百年たっても後悔しない仕事のやり方

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478015650

感想・レビュー・書評

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  • ”ライフネット生命創業者 出口治明さんが仕事のやり方、人生における考え方を綴った一冊。「楽しい会社」を実現するという強い信念に加えて、古典から教養を得てきたことが、出口さんのいまを形作っているように感じた。執筆協力者・小野田隆雄さんによる巻末の文章も出口さんの人柄を知る助けに!

    <目的>
     出口さんの人間観を知り、さらに近づくきっかけを得る。

    <質問>(トリガーワードは省略)
    ・古巣に対して、どんな想いを抱いていたの?
     →「プロクルステスの寝台」(p.55)

    ・あのゆったりした(それでいて本質を鋭く突く)話し方は、どうやってできたの?
     →古典を通して大きな知性や魂と会話し、現実の中で見聞可能なものはなるべく経験し、書物や人から学ぶべきことはきちんと学習(p.188)
      「人間は巨人の肩に乗っているから、遠くを見ることができる」(ベルナール)

    ・出口さんの人脈観を言葉にすると何?
     (どんな人とつながりたい?関係を深めたい?)
     →人脈は結果的に作られるものであって、自分の意志で作ったり広げたりすることは不可能(p.56)
      積極的に人に会うことを自分に課してきた、お世話になったお礼の気持ちを込めて…年賀状や季節の頼りを。
     →若者を理解しようとする努力、いままで自分の学んできたものを彼らに受け継いでいくこと(p.196)
      可能な限り若い人から学ぶ姿勢
     →?誘われたらどこにでも行く、?パーティーでは知人がいなくても最後まで会場に残る、?面会やさまざまな招待状は、内容を問わず先着順に受けること。(p.84)

