客様は
    著名なエコノミストでありベストセラー連発の
    中原圭介さんです!♪

  • 本書は2013年までに起こりうる日本の危機とその処方箋に対する書である。現在(2012年1月)、EUは危険水域にあり、本書執筆時期よりも円高に振れている(99円)。2012年にイタリア・スペインの破綻が回避できるかどうかがポイントになる。また、2012年は年末にはアメリカで大統領選挙が行われる。このまま行くと、大きな政府を標榜するオバマ民主党政権や破れ、小さな政府を標榜する共和党に取って代われる可能性がある。

    本書は、EUの危機回避、アメリカの共和党の勝利により、ヘッジファンドの矛先が日本へ向けられ、2013年には日本国債が暴落、日本が危機に立たされると予測している。しかし、2013年に危機にならず、そのままずるずると2015年、2020年と財政赤字を膨らまし、さらに状況を悪くするよりも、2013年に一端危機に陥り、起死回生をしたほうが日本のためになると筆者は説く。

    2013年の日本での危機に対する処方箋は2つ同時に行う必要があると筆者は述べる。消費税の20%へアップと法人税の40%から20%への切り下げである。年金などの社会保障費は全額消費税で賄うとしている。この二つの処方箋により、日本は危機を回避し、成長へ復帰できる可能性も出てくると筆者は説く。

    本書は、既に多くのAmazonレビューが寄せられている。概ね、危機に至る道筋の洞察には賛同する意見が多いものの、処方箋については短絡的であるとし、懐疑的な意見が多い。

    たしかに、処方箋については、割り引いて考える必要があるようだが、2013年までの世界経済の洞察については、分かりやすく、お薦めと言える。


    <目次>
    第1章 欧州財政危機の未来
    第2章 欧州の次に忍び寄る日本の財政危機
    第3章 日本は国債バブルの真っただ中
    第4章 ヘッジファンドが日本国債の暴落をもたらす
    第5章 大暴落後、日本はこう変わる
    第6章 日本を豊かにするには、こうしなさい!

  • p44
    2009年10月にギリシャの財政問題が発覚して以来、欧州の金融市場はヘッジファンドの思うままに動いてきました。ヘッジファンドは初めに、ユーロを売り込む一方で、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルの3カ国の国債を売り崩し、国債利回りを急上昇させるという戦略を取りました。
    その戦略が成功し、2010年4月には、ギリシャの国債利回りが急騰に耐えられず、金融市場で資金調達するのを断念し、EUに金融支援を要請しました。
    ここに至って、ヘッジファンドはこの3カ国の株式も売り込み、「通貨安、債券安、株安」のトリプル安を演出しました。結果として、この間の対ドルのユーロ相場は過去最大の下落率を記録しました。

    p50
    ヘッジファンドはきっと私と同じようにこう考えているでしょう。
    「序盤でギリシャを降伏させ、中盤でアイルランドとポルトガルを征圧した。終盤はイタリアとスペインを占領するだけだ」と。

    ヘッジファンドの終盤での戦略はズバリ、「イタリア・スペインの国債とフランス・ドイツの銀行株に絞って売り崩す」ことです。

    では、なぜフランスとドイツの銀行株もいっしょに売り崩す必要があるのでしょうか。
    それは、フランス・ドイツの銀行がイタリア・スペインにとっては自国の銀行に次ぐ国債の大口スポンサーであるからです。

    p54
    ヘッジファンドの考えでは、欧州財政危機の最後の仕上げは、イタリアとスペインの国債利回りを急騰させ、両国をデフォルトに追い込むことです。

    p66
    ヘッジファンドの中でも先見性の高いファンドは、2010年半ば以降、「実質的な債務」をGDP比での国家債務ではなく、国家と金融機関の合計債務で捉える方向で、市場のコンセンサスづくりを試みようと計画を練ってきました。

    p79
    2012年11月の大統領選ではオバマ大統領が敗れ、上院選でも民主党が敗北する可能性が高いので、ヘッジファンドは米国への攻撃を回避するシナリオを考えつつあるようです。
    共和党の候補が新大統領となると同時に、上院・下院の双方とも共和党が多数派を占めれば、共和党が掲げる大規模な歳出削減が実行され、財政再建が着実に進み始めるのはわかり切っていることだからです。

