文明の子

著者 :
  • ダイヤモンド社
3.34
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本棚登録 : 643
レビュー : 94
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478017715

作品紹介・あらすじ

地球、そして地球とは別の進化を成し遂げた星の過去と未来に秘められた謎。新たな文明に踏み出すために動き始めた子供たち。パラレルワールドが絡み合い紡ぎ出す壮大な物語。

感想・レビュー・書評

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  • 大ファンの爆笑問題・太田光さんの小説第2作目・短編集。

    太田さんはテレビでこそ、その毒舌が定着しているけど、
    実際は、人の話はまず信じ、この世の中は素晴らしいものだと考える人。

    そんな性格が表れた1冊です。
    事実、いわゆる「悪い人」は登場しない。
    太田さんが考える、
    「未来ってこんな素晴らしいんだよ。期待していいんだよ。」
    という思想が伝わってきます。

    短編集だけど、1つ1つの物語がリンクしてるのもおもしろいです。

  • 太田らしい物語だった。文章は回りくどいし、まどろっこしい書き方をしているけど、マボロシの鳥よりもガツンときた。目次を見たとき、また短編かと思ったが、それぞれが繋がっていき、ひとつの大きな物語になっていった。パラレルな世紀への跳躍でみせたショートストーリーに近づいているのか、孤独からの立ち上がりを書かせたら心底上手い。

  • 前作のマボロシの鳥では、何かのオマージュ短編で構成され、全体として何か物足りないものを感じた。
    だが、今回の文明の子では、ちりじりにみえる短編が、ある大きな物語として展開していることに違いがある。
    私たちがつくりあげてきたこの世界を、終わらせるのか、それとも続けるのか、問うことからこの物語は始まる。文明は破壊され、そして次に繋ぐことの意味を最後には訴える。文明を光のようにとらえることによって、この世界を強く肯定する。そのことに強く心打たれた。今、見えている星の光のその星は存在しないかもしれない、という言葉をくつがえし、いま、見ている星の光は永遠に続いてゆくことの美しさに焦点を当てる。美しい作品だった。

  • 意外に面白かった。
    自分の読解力の無さか、何かの風刺だろうがなにを伝えたいのか分からない話もあったが、「大いなる計画」の辺りからは話の展開に引き込まれていった。
    次回作に期待できる。

  • 最後の根拠無き確信の章では、特に忘れていた大切なことを思い出させてくれ、励まし勇気づけられるようなストーリーでした。ファンタジーの中にも、現代社会に通じるテーマが散りばめられあり、楽しめる小説だと思います。また、ストーリーの1つ1つが完結しているようで、それぞれが時間と空間でつながっている構成もとても良かった。

  • ■解説
    地球、そして地球とは別の進化を成し遂げた星の過去と未来に秘められた謎。新たな文明へと踏み出すために動き始めた子供たち。果たして人類の行く末は生か死か? 絡み合うパラレルワールドが紡ぎ出す壮大な物語! 斬新なスタイルで描かれる太田光、渾身の書き下ろし小説。
    ■感想
    「ダーウィン」を読むと、今の自分を「それでいいんだ」と肯定してくれる優しさが感じられる。太田さんの小説は、人類愛が感じられ、今回は特に被災者への眼差しがより一層やさしい。

  • 直ぐに世界観に引き込まれるSFだけどとても身近な話が満載!
    小説を初めて読む方にも是非オススメ!

  • 評価:★★★★★(5/5)

    太田光の書き下ろし。2作目になる。
    もはや「爆笑問題の」と付けなくてもいい、太田光の世界観がにじみ出たよい作品だ。
    今回は処女作「マボロシの鳥」にあったようなテレは省かれている。

    一つのストーリを22の短編で編み上げてげている。
    キーワードとなるのは、文明、光、子供、時間・・・。

    大人も子供も、老人も登場するのだけども、誰もが無垢な心を持っていて、大人大人していなくて、童話のようにも感じた。

    一冊を通して、始まりも終わりもない不思議な物語で、読者を惑わすような巧妙な謎掛けがあるわけでもなく、かといって短絡的でもなく、心に響く物語だった。

    いくつもの短編が見事に絡み合っているので、一度読んだ後で、また読み返したら印象も変わってくるんだと思う。
    何度でも楽しめそう。

    太田光の思想のごり押しではなく、彼の見た、彼の見える世界を覗かせてもらえる話がいくつもある。
    (ちなみに、僕は彼の政治思想は好きではない。)

    時に胸を締め付けられるような悲しい話も登場するのだけども、またそれを中和するような道筋もあり、落ち着いて読めた。

    読了後に何ともいえないよい気持ちにさせられる本だった。

  • なんだろう、この読了感。終始、心地よくて、ずーっと浸っていたい感じだった。僕的にブレイクスルーな一冊だった。短編の良質な童話、SFの短編集が連鎖して終わったら最初にループしているような、また読み返したくなる構成。今度こそ、是非、賞を取っていただきたい。

  • 未来を担う子どもたちに、老人が希望を託す話し、と読む。彼方の星で、飛べなくなった翼を持つ老人とピピの会話から始まる。短編集?と思わせるバラバラの話が、ページを捲るにつれ、関連を持ってくる。お気に入りは「プレゼント」と「贈り物」。この二篇だけでも、読む価値あり。若い人々に何を残せるのか?先週観た、園子温監督『ヒミズ』にも繋がるテーマ。

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