勝手に選別される世界――ネットの「評判」がリアルを支配するとき、あなたの人生はどう変わるのか

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478023099

作品紹介・あらすじ

日常生活のすべてが点数化され、「評判」としてデータ化される世界。誰にでもチャンスがあると言えば聞こえはいいが、無自覚なままでは知らぬ間に格差の底辺に落ち込んでしまいかねない。たとえば、何気ない1クリックのせいで、信頼性スコアを落とし、保険料が跳ね上がる、といったことも冗談ではなく、「すぐそこにある現実」なのだ。世界一ネット上の「評判」に詳しい2人が明かす、身を守る術とは。

感想・レビュー・書評

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  • レピュテーション経済で個人に価値が出る時代になる。

    Facebookにアカウントがなくても、Facebookに
    アカウントのある同僚のアドレス帳から自分のデータが抜き取られたり(電話番号、勤務先など)、

    夜中に出会い系サイトやフィッシングサイトの広告を間違えてクリックするとデータ評価で不利になったり、

    読み進めるにつれて読みたくなくなるほど怖いことがたくさん書いてあります。

    しかし嫌でも時代は変わっていくので、こういう時代にも対応していかなければ搾取されるだけの人生になってしまうのでしょう。。

  • データーが、無尽蔵に保存される時代、そのデータを連係して、解析できる時代、それが一企業や個人の、評判の材料になる。
    レピュテーション、風評、評判、それが自動的に点数化される。その評判をどう守るのか?といったところを書かれた本。
    わかりやすい。例もたくさん書かれている。ただ、論旨は単純明解だが、ちょっとくどい感じも。飛ばし読みでもいいかもしれない。

    decision almost made by machine
    dammというのは、ネット探っても、この本の感想などのページばかりなので、ほぼ造語?かと思われるが、この本の主題を表すにいい言葉。

    レピュテーションリスクにどう対処するか?

    目次をメモっておく。




    目次

    第1章 レピュテーション経済の到来
    ー「評判」が通貨になる世界へ
    ・ビッグデータ時代のさらに先、いったい何が起こるのか?
    ・機械による採点ですべてが決まる
    ・レピュテーション経済で損する人、得する人
    ・何気ないークリックが人生を左右する?
    ・「評判」の争奪戦で生き残るにはどうすればいいのか?

    第2章 すべてが保管される
    ーアマゾンが切り拓いたデータの「安価、大容量、無期限」保有
    ・クラウド化とデジタル・データ革命
    ・「情報はタダになりたがっている」
    ・ギガからテラへー増殖しつづける「容量」
    ・ベゾスが見抜いた「ストレージ・サービス」の可能性
    ・削除するより安くつくようになった「丸ごと保存」
    ・Gmailが「アーカイブ」ボタンをつくった理由とは?
    ・そして、評判が永遠に消せない世界へ
    ・いつでも、どこでもオンラインのデータがオフラインの生活を侵食する
    ・「レピュテーション格差」を覆すサバイバル術
    第3章 すべてが点数化される
    ーグーグルから生まれた仕事、健康、友人関係を測るアルゴリズム
    ・「ドローンによる監視社会」の前提条件は揃っている?
    ・グーグル発の驚異のイノベーション「マップリデュース」
    ・データ分析を「民主化」したハドウープ(HadooP)のインパクト
    ・あなたのすべてが「点数化」される
    ・仕事も、クレジツトも、健康もーアルゴリズムが「決める」世界
    ・グーグルの検索エンジンはこうして進化した
    ・「影響力の点数化」は何をもたらすか?
    ・レピュテーションエンジン登場ー「誰と友人か」すら測られる
    ・フェイスブックのデータを隠すことは不可能ーアカウント削除すら効果なし
    ・スコアアップのための「手堅くて使える」テクニック

    第4章 すべてが機械化される
    ーユーチューブを使えば誰でも無名からのし上がれるのか?
    ・無名の歌手が世界的ロックバンド「ジャー二ー」のボーカルになった日
    ・「ほぼ完全にマシンに下される判断(DAMM)」という忌まわしい現実
    ・もはや人間の手には負えない「採用」という仕事
    ・「正しいキーワード」のない履歴書は紙くず同然に
    ・マシンを出しぬいていい仕事を得るための3つの原則
    ・コンピューターがCEOを選び出す時代は来るか?
    ・レピュテーションを稼ぐための発信テクニック
    ・機械を逆手に取って「群れ」から抜きんでる

    第5章 すべてがランクづけされる
    ーフリッカーのランキングに垣間見る「スキルの見える化」
    ・「評判育成」の天才でもあつたアンディ・ウォーホル
    ・シリコンバレーで流行する新手の買収「アクイハイアリング」
    ・優秀な人材が「見える化」されるーパーソナライズしていく評価
    ・能力を1ドル単位で予測できるようになる社会はありうるか?
    ・「たまたま」出した成果はきっちり引き算
    ・フリツカーのランキングと「ロコミの終焉」
    ・酒屋の店員はいかにして人気作家となったのか
    ・誰もが雇いたくなる人材になるための評判の磨き方

