よい製品とは何か スタンフォード大学伝説の「ものづくり」講義

  • ダイヤモンド社 (2013年5月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784478021583

みんなの感想まとめ

製品の「品質」に関する深い考察が展開され、ものづくりにおける本質的な価値を探求する内容です。著者は、製品を「道具」として捉え、その利用価値だけでなく、製造者にとっての意義や誇りも重視しています。良い製...

感想・レビュー・書評

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  • 使用する目的にそった文脈の中で現れるのが「道具」であり、それを「手元性」と呼んだのはハイデガーである。製品とはつまりは道具として換言でき、それを扱う側は、用いるだけではなく飾ったり保持したりという用途に照らして“その良さ”を評価しているのだろう。良い車や良いハンマーだけではなく、良い花瓶、良い壁・・など。

    本書からずれるが、人間としての主体は、他者としての客体を先ずは「道具化」してしまう。心が通い、自己に他者を侵食させ自己同一化が図れるようになって他者は「人格化」する。その浸透が逆流するものが「神格化」であり、信仰である。

    そうした切り口で見ていくと、良い道具とは「利用価値」で先ず見てしまいそうになるのだが、本書はもっと企業活動寄りに、それは使う人だけではなく、作る人にとっても良いものであると言い切るのだ。ひと言で凝縮するならば、「より良い品質は、善である」(Better quality is good!)だと。

    ものをつくる企業の付加価値を高め、その製品をつくる人の意欲を高め、自分が手がけたという誇りも生まれる。美しいデザインの車は、乗る楽しさと同時に、社会的責任を果たしている気分まで味わわせてくれるのだと。そのための科学的手法なんかは本書で学べるのかもしれない。

    さて、ならば良い「道具化」とは何か。私たちは製造メーカーじゃなくても、あらゆる目に飛び込んだものを「道具化」して、疑似的にも“ものづくり”する能力を備えている。子供の頃に、石をお皿にタンポポをご飯としておままごとをしたり、木の枝を剣に見立てて冒険をしたことがある人も多いだろう。私が気になるのはそうした能力における道具と人間の関係性であり、そこにおける“良さ”とは何かである。

    本書にはそこに踏み込んでまでの考察は無く、「量産化された製品」について特化して解説してくれる本だ。

  • ものづくりにおいて重要とされる「品質」。
    しかし、定量的には測定しにくいものでもある。

    最近の社会情勢や、生活者の変化を踏まえた上で、
    高品質という定義を著者なりに纏めた内容。
    全編に亘って体系的にはなっておらず、分かりにくい点も多いが、
    各章で説明されていることはどれも納得できる。
    ものづくりに関わる人は読んでおいて損はない1冊。

    個人的にはブランドとの関係について、もっと言及して欲しかった。

  • 製品の「品質」について、広範かつ詳細に語られた「ものづくり」の教科書です。主にハードウェア製品を想定して書かれていますが、考え方の要点はソフトウェア製品やシステム製品などに置き換えても、十分に通用する内容でしょう。

    著者の言うように、製品の「全体品質」について深く考えることは「よい製品」づくりに直結するのではないかと。流行りのUXやデザイン手法よりも、より本質に近い論点だと思います。

    著者は、ジェイムズ・L・アダムズ、スタンフォード大学の機械工学部、経営科学工学部、科学・技術・社会プログラム名誉教授。よく知らずに買ってきたら「メンタル・ブロック・バスター」の著者でした。スタンフォード大学のd-schoolの話も出てきます。

    【レビューの無断利用はおことわりします。】

  • 「品質」の多面性をていねいに解き明かしていて、腑に落ちる。エンジニア出身の筆者のものづくり魂が伝わってくるようで、夢中になる。エンジニアやデザイナはもちろん、企画やマネジメント層にお勧めしたい。

  •  製品品質を中心に良い製品の定義を模索しつつする、という本。アメリカ的発想?が随所にみられるも、理解しやすく、大学の教科書としてさすがとも感じた。著者が力説するようにHOWTOではないので、相当の時間、咀嚼にかける必要がある。

  • 一言でいうと、顧客志向で製品を開発し品質を作り込むべし。
    本書は、"顧客志向"をかなり広く深く掘り下げて論じている。
    製品を使用するユーザーだけではなく、地球規模での地域に根付いている文化や歴史からの視点。
    また、一般的に定量化される機能・性能・コストのみならず、ユーザーの価値観や感性、ヒューマンフィットなど、無形で内面的な視点への考察。
    さらには、作り手に対しても、クラフツマンシップやデザインなど、作り手の喜びのユーザーへの訴求の重要性。
    タイトルでも察しますが、かなり哲学的な内容でもあり、自分の様な製造業の人間が読むとハッ!とする様な内容です。
    いかに、自分が普段の仕事を近視眼的に取り組んでいるかということに、気付かされました。
    久しぶりの良書です。

  • 170から

  • 第1章 製品と品質
    第2章 品質向上を妨げるもの
    第3章 パフォーマンス、コスト、価格
    第4章 人になじむ製品
    第5章 クラフツマンシップ
    第6章 製品、感情、欲求
    第7章 美、エレガンス、洗練
    第8章 象徴性と文化的価値観
    第9章 地球という制約
    第10章 結論

  • あんまし新しいことないし面白くはなかった

  • 品質、というと製造品質を想像してしまうが、この本は全体品質をテーマに、「より良い品質は、善である」として、品質にまつわるさまざまな背景を解説する。
    人に馴染むこと。クラフツマンシップ。象徴性。環境負荷。俗にいう製造品質以外にも、こういったさまざまな要素が品質に関連してくる。つまりは、というわけではないが、やはり美意識に起因するところは大きいのだ。
    各章には授業で使えるような問いかけが用意されていて、まあ確かに教科書的な部分がある。教科書どおり、なんて揶揄する言葉もあるけれど、教科書をきっちりこなせるか? と言われれば、なかなか全体品質というのは難しいものである。けれど、全部やらなきゃならないってのが辛いところだな。覚悟はいいか?

  • パフォーマンスとコストはもちろんのこと、人になじむか、地球への影響はどれほどなのかといった視点から丁寧に論じられるとともに、クラフツマンシップや美、洗練さなど定量化の難しい要素についても言及されており、思考を広げる上でもステキな教科書でした。

  • 技術者ってのは自分たちが世の中に
    送り出すものに対して、随分と近視眼的な
    仕事をしている(意識しないとしがち)な気がしてならないです。

    お客様主義とか言いながら、本当に
    どんな製品がお客様にとっていい製品か突き詰めて考えていますか?

  • "よい製品とは何か"

    完全にタイトル買いしたやつです。毎日眠気と戦いながらようやく読み終えれた...
    日々ものづくりをする中で性能やコストについて考えがちで、その先のこと(人になじむ、感情に訴えるか、地球への影響)について考えることがあまりないので、とてもよい機会になりました。

  • 本日、体調不良で急いで行った荏原病院での
    待合で読了。

    米国の文化、習慣の細かなところが
    分からないからか。もしかしたら訳者の問題か
    あまり分かりやすい文書ではなく読みにくい内容でした。
    製品の品質を大きくとらえて品質に関与する
    『パフォーマンス・コスト・価格』『ヒューマンフィット』『クラフツマンシップ』
    『感情・欲求』『美・エレガンス・洗練』『象徴性と文化的価値』『地球という制約』品質にまつわる有用なことが書かれてあるのはわかるのですが
    いかんせん文書が読みづらくあまり頭にはいってきませんでした。

    体調は単純な暑気あたり的なもの。水分と適当な糖分と塩分を採取しなさいということで、自宅静養(ずる休み)

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