アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?

制作 : 宮本 喜一 
  • ダイヤモンド社 (2012年5月18日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478017548

作品紹介

ひとり当たりベンチャー投資額が米国の2.5倍、ヨーロッパの30倍。人口1844人につき創業1社という旺盛な起業意欲はどこから湧いてくるのか?人口710万人、四国ほどの面積、乾燥地帯で資源に乏しい国がシリコンバレーさながらのハイテククラスターを持つまでになった要因は?歴史や政治の文脈で論じられることの多いイスラエルを「起業国家」としてとらえ、ユニークな産業とビジネスのありようを活写したNYタイムズベストセラー。

アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?の感想・レビュー・書評

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  • 「イスラエル人5人を管理するほうがアメリカ人50人を管理するよりはるかに複雑な仕事です。なぜなら、イスラエル人は絶えずマネジャーに疑問をぶつけてくるからです。まずこんな質問が飛んできます、”なぜあなたが私のマネジャーなのですか。なぜ私があなたのマネジャーではないのですか”とね」

    人口が1000万に満たず、周囲を敵に囲まれた小さな砂漠の国イスラエル。本書は日本では馴染みの薄いこの国がスタートアップ大国となった要因を紹介した本です。
    印象深かったのは彼らの国民性です。たとえはっきりしていることであっても疑問を懐き、質問をぶつけ、議論を交わし、革新を目指すという性質。与えられた環境の中で切磋琢磨するのが得意な日本人とは真逆ですね。冒頭の冗談には笑ってしまいました。

  • ・どんな軍隊も臨機応変の価値判断を要求するものです。けれども、そうしたことばだけでは何もわかりません。組織構造に目を向けなければなりません。…アメリカ陸軍における上級史観と先頭に従事する軍人の割合は一対五であるのに対して、IDF(イスラエル国防軍)では一対九になっている。

    ・NASAはそれ以前にも、何回か発泡剤の剥離を目撃していた。その剥離が過去、問題の発生につながらなかったため、その整備は定期的作業として実施する、というのが上層部の決めたルールだった。したがって、それ以上の議論は全く必要とされなかった。
    →コロンビア号の爆発について。スペースシャトルを使いまわすために、作業をルーチン化したかったのだ。
    NASAはコロンビアのことを「着陸して向きを変えるとすぐにまた飛び出せる、こんな飛行が簡単にできるボーイング747のようなものだ」と喧伝していたそうだ。しかし実際には、「宇宙飛行は、テクノロジーのイノベーションと非常によく似て、基本的に実験的な試みであって、その心がけで取り組むべきだ。飛行を繰り返すたびに、それを重要なテストであり、そして同時にデータの収集源だと考えるべきだ。過去に実践したことを日常的な作業に応用することではない」

    ・砂漠で魚を養殖することは道理にかなっている、と説得するのは骨が折れた。―サムエル・アプルバウム教授

    ・アメリカ軍は普通、役割が決められた航空機を四波にわたって飛行させることによって、作戦の具体的な要件を達成しようとする。たとえば、第一波は敵航空機の防衛空域をくぐり抜けられるように設計された空中哨戒機、これに続いてミサイルを発射してくる敵の対空砲火装置を破壊する第二波、そして第三波は、電子化された軍用機、燃料補給のためのタンカー、そして戦闘の全体像を映し出すレーダー機で構成される。最後の第四波は、攻撃機そのもの、つまり爆弾を積んだ航空機の出番だ。
    …イスラエルのシステムでは空対空ミサイルを装備しないで出撃する事はありません。それがどんな作戦であってもです。レバノン南部に攻撃するとなれば、攻撃基地は飛行で二分間の距離に置かれます。そうすれば誰かほかの人が支援に来られるのです。それでも、敵国の領土に空対空ミサイル無しで行くなどということは決してありません。

    ・分野が全く異なるテクノロジーのマッシュアップ。ミサイルの電子工学技術をカプセル内視鏡に応用したギブン・イメージング、光源・酸素を生む藻・インシュリンを作り出すベータ細胞が揃ったミクロの環境を移植するBeta-O2。発想が、凄い。

  • 日本人にとっては政情不安定な、小国というイメージが強いイスラエル。
    人口710万人、四国ほどの国土の大半は砂漠、というこの国は、独創的な技術を持ったベンチャー企業が次々生まれる「起業国家」という側面を持つ。
    シスコ、マイクロソフト、グーグルといった企業がイノベーションの中心拠点をイスラエルに置いている事や、たとえ戦火の中であってもインテルのCPUの大半がイスラエルで製造されていることなど、「起業国家」イスラエルの姿は日本人にとっては知らないことが多く、大変刺激的な内容だった。
    また、背景として語られるイスラエルの文化や社会制度も日本人からみるととても新鮮。
    「予備役」という一生続く徴兵制が、業種横断的な人間関係を組織し、若いころから大変な責務を負う経験を作り出していること、軍隊においても下位のものがとことん上官に意見できる空気が個人個人が状況に応じて臨機応変に対応できる組織力を生み出している事、などである。
    日本にとってイスラエルから学ぶべきことは多いと感じる。

