- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478021552
作品紹介・あらすじ
旧日本軍の失敗の原因を追究した不朽の名著「失敗の本質」の続編が刊行!
今回のテーマは「戦場のリーダーシップ」です。
感想・レビュー・書評
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現代にも通ずるリーダーシップのあり方だろうと思う。
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全社会議で野中先生の記事が話題となったのをきっかけに読了。時代が移れど色褪せることのないリーダシップの在り方のエッセンスを、ここまで痛快に凝縮言語化していられる方は稀有。
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日本史勉強しなおしたいなと思わされた一冊。あんまり失敗の本質とは関係ないが。
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情報が正確に出てくるうちにこう言った振り返りはするべき。
それを怠ってきたのは国家としての怠慢。 -
時代の流れのなかにいるときは見えてこないことがある。
見えていても、カタチを伴ったものとして全体を捉えることができないので、時代の片隅にいた自分が見ていたものだけで、無意識にその時代を記憶に留めている。
自己の記憶はそういったもので、その記憶が己が生きる世のなかを造っていく。だから、人それぞれに見えている世のなかは違う。
でも、時代というのは、今を通り越すことによってその時間経過とともにカタチを現してくる。そしてそのなかで時を過ごした自分の記憶が、そのカタチのなかに位置付けられると、自分の記憶もまた朧気にカタチを伴ってくるし、違った存在になる。
もうすぐ8月が来る。また今年も日本の大きく道を誤った原点を見つめてみよう。 -
戦場という生死がかかる究極の状況の中でのリーダーシップ。日本を覆う「空気」というものに支配されないこと、それがリーダーとして必要なことなのだろう。
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名作『失敗の本質』スピンオフ。
他のレビューにもある通りリーダーシップという共通テーマのもとに各人の論稿をまとめたもので、学際的共同作業が行われた『失敗の本質』には深み、厚みとも及ばないのが正直なところ。
個別具体的な事象から普遍化一般化を導き現代の組織にフィードバックする意図ならば、いきなりリーダーシップ不在を嘆くのではなく、「なぜ不合理な失敗を繰り返したのか」をまず組織自身の中に求めるべきでしょう。
実は第11章「戦艦大和特攻作戦で再現する合理的に失敗する組織」にその視点が見られますが、上述の通り論稿集であるため他の章に同じ視座が共有されていないのが残念。
同章の取引コストを使っての分析は有用なアプローチと思いつつ個人的には同意できませんが、山本七平「空気」悪者論への反論については同意なのであります。 -
「失敗の本質」の本を読んだことがあり、その後に久しぶりに野中先生の本が読みたいと思い読んでみた。非常に興味深い内容で、今まで通り日本軍の戦争を研究材料としつつ、戦場でのリーダーシップについて大量の論文とデータを元に分析されて納得感のある内容であった。
個人的には第8章の辻政信の内容に思うところがあった。幼い頃から文武両道で部下の信頼も厚く飲み会や風俗などが大嫌いで教科書に載るお手本のような軍人であるのにも関わらず、組織として何故上手く立ち回ることができなかったのか?日本人が目指すべき人物に限りなく近いはずなのに何故同世代のエリートには嫌われていたのか?そもそも日本の学問における優秀な人材は何なのかを考えさせられる内容であった。
最後の菊澤先生の章もおすすめ。非合理的な意思決定プロセスに使われる【空気】という目に見えないものについて、取引コスト理論を用いて説明しているので、現代のビジネスでも応用できる内容であると思う。総じて自身の知的好奇心が満たされる素晴らしい本であった。 -
リーダーは実践し、賢慮し、垂範せよ
理想のリーダ像はかくあり、その実現するが難なることを痛感する日々です。