外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 1319
レビュー : 165
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478020890

作品紹介・あらすじ

「複雑すぎて潰せない」ために注がれる多額の税金。顧客との利益相反のオンパレード。人事、報酬、キャリア、リストラの生々しい実態…。そして、それでも明るい金融の未来について超人気ブロガーがコミカルに語る。

感想・レビュー・書評

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  • 実体経済とはかけ離れたところでお金を動かしているだけの金融業界は、何も生み出さないくせに金だけ儲けてその上失敗しても血税で救済される企業倫理もクソもあったもんじゃないまさにウンコだと思っていたけど、これを読んで分かったのは金融業界は想像以上にウンコだったということ。
    この本を読んで思ったのは、知性と品性はまったくの別物であるということ。
    この本の著者は、知性はあっても品性はないです。
    金融業界ってそういうものなのかも。

  • ☆2(付箋7枚/P240→割合2.92%)

    ブログがベースなのかな。ちょっと覗き趣味も満たしてくれて面白いのだけれど、それよりもマクロ経済ってどういうことか、内輪から見るってこういうことですよね。腑に落ちます。
    そもそもCDOは小難しくて複雑な金融商品を編み出すのが得意なフランス人発祥とか、不謹慎ながら少し笑ってしまいます。

    近いジャンルの本は読んでいて繋がる事があります。この本で、銀行と商圏銀行と投資銀行とヘッジファンドの違いを説明していて、銀行システムは1000円預けたら、10円しか手元に残さず990円は利子を取って市場に回すというような説明があった。
    間違いではない。だけど、金融システムを表現するものとしては、少し前に「円の支配者」で読んだ、990円を市場に回すのではなくて、1000円手元に置いて99万円市場に回るんだ、という表現がより正確に思う。

    こういう本で自分なりに理解しないと、専門的な本を読むのも難しいよなぁと思います。この本からは文献は広がってくれないけれど、理解することの土台の一つとしても楽しく読みました。

    ・グリーンスパンは、1987年から2006年まで、19年間もFRB議長を務め、その巧みな金融政策の指揮で「金融のマエストロ」の名をほしいままにした。ちなみに、グリーンスパンの前のFRB議長が、現在さかんに議論されているボルカー・ルールのポール・ボルカーである。そして、グリーンスパンの次のFRB議長がベンジャミン・バーナンキである。
    アメリカ経済のこの黄金時代には、市場参加者の間では「グリーンスパン・プット」という言葉が囁かれていた。プットというのは、参照する資産価格が下落すると儲かるプット・オプションのプットである。グリーンスパン・プットとは、株価が急落してもグリーンスパンが利下げをして必ず支えてくれるから、株などのリスク資産を買うのはプット・オプションを買っているようなものだ、という意味である。
    こうしてアメリカのマクロ経済政策が、ある意味でうまくいきすぎていたのだ。このような右肩上がりの経済で、グリーンスパン・プットがある状態なら、投資家はどのような行動をとるのだろうか?
    「少しでも利回りが高いリスク資産を、借金して買えるだけ買う」である。こうしてリスク資産がますます値上がりし、低下した利回りで利益を上げるために、投資家は借金でレバレッジを掛けて、さらにリスク資産を購入していったのだ。

    ・このようなデリバティブ商品は、最終的には買い手と売り手で決済される。デリバティブ商品はひとつひとつの取引を見れば完全なゼロサムゲームで、片方のもうけは必ず片方の損失から来ているのだ。だからこういったトレードをするときは、必ず相手の信用をチェックしないといけない。なぜならば、いざ支払いということになって相手が支払えないのでは困ってしまうからだ。これをカウンター・パーティリスクという。
    じつはCDSを売ってボロ儲けしたヘッジファンドや証券会社は、こういった巨大なカウンター・パーティリスクを取っていた。これほどの金融危機では、本来は相手が破綻してしまい支払ってもらえない状況だったのだ。それでも支払われた。それはアメリカやドイツ、イギリス、そして日本などの世界中のなにも知らない納税者が間接、直接的にAIGやシティ・グループのような、本来はつぶれるはずだった金融機関を税金で救済したからだ。

