百年たっても後悔しない仕事のやり方

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478015650

感想・レビュー・書評

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  • NDC 159
    「大手生保で業界改革に奔走し、還暦で日本初のベンチャー生保を立ち上げ、いまなお全力で走り続けるライフネット生命社長の仕事論。」

    目次
    仕事について、四つの視点
    日常の基本的な仕事
    仕事の目的に意識を集中する
    仕事の現実、時間も人材も有限である
    仕事には必ず相手が存在する
    成功に慢心せず、失敗に後悔せず
    時代の流れの中で、仕事の方向は決まっていく
    海外での仕事について、英語について
    常識は疑え
    思索する武器その1・分析力
    思索する武器その2・集中力
    思索する武器その3・決断力
    思索する力を、実行する力に変えるために
    会社の仕事、三つの立場―社員・管理職・経営者
    たくましく生きて仕事をするために

    著者等紹介
    出口治明[デグチハルアキ]
    1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門医委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総室長アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任

  • ひとにとっての仕事の意味と仕事の考え方、そして、人生の中における仕事の位置が書かれている。
    楽しく仕事をすること、楽しく人生を謳歌することの本質に触れた気がする。

  • 読了。
    出口治明さんがどんな考えに基づいて仕事をされているのか、気になったので読んでみました。

    「数字とファクトでロジックを構築し、ビジネスプランを紡ぎ出すこと」

    仕事の中で自分の先入観や偏見が邪魔してファクトを見極められなかったことが何度もあるので、常にフラットな視点でモノを見ることの大切さは深く共感しました。

    また、経験主義に感じていた違和感のようなものも言語化されていて、とても勉強になりました。

    仕事に関する内容が9割くらい占めていますが
    最後の読書や歴史についての内容が、個人的にとても響きました。

    歴史好きで読書家として知られる出口さんの
    先人達や読書に対する真摯な姿勢は見習わなければ...

    1箇所、特に気になった所があります。
    「世界史の中で日本の歴史を学ぶことは、自分の国を特別な国だと考える独善性から救うことになります。」

    日本が韓国を併合して植民地化していた歴史を知らない若者が
    日本でも韓国でも増えているそうです。

    この現実が、将来何をもたらすのか。
    ロシアとウクライナの戦争から学ぶべきことは多いのではと思います。

    あ、でも
    「分かりやすさ」についてはリスクを伴うので
    慎重になるべきだと思います。 

  • 2012/11/09記述
    上司や部下とどう接するのか、スケジュールの決め方が斬新で勉強になりました。

    管理職として仕事を進める上では今後の技術革新があっても変わらない永遠のテーマでしょう。
    だから最終項目の読書についてとそれが密接に関わっているように思います。
    百聞は一見に如かずは真理です。
    しかし自分が見て知れる範囲はたかが知れていると謙虚になり読書を通じ自己を磨くことの大切さを改めて確信した次第です。

    速読を否定されているのにはよくぞ言ってくれたと思いました。
    書店で読むべき本かどうかをサッと判断する技術であれば有りでしょうけれどもちゃんと読み出したらじっくり読みたいですから。

    海外駐在したがらない若手社員を精神論で語るのではなく、出世条件に海外駐在を決めれば良いという指摘も具体的なアイデアで良かったです。
    なぜかこういう話題では若い世代が責められるだけで終わる分析が世の中に多い中、会社側のシステムにも問題ありという指摘をする人はいなかったように思います。本当に印象に残ったご指摘でした。

  • 前部署の上司から餞別に頂いた本です。
    若い方向けのビジネス本とされているようですが、経営者や多くの部下を持つ役員職の方の目指すべき姿が描かれている印象を受けました。
    一番刺さった点は、出口さんが就寝前に必ず1時間読書をされるということ。本書で知識や教養の大切さに触れられていますが、出口さんほど知識も経験もお持ちの方が、さらに毎日1時間インプットされているという事実。それに比べて私は、特に不自由がないからといって新聞すら読んでいないこの差。
    働く人の意識と知識と、そして置かれている職場の格差にゾッとした本でした。