    p90
    現状では、日本のデフォルトは不可避である。高収益をあげている海外のヘッジファンドこそ、そう考えています。

    p91
    近い将来、日本がヘッジファンドの標的になるだろうと考えたとき、とても重要なのは「日本は欧州の財政危機の教訓おw生かせるのか?」ということです。

    p93
    ヘッジファンドに付け込まれる隙を与えないように、いくつかの教訓を抽出すると、次の4つになるのではないでしょうか。

    すなわち、①問題の先送りはしないこと、②安易な妥協策は決定しないこと、③問題解決にはスピードが求められること、④国民に財政再建の必要性を説明すること、です。

    p96
    実は、日本の債務は国債や借入金だけではありません。財務省が公表する資料に表れていないところにも、巨額な債務が隠れています。
    代表的なのが、インフラの更新や修繕にかかる費用です。

    p97
    大地震が東日本のインフラの更新時期を早め、日本の隠れ負債を増やしてしまったということです。

    p101
    そもそも、日本の年金制度には大きな欠陥があります。
    それは、インフレを前提に制度設計されていることです。そのため、日本ではこの15年以上デフレが続いているのに、逆に年金の給付水準は上昇してしまっています。この欠陥のために、毎年1兆円以上が過大に給付されています。


    p125
    「将来的に、国債暴落はありえる」と考えている識者が少なからずいるのは、説得力のあるシナリオがいくつかあるからです。

    代表的なものをあげると、①国債の残高が国民の金融資産を上回り、国債の消化ができなくなるシナリオ、②日本が経常赤字国に転落し、国債の消化ができなくなるシナリオ、の二つがあります。

    p127
    国ができる借金の残高が何年で食い潰されてしまうのかを計算すればいいのです。仮に1年に40兆円の借金を積み重ねれば、国債消化の限界まではあと5年しか残っていないことになります。

    p128
    つまりこのシナリオでは、国内で国債を消化するのが5年以内には難しくなり、国債購入を海外に依存しなければならなくなります。財政危機が来るかもしれない日本の国債を海外に買ってもらうには、金利を大幅に引き上げざるをえません。そうなると、国債の暴落による長期金利の上昇が現実のものとなっていきます。


    p131
    経常収支の赤字は国内の資金不足を意味します。つまり、日本が経常赤字国になった場合は、国内の貯蓄や資金が不足し、国債発行による資金調達を海外から頼らざるをえなくなります。

    p137
    財政危機への懸念から、国債価格が急落する。国債価格の急落により、銀行に含み損が発生する。含み損の発生により、銀行株が急落する。銀行株の急落により、国債消化に懸念が生じる。国債消化の懸念から、国債価格がさらに急落する。国債価格のさらなる急落により、銀行株がさらに急落する。このようにして、国債と銀行株がお互いに負の影響をし合い、急落の悪循環にはまってしまうと、この窮地から抜け出すのはなかなか難しいでしょう。


    p138
    国債利回りが1%上昇すると、大手銀行、地方銀行、日本郵政の含み損の合計は約22.5兆円にもなります。


    p143
    日本売りに関心を示す海外のヘッジファンドがまずやることは、流動性の低い日本国債のCDSを購入し、保証料を釣り上げることでしょう。

    p144
    日本国債のCDS市場では、取引の主体は海外投資家です。国内金融機関の売買が中心の現物の国債市場とは、投資家層がまったく異なります。

    日本国債の保証料の急騰は、同国債に投資する海外マネーに日本の債務不履行の可能性が高まったという印象を与え、日本国債が暴落するかもしれないという連想を抱かせるかもしれません。

    p145
    新興国の政府マネーを運用する投資家の脳裏に、日本国債が暴落するかもしれないという不安を刷り込ませることができれば、実際に日本国債がヘッジファンドの売りによって急落した後に、新興国の政府マネーによる売りが追随する可能せを高めることができます。