    ・たとえば、満期が一ヶ月の借入金で満期が10年の債券を買うとしよう。一ヶ月の金利が0.1%で、満期10年の債券の金利が1.5%だとする。短期資金で100億円借りて、長期の債券を100億円買う。この短期資金は一ヶ月ごとに返さないといけないので、毎月毎月新たに借り直さないといけない。これをロールする、という。こうやって短期資金を次々とロールしていけば、この場合は1.5%-0.1%=1.4%の金利差があるので、100億円×1.4%=1億4000万円が毎年儲かることになる。
    それでは、そのリスクは何か?それはこの市場でこの銀行は危ないかもしれないと思われて、銀行が短期資金を新たに借り直せなくなると、その時点で現金がなくなるので、倒産してしまうかもしれないことだ。この場合は、長期の債券を市場で打って、なんとか現金を手に入れようとすることになる。しかし、そういう信用不安が起こっているときは、簡単に債権の買い手が見つからなかったり、見つかっても非常に不利な価格でしか売れなかったりする。このように短期の資金で、長期の貸出や投資をする、というのは危険なつり橋を渡るようなビジネスなのである。金融機関がつぶれるのは、ビジネスで損をしたからつぶれるのではなく、市場からの信用を失い新たな資金を借りられなくなってつぶれるのだ。

    ・日本国債が暴落するかどうかは、一にも二にも、これら邦銀が国債を買い続けるかどうかにかかっている。そして僕は、買い続ける、と思っている。
    邦銀が国債を買うのは他に貸し出し先がないからであり、経済の低迷が続く日本で、それがこれから急に変わるとは思えない。また、邦銀にお金を預けている日本の高齢者が、急に預金を引き出して海外に投資しはじめるとも思えない。高齢者の預金はやがて相続されるのだが、日本では80歳、90歳のお年寄りが無くなり、60歳、70歳の「子ども」に遺産が相続されているのである。60歳、70歳の子どもたちが、急に投資行動を変えるようには思えない。そして邦銀が、集めた預金で国債を買う、というお気楽なビジネスモデルをやめるとも思えない。

    ・トレーダーだったら、クリスマスイヴやクリスマスには、ケーキや七面鳥には目もくれず、12月26日以降にこれらの商品が暴落したところを買い叩いて、豪勢に七面鳥を食らいながら、クリスマス用の赤と緑のリボンが付いたシャンパンで祝杯を上げたいところだ。
    さらに想像を絶するのが、指輪やイヤリングなどの宝飾品だ。これらは10万円で買っても、質屋に売るときは1万円にもならない。売値(オファー)と買値(ビット)の差、つまり、ビット・オファー・スプレッドが9000ベーシス・ポイントなんて想像を絶するぼったくりである。こんなものを買う奴は頭がおかしいとしかいいようがない。

    ・アメリカでは、貧乏人の住宅ローンを寄せ集めたMBSのクズをさらに束ねたCDOが、急にアメリカ国際並みのトリプルAの信用を得るという奇跡が起こっていた。日本では、並程度の容姿の若い女を大量に寄せ集めて結成されたアイドルグループAKB48が大ブレークし、プロデューサーの秋元康に巨万の富をもたらした。そしてヨーロッパでは、二級国家を寄せ集めて通貨をユーロに変えると、二級国家の金利も低下するというマジックが起こっていたのだ。「寄せ集める」というのは、どうやら七難隠す不思議な力を持っているようなのだ。

    ・ところで、これからアメリカ人の雇用は回復するのだろうか。僕は、かなり悲観的である。それは、アメリカの一部の世界的な企業はたしかに強いのだが、アメリカ人の雇用に結びつくようにはとても思えないからだ。アップルの従業員数は6万人、グーグルの従業員数は3万人、フェイスブックの従業員数は2000人、そして、ツィッターにいたっては200人ぐらいである。これは世界全体での数字だ。一方で、日本のトヨタ自動車もパナソニックも、従業員数はそれぞれ30万人以上もいる。

  • 週間金融日記などネット界隈の有名人である著者の本。やはりネットが主戦場の人の2年前の本は読んじゃいけないな。鮮度が無くなってる。フローでは面白いけど、ストックとして読むにはちと物足りない。でも、金融関係の本として初めて手に取ったならそれなりに面白かったのだとは思う。