  • 著者の誠実さを感じる良書。
    いろんな方に勧めたい。

  • 仕事の基本を述べた本。社会人なりたての人でピンときた人には合うかもしれない。社員から経営者までと幅が広く、バランスは取れているが、内容は取捨選択して読みたい。自分にとってはすぐ使える/使いたい情報が載っていなかったので、星3つ。

  • ”ライフネット生命創業者 出口治明さんが仕事のやり方、人生における考え方を綴った一冊。「楽しい会社」を実現するという強い信念に加えて、古典から教養を得てきたことが、出口さんのいまを形作っているように感じた。執筆協力者・小野田隆雄さんによる巻末の文章も出口さんの人柄を知る助けに!

    <目的>
     出口さんの人間観を知り、さらに近づくきっかけを得る。

    <質問>(トリガーワードは省略)
    ・古巣に対して、どんな想いを抱いていたの?
     →「プロクルステスの寝台」(p.55)

    ・あのゆったりした(それでいて本質を鋭く突く)話し方は、どうやってできたの?
     →古典を通して大きな知性や魂と会話し、現実の中で見聞可能なものはなるべく経験し、書物や人から学ぶべきことはきちんと学習(p.188)
      「人間は巨人の肩に乗っているから、遠くを見ることができる」(ベルナール)

    ・出口さんの人脈観を言葉にすると何?
     (どんな人とつながりたい?関係を深めたい?)
     →人脈は結果的に作られるものであって、自分の意志で作ったり広げたりすることは不可能(p.56)
      積極的に人に会うことを自分に課してきた、お世話になったお礼の気持ちを込めて…年賀状や季節の頼りを。
     →若者を理解しようとする努力、いままで自分の学んできたものを彼らに受け継いでいくこと(p.196)
      可能な限り若い人から学ぶ姿勢
     →?誘われたらどこにでも行く、?パーティーでは知人がいなくても最後まで会場に残る、?面会やさまざまな招待状は、内容を問わず先着順に受けること。(p.84)

