経済は世界史から学べ!

著者 :
  • ダイヤモンド社
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レビュー : 112
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478023648

作品紹介・あらすじ

「消費増税」も「TPP」も歴史に学べ!人に話したくなる「ストーリーとしくみ」。経済のことがわもっとわかる44の教養。

感想・レビュー・書評

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  • 平易でわかりやすい。

  • 駿台予備校の講師茂木誠先生が経済人向けに書いた経済・金融史の本です。正直、こういったビジネスパーソン向けの「歴史から学べ」みたいな本は、歴史的な事実・客観性より著者の思考・主観・教訓が優先されていて、あえて避けていました。ただ、この本は著者が世界史専門の予備校講師ということで、半信半疑ながらも手に取った次第です。
    読み始めてすぐ、私の疑惑の目は払拭され、いい意味で裏切られ、読書に没入しました。この本は世界経済史・金融史について教科書の行間を埋める、今までバラバラだった知識がつながっていくような感覚と、今まで曖昧だった知識がまるでパズルが完成するかのように形作られていく感覚を覚えました。とくにアジア金融危機からアジアの通貨スワップについてこれほど分かりやすく書かれた本は寡聞にして知りません。ぜひとも世界史の先生方も手にして欲しいほんの1冊です。以下、内容をまとめるよりも興味を覚えた個所を抜き出す方が有益と考え、大事なところを書きとどめておきます。すごく大量となりますが、読んで損はないと確信します。

    世界最初の紙幣は北宋の「交子」です。内陸の四川で発行されました。当時、中国で広く流通していたのは銅銭ですが、銅の産出が少ない四川では鉄銭を使用していました。しかし鉄銭は重く、高額の取引には向きません。そこで金融業者は商人から鉄銭を預かり、引換券として紙幣を発行したのです。北宋政府は商人からこの権利をとり上げ、交子を発行します。政府が保有する銅銭を準備金(担保)として、発行額には上限が定められました。(15頁)

    (ヨーロッパの)中世の王たちは、戦争などの出費があれば、大商人から高利で融資を受け、踏み倒すこともしばしばでした。絶対主義の時代、国王が中央集権化を進め、通貨発行権も手中に収めます。最初に紙幣を発行したのはスウェーデン王国のカール10世で、民間のストックホルム銀行に紙幣を発行させました。しかし戦費を紙幣増刷で賄おうとしたため、インフレが発生し、ストックホルム銀行は数年で倒産。その反省から、スウェーデン議会は新たにリスク銀行を設立し、国王の恣意的な支配から独立した中央銀行を作ります。
    イギリスでは、金細工師(ゴールド・スミス)が発行する金銀の預かり証が紙幣の起源とされます。名誉革命で即位した国王ウイリアム3世は、フランスとの植民地戦争による財政赤字に苦しみ、国債を引き受けさせるため、ロンドンの資本家グループにイングランド銀行の設立を許可しました。イングランド銀行が王から得たものは、紙幣ポンドの発行権と国債の利払いです。これはつまり、国の借金ともいえる国債を引き受けることが、中央銀行設立の動機だったことを意味します。イングランド銀行はずっと民間銀行として存続し、19世紀に唯一の発券銀行となりました。国有化されたのは第二次世界大戦後です。
    以上のように、政府が直接、通貨発行権を握ってしまうと、紙幣の乱発によりインフレ尾w招きやすくなります。そこで、銀行に国債を引き受けさせ、代わりに通貨発行権を独占させたのです。この仕組みは、日本をはじめ、多くの国で適用されて、紙幣の供給量を増やしたい政府と、それに抵抗する中央銀行との駆け引きは、今も各国で続いています。(17~18頁)