  • 外資系金融に関することに興味を持ち、友人の勧めで藤沢数希の本を勧められ手に取る。

    大枠は、外資系金融のコングロマリットにおいて資本主義体制が崩壊していることに問題意識を表し、そこで行われている取引や業務が本来の金融機関のあるべき状態と照らし合わせてどのように問題かを述べている。

    銀行は短期金利と長期金利の使いわけで利益を得ているが、
    現在銀行は貸しやすい機関には余計に貸付け、信用が低い期間には貸し渋るといった本来の役割を全うしていない。

    証券会社も本来の金融商品仲介業務は売り手を探し、買い手に適切な商品を売る作業は価格競争にのまれ、自分たちが投資家のようなトレードを行っている。


    このように、本来分業体制をとっていた各種金融機関はもはや境界が曖昧になっている。

    また株式の調査を行い顧客を投資家に持つ部署と、その評価された企業を顧客にもつ部署が同じ企業にいるため非常に勝手が悪いなどといった金融機関の矛盾も述べている。


    互いに複雑な金融商品を持ち合っているため、どこか一つの金融機関が危機に直面すると、それが一斉に波及してしまう。
    政府としてはそのような危機が起こってはどうしようもないので、仕方なく融資を行う。
    このシステムで金融機関は「大きく複雑でつぶせない」ということを逆手にとってハイリスクな取引を行っている。

    またユーロ危機に関しても、本来財政は国ごとに違うのに、為替レートは固定されているため、ドイツのように投資を行うべき企業にとっては資金調達コストがかかるためユーロを貸出し、スペインやギリシャのような財政が悪い国ではお金の価値が下がり、インフレ率が高い。本来インフレ率が高い国では金利を上げる必要があるが、ユーロで統一されている金利では貸し付ける利子が低いため、借りが増える。





    その他
    ・低金利状態は不動産資産を求める傾向
    ・新卒の首切りに対処する人事
    ・アメリカのマイホームを買わせるような社会政策と売れない金融商品の寄せ集めであるものを高い信用格付けで売りつける金融技術が複合し、土地を買えば買うほど儲かるシステムによってバブルが生まれたこと
    ・金銭感覚の違いを誇示したいんだろうという印象
    ・現体験の有無がこのような企業に対する憧れにつながるということも考えると、もっといろんな世界に足を突っ込んでみようと思った。

  • りーマンショック前後の金融バブルを解説した本、というのが正しいかな。中身は素人向け。とくに得られるものはないが、投資銀行マンとかよりトレーダーの方がずっと儲かってるのか、というシンプルな事実を認識できた。まぁ大したことはない本かな。

  • この人の本は好きで金融3冊は買って読んでいる。
    藤沢さんはあまりインタラクティブに走らず、なるべく上から目線でいけ好かない感じで書いていて欲しい。その方がセンスが光る。
    メルマガは創刊当初買っていたが暫くしてお悩み相談室が気持ち悪くなって止めた。あのメルマガのくだらなさは、本書でアナリスト・レポートの不要さを理解すればほぼ説明できるだろう。
    何度も言うが、本は好きなのでまた出たらまた買うと思う。

  • 個人的にこの人は好きではないが、マニアックな金融業の世界や歴史を、門外漢にもわかりやすく書いてある。とても頭の切れる方なのだろう。

  • 金融の話は全く知識がないので、すごいなーと読んでいた。
    でも、年収いくらあればこの人はすごいと思うのだろう?あとこの人は女の人を純粋に好きになったことあるんだろうか?と感じてしまった。

  • むつかしい内容なのにとてもわかりやすい本です。

    日本の銀行の簡単なお仕事について語られている内容(P88)、一方では当時の欧米の銀行では金融工学を駆使してマネーゲームにいそしんでいましたが、それに追いつこうとみずほ銀行が「投資銀行宣言」をして三顧の礼でカリヨンという証券会社からヘッドハンティングしたアレクサンダーとその仲間たちは、結局みずほに6720億円の損失を出して首になったというトホホな話も面白かった。(P93)

    金融機関の最大のモラルハザードは、儲かった時には多額の報酬をとり、つぶれそうになると役員は既定の退職金をがっぽりもららって政府に救済される、それも何の恩恵も受けていない大部分の国民の金で。(P97)