    <読書メモ>
    ・私自身、意識的に計画を立てながらキャリアを積んできたことはありませんでした。さまざまな偶然や運が重なって、いまのような仕事をさせてもらっています。ただ、毎日を悔いのないように働こうとは思ってきました。(p.ii)
    ・多くの人はその仕事に努力と工夫を重ねて、じわじわと自分の好きな仕事に変えていく。そのようにして自分の人生を築いてきたのではないでしょうか。(p.4)
    ・乱暴な表現をすればキャリアプランを作るなら、抜け穴だらけのいいかげんなものがいい。もしなれたらいいな、それだけでいいと思います。(p.8)
    ・その日から今日まで、次の三つのことを実践しています。
     ・会いたいと思った人にはすぐに会いにいく。
     ・食事やお酒に誘われたら、誰であろうと断らない。
     ・呼ばれたらどこにでも行く。
     (p.19)
    ★先着順の原則の重さは、あなただけでなく先方の人の時計の針も忠実に守ることにあります。(p.43)
    ・時間も人材も有限であり、スピードも求められる今日の仕事の現場では、誰かの成功例に頼ろうとはしないで、最も正当だと自分が考える方法を実行することが重要です。(p.47)
    ★ギリシャ神話「プロクルステスの寝台」 (pp.54-55)
     ギリシャの、エーゲ海を望むアッティカ半島に、プロクルステスという名前の追剥(おいはぎ)泥棒が住んでいました。(略)彼は旅人を自分の隠れ家に連れ込むと、彼の寝台に寝かせます。(略)旅人の身長が寝台よりも長ければ、長い分だけ足を切り落とし、短ければ綱で無理やり引っ張って、寝台の長さにまでのばしてしまうのです。このような行為から「プロクルステスの寝台」といえば、ある基準や約束をこちらの勝手な事情で決めてしまって、無理矢理それに相手を従わせることを意味するようになりました。
    ・知り合った方々や、それ以外の機会にお会いしたり仕事を一緒にした方々とは、その時が過ぎてからも、お世話になったお礼の気持ちを込めて、つたない年賀状や季節の便りを書きました。
     #すごい。
    ・整合性を忘れるな(pp.137-138)
     「ニコニコ笑って『戸締り用心』と言って拍子木を鳴らし、『人類はみな兄弟』と言って子供の頭をなでている。」
    ・「応援してやろう」とか、「なんかおもしろいじゃないか」とか、そういう感情の流れが先のご夫婦をはじめ、お客様の中にあるのではないだろうか、と考えました。
    ・与えられた人を組み合わせて成果をあげることが、上司(すなわち管理職)の仕事であると私は考えています。(p.162)
    ★楽しくなくて気分も沈んでいる社員から、すぐれたアイデアが生まれてくるとも思えません。社員が楽しく思って働いてくれて、頭脳も活発に回転して、よいアイデアをいっぱい出してもらう。要するにスタッフの大脳からできるだけ、よいアイデアを摘み取りたいと、経営者の私は考えています。(p.164)
     #はじめて『人を動かす』を読んだときと同じ衝撃。相手のためでもあるけど、めぐりめぐって自分のためにもなる。でも、相手が先!
    ★心から相手を思う気持ちが伝わって初めて恋が実るように、「楽しい会社」を実現するには、自分が先頭に立って働き、楽しい会社を本当に実現させたいと思う気持ちの強さを、どこまで追い続けることができるか。もう、そこに尽きるような気がしています。(p.171)
    ・「人間がどのように生きて、苦労して、バカなことをやり、社会を作ってきたか。そういうことを知ることが教養である。」(p.176)
    ・「人間は巨人の肩に乗っているから、遠くをみることができる」という、フランスの古い言葉があります。(略:十二世紀のシャルトルのベルナールの著書にあり)この巨人とは何を指しているかというと、一般には古典の著者のことですが、私は教養そのものの擬人化された表現であると解釈しています。(pp.179-180)
    ★左遷など世の中にいっぱいある、クヨクヨしたって仕方がないと自然に思うことができました。こうなったら、こうなったで、この運命の中で楽しみを見つけようと思いました。時間が比較的自由になったので、全国の一の宮をすべて訪れたり、大好きな映画を見たりするすることができました。読書量もすぐに学生時代並みに戻りました。もちろん、仕事は一切、手を抜きませんでした。(p.181)
    ・西アジアでは5000年前に文字が誕生しています。ですから歴史の勉強というのはこの時期から可能なわけです。人間がどうやって生きてきたかということを、今日まで続く長い長い道程を、なんの偏見もわだかまりもなく、さっぱりとした広く平らかな心で学んで欲しいと私は望んでいます。日本の戦後の歴史も現在の低迷も、世界の大きい流れの中に位置づけて初めてきちんと説明できるという気持ちが強くあります。世界の流れを大きい流れとしてつかまえて、その上で自分の生まれた国の歴史(という小さな流れ)をきちんと学んで欲しいと思います。その順番の方が理解が早いでしょう。(p.184)
     #だから出口さんの歴史観はすごいんだな。
    ★経験は強い。ただし、それが現実に可能でなければこの言葉は成立しません。私は古典を通して大きな知性や魂と会話し、現実の中で見聞可能なものはなるべく経験し、書物や人から学ぶべきことはきちんと学習して、巨人の肩に乗ってたくましく生きていくことを提案します。(p.188)
     #このフレーズすばらしい。本や資格をばかにする人もいるし、経験だけではダメだという人もいるが、結局はそのブレンドが大切で、こういう考え方が必要なんだろうと思う。
    ・読書について私が座右の銘にしている言葉があります。
     「ひたすら古典を読みなさい。数多の先達の洗礼、時代の洗礼を受けてきたものだから、内容に間違いがない。古典がわからなければ自分を無能だと思いなさい。現代人の著書を読んでわからなければ、著者が無能はなので読む必要はありません」
     大学時代の恩師、高坂正堯先生の言葉です。(p.192)
    ★会社を作ることも子供と同じだと思います。(略)100年間は、ライフネット生命も生き続けて欲しいと考えました。(略)
     その次に、100年も時間があるのだったら世界一になれると思いました。(p.193)
    ★「百年たっても後悔しない」という言葉は、「明日になって後悔しない仕事を今日実行すること」と同義です。済んだことは振り返らず、今日できることにベストを尽くす。そのことが積み重なっていけば、「百年たっても後悔しない」人生や会社が残るのではないでしょうか。(p.195)
    ★子供には子供の夢や子供の力量や適性というものがあって、それはもう親とは別の人格です。思い通りに育ってくれるとは限りません。それと同様に、私は創業メンバーとして親として、ライフネット生命を必死に全力で育てて、100年たっても後悔しない会社になることを願い一所懸命に働いています。(略)あとは神様しだい、歴史が判断するしかないと思っています。
    (p.195)
    ★その日の夜、出口さんから手渡された新しい生命保険会社設立のための企画原案を通読した。(略)その文中には、「挑戦」とか「現状打破」といった起業家の文章にしばしば登場する言葉が、ひとつも出てこなかった。けれども、その透徹したリアリズムを支えている「必ず新しい会社を誕生させる」という不退転の決意が、文脈からにじみ出てくるものだった。(p.203:出口治明さんのこと by 小野田隆雄さん)


