依存症ビジネス――「廃人」製造社会の真実

制作 : 中里 京子 
  • ダイヤモンド社
3.25
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本棚登録 : 437
レビュー : 59
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478022924

作品紹介・あらすじ

もはや病気ではない。最強最悪のビジネスモデルである。iPhone、フラペチーノ、危険ドラッグ、お酒、フェイスブック、アングリーバード、オンラインポルノ…私たちは、なぜこうも簡単に「病みつき」になるのか?元アルコール依存症のライターが、人間の意志の弱さにつけ込むテクノロジーとビジネスの共犯関係に迫る!

感想・レビュー・書評

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  • この本を読んでいて、自分が好きな作品の関連商品まで欲しくなるのも依存症的なものなのかな?と引っかかった。

    例えば私はソードアートオンラインが電撃文庫で最新話5巻の時ぐらいから読んでいて、好きだった。
    まだアニメ化される前は2019年の11月現在のような広まり方はしていなかった作品だった。

    1巻から5巻までを買って読んでいたからこそ、6巻を買おう、外伝が出たら外伝も読みたいって、自然に最新作に手が伸びる。

    雪だるまみたいに、ある程度コロコロ転がせる大きさになるとあっという間に大きくなる。
    そういうもんなのかな。

    ミハイ・チクセントミハイ博士がいうフロー状態って、そういう積み重ねと少し難しいチャレンジの時に起こるって言ってたけど、そういうことなのかな。

    全く別の話。
    この本を読んでいて、本を読んでいると分からない本ほど内容に飲まれる感じがする。
    全く別の場所に来てしまった感じ、方向や地理感覚を失いつつも未知にワクワクしてる感じが楽しい。

    • やまさん
      masakiさん
      こんばんは
      いいね!コメント!ありがとうございます。
      やま
      masakiさん
      こんばんは
      いいね!コメント!ありがとうございます。
      やま
      2019/11/12
  • 自分自身のアルコール依存症を何とかしようと思って、依存症に関する本を何冊か読んでいる。この本はアルコール、薬物(非合法、合法、処方薬とも)はもちろん、フラペチーノからアングリー・バード、ポルノに至るまで様々な「依存症」についての危機感を煽る本。一部は脳科学の成果を取り込んだ記述になっているし、iPhone をはじめとする様々なデバイスやアプリケーションが人々を依存させる仕組に科学的に取り組んでいるのも事実だ(それは業界では UI/UX デザインと呼ばれていて、株主利益を最大化するために求められる当たり前の行為だ)が、ポルノあたりの記述はかなりあやしい。本書の記述(及び自分自身の経験)だけから判断すると、多くの人はポルノに依存しているのではなく、切手やコインと同じ収集癖に依存しているだけだ。糖分の危険性に対する警鐘も一読の価値はあるが、その依存性がコカインやアンフェタミンと同じだという研究結果は直観にそぐわないところがある。全体としての評価は、まあ普通。面白くはあるが、役には立たない。

  • なにしろ読みづらい。訳がおかしいのか?麻薬、スイーツ、アルコール、処方箋薬、ソーシャルゲーム、インターネットポルノの事例を交えて「すぐに気分を良くしてくれるもの=Fix」を容易に手に入れることができる現代の環境、依存症になり易い社会についての記述。「HALT」と呼ばれる、空腹、怒り、孤独、疲労が2つ以上組み合わさると"Fix"に手を出しやすい状況になる。マーケティングはそのニーズ=欲望に答えることであり、それは返せば依存させるためのものとも考えられる。ネット依存が社会問題になる昨今では当然にうなずける。

  • "アルコール、薬物、糖分、ネットゲーム、オンラインポルノなどわれわれが夢中になりすぎて、社会生活を送れなくなるほどに依存してしまうものをつぶさに紹介している。
    テクノロジーの進化とともに生まれた弊害の一つともいえる。
    化学の進化がより純度の高い薬物や、脳内に幸福感をもたらすものを薬として販売していたり、
    インターネットの進化がいつでもどこでもオンラインでゲームができる環境を作っている。
    簡単に手に入る環境があれば、たやすく依存症へとなってしまう恐ろしさが日常に潜んでいることを認識しておかなければいけない。"

  • 我々の目の前には、“誘惑”という名の社会が広がっている。とりわけ、「買い物」・「スイーツ」・「お酒(アルコール)」・「ドラッグ」・「インターネット(SNS、ゲーム、ポルノ)」を本書ではその対象にあげている。

    確かに、ここ数年のうちに人を取り巻く環境は劇的に変化し、それに合わせて生活スタイルも変化してきた。町のいたるところで大量に安価な製品が出回り、家に居ながらクリック一つで購入することすら可能となった。

    その中にあって、本書で取り上げる“誘惑”が、単独もしくは相互に影響し合い人の関心を執拗なまでに集めるようになった。当初は種火だったものも、いつしか取り返しのつかない大きさにまでなってしまったのである。

    依存症を引き起こすこれらのものがビジネスモデルとして拡大し、それに合わせて依存症から抜け出すものもまたビジネスモデルとして成立するに至っている。よくよく考えてみれば、各々が自分でセーブし依存症になる前に食い止めておけば、そこにビジネスモデルが成立する余地はなかったのだと言える。