    日本の金融コングロマリットは、中央銀行と取引できる特権を享受しながら、証券機能という自ら持つ顧客と同じビジネスの土俵で競うという利益相反の温床となっている、(P101)

    好調な米国のハイテク企業がいくらでかくなっても米国人の雇用に大きく貢献することはない。(アップルの全世界の従業員は6万人、グーグル3万人、フェイスブック2千人、ツイッター200人at2012)P175

    金融商品はリスクの形を変えるだけで、それ自体から富が生み出されるわけではない。では金融工学の社会的意義とはなにか?それは、リスクを世界の投資家に最適配分することだ。(P183)あくまでもリスクの配分です!
    こうした金融工学の分野が、高い報酬に目がくらんで世界の理数系の頭脳を浪費し続け、もしかしたら彼らが病気や宇宙の謎を解明できたかもしれないのに、いつのまにか世界を破滅のふちに追い込んでいく。(P186)

    大きすぎるコングロマリット金融機関はその影響の大きさからつぶせない、これがモラルハザードの原因であるなら、問題をおこせばつぶせるように分割化すればいい。(P213)
    その分割化には、インサイダー問題が起こりやすい同じ会社でのマーケット営業と投資部門などの分社化を優先的に行うべき。(P217)

    結局は、ゼロサムでしかない金融工学はある意味カジノ経営のようなもの、そうした本質的な価値を生み出さない職種の人たちに現在の高報酬は異常ですよね。

  • これ恋愛工学の本の作者って後から知って結構衝撃だった。
    私たちが知らない世界の裏でこんなことが繰り広げられてるんだなって話。規模が大きすぎて理解できないところも少しある。収入の話とか意外と面白かった

  • 金融のことに関して全くの無知であったが、今回この本を読み、知識が深まった。
    お金の流れを読むことができたと思う。
    ただこの本は2012年に書かれたものであり、すこし時代的には遅いものであるが、ここまでの歴史ということで受け止めた。
    やはり、人生においてどの分野を選択するかというのはとても重要なことであり、その選択を誤ると、コストパフォーマンスどころではないくらいの差がうまれてしまう。
    慎重に吟味しようと思う。

  • 業界内部から見た絵をシンプルにまとめってあってわかりやすい。意見はずいぶん偏ってるけどうまくまとまっている分かりやすいこの業界の略図だと思う。

  • グローバル化の規模の経済を推し進めてきた金融コングロマリットが、大きくなりすぎてインフラに近づき、もはや民間営利企業の枠を超えて税金で守られる存在になっているという存在感と逆行するように、お金という数字だけを動かしている虚構の経済活動の行き詰まりを示している。
    ただポスト資本主義社会までの考察を拡げているというよりは、外資系金融機関の内情を暴露しているに止まっている内容。

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  • 外資系金融の内情と現状がフェアに詳細に描写されている。
    トレーダーの生活や人事の実情など正確で興味深い。

  • 外資系金融で5000万稼いでいたトレーダーが業界についてぶっちゃけ話し。
    金融は、リスクを分配するだけでゼロサムゲームである、ということが良くわかった。

    [more]

