人を助けるすんごい仕組み――ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 1286
感想 : 166
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478017975

作品紹介・あらすじ

ボランティア経験なしの早稲田大学大学院(MBA)専任講師が、日本最大級の支援組織「ふんばろう東日本支援プロジェクト」をどうやってつくったのか?代表の著者がはじめて明かす、人を助ける仕組みと支援の舞台裏。

感想・レビュー・書評

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  • 構造構成主義が興味深かったです。
    状況の理解と、目的の明確化。
    具体的な方法の構築と実施。

    読み応えのある一冊でした。

    信念対立に陥らないための問いの立て方も興味深かったです。この考え方は仕事でもすぐに使えそうです。

    「自分の心に嘘をつかずにできることをしていくだけで、僕らは前に進んでいくことができる」

    そう信じたい、です。

  • 献本御礼。

    心理学者で哲学者の西條さんが震災でおじを亡くし、故郷東北が危機に瀕しているのを見て、現地でたくさんの支援活動を始める。「ふんばろう東日本支援プロジェクト」と名付けられたそれは、お役所仕事的に救援物資が山積みになり、しかし必要とされる人に届かない現状認識から始まり、電化製品の提供やメンタルヘルスまでツイッターなどソシアルメディアを駆使した形で提供される。ビジネス・モデル的な方法原則から構造構成主義に代表される哲学的な思弁を交えた活動の記録。まっすぐに走りつづける著者の生き様が赤裸々に記録されている。読むと体温1℃くらい上がります。

  • 長らく積読となっていた一冊。
    途中までは読んだ記憶があるので、あまりに辛い記録と思ってしまい、やめてしまったのかもしれない。

    〝遺体が見つかっただけよかった〟と言わなければならないほど、ひどい被害をもたらした大地震。
    そこへ、ボランティア経験がない著者が訪れ、キーとなる人物と出会い、日本最大級の支援組織(完全無給)をつくり、被災した人々を様々な方法で支援する。

    本書は東日本大震災の凄惨な現場の状況を含めた著者の経験を記しながら、強い組織づくりのヒントを与えている。

  • 震災後10年、被災地の今を知りたくて尋ねた南三陸のホテルで出会った本。

    2011年の東日本大震災直後、郷里を助けたいと立ち上がった大学講師の青年。
    車に物資を積んで、友人や縁者を頼りに支援に向かい、沿岸部の惨状に圧倒され…ここまでは普通。
    そのあとの動き方が「すんごい仕組み」になっていく。

    SNSで惨状を伝え、どこで誰が何を必要としているか公表、それを見た不特定多数の人たちが、必要な物資を買い、アマゾンやヤマトで届けるのだ。
    それで何万点もの家電や必需品が被災地の人たちに渡ったという。

    また、被災者の就労支援として重機免許取得支援の仕組みを作ったり、著者はとにかく仕組みづくりに奮闘する。

    すべてボランティアベースというのも、日本人やるじゃんと誇らしくなる。

    個の動きでは限界があり、国や行政の動きでは中継が多すぎてつながれないところにまで支援を届かせることができた。
    誰かが不当に儲けたり、搾取されたりせず、悪平等で物資を腐らせたりもせず、上手に回る仕組みは常に求められている。
    著者は現在リーダーシップスクールのような学校をはじめているそう。


