2020年 石油超大国になるアメリカ--追い詰められる中国 決断を迫られる日本

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478021286

作品紹介・あらすじ

シェール革命、世界最大油田の開発、製造業の回帰によって、アメリカは劇的によみがえる。もはや中東の石油に頼る必要はなくなるのだ。かたや、周辺諸国に圧力を強める中国の衰退が、すでに始まっている。いったい世界に何が起きているのか?いま問われているのは、まさに日本の戦略である。

感想・レビュー・書評

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  • 2013/08/19:読了。

     アメリカがシェールガスで元気になるので、日高さんも元気な本を書けるようになった。
     ただし、オバマ大統領を腐すことは忘れていない。
     アフガニスタンはオバマの戦争っていっているけど、戦争始めたのはブッシュだし、引くに引けない状況なのに気の毒。

    2013/11/27:二度目。

     スーパーパワーでは無いが、多極化するなかで、エネルギー大国として製造業が再生するアメリカ。

  • 現在2013.6ですが、この数年でアメリカの石油を取り巻く環境が完全に変わりました。これは一種のエネルギー革命と言っても過言ではないと思います。アメリカでのシェルガス・オイル生産が多くなっていると初めてしたのが私の場合、昨年(2012)ですが、今では多くの人がそれについて解説していますし、企業も工場をアメリカに誘致(戻すことも含めて)することを既に発表しています。

    タイトルにある通り、2020年にはアメリカが石油超大国になるくらいなので、歴史を振り返ると第二次世界大戦前の状態に戻る可能性もあります。今までは中東の石油を確保するために、軍事力も中東エリアに保持してきましたが、今後は変わる可能性もあります。

    アメリカの再生と共に目立ってきたのが、中国の衰退であると、この本の著者である日高氏は強調しています。その中で日本はどのような戦略をとるべきか、大きな転換や決断を日本は求められているようです。私にとってはあと10年程度の社会人生活を外資系企業で勤めるに当り、今後の生き方を考えていくうえでも、その機会を与えてくれた記憶に残る本になりそうです。

    この本を読んで、最も印象に残ったのは、オバマ大統領の取得した票の内訳で、黒人100%、ヒスパニックの70%、に加えて 30%取得した白人票は殆ど東欧からきた人たちという事実(p225)でした、昔から住んでいる白人票は殆ど、マケイン氏が集めたのですね。

    以下は気になったポイントです。

    ・アメリカの従来の油田、アラスカ、メキシコ湾岸から産出される石油量は 600万バレル、2020年にはオイルシェルから産出される石油とあわせて、1500万バレル、障害があったとしても 1000万バレルは見込まれる(p5)

    ・アメリカ企業が次々に仕事をアメリカ国内に戻す「インソーシング」が起きている(p20)

    ・GEは2014年終わりまでに、電気製品の75%をアメリカ国内で生産しようとしている(p22)

    ・アメリカ軍は 2014年一杯でアフガニスタンから撤退するが、特殊部隊によりアフガニスタン軍を訓練したいとしている、アメリカ軍の主力は、無人航空機と特殊部隊となる(p49)

    ・2004年ブッシュ前大統領は、核弾頭の40%削減を命じて、2009年には総数が5113発であることを確認した(p66)

    ・核弾頭の制作技術は超高度のヒミツだったので、資料が見つからなくなっている(p71)

    ・アメリカでは独立のために戦った武装グループは、そのまま州兵という組織になった(p80)

    ・2012.417に、朝鮮戦争以来、在韓米軍と韓国軍の指揮命令権を握ってきた在韓米軍司令官が、その命令権を韓国側に引き渡した、これは 2016.6.30に予定されている在韓米軍の撤退を睨んで(p86)

    ・北朝鮮は一般には破産状態のイメージはあるが、政治的には非常に強固で、韓国と北朝鮮が合併した場合は、北朝鮮が主導するだろう、歴史的にも北に位置する新羅が強かったので(p95、97)

    ・アメリカが歴史的な財政赤字を抱えるようになったのは、オバマ大統領が福祉偏重の政策をとり続けたから、4600万人の生活保護、何等かのかたちで政府援助を受けているのは90%(p122)

    ・中国が世界に君臨するスーパーパワーになれないのは、独自テクノロジーがない、最先端の部品を作る技術がない、パテントの不正使用なしで部品も兵器もつくれない(p136)

    ・強い海軍を持ったことが無い中国は、技術でもシステムでもはるかに強力なアメリカイ軍には対抗できない(p164)

    ・四川大地震のあと、政府から活動を禁止されていたキリスト教会と信者たちが、友愛の教えを実践するために動き出した、その後に信者が増えた(p180

    ・中国では2011年6月以降、急激な勢いで資金が流れだした、2011.9-2012.9の1年間に稼いだ外貨は、1976億ドルに対して、流出した資金は 2257億ドル(p181)

    ・オバマ大統領の人気が落ちたので、最も力を持っていたEPAの力も落ちた、なのでシェールオイル・ガスを掘りやすくなった(p207)

    ・アメリカの保守系の人は 2016年の選挙では誰が選ばれようとも、オバマ大統領の失策の後始末に追われて何もできない、2020年にはシェールガス・オイルの生産体制が整い、電子戦争という新しい軍事態勢が確立して、アメリカが戻ると考えている(p219)

    ・東欧からの白人に当初期待したが、彼らは共産主義体制の落し子であり、黒人たち以上に手が負えなかった、働かずにアメリカ政府の世話になろうとした人が多かった、この問題はタブー(p223)

    ・オバマ大統領は、黒人票のほぼ100%、ヒスパニックの70%、白人票は30%であったが、この中心は冷戦後に共産圏からやってきた白人たちであった(p225)

    2013年6月16日作成

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著者プロフィール

1935年、愛知県生まれ。東京大学英文科卒業。59年、NHKに入局。外信部、ニューヨーク支局長、ワシントン支局長、米国総局長を歴任後、ハーバード大学客員教授に就任。現在はハドソン研究所客員研究員として日米関係の将来に関する調査、研究の責任者を務める。著書に、『アメリカは中国を破産させる』(悟空出版)、『米中時代の終焉』(PHP研究所)、『習近平の核攻撃』(かや書房)など多数。

「2022年 『破れたアメリカの「核の傘」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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