    ・決定的なターニングポイントは、2008年9月のリーマン・ブラザーズの破綻。負債70兆。
    ・モラルハザード=リスクをどこかに押しつけることにより、自らはリスクをとればとるほど儲かる。
    ・ギリシャ政府は、債務の「飛ばし」をやってた。デリバティブの取引にすることにより借金を債務に含めない方法。
    ・バーナンキFRBが運用する、(実質的に)世界最大のヘッジファンドはパフォーマンス好調。
    ・ヘッジファンドとは、限られた人数からしか資金を集めない代わりに規制が免除される私募ファンド。
    ・グローバルな企業にはやかましいコンプライアンス部が必ずある。
    ※ 「やかましい」ということをぶっちゃけてる。
    ・CDS(クレジットデフォルトスワップ)というデリバティブ商品:ある会社が倒産したら儲かる商品。他人の家に火災保険をかけるようなもの。
    ・デリバティブは、ゼロサムゲーム。
    ・人間は、ほとんど外れでも当たれば大きく儲かるものが好き。ロッタリー効果。宝くじなど。
    ・日本の銀行はほとんどゼロの金利でお金を集めて日本国債を買うという簡単な仕事をしてる。
    ・UBSやクレディスイス、フランスのBNPバリパなどは、その国のGDPより大きい。
    ・エージェンシー・トレーダーは、バイサイドのトレーダーの茶飲み友達。サラリーマン並みの薄給で2000万くらい。
    ※ 2000万は薄給なんだ。すげーな。
    ・マッキンゼーなどのコンサルタントは、30歳で年収1500万とあり、涙した。
    ※ 充分高給だと思うんだが。。。
    ・証券会社では、フロント・ミドル・バックと社員の身分を分ける。一番悲惨なのはミドル。特にITは板挟みで悲惨。
    ・トレーダーはみんなけち。全身ユニクロ。
    ・外資系は日本では完全なる違法となる方法でクビ切りをする。
    ・サラリーマンが一番上と下以外は中間管理職として心労が絶えないのは外資系も一緒。
    ・アメリカはGDPの内、金融+不動産で20%、医療も2割近く。二大産業。
    ・マーケットのリスク量は変わらずとも、金融商品はリスクの配分を変えることができる。
    ・外資系投資銀行は日本化してきた。一例がボーナスを複数年払いにした。長期的インセンティブ。
    ・証券会社は、投資銀行部門とマーケット部門を分離して別会社にすべき。
    ・大きな金融機関は、暗黙の政府補償という隠れた補助金を使って、リスクをとりまくって設けていた、というのが(この10年くらいの)収益。リーマン以降はそれではダメになってきた。

  • なんか勉強になる。

  • 金融危機の解説については出尽くしているので新しさはないが、藤沢節による金融機関内部の変化に関する解説はよく知らなかったので面白い。

  • 世の中には二種類の人間がいる。

    金融業界の人間と、それ以外の人間だ。
    そう言っておかしくないほど、両者の考えは違う。

    そして、違うといえば、大事なことですが、報酬も。

    よくニュースで、平均賃金のことが話に出ますが、こういうのに金融業界の数字は含まれていないですよね。
    まあ、公務員もですが。

    なんでかなあ、と思うのですが、まあ、それは、平均からずれてしまうからなのではなかろうかな、と。
    あと、公務員の場合は、無税で色々な手当てがあるので、賃金として計算するのが難しい、というか。

    とまあ、そんな恵まれた状況にある金融業界ですが、藤沢氏が高給で買って満足したものが、Wiiとか言われると、高給とはいえ、時間を自由に使える身ではない以上、満足できる消費行動なんて、こんなものなんだな、なんていう気も。

    以前、中学時代の同窓会があったとき、当時、我々の学年では群を抜いて優秀で、某一流私大の付属高に進み、そのままそこの大学を出た人間と話をしたが、彼が、
    「金融って給料高いんでしょ。30で四桁とか」
    と言い出して目が点になりそうになった。
    彼の言う四桁というのは1000万のことなのだろうが、その後も、相槌を打つのに精一杯というか、まあ、話が噛み合わない。

    彼は、その大学を出た後に、一部上場のビールメーカーに勤め、国内のMBAに通ったり、何度か転職をしたりなんかの人生。

    もし、報酬のことだけを考えるなら、何か間違った努力をしているようにしか見えないが、そんなことは言っても詮無きこと。
    エリートとして如何に世の中をよくするか、と言うことを発言するくらいなので、世界を破滅に追い込む金融商品を開発するような道に進まなかったのは、幸福だったのかもしれません。

    無論、金融人の中にも、その中の世界で必死にカーストを駆け上がろうとする人、少し斜に構えながらも他の業界の平均よりははるかに高い報酬を敢えて手放すことはせず、それを享受する人、たくさんもらいすぎてもきりがないから、と十分な額を得た後、その世界から足を洗う人、と千差万別です。

    そこで、今回は藤沢氏の本にマッチする切り口で分類を考えてみます。

    同じ仕事に対する報酬が、金融業界が他の業界と比べて、ゼロが1つ2つ違うことについて、それを知っているかどうかが、まずひとつ。

    そして、知っていたとして、それをおかしいと思うかどうか、が次のひとつ。

    さらに、それをおかしいと思った上で、その恩恵にあずかる道に進もうとするのか、それともそのおかしさを正すためのデモとか革命とか批評とかの道に進むのか、が最後のひとつ。