    (アメリカについて)南北戦争後のアメリカは、イギリスを抜いて世界最大の工業国となり、ロックフェラー、JPモルガンなどの新興財閥が巨大な力を持ちます。特にモルガン銀行の資金力は金融危機のたびにアメリカを救い、事実上の中央銀行のようになりました。その結果、金融資本は政府紙幣に反対し、彼らが保有する金と等価交換される兌換紙幣を発行するシステム(金本位制)の採用を要求しました。1907年の恐慌のあと、モルガン、ロックフェラーら金融資本が中央銀行の設立と出資について合意し、ウィルソン大統領の許可を得て発足したのがFRB(連邦準備制度理事会)です。FRBの執行機関である理事会のメンバーは大統領が指名しますが、全米12カ所に置かれた連邦準備銀行の出資者はすべて民間の金融機関です。これは今でも変わりません。株式の大半を日本政府が所有している日本銀行とは、かなり性格が違います。(21~22頁)

    1万円札の原価は約20円。(28頁)

    明治維新後、新政府は殖産興業・富国強兵を進めるため太政官札という政府紙幣を発行しますが、新政府の信用が低いため流通しません。大蔵次官だった大隈重信は、香港ドル銀貨をモデルに新たな銀貨「円」を発行し、1円=小判1両として旧貨幣や太政官札との交換を進めました。大熊は、リンカーンのナショナル・バンクをモデルに国立銀行を認可し、円の発行権を与えます。設立順に第一国立銀行、第二国立銀行・・・と、全部で153の国立銀行が設立されました。第一国立銀行の出資者は両替商の三井組です。後の三井グループです。(28~29頁)

    鎖国前、世界の金・銀の交換比率は1対4でしたので、鎖国中の日本国内ではこのレートが維持されていました。ところが世界各地で銀山開発が進んだ結果、19世紀には金・銀の比率が1対16まで開いてしまいます。「銀の価値が4分の1になった」、逆にいえば、「金の価値が4倍になった」ということです。

    ニクソンショックを機に、先進国は固定為替相場制(ブレトン=ウッズ体制)から変動為替相場制へ移行しましたが、実は発展途上国の多くは固定相場制を続けていたのです。発展途上国の多くは財政難なので、独自通貨を発行しても暴落の恐れがあります。だからドルとの固定相場制を維持することによって通貨を安定させ、インフレを防ぐとともに、外国からの投資を促進しようとしたのです。これをドル・ペッグ制といいます。
    韓国・台湾・東南アジア諸国は、日・米からの投資を呼び込んで工業化を進めました。ニクソン・ショックとプラザ合意でドル安が急速に進展したことは、ドル・ペッグ制採用諸国の輸出産業への追い風となりました。特に韓国・台湾・香港・シンガポールの経済が急成長し、「4つの小龍」、あるいはアジアNIEs(新興工業経済地域)と呼ばれました。
    しかし1990年代の後半、アメリカのクリントン政権はドル高政策に転じます。2期目に入ったクリントンが自動車などの産業界よりニューヨークの金融資本の意向に従うようになったためで、ゴールドマン・サックス会長のロバート=ルービンを財務長官に起用したのが象徴的です。彼らは海外に投資するため、弱いドルでは困るのです。この結果、1995年には1ドル79円まで進んだ円高ドル安が反転し、3年後には1ドル147円までドルが高騰しました。とばっちりを受けたのがドル・ペッグ制を敷いていたアジア諸国です。ドルの急騰とともに韓国のウォンもタイのバーツも急騰します。これらの国々の製品は、価格という最大の武器を失い、国際市場で日本製品との激しい競争にさらされます。円高不況ならぬウォン高不況、バーツ高不況が到来したのです。
    変動相場制を採用した国ならば、貿易収支が悪化すれば通貨は下落し、そのことで国際競争力を回復します。アメリカがニクソン・ショックでドル安を容認したのはこれを狙ったわけです。しかし、アジア各国はドル・ペッグ制の成功体験にしがみつき、方向転換ができませんでした。
    これに目をつけたのが国際金融資本―ヘッジファンドです。「ドル・ペッグ制は間もなく崩壊し、アジア諸国の通貨は暴落する。暴落する前に最高値で売り叩き、暴落後に買い占めれば利益が出るだろう」
    1997年5月14日、タイの通貨バーツが暴落します。タイの中央銀行は威信をかけてドル・ペッグ制を守ろうとし、手持ちのドルを売ってバーツを買い支えます。しかし、ヘッジファンドの資金力は、タイのような小国の中央銀行の比ではありません。タイ中央銀行は手持ちのドルが底をつき、白旗を上げます。バーツの暴落は止まらず、1ドル24バーツから56バーツにまで転落。タイはドル・ペッグ制を放棄、変動相場制へ移行します。同時に株価も地価も暴落し、またIMFが緊急融資に入りますが、融資の条件に強制した緊縮財政策により、景気は一気に悪化。大量の失業者を出しました。
    インドネシアでは通貨ルピアが暴落。30年続いたスハルト政権が崩壊するきっかけになりました。韓国のウォンも暴落し、IMF管理下に入ります。ドル・ペッグ制を維持できたのは、香港ドルだけでした。
    危機のあと、タイのチェンマイで開かれたASEAN(東南アジア諸国連合)+3(日中韓)首脳会議では、加盟国が外貨を融通しあう通貨スワップ(チェンマイ・イニシアチブ)が実現しました。日本が多額のドルを保有していることもあり、これは事実上、日本銀行がアジア諸国の通貨の保証人になる仕組みです。(70~73頁)