    <読書メモ>
    ・私自身、意識的に計画を立てながらキャリアを積んできたことはありませんでした。さまざまな偶然や運が重なって、いまのような仕事をさせてもらっています。ただ、毎日を悔いのないように働こうとは思ってきました。(p.ii)
    ・多くの人はその仕事に努力と工夫を重ねて、じわじわと自分の好きな仕事に変えていく。そのようにして自分の人生を築いてきたのではないでしょうか。(p.4)
    ・乱暴な表現をすればキャリアプランを作るなら、抜け穴だらけのいいかげんなものがいい。もしなれたらいいな、それだけでいいと思います。(p.8)
    ・その日から今日まで、次の三つのことを実践しています。
     ・会いたいと思った人にはすぐに会いにいく。
     ・食事やお酒に誘われたら、誰であろうと断らない。
     ・呼ばれたらどこにでも行く。
     (p.19)
    ★先着順の原則の重さは、あなただけでなく先方の人の時計の針も忠実に守ることにあります。(p.43)
    ・時間も人材も有限であり、スピードも求められる今日の仕事の現場では、誰かの成功例に頼ろうとはしないで、最も正当だと自分が考える方法を実行することが重要です。(p.47)
    ★ギリシャ神話「プロクルステスの寝台」 (pp.54-55)
     ギリシャの、エーゲ海を望むアッティカ半島に、プロクルステスという名前の追剥(おいはぎ)泥棒が住んでいました。(略)彼は旅人を自分の隠れ家に連れ込むと、彼の寝台に寝かせます。(略)旅人の身長が寝台よりも長ければ、長い分だけ足を切り落とし、短ければ綱で無理やり引っ張って、寝台の長さにまでのばしてしまうのです。このような行為から「プロクルステスの寝台」といえば、ある基準や約束をこちらの勝手な事情で決めてしまって、無理矢理それに相手を従わせることを意味するようになりました。
    ・知り合った方々や、それ以外の機会にお会いしたり仕事を一緒にした方々とは、その時が過ぎてからも、お世話になったお礼の気持ちを込めて、つたない年賀状や季節の便りを書きました。
     #すごい。
    ・整合性を忘れるな(pp.137-138)
     「ニコニコ笑って『戸締り用心』と言って拍子木を鳴らし、『人類はみな兄弟』と言って子供の頭をなでている。」
    ・「応援してやろう」とか、「なんかおもしろいじゃないか」とか、そういう感情の流れが先のご夫婦をはじめ、お客様の中にあるのではないだろうか、と考えました。
    ・与えられた人を組み合わせて成果をあげることが、上司(すなわち管理職)の仕事であると私は考えています。(p.162)
    ★楽しくなくて気分も沈んでいる社員から、すぐれたアイデアが生まれてくるとも思えません。社員が楽しく思って働いてくれて、頭脳も活発に回転して、よいアイデアをいっぱい出してもらう。要するにスタッフの大脳からできるだけ、よいアイデアを摘み取りたいと、経営者の私は考えています。(p.164)
     #はじめて『人を動かす』を読んだときと同じ衝撃。相手のためでもあるけど、めぐりめぐって自分のためにもなる。でも、相手が先!
    ★心から相手を思う気持ちが伝わって初めて恋が実るように、「楽しい会社」を実現するには、自分が先頭に立って働き、楽しい会社を本当に実現させたいと思う気持ちの強さを、どこまで追い続けることができるか。もう、そこに尽きるような気がしています。(p.171)
    ・「人間がどのように生きて、苦労して、バカなことをやり、社会を作ってきたか。そういうことを知ることが教養である。」(p.176)
    ・「人間は巨人の肩に乗っているから、遠くをみることができる」という、フランスの古い言葉があります。(略:十二世紀のシャルトルのベルナールの著書にあり)この巨人とは何を指しているかというと、一般には古典の著者のことですが、私は教養そのものの擬人化された表現であると解釈しています。(pp.179-180)
    ★左遷など世の中にいっぱいある、クヨクヨしたって仕方がないと自然に思うことができました。こうなったら、こうなったで、この運命の中で楽しみを見つけようと思いました。時間が比較的自由になったので、全国の一の宮をすべて訪れたり、大好きな映画を見たりするすることができました。読書量もすぐに学生時代並みに戻りました。もちろん、仕事は一切、手を抜きませんでした。(p.181)
    ・西アジアでは5000年前に文字が誕生しています。ですから歴史の勉強というのはこの時期から可能なわけです。人間がどうやって生きてきたかということを、今日まで続く長い長い道程を、なんの偏見もわだかまりもなく、さっぱりとした広く平らかな心で学んで欲しいと私は望んでいます。日本の戦後の歴史も現在の低迷も、世界の大きい流れの中に位置づけて初めてきちんと説明できるという気持ちが強くあります。世界の流れを大きい流れとしてつかまえて、その上で自分の生まれた国の歴史(という小さな流れ)をきちんと学んで欲しいと思います。その順番の方が理解が早いでしょう。(p.184)
     #だから出口さんの歴史観はすごいんだな。
    ★経験は強い。ただし、それが現実に可能でなければこの言葉は成立しません。私は古典を通して大きな知性や魂と会話し、現実の中で見聞可能なものはなるべく経験し、書物や人から学ぶべきことはきちんと学習して、巨人の肩に乗ってたくましく生きていくことを提案します。(p.188)
     #このフレーズすばらしい。本や資格をばかにする人もいるし、経験だけではダメだという人もいるが、結局はそのブレンドが大切で、こういう考え方が必要なんだろうと思う。
    ・読書について私が座右の銘にしている言葉があります。
     「ひたすら古典を読みなさい。数多の先達の洗礼、時代の洗礼を受けてきたものだから、内容に間違いがない。古典がわからなければ自分を無能だと思いなさい。現代人の著書を読んでわからなければ、著者が無能はなので読む必要はありません」
     大学時代の恩師、高坂正堯先生の言葉です。(p.192)
    ★会社を作ることも子供と同じだと思います。(略)100年間は、ライフネット生命も生き続けて欲しいと考えました。(略)
     その次に、100年も時間があるのだったら世界一になれると思いました。(p.193)
    ★「百年たっても後悔しない」という言葉は、「明日になって後悔しない仕事を今日実行すること」と同義です。済んだことは振り返らず、今日できることにベストを尽くす。そのことが積み重なっていけば、「百年たっても後悔しない」人生や会社が残るのではないでしょうか。(p.195)
    ★子供には子供の夢や子供の力量や適性というものがあって、それはもう親とは別の人格です。思い通りに育ってくれるとは限りません。それと同様に、私は創業メンバーとして親として、ライフネット生命を必死に全力で育てて、100年たっても後悔しない会社になることを願い一所懸命に働いています。(略)あとは神様しだい、歴史が判断するしかないと思っています。
    (p.195)
    ★その日の夜、出口さんから手渡された新しい生命保険会社設立のための企画原案を通読した。(略)その文中には、「挑戦」とか「現状打破」といった起業家の文章にしばしば登場する言葉が、ひとつも出てこなかった。けれども、その透徹したリアリズムを支えている「必ず新しい会社を誕生させる」という不退転の決意が、文脈からにじみ出てくるものだった。(p.203:出口治明さんのこと by 小野田隆雄さん)