    藤沢氏は、金融業界に身を置き続けながらも、そこで感じる違和感をブログやメルマガ、著書で吐き出している。
    つまり、最後の分岐においては、両方を選択していることになる。

    自身では、それを「稀有なポジション」と言っているが、実は最後の分岐で後者を選択する人は、金融の世界にはほとんどいない。

    金融は規制産業であるので、それぞれの会社の組織体系も、他の業界に比べると似通っている。であるからして、業界内の転職も多く、引き抜きが起こりやすく、そして年俸の高騰も起きやすい。

    さらに言うなら、そうして業界内にちらばるかつての同僚たちと、集うことも結構ある、というわけだ。

    他業界だと、転職したら、そこで付き合いは終わり、ということのほうが多いのだろうと思う。
    無論、日本での話ですが。

    というより、転職市場が活性化されるには、外から見ても、業務の中身がわかりやすく、かつ組織のどの部分の仕事を出来る人間なのかが、外側の人間からでもわかるようになっていないと難しい。

    労働協定があったからだとしても、ソニーの社員がパナソニックに移り、給料が少しあがり、同様の職に就く、という図は、あまり考えられない。

    金融業界の仕事を、バイサイドからセルサイドまで、原則論を踏まえた上で、年収付きで記載。
    まあ、これだけで、金融業界志望、あるいは金融業界の人間は必携かもしれません。

    金融業界にいれば、大体どういう仕事があるか、ということはわかりますが、さすがにそれぞれのポジションの年収の相場までは、聞けませんからね。

    まあ、細部によっては、数字には少し怪しいところもありますが・・・。

    日系のファンドマネージャーで、1000万いかない、というのはさすがにだいぶ昔の話じゃないかと。
    確かに、運用会社が、銀行の子会社としての扱いでしかなかった時代には、出向組の人に対して、そのような扱いもあったのではないかと思われますが、プロパーで入った人に対してはそんなこともないような、、、。ですよね?違います?FMもしくは元FMの皆さん。

  • ストーリー
    『世紀の空売り』も『ウォールストリート投資銀行残酷日記―サルになれなかった僕たち』も超える、
    金融業界をテーマとした快作が日本人の手によって誕生!
    身も蓋もなく、苦笑せずにはいられない人気ブロガーの筆致が冴えわたる。

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    僕は海外の大学院で数理科学の分野で博士号を取得し、その後、東京で外資系投資銀行のひとつに勤めはじめた。
    何度か転職しながら、いくつかの外資系投資銀行でクオンツやトレーダーなどの仕事をしてきた。
    そして、会社に勤務しながら、会社には秘密で、ブログ「金融日記」をかれこれ8年以上も書き続けてきた。
    ファイナンス、経済学、そしてエネルギー政策に関する本もそれぞれ出版した。
    外資系投資銀行に勤めながらも、ジャーナリスト的な視点や経済学的な視点で、この激動の金融業界を内部から眺めることができる、
    という世界のなかでも大変稀有なポジションに、いつの間にか僕は立っていた。

    じつは、いま、世界の資本主義経済が大きな岐路に立たされている。
    それはリーマン・ショック以降に左翼のおかしな連中が言い出した「強欲な市場原理主義が世界を滅ぼす」というような話とは違う。
    いや、まったく反対なのだ。
    このグローバル資本主義経済に欠かすことができない金融システムを担う世界の金融機関が、市場原理が働かない組織に成り果てようとしているのだ。
    本書では、世界同時金融危機、リーマン・ショック、ギリシャ・ショック、そしてユーロ危機に至る最近のマクロ経済の重要なトピックの解説を縦糸に、
    そして、こうした経済環境のなかで激変する金融業界の赤裸々な内幕を横糸にして、これからの世界経済、そして日本経済の未来を考えていく。