  • イスラエルのことがよく分かる本。若干、課題よりも”うまく行っている感”の方が強めに出ている気もするが、その特殊性についてよく理解できる。同じ徴兵制をもつシンガポールとの違いもなるほどと思ってしまう。
    様々な事例が書かれているのが、とても分かりやすいし、納得感がある。

  • イスラエルで自由になる財産は人的資本以外に何もない。通用するのは開拓者だけ。つまり何もない状況に立ち向かい、必死に仕事をする開拓者たちだけだ。理想主義であり、知識人。
    イスラエルにおけるハイテクは農業からはじまる。器物は農業生産活動の母体になり、農民は科学者になった。耕作地が少なく、水不足という事情からイスラエルは農業先進国になった。

    規模の大きさから寮の優位性が生まれるのに対して、規模が小さいからこそ質の面に集中できるチャンスがある。

    専門家とは例外なく、過去の事実を語る専門家だ。これから起こる事象を語れる専門家は一人もいない。これから生まれる未来についての専門家になるためには、経験に取って代わられるビジョンが必要だ。

    これから10年の進歩
    1. 人工知能
    2. 科学分野における発見の爆発的増大(主に中国とインドで)科学者の数が増えて、テクノロジーも発達する
    3. ナノテクノロジーの出現。人間の脳の解明によって人間の潜在能力を明らかにし、コミュニケーションの様々な仕組みを理解し、社会活動の課題を我々に教えてくれるはず

    イスラエルは経済活動における研究開発費の割合が世界一大きい国。ベンチャーキャピタルの数が世界一。

    才能豊かな人たちの物語というだけでなく、粘り強さ、権威に対する疑問を持ち続ける姿勢、そしてどこまでも格式にこだわらない風土の物語。

    イスラエルの作家アモス・オズ、
    ユダヤ教とイスラエルは常に疑問と議論の文化、つまり解釈や裏解釈、再解釈、反対の解釈などについて自由闊達なやり取りをし続ける文化を育ててきた。ユダヤ文明がユダヤ文明であるのは、誕生したその時からずっと文字通り議論好きであったから。

  • イスラエル人のベンチャー・スピリットに焦点を当てた本。起業家精神やベンチャー育成に関して興味がある人向け。

  • この本は、インドとシンガポールでベストセラーになっている。

    翻訳された言語は、中国語(中国と台湾)、韓国語、ロシア語、ポルトガル語(ブラジル語)、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ベルギー語、チェコ語、ヘブライ語、トルコ語、スペイン語、そしてアラビア語。
    これからの10年(この本は2012年に書かれた)、科学と産業分野にとって最も驚異的になる。

    第一は人工知能の進歩

    第二は、科学分野における発見の爆発的な増加

        主に中国とインド、世界中で科学者の数が増加し、同時にテクノロジーも進歩するため。

    第三は、ナノテクノロジーの出現


    イスラエルは、ナスダックに上場した企業の数が、アメリカを除けば、世界で最も多い国。

    経済活動に占める研究開発費の割合が世界一大きい国


    グーグルCEO エリック・シュミット
    「アメリカを除けば、イスラエルが最高」

    マイクロソフトのスティーブ・バルマー
    「アメリカの会社であるのと同時に、同じようにイスラエルの会社だ」といっている。

    ウォーレン・バフェットが何十年も守り続けた外国企業を一切買収しないという自信の記録を途絶えさせた原因、それこそが、あるイスラエル企業の買収だった。

    自分が設立した会社で一旦失敗した起業家が、その次にスタートアップする企業で成功する確率はほぼ5分の1.(2006年ハーバード大調査)

    この成功率は、起業家の初心者の成功率よりも高く、すでに成功体験のある起業家の率と比較しても低くk内。

    ユダヤ人についての格言

    ユダヤ人が二人いれば意見は3通りあるーが、イスラエル人に当てはまるのは確かだ。


    グループの報告会議の席で重視されるのは、自由闊達で率直な姿勢だけではない。同時に自己批判もまた重視されている。

    それは、その場の全員に、つまり同僚、部下、そして上官の誰にも、あらゆる間違いから学んでもらうための手段になるからだ。

    悪い決断についての言い逃れは許されない。「自分のとった行動を弁解する姿はあまりみられません。もし失敗したなら、次にすべき仕事は、失敗から得た教訓を広く伝えることです。自己弁護を繰り返す人から学ぼうとする人はひとりもいません」

  • selected by NeiNei (US)

  • イスラエルがなぜイノベーションが盛んなのか。国家の成り立ち、軍隊の役割など多面的な視点から分析。国のイノベーション政策に関わる人にとっては必読書。

  • イスラエルか、、

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