    <きっかけ>
     藤沢久美さんの社長Talkにゲスト出演されたときの話を聴いて、出口さんの考えをもっと知りたいと思ったため、ネット書店で購入。”

  • ライフネット生命の出口さんの仕事論。
    かなり序盤の文章ですが、今の自分にドンピシャだったので、引用。

    仕事そのものは 、人それぞれでのものではなく公のものです 。ですから 、自分の仕事のやり方をレベルアップさせることは 、それだけ社会に貢献することにつながります 。そのため 、仕事をやるうえでは私利私欲が入ることはもちろん 、趣味や好き嫌いもさしはさむべきものではない、と私は考えています。

    仕事は限りある選択肢の中で 、最大の効果を発揮する方法を見つけていくことです 。しかもそのことを持続させていかなければなりません 。しかし 、時間やお金やスタッフなどのさまざまな制約条件を自分のアイデアで克服していくことが 、仕事のおもしろさでもあります 。

    仕事はひとりで完結するものではありません 。他の人との連携で作られるものです 。したがって 、共に働く人たちとスム ーズに仕事ができるように心くばりをすることも求められます 。

  • 2019/01/09 広島市立図書館
    ◎気になったところを,iPhoneメモに音声入力で記録。
    気持ちゆっくりで読めば,ほぼ完璧に入力できた。
    ●以下書評
    ●仕事ではコンスタントに70%の正解をなるべく早く
    ・カンゼンよりカイゼンを
    ●人とは違ったアイディアを考え、数字とファクトでロジックを作り、ビジネスプランを紡ぎ出す
    →データとファクトを使用し、実証的な裏づけのあるロジックを構築して、ビジネスプランを紡ぎ出す。
    →創造的な戦略を立て、具体的な戦術に落とし込むこと。
    ●歴史の軸と場所の軸,2つの軸で考えよう
    ●1つの仕事:それが会社内で動き出した当初は、仕事自体の鮮度が高く、その目的もわかりやすく、やりやすい。けれど時間とともに、様々なオプションがついてきたりして、仕事は複雑になっていく。

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著者プロフィール

出口 治明(でぐち・はるあき):立命館アジア太平洋大学(APU)学長。ライフネット生命創業者。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒。日本生命入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画(株)を設立し、代表取締役社長に就任。2008年4月、生命保険業免許取得に伴いライフネット生命株式会社に変更。2012年上場。2018年より現職。著書に『全世界史(上・下)』(新潮文庫)、『0から学ぶ「日本史」講義』シリーズ(文春文庫)、『歴史を活かす力』『日本の伸びしろ』(文春新書)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)、『一気読み世界史』(日経BP)、『ぼくは古典を読み続ける』(光文社)等多数。

「2023年 『人類5000年史Ⅴ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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