    第6章 すべてが定量化される
    ーカーン・アカデミーが突き崩す学位と雇用の関係性
    ・「大卒」はまだ有利な評価を生みだせるのか?
    ・レピュテーション経済は「教育」も変える
    ・「シープスキン・エフェクト」ー学位と雇用の関係性を検討する
    ・ダメとわかっている大学の評価が就活で使われるのはなぜ?
    ・ビル・ゲイツも認めたオンライン教育の旗手サルマン・カーン
    ・カーン・アカデミーはいかにして「教育の生態系」を変えるのか?
    ・アルゴリズムが学歴と就職を切りはなす
    ・生き残る大学の条件とは?
    ・一生涯、高得点を取りつづけるしか道はない

    第7章 すべてがリアルタイム化される
    ーエアビーアンドビーでVIPクラスの評価を得ることはできるか?
    ・「グーグルグラス」が示唆するすべてが瞬時にアップデートされる世界
    ・自分のレピュテーション資本収支を常に把握しよう
    ・「エアビーアンドビー」の隆盛に見る「双方向」という潮流
    ・「上顧客」を事前に見抜くことはできるか?ーロイヤルティの点数化
    ・レピュテーション経済で特典が転がりこんでくるスコアアップの秘訣
    ・アメックスが描くクレジツトカードの未来像
    ・「即時性+自動化」で金融もレピュテーション化する
    ・即時性にひそむ弱点ー間違った噂で低スコアがつく
    ・あなたの「レピュテーションロ座」を守るために心がけるべきこと
    第8章 すべてが互換性を持つ
    ーフエイスブックの友人関係があなたの金融リスクにつながる理由
    ・NBAのスター選手は、よいベビーシッターになれるか?
    ・音楽を学んだ人は数学も得意?1互換性の判定
    ・雇用版「ニワトリと卵」問題は解決できるか?
    ・優れた弁護士の「本当のスキル」を丸ハダカにする
    ・「友人関係」があなたの財運を左右する

    第9章 すべてが脱文脈化される
    ーツイッターの「炎上事故」から身を守るための方法とは
    ・エネルギー企業シエルの「ありえない」広告キャンペーンの真相
    ・「ブランドの暗殺」ーアルゴリズムの欠点が悲劇を生む
    ・オンラインのでっち上げに対する2つの措置
    ・警戒を怠るなーいかに早く気づけるかがカギー
    ・あなたが標的になったらーギットハブやクラウトの致命的な問題
    ・アップルの恐るべき特許-個人データが「誤った推測」にさらされる
    ・すべての正しい場所(とコンピューターが考えるところ)で愛を探す
    ・あなたの評判をあさる新時代の出会い系サイト
    ・オンライン上のイメージを守るために今すぐやるべきこと

    第10章 すべてが先手必勝になる
    ーヒュンダイ、ヤフー、フェイスブックに学ぶ最強の戦術
    ・なぜヒュンダイは圧倒的な低評価を「忘れさせる」ことができたのか?
    ・衝撃的なことをしようー弱みから強みへ話題をシフト
    ・ヤフーがタンブラー買収で狙った「隠された意図」とは?
    ・議論が始まる前に、議論を枠づけするーフェイスブックに学ぶ巧みな戦術
    ・だまされる前に、だまし取れー先手を打つものだけが生き残る
    まとめ レピュテーション経済で生き残るためのルール
    ・パイオニアになる努力をしよう
    ・ビジネス・チャンスをつかむための看板を掲げよう
    ・常に先回りしょう
    ・自分にしかできないことをしよう
    ・よい評判を稼ごう

  • ポジティブ情報を多量に発信して都合のいい評価を意図的に作るのが唯一の対処方法だと。評価経済の話。クッキー、SNSなどを使った情報収集。履歴書を機械で審査する採用方法。

  • 少し思った本でなかったので返却

  • 以前にニュースで少し話題となったが、
    LINEでのやり取り全ては韓国政府によって保管されて分析されている。

    こういった行為がなんのためにだろうか?という疑問に答えるための本。

    FacebookやTwitter、訪れるサイト、位置情報、通信をしている時間帯などなど。
    様々な情報が統合されていく中で便利になる反面、
    そのリスクだけでなく対処方法も丁寧に解説。

    誤ったリンクのクリック一つで「クリーンな経歴」でなくなり、
    自分の知らない間に選別されてしまう世界までもうすぐと考えるとなかなか怖い。

  • 数年前からRettyというサイトに、主に昼食を食べた記録として簡単なコメントともに投稿しています。知り合いでもないのに多くの人に読んでもらっているのに驚いています。

    これがネットによる「評判」の一種なのでしょうか。この本では、自分の書いたコメント等が、知らない間にコンピュータによって評価されて、それが多くの人の目に晒されることになることのリスクについて解説しています。

    このような変化は最近の5年間に起きたものです、私たちが利用しているネットはこの数年でものすごく便利になりましたが、それに対するリスクも理解しておくべきだと感じました。ある意味で、今年、最も衝撃を受けた本でした。