    <きっかけ>
     藤沢久美さんの社長Talkにゲスト出演されたときの話を聴いて、出口さんの考えをもっと知りたいと思ったため、ネット書店で購入。”

  • ライフネット生命の出口さんの仕事論。
    かなり序盤の文章ですが、今の自分にドンピシャだったので、引用。

    仕事そのものは 、人それぞれでのものではなく公のものです 。ですから 、自分の仕事のやり方をレベルアップさせることは 、それだけ社会に貢献することにつながります 。そのため 、仕事をやるうえでは私利私欲が入ることはもちろん 、趣味や好き嫌いもさしはさむべきものではない、と私は考えています。

    仕事は限りある選択肢の中で 、最大の効果を発揮する方法を見つけていくことです 。しかもそのことを持続させていかなければなりません 。しかし 、時間やお金やスタッフなどのさまざまな制約条件を自分のアイデアで克服していくことが 、仕事のおもしろさでもあります 。

    仕事はひとりで完結するものではありません 。他の人との連携で作られるものです 。したがって 、共に働く人たちとスム ーズに仕事ができるように心くばりをすることも求められます 。

  • 2019/01/09 広島市立図書館
    ◎気になったところを,iPhoneメモに音声入力で記録。
    気持ちゆっくりで読めば,ほぼ完璧に入力できた。
    ●以下書評
    ●仕事ではコンスタントに70%の正解をなるべく早く
    ・カンゼンよりカイゼンを
    ●人とは違ったアイディアを考え、数字とファクトでロジックを作り、ビジネスプランを紡ぎ出す
    →データとファクトを使用し、実証的な裏づけのあるロジックを構築して、ビジネスプランを紡ぎ出す。
    →創造的な戦略を立て、具体的な戦術に落とし込むこと。
    ●歴史の軸と場所の軸,2つの軸で考えよう
    ●1つの仕事:それが会社内で動き出した当初は、仕事自体の鮮度が高く、その目的もわかりやすく、やりやすい。けれど時間とともに、様々なオプションがついてきたりして、仕事は複雑になっていく。

  • 日本生命を定年まで勤め上げたあと、60歳にして新しい会社を立ち上げバイタリティに持ち主の書。結局、自分をしっかり持つ。これに尽きるのではないかと思う。

  • 出口さんが今までどのように考えて仕事をしてきたかをまとめた本。
    ・とにかくその仕事を全力でやる
    ・給与以上の価値を出す
    ・空気を読まずに発言する
    ・ルールを決めて、該当することはなんでもやる。
    (イギリス駐在時代に、日本人以外からの誘いは全て受けていた)

  • 出口氏によるビジネスマン向けの本はいろいろ出ているが、最初の頃に書かれたこの本にすべてが書かれている。

    あとから出た本は、この本の薄められた二番煎じという感じ。

    それだけこの本は内容が濃い。

    落ち着いて読むのにふさわしく、たんなるビジネス本というより、仕事と人生に関するエッセイ集という趣の漂う良書。

  • 仕事においてはまずは健康第一。

    そして、主体的に分析、集中することが大事だという。

    トレードオフ (捨てることで得られるものがある)

    長所を伸ばす。

  • 本をたくさん読んで、世界史を学ぼうと思った。

  • テクニックではなく、仕事をするにあたっての心構えを説いた本。なるほどという内容ばかり。

  • 60歳にしてライフネット生命を創業した、出口治明さんの仕事に対する考え方をまとめた本。軽薄なノウハウ本ではなく、「数字とファクトでロジックを作り、ビジネスプランを紡ぎ出す」など基本的な仕事への取り組みが書かれている。考えさせられる内容も多くあり、共感できる。

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著者プロフィール

1948年、三重県生まれ。立命館アジア太平洋大学(APU)学長。ライフネット生命保険株式会社創業者。京都大学法学部を卒業後、72年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長等を経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師等を務める。08年にライフネット生命を開業、12年東証マザーズ上場。18年より現職。

「2019年 『本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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