    日本国債のCDS保証料を暴騰させるのにやや遅れて、海外のヘッジファンドが次に狙うのは日本の国債先物市場の売り崩しです。

    p146
    そうなれば、ギリシャほど急激ではないにしろ、日本国債は急落の第一歩を踏み出します。

    この局面にまでくえrば、「日本国債は安全だ」と信じていた日本人全体のマインドが変わってくると思います。

    本当に怖いのは、国内の金融機関がパニックになり、一斉に現物国債を売りに走るような自体が起こることです。

    p165
    このような見通しの中で、国民ができる防衛策には、どんなものがあるでしょうか。
    私ができるアドバイスとしては、自らの金融資産の一部でもよいので、ドルやユーロなどの外貨に投資することです。


    p178
    最悪のケースは、ヘッジファンドに攻撃されることもなく、日本の財政悪化がこのまま5年も10年も放置され続けることです。


    p181
    ヘッジファンドの攻撃が早ければ早いほど、日本が受けるダメージは小さくなるということです。

    p184
    世界経済の流れが見えていれば、少なくとも2015年くらいまでは、欧米経済の一大テーマが「財政再建」になることはわかっているはずです。欧米が増税や歳出削減を継続的に推し進めることで、新興国の成長鈍化も避けられず、外需に大きく依存する日本経済が好転するとはとても考えられません。

    p199政治がやるべきメニューは決まっています。第1に、消費税引き上げと法人税引き下げをセットにして早急に実施することです。第2に、農業改革と合わせて環太平洋連携協定(TPP)への参加も急がなければなりません。


    ==アマゾン内容紹介==
    内容紹介
    ■国債急落で
    ■私たちの年収は
    ■いったい、どこまで下がるのか?


    日を追うごとに問題が深刻化している欧州の財政危機。
    世界経済を大失速させかねない危険をはらんでいるが、
    これから、どのような未来が待っているのか?

    そして、欧州の次に狙われるのが日本。

    なぜ日本が狙われるのか?
    国債の国内消化率が高いのに、本当に暴落するのか?
    ヘッジファンドの日本売り戦略とは?

    ……さまざまなデータから、日本国債暴落のメカニズムを明らかにする


    さらに、暴落後の日本はいったいどうなってしまうのか。
    具体的な事例を使って、私たちを待ち受ける未来を大胆に分析

    ・ヘッジファンドの攻撃が日本を救う
    ・消費税が20%に上がっても、会社員の生活は悪くならない
    ・税制を変えるだけで、日本は再び豊かになれる……理由とは?

    御用学者や評論家が教えてくれない“日本経済の真実”が明らかに!
    内容(「BOOK」データベースより)
    国債急落で私たちの年収はどこまで下がるか?収入減と増税・インフレで生活水準はさらに悪化。年金は大幅削減、支給年齢はますます引き延ばされる。ヘッジファンドの攻撃で日本が救われる理由とは?税制を変えるだけで、日本は再び豊かになれる。御用学者や評論家が教えてくれない“日本経済の真実”。

    ==目次==
    第1章 欧州財政危機の未来
    第2章 欧州の次に忍び寄る日本の財政危機
    第3章 日本は国債バブルの真っただ中
    第4章 ヘッジファンドが日本国債の暴落をもたらす
    第5章 大暴落後、日本はこう変わる
    第6章 日本を豊かにするには、こうしなさい!

  • 日本は破綻する、しないの話をよく耳にするようになった。
    筆者は破綻派かと思いきや違う。

    このままだと破綻する。だから消費税を大幅にあげ、年金の削減を思い切ってと主張している。

    とにかく先送りはもうやめにしないといけない。

  • 対して内容なし

  • 勉強不足につき外郭はまだボヤけているものの、コアな部分で、身の回りに影響がでるであろう事象については、以前に比べかなりクリアになってきた。この内容はその一助となった。新聞記事に見立てたフィクションは、より強く事象をイメージするのに役立った。これから何をしなければならないのかも、自分の中では明確になってきた。あとはその対策方法のスキルを上げて、betterなタイミングで早めに実行に移さなければならない。bestのタイミングを見計らって、取り残されることだけは避けなくてはならない。最悪なシナリオになった場合の必要最低限の手は打ち、矛盾するがその最悪なシナリオにならないように手は尽くす。それでもその最悪なシナリオが進行した場合には、転んでもただでは起きない知識を今から身につけておき、強い日本に生まれ変わった時には、自分も強くなっていたい。ただ強い日本に生まれ変わるまでには、相応の痛みを伴うことを覚悟しておかなければならない。そう言ったことを、まずは身近な自分の家族から何度も何度も説明し、納得してもらい、協力して自力で切り抜けていかなければならない。図書館利用。

  • 2012/10/02:読了
    取り立てて、役に立つような情報はない

  • 2012/06読了

  • なんとなくもう少しで、円安に振れる日本国債が暴落はしそうという素人の持論を的確に且つわかりやすく説明してもらった感じ。

  • 国民金融資産 1476 - 負債 366= 国民の余力 1110
    国民の余力1110- 国の負債 924 =国債発行可能額 186
    年40兆円づつだと 2015年には国債が消化困難