    また、良くも悪くも、日本社会に入り込んだ外資系企業というものの生々しい実態をお見せしようと思う。
    外資系金融機関や、外資系コンサルティング会社などに多くの日本の学生が就職し、
    日本の伝統的大企業や日本の官公庁もこうした外資系企業とさかんにビジネスをしている。
    外資系企業の実力、人事制度、報酬やリストラ、そこで働く人々の人となりやキャリアなど、僕の知っていることを包み隠さず書いた。
    実際のところ、有名な外資系企業も、欧米のちょっといい学校を卒業しただけのふつうの外国人のサラリーマンが働いているのであり、
    日本のオフィスでは多くのふつうの日本人が朝から晩まで働いているのである。
    欧米の有名なファームだからといって何か特別な権威を感じる必要はまったくない。
    それどころか、本書でくわしく論じるように、外資系企業の実際の業績は、日本のダメな大企業と同様にダメダメであり、
    世界に多大なコストを押し付けて、世界中からひんしゅくを買っているトホホな会社なのだ。
    だから気後れする必要はまったくないし、逆に日本から排除する必要ももちろんない。

    それでは、世界経済を牛耳っていた外資系金融の終わりのはじまりを、本書でいっしょに見ていこう。

  • 身近で日ごろなんか変だな、つか、おかしーだろ、とか、ばくっと思ってたけど、あまり深くは理解してなかったことが、モデル化や置き換えなんかで非常にうまく説明されてて、痛快。ところで、これともう一冊も、すぐ読み終わるけど、同じような感じで、両方読むと面白さが増します。

  • 大味だけど、わかりやすく語られていた。

  • 大きすぎてつぶせない、巨大金融コングロマリット。莫大な利益を得てきたのに、つぶれそうになると、利益とは無縁の国民の税金や中央銀行に救済されるのは間違っている。温存して社会主義的システムを構築するより、機能分割して民間企業としてつぶせるようにすべき。

    若干過激だけれど具体的にわかりやすい表現で、実態や実状を知れて良かったです。

  • グリーンスパン議長のマクロ政策が成功し続けモラルハザードが起きた。リスクを過小に評価し過ぎた。
    大きすぎて潰せない金融コングロマリットは隠れた補助金で低い金利で原材料を仕入れている。

  • 2015/07/28

  • 元外資系金融マンによる業界暴露話的な著書です。
    ただ内容そのものは既によく知られたことを嫌味口調で言っているだけで内容そのものにはあまり新鮮味はない感じです。

    ただこの本の一番訴えたいことは『金融機関が潰せないくらい大きい』ことが世の中をダメにしているということ。
    だから『潰せるくらい小さくしろ』という主張は凄く理に適っています。
    この主張こそがこの本の一番伝えたかったところだと思います。
    これは営利を求める私企業自らできることではないので、国が率先して大きくならないようにルール作りしていくしかない訳ですが。
    私がこの本に☆4の高評価を与えた理由はこの主張をしているから。
    それだけでもこの本の存在価値があると思います。

  • 外資系金融機関で働く著者が金融業界について赤裸々に語っている.少々言葉遣いの悪い部分もある.
    大きく内容は2点.1点目はリーマンショックやギリシャ財政破綻等に触れつつ,金融機関の抱える構造的問題について.2点目は金融機関の労働環境について.主にどこだったらどんな仕事ができてどんくらい稼げるかってところ.
    初出の単語は解説しつつ分かりやすい表現で書いており,金融・経済ペーペーの自分にも読める内容であった.
    金融業界に就職を考えている就活生には一読の価値がありそう.
    個人的には,外資系投資銀行で働くのは金稼ぐにはもってこいだしそこまで労働環境もきつくはなさそうだけど,マネーゲームは一生やり続ける程にやりがいは感じられなさそうだなぁという印象.

  • 金融界でうごめく人々の生態を描いた金融の“裏”教科書。金融市場が、表向きの制度や理屈どおりに動かないわけがよく分かる。

  • 借りた金が多額なら借りた方が有利だ

  • あまり中身はなかったが、銀行業と比較して規制が少なく、リスクをガンガン取って高いリターンを得ることを目指す証券•投資銀行業が、公的資金の注入により、急速に力を失っていることは分かった。
    また、投資銀行は試用期間中の新卒も平気でリストラする。それはヘッドクォーターから人員削減目標値を与えられ、実現を強制されるからだ。日本の労働市場では完全にアウトな行為なので、きちんとした法的知識をもとに、パッケージの交渉に挑むべし。

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著者プロフィール

金融日記管理人。恋愛工学メルマガ発行。

「2017年 『ぼくは愛を証明しようと思う。(2)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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