    社会は社会を創造したいような社会へと変化する。結果として、「一人一人の弱い心が今に至る依存症社会をいみじくも望んでしまった」と言わざるをえないところである。

  • アルコール、ゲーム、薬物、買い物、ポルノなどあらゆるものに依存する可能性がある。
    ポルノ産業で儲けている企業も増えており、子供たちは過激な動画に触れることでポルノ依存症に陥る。これにより生身の人間との付き合い方がわからなくなってしまう子もいる。
    依存するものが手に入りにくくなると、より手に入りやすいものに依存するケースもある。
    欲しいという欲求により、ドーパミンが駆動するが、薬物を注入するときよりも、薬物がもうすぐ手に入るというタイミングで大量のドーパミンが噴射される。企業はやみつきになる製品を開発するのにしのぎを削っている。そして依存症から抜け出すリハビリ産業が大きなマーケットになっている。

  • 依存はスペクトルであり、人は皆どこかに位置しているので、依存症という病気は存在しない。
    欲しいという感情に敏感に反応することで人間は進化してきたが、欲望を刺激するものが増えてきた社会ではその能力は悪用されてしまう。

    依存にまつわる色んな話が書かれた本。
    今の広告とかも大概人間の「欲しい」という感情(これがドーパミンを発生させ人を依存に陥らせる)を刺激するものばかりだからなあ。ソーシャルゲームの開発者が依存症治療の専門家にアドバイスを求めてきた(もちろん依存させるために)というのも笑えるようで空恐ろしい話。
    ともかく色々学びがあったのでこういう本は高評価にしてます。

  • 「依存症」と聞くとまず思い浮かぶのは「薬物」「アルコール」。本書はこれらに関する依存症の話ではありません。オンラインゲーム、スイーツ、買い物、無料ポルノ・・・私たちを取り巻く環境に普通に存在し、恩恵を受けているとすら思っているものに潜む依存性のお話。ちなみに著者は元アルコール依存症です。

    そんな著者がレポートする陥りがちな怖さとは、ヘロイン依存、麻薬依存、アルコール依存が人間の脳に依存たらしめる仕組み(脳内に放出されるドーパミンが原因とのこと)と、一日中家にこもってオンラインゲームをしたり、吐くまでスイーツを食べてしまったり、聖職者すら児童ポルノコレクターにしてしまったりする仕組みが実は同じであるということ。しかし後者の例も本人すら依存症になっていることが気付かないのだといいます。

    そしてこれらを提供する企業は、脳の反応を研究しつくしていて、依存してもらうような戦略を駆使していて、ますます抗うことが難しくなってきている。

    この傾向は今後ますます増え、私たちは嫌でも目耳に入ってくるこれらの誘惑に打ち勝つために、敢えて意思を強く持ち、勤勉であることが求められる。一昔前はそもそもそんな環境ではなかったため、そんなことをしなくても誘惑そのものが少なく、脳科学的にも刺激的ではなかったものが、今や頼んでもないのに刺激してくるという環境。そして本人は気付かない内に誘惑の虜になっていて気付いたら社会的にどうしようもない状況になっている、という。著者は実際にそうなってしまった人の取材例を引き合いに出し、依存症は病気ではなく習慣なのだと主張しています。なんでもかんでも手に入りやすくなった状況が事を悪化させている。

    最後に、「狩猟採集民がもっていた警戒心を取り戻す必要があるかもしれない」という一文は、ジャレド・ダイアモンド著『昨日までの世界』の内容を彷彿とさせます。インフラが整い、便利で安心で安全な世界を築いてきた代わりに、人類に備わっていた警戒心、観察力、判断力が損なわれてしまったという内容ですが、これにはやはり教育をしっかりしていかないと...

  • 日本の現状はわかっても海外は?という場合に読むとわかりやすい。

    最後のポール・グレアムの文はらいおんの隠れ家さんとこで”中毒性の加速”(http://blog.livedoor.jp/lionfan/archives/52682116.html)ってタイトルで訳されているのでそれをなぞっていただくと、文献にもっと意味が出てきたような。

  • 依存症はもはや病気ではない。最強最悪のビジネスモデルである。

    [目次]

    第1章 社会は私たちを「廃人」にしたがっている-iPhoneいじりと甘すぎるスイーツに見る病みつきビジネス
    第2章 依存症は本当に"病気"なのか?-環境次第でだれもが「依存者」になりうる社会
    第3章 なぜ自分を破滅に導く習慣をやめられないのか?-病みつきビジネスが利用している脳の仕組み
    第4章 お買い物とヘロインとお酒の共通点とは?-自由市場と依存の関係は18世紀ロンドンで始まった
    第5章 スイーツはもはやコカインだ!-スタバの「フラペチーノ」に仕込まれた巧妙な戦略
    第6章 どこに行っても安く、大量に酒が手に入る世界で-社会をアルコール漬けにするメーカーと販売網
    第7章 処方箋薬がこれほどいい加減とは!-合法的なおクスリでもじゅうぶんトベる
    第8章 ゲームという新時代のギャンブル-合言葉は「ユーザーを永遠のキャッシュマシンに!」
    第9章 「無料ポルノ革命」の衝撃-最新テクノロジーを最大限に活かす無秩序な業界とその餌食たち
    第10章 われらを誘惑から救いたまえ-依存の「解毒」ですら商売になる時代で

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