    日本売りに感心を示す海外のヘッジファンドがまずやることは、流動性の低い日本国債のCDSを導入し、保証料を釣り上げる

    景気は回復しないという前提にたった財政再建策を考えなくてはならない

    財政を再建するには、無駄でないものを省く必要がある

    今後国家財政をの安定と日本企業の国際競争力を高めるには、消費税を20%にして、法人税率を20%まで引き下げる

  • 欧州危機から日本の国債バブルの状況などを俯瞰したうえで、今後の日本経済の行方をデータをもとに占うもの。

    著者は基本的に、消費税等の増税など財政再建によならなければ、日本経済の復活はない、というのが持論のようである。

    2013年つまり、来年の日本経済を大胆に予測しているところなど興味深い本だった。

  • 9d2

  • タイトルは扇情的だけど、中身はクール。そういう本が続いてるな・・・
    理路はクリアで、読みやすい。EUの経済危機の読み方とその後日本が狙われる流れがわかる。
    素人なので論旨の正しさまでは検証できないので☆4つ。

  • 中原圭介:金融・経営コンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」エコノミスト兼ファイナンシャルプランナー。
    初版:2011年11月。245ページ。

    文章が平易で、難しいことが書いてないので、非常に理解しやすい。
    タイトルが「大暴落後の日本経済」とあるので、悲惨な社会の状況を列挙したようなことが書かれた本かと思っていたが、
    その逆で、むしろ、そうならないようにするためには、という視点で書かれている。

    「2011年の貿易収支が、31年ぶりに赤字に転落」というニュースを受けて円安に触れ始めた本日としては、
    筆者の予想よりも、事態は早く進行していると思わずにはいられない。

    指摘されていることは、大前研一氏が再三指摘してきたことと同じことで、税制や社会保障の在り方を抜本的に変えることが、現状を打開するためには絶対に不可欠だということ。
    そして、それは政治が主導しなければいけない、ということなのだけど・・・

    正直、この筆者の指摘していることは正しくて、政治家は、恐らくヘッジファンドに攻撃されて、ギリギリのところまで本当の意味での危機感を持った政策を打ち出せないと思われる。
    となると、このままズルズルと何年も財政悪化を進めてしまうよりも、早く窮地に立たされて、政治家の尻に火がついてくれることを希望。

    財政危機の本質とは、
    「国民が税収以上の生活をし、それが既得権益化したことによって起きる『人災』である」

    まさにその通りなのだけど、
    そういうことを考えると、政治家であれ企業経営者であれ、
    時代と社会の流れを読み、時宜を得た施策を打ち出せるということが、
    (難しいことではあるが)非常に大切なのだと改めて思った次第です。

    無駄なことが書かれていない点、文章が読みやすい点、必要十分な情報が提供されている点、このトピックに疎い人にも読みやすい点、そして、主義主張があまり偏っていない点などから、
    とても読みやすいということで、☆4つつけました。

  • 日本の現状と今後の予測、対応など
    とても勉強になりました。

    最悪の道を歩まないように、国民も
    勉強し、正しい選択ができるように
    ならないといけないです。

  • 『第1章 欧州財政危機の未来』
    ・OECD加盟国の年金所得代替率ランキング。①ルクセンブルグ101.9%、③ギリシャ84.0%、⑰日本50.3%。
    ・OECD加盟国の公的債務残高。日本218%、ギリシャ160%。
    ・経常赤字比率(対GDP比)ワーストランキング。①ギリシャ-10.43%、③ポルトガル-9.71%。
    ・国際の海外投資家依存率。日本1割以下、ギリシャ7割、ポルトガルとアイルランド8割、スペイン5割、イタリア4割。
    ・統一通貨のユーロには、ユーロ域内の国々の経済格差を拡大させる悪い仕組みが内包されています。経済競争力の強い国では為替レートが割安になる。ドイツやオランダの経常黒字はユーロ導入後に急拡大する一方で、イタリアやスペインの経常赤字は増加した。
    ・金利統一も、不均衡を増大させています。ユーロ経済の約半分をドイツとフランスが占めているので、金利は相対的に物価が低い両大国の経済状況が反映されやすいものとなっています。つまり、元々物価が安かった両大国では、ユーロ加盟により金利が実態より高く、ギリシャなどは実態より低く抑えられ、政府が借金をしやすくなり、債務を膨らませた。
    ・2009年10月にギリシャの財政問題が発覚して以来、欧州の金融市場はヘッジファンドの思うままに動いてきました。ヘッジファンドははじめに、ユーロを売り込む一方で、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルの3カ国の国債を売り崩し、国債利回りを急上昇させるという戦略を取りました。その戦略が成功し、2010年4月には、ギリシャが金融市場からの資金調達を断念し、EUに金融支援を要請しました。ここに至って、ヘッジファンドはこの3カ国の株式も売り込み、「通貨安、債券安、株安」のトリプル安を演出しました。
    ・ヘッジファンドの最終的な狙いは「イタリアショック」「スペインショック」(両国のデフォルト)です。ユーロ圏でイタリアは3位、スペインは4位の経済大国です。よって、イタリアとスペインはEUに金融支援を求めるのは事実上不可能なことです。
    ・仮にイタリアとスペインが破綻すれば、イタリアとスペインの銀行だけではなく、フランスやドイツの大手銀行までが経営危機に陥ってしまうでしょう。