    以下は気になったポイントです。

    ・きたる将来を支配するのが、もっとも多くのデータを集める企業や個人ではなく、膨大なデータセットに意味を見いだせる者=ビック・アナリスト、である。ビックデータが金鉱の上に座っていることを教えてくれるものとすれば、ビックアナリシスは、それを掘り出して金の延べ棒にしてくれるもの(p15)

    ・評判が貨幣や権力よりも重要になりつつある世界で、どうしたら「評判上手」になれるか、を説くことが本書の目的である(p19)

    ・あなた自身の評判は、あなたにとって意味があるのにとどまらず、あなたに関わりがあるすべての人にとっても意味を持つ(p22)

    ・パンチカード(1890年)は、国勢調査のデータ処理にかかっていた時間を8年から1年にまで短縮した、これは1960年までデータ保管による最先端技術の座を譲らなかった(p38)

    ・デジタルデータは、削除するのではなく、丸ごと無期限に保存するのがデフォルトとなった。(p52)

    ・ビックアナリシスから身を守るためには、自分が電子的に行うあらゆることは記録され、永久に保存される。更に、過ちの告白はしないようにする(p64)

    ・最も良い戦略は、コンピュータやスコアリング・アルゴリズムからネガティブ情報を隠すことではなく、ポジティブな情報によって自分では制御できないすべてのネガティブデータの力を失墜させて相殺する(p102)

    ・コンテンツは新鮮に保ち、定期的(できれば毎週)更新する。面白いと思った記事へのリンクを、短い要約つきで載せると良い(p133)

    ・応募する際には、求められているスコアの幅を知ること、多くの場合、高すぎるスコアをマークすることは、低すぎるスコアをマークするのと同じくらい損する可能性がある(p151)

    ・応募者が参加していたチームの成績を、応募者が参加していなかったチームの成績と比較すれば、その人が果たした貢献(あるいは貢献を果たさなかった事実)を導き出すことができる(p157)

    ・カーン・アカデミーのモデルは、必修科目や学期はなく、学生は自分のペースで学習ができる。1時間の講義の代わりに、一コマ15分のひと口サイズのミニ単位に分割されている。45回にわけて履修する科目は、192回のミニ講義に分割されている(p191)

    ・エアービーアンドビー等のピアツーピアサービスが人気を獲得していることは、ホテルの宿泊客・レストランの客・アパートメントの賃借人としてのあなたに関するレーティングが、公表されて即時に入手可能になるだけでなく、消せないものになるという世界が近づいていることを知らせている(p214)

    ・レピュテーション経済では、人生のある面で引き起こした愚かな決断の影響は、人生のさまざまな局面に波及する(p238)

    ・ヒュンダイが駆動系の保証期間を10年間にしたとき、品質が向上したという問題については殆ど触れず、保証についての比較であった(p289)

    ・個人の評判について、1)比較手段を他人に選ばせないこと、2)会話のテーマをコントロールする(p300)

    ・究極的に、最もポジティブな方法で最も目立つことができるのは、ほかの人にはない、あなた独自のものを提供したときである(p312)

    2016年12月24日作成

  • 今や膨大な人がネットに繋がっているが、Webサービスを利用した、そのクリック(タップ)1つ1つが個人のデータとして収集され、分析され、あなたをランク付けし、現実世界での待遇となって跳ね返される、即ちネットにおける行為全てが自分の「評判」を決定づけ得る事実を、どれほどの人が日々意識しているだろうか。「選別」されたフィードバックが直接生活に影響してくるのは、少なくとも日本ではもう少し先かも知れないが、例えばサイトに表示される広告内容などから、自分が何に関心を持っているかが見透かされている、そんな経験をしている人は多いはずで、今日はもはやネットを使えば使うほど、良くも悪くも、自分をコンピューターの前にさらけ出す現実がある。であればそれを前提に、自分に有利な(≒ 不利にならないような)評判を作り、リアルでそのメリットを享受しよう、というのが本書の趣旨の一つ。昨今の企業の採用プロセス自動化の箇所などは特に興味を持って読めると思う。またデマ含めた悪評が出回った場合の恐るべき事例や、その対処など、実用的な内容は読者に有用と感じた。

  • かなりアメリカアメリカの設定なので
    日本ではまた違う形がありそうだけど
    日本人はのんきなので気づかずいろんなとこで
    導入されてるものがありそう。
    って、こんなコメントも書いてる場合じゃない‼︎

  • 読み始めた頃は、ネット上の評判でその人の価値が決まってくなんてないやろ、と思ってましたが、具体的にすでに実装されているサービスや選定方式などを見ていくに、「確かにそうなるなあ」と考えが変わってきた。
    就職や社内の評価は本人の行動のみならず、本人の周辺の人間の行動含めて、、自動的にレイティング、評価される。しかも、本人は気づかないまま…
    恐ろしい社会と思いながらも、そんな社会に進んでいるのです。

  • SNS などを通じて、自分の評判が(知らないうちに)構築されていく、というのが主題。
    色々な事例や展望もあり、読み物としてなかなか面白かったです。

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