  • ・意味の原理:起きた出来事は変えられないが、出来事の意味は事後的に決まる
    ・10分あればできることがある、今の自分にしかできないことがある
    ・時間を止めて固定的に考えると、一人ひとりの力はあまりに小さく無意味なものに感じてしまいますが、時間というファクターを入れて考えるとそんなことはないとわかります。僕らが少しでも進めておけば、そこを出発点として、子供たちが次の世代がさらに進めてくれる。強い意志は継承されます。
    ・構造構成主義:「方法」というのは、必ず「ある特定の状況」で「ある目的を達成する手段」として使われる。要するに考えればいいポイントは2つしかない
    ・状況をトップダウンにコントロールせずに「こういうやり方をすれば、こういうことができます」とだけ示していた
    ・市民意志機能:一銭のお金も動いていないのに、みんなの「なんとかしたい」という気持ちだけで動いている
    ・最後の5%にはこだわらず、あまり厳密に考えすぎずに、95%のところでどんどん迅速にやっていく
    ・原理というのは、それに沿ったから必ずうまくいくというものではないが、それから外れると必ず失敗するものなのである。そのため、「状況」を捉え損ねると必ず失敗してしまうのである
    ・「目的」を共有することは、活動が目的からぶれないためにも重要になる
    ・すべての価値は、欲望や関心、目的といったことと相関的に(応じて)立ち現れる。「我々の製品やサービスにできることはこれである」ではなく、「顧客が価値ありとし、必要とし、求めている満足がこれである」
    ・活動の良しあしは関心相関性に応じて判断される。
    ・名は時空間的なまとまりを生み出す形式である。たまたま集まった人たちにチームの名前をつければ、そこにはある種のまとまりが生まれる。役職名が与えられれば、その名にふさわしい動きを意識するようになる
    ・反省会は、自分たちの足りなかったことにフォーカスを充てることになるため、気持ちだけで動いている人のエネルギーを奪いという、ボランティア組織にとっては致命的な欠点を持っている
    ・その人の存在(Being)を認めることを前提として、行為(Doing)の結果(Output)も適切に評価できるようにすること
    ・ボランティア組織は感謝を忘れた時に崩壊する
    ・問い方を根本的に変える:「原発は是か非か」ではなく、双方の関心を織り込むように「原発をなくしても問題が生じないようにするにはどのようにすればよいのか」

  • P283 公平主義からの脱却
    「行政の足かせになっていたのが「全員に、完全に同一の物を、同時期に配らなければならない」という「公平主義」である。
    なるほど。一部のクレーマーのおかげで行政が慎重になってしまう理由だ。

  • タイトルだけ見たときは、「仕組み」という言葉に少々違和感を感じていたけれど、読んでみると確かにすんごい。
    内容的には仕組みよりも想いや情熱の部分をとても感じ、考えさせられる本だった。

    ボランティアをやったことがなくても、こんなに大きなことを成し遂げられる。
    人間、なんでも本当にやると決めたことはやるんだなと思った。
    ボランティア、チャリティ、支援、まだまだ自分もしたことがないけれど出来ることはある。
    知らないからやらないとか、やったことないからやらないとか、でも自分がされたら嬉しいのは何か?

    そうやって人の想いと具体的な行動、活動が巡り巡ってこの地球は成り立っているんだなと改めて考えた。
    心に残る一冊だった。

  • 3.11後Twitterで話題となり瞬く間に広がっていったふんばろう東日本支援プロジェクト。硬直化した行政の支援では手が届いていなかった被災者の方々への有形、無形の支援の実現そのものとそのスピードは驚くべきものだった。構造構成主義という考え方がその底流にあるというのを本書で初めて知ったがそこについての解説は表面的にしかなされておらず物足りなさが残る。

  • ●ボランティア活動への感動
    ・前半部分は読んでいると涙が出てくる
    ・人の優しさ、誰かを、他人を思いやって、自分の時間やあらゆるエネルギーを投資してきた人たちがたくさんいたことに驚く
    ・知らなかっただけだが、多くの人が、被災地を支援していたという事実に感心した。自分の見えないところで、いつも、誰かが、誰かのために、頑張ってくれているのだろう

    ●個人の手によって多くの被災者を支援できる時代
    ・役所や赤十字社に頼らず、支援の仕組みを作り上げた筆者
    ・ツイッター、フェイスブック、サイボウズLiveなどを駆使して多くのプロジェクトを実施した


    ●被災地の悲惨さ
    ・遺体は損傷が激しく、頭が取れていることなども多い。カラスが集まっているところにいって、探すなどしているとか

    ●やはりボランティア組織でも、問題はいつも人の感情
    ・ネガティブな感情が人を追い込む
    ・大切なのは、提案。まずは認めること
    ・抱えてから、ゆさぶること
    ・批判する前に、質問をすること

    ●成功の鍵はいつもシンプルである
    ・「構造構成主義」という概念が成功の秘訣である
    →説明は一見単純。しかし、よくよく考えると、物事の本質を貫くようなものは、シンプルなのだ。分かりやすからこそ、多くの物事に対応させることができる
    ・構造構成主義においては、取るべき手段は、状況と目的によって変わると考える。何か状況が変わったなら、必ず取るべき手段が変わっていることに注意

    ●名前をつけること、役職をつけることの重要性

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