    『第2章 欧州の次に忍び寄る日本の財政危機』
    ・日本は世界一の債務大国です。国の債務と地方の債務を合わせると、GDP比2.3倍。
    ・日本の対外債権は251兆円しかない。
    ・ヘッジファンドはなぜ日本ではなく欧州を先に狙ったのか?2010年半ば以降、「実質的な債務」をGDP比での国家債務ではなく、国家と金融機関の合計債務でとらえる方向で、市場のコンセンサスづくりを試みようと計画を練ってきました。
    ・なぜ円が買われているのか?①説明したように、日本は欧米よりまだマシであると考えているから。また、ドルやユーロを買って自国通貨安を目指していた新興国の含み損が大きくなり、円やスイスフラン、金の保有量を増やすようになった。
    ・米国が金融緩和を終了する見通しをアナウンスできるまで、あるいは欧州が財政危機の抜本的な解決策を示すことができるまでは、円高から円安への貴重に転換することはなかなか難しいと考えなければなりません。

    『第3章 日本は国際バブルの真っただ中』
    ・「将来的に、国債暴落はありえる。」という理由。①国債の残高(現在900兆円)が国民の金融資産(1100兆円)を上回り、国債の消化ができなくなる。②日本が経常赤字国に転落し、国債の消化ができなくなる。

    『第4章 ヘッジファンドが日本国際の暴落をもたらす』
    ・日本への攻撃が始まる条件は、①欧州の財政危機でドイツなどの経常黒字国が大幅に譲歩し、問題解決への道筋が付くこと、②米国で共和党政権が誕生し、本格的な財政再建が始まる見通しが立つこと。
    ・CDS:国家や企業が債務不履行になった場合に、投資家がその保障料率を支払うことによってリスクが回避できる保険的な金融商品のはずでしたが、実際は、その国債や企業に投資していない投機家によるマネーゲームの対象となってしまっています。
    ・日本売りに関心を示す海外のヘッジファンドがまずやることは、流動性の低い日本国債のCDSを購入し、保証率を釣り上げることでしょう。2010年以降に日本国債の保有を増やしている新興国の政府マネーに、そういう連想を抱かせることができれば、ヘッジファンドの作戦はほとんど成功したと言えるのです。
    ・次に、日本の国際先物市場の売り崩しです。
    ・そして本当に怖いのは、国内の金融機関がパニックになり、いっせいに現物国債を売りに走るような事態が起こることです。

    ----------以下感想----------
    第1~4章はお金の流れがわかってとてもためになった。

  • 前半の数字やデータは面白いし勉強になる。来年のイタリアショックやスペインショックの予想は引き込まれる。後半の消費税・年金の話はまぁ正論ですね、って感じ。この作者は当たるからなぁ、同業者はお勧めの一冊です!!

  • この本の著者である中原氏は、財政破たんは無いものの、国債が近未来に暴落することで、庶民の生活が苦しくなると説明しています。具体的には税金が上がって年収が下がるということです、当然、年金の支給金額開始の先延ばし、減額になることでしょう。

    国債を保有するのは日本国民だが、先行指標となる国債先物や保証料率を決めている相場は、外国人の影響が大きいので、国債の暴落まであり得るというのが趣旨だと理解しました。

    ただこの数十年で、設備投資の減少から余剰となっている貯金がどのように使われるから国債への投資が減るのかという説明が不十分だったと感じました。

    老後になって生活資金のために貯金を取り崩すと説明していますが、本当にそうなるのでしょうか。それについては類書や今後の10年程度の動向をみて自分で判断していこうと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・ビスマルクは19世紀に、平均寿命が50歳以下の時代に、支給開始年齢が70歳の年金制度をつくり、国民が国家への忠誠心を高めるように仕向けた(p15)

    ・EU加盟国全体で決めた合意として「年間財政赤字はGDPの3%以内、公的債務残高はGDP:60%以内」があるが、2010年ギリシア財政危機が深刻化した時点でこれを守っているのは27加盟国中、スウェーデン、ルクセンブルグ、エストニアの3か国(p18)

    ・ギリシアは4世紀もの間、オスマントルコ帝国の支配下におかれていて、勤労意欲や納税意欲が低い一面もある(p29)

    ・欧州金融機関を救済するために注入された公的資金の規模は、EU全体で3500億ドルであり、米国の2500億ドルを超えた(p33)

    ・1990年代に金融危機を経験したスウェーデン、韓国、タイ等は金融緩和により自国通貨を安くすることで輸出を増やして景気回復をしている(p36)

    ・フランスとドイツの銀行は、イタリア・スペインにとっては自国の銀行に次ぐ国債の大口スポンサー(p51)

    ・先見性の高いファンドは、2010年半ば以降、実質的な債務を「国家と金融機関の合計債務」で考えるようになった、するとイタリア、スペインまでも200%を大幅に超えていることが判明(p66、68)

    ・円の世界全体の外貨準備は3.8%であり流動性が低いので、円を少し買うだけでも円は大きく上昇する(p76)

    ・次回の大統領選挙でオバマが敗北するのは、白人中間層から「大きな政府」の激しい非難を受けているから(p80)

    ・経常黒字国と赤字国が同じ為替ルートを使うというEUルールは、株式市場で言えば同じ株価をつけているようなもの(p85)

    ・2012年中に欧州の財政危機に目処がつけば、ファンドが次の標的にするのは間違いなく日本(p90)

    ・年金の平均的支給期間は、支給開始年齢が55歳だった1955年比較で長い、1955年当時では男性の平均余命が18年(女性:21年)に対して、現在では男性:23年(同:28年)(p101)

    ・2011年の一般+特別会計の総予算は220兆円、社会保障費が75兆円、国債費:82兆円であり、財政破たん状態であるといっても過言ではない(p107)

    ・現役で働く人が減少する一方で、高齢者が増加して資産を取り崩す、海外からの投資収益が激減すうrので、2015~2020年には経常収支が赤字に転落する(p131)

    ・2011年3月末で、ヘッジファンドの運用残高が初めて2兆ドルを突破、それまでの最高記録:1.9兆ドル(2008年6月末)を抜いた(p134)

    ・日本へのヘッジファンドへの攻撃が始まるのは、1)欧州財政危機解決の目処づけ完了、2)米国での共和党政権による財政再建開始、である(p135)

    ・最初の第一歩は、流動性の低い日本国債のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の購入による保証料の釣り上げ、その次が日本国債先物の売り崩し、海外投資家の取引シェアは現物では16%だが、先物は35%(p143、145)

    ・国民の防衛策は、自らの金融資産の一部を、ドルやユーロに変えること(p165)

    ・EU各国が法人税率を下げるのは、国際競争力を高めて、国内の雇用拡大につなげるため(p200)

    2011年12月11日作成

  • 国債暴落の流れ
    国債CDSの上昇
    先物下落
    現物下落
    の順で来る

    国債発行可能額が「借金の金額と純資産の差額」という単純な計算がされていたのが残念だった。
    ファイナンスができるかどうか問題なので。

    しかし、上記のような攻撃を受ければ2013年に国債暴落というのもあるかもしれませんね。

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著者プロフィール

1970年生まれ。慶應義塾大学卒業後、金融機関や官公庁を経て、現在は経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。大手企業・金融機関、地方公共団体等への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に務めている。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。実質賃金、実質成長率など、名目数値よりも実体経済に近い数値推移で市場を把握する。著書に『AI×人口減少』(東洋経済新報社)、『日本の国難』(講談社現代新書)など。

「2021年 『マンガでわかる その後の日本の国難 稼ぐ力の高め方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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