    (ヘッジファンドが円相場をつり上げようと円買いに走ると、財務省の谷垣財務大臣と日銀の溝口財務官により「日銀砲」と呼ばれる総額30兆円にのぼる円売りドル買いを行い円を防衛、アメリカの協力を取り付けるため買ったドルでアメリカの国債を購入すると)アメリカ政府は日本に米国債を売って得た資金で(イラク戦争の)軍事費を調達。さらに公共投資を行い、余剰資金は不動産バブルを引き起こします。低所得者向けの住宅ローン(サブプライムローン)が販売され、結局は返済不能の不良債権となって金融機関を圧迫します。(78頁)

    (ナポレオンの大陸封鎖令について)イギリスの地主階級にとって、ナポレオン戦争は天の恵みでした。安くておいしいフランス産の穀物が入ってこなくなったからです。イギリス産穀物の価格はじりじりと高騰を続け、地主は大きな利益を得ました。
    しかしナポレオンが敗北し、大陸封鎖令が解除されれば、穀物価格は一気に暴落するでしょう。このことを恐れた地主階級は、議会に働きかけて穀物法を制定させます(1815年)。穀物価格が一定水準を下回ったときには、穀物輸入を制限するという法律です。(96頁)

    イギリスのマクドナルド内閣は、イギリス連邦諸国(自治領と植民地代表)をカナダに集め、連邦内の低関税と域外商品に対する200%の高関税を決定してしまいます。(107頁)

    TPPにはISD条項、ラチェット条項が組み込まれる恐れがあります。
    ○ISD条項・・・外資がA国に投資し、A国の政策により損害をこうむった場合、世界銀行傘下の調停機関にA国を提訴、損害賠償を請求できる。審理は非公開で一審制。
    ○ラチェット条項・・・一度規制を緩和するとどんなことがあっても元に戻せない。
    これらは米韓FTAやNAFTA(北米自由貿易協定)に組み込まれており、実際に韓国政府はアメリカの投資会社からISDで提訴されています。(127頁)

    金融業者として活躍した民族として、フェニキア人、ソグド人、アルメニア人、ユダヤ人、客家がいます。いずれも、強大な異民族の支配を長く受けた少数民族です。そのため課税対象になりやすい固定資産(土地や建物)ではなく、持ち逃げできる金融資産(貴金属)を蓄え、これを異民族に貸して、利子をとることで利益を上げました。(132頁)

    アルメニア人は、トルコ東部、黒海とカスピ海の間に住む少数民族です。古代アルメニア王国がローマとイラン(ササン朝ペルシア)によって分割支配されたあとも、アルメニアjんは独自の言語・宗教を保って商業民族として生き残ります。後に、イランと欧州諸国を結ぶ中継貿易で栄え、近代になるとロシアとオスマン帝国に分割支配されました。第一次世界大戦中、オスマン帝国内のアルメニア人は、イギリス・フランスの支援を受けて独立を図り、オスマン・トルコ軍との衝突で多くの犠牲者を出しました。
    これについてトルコ側は「内戦による犠牲者である」という立場をとっていますが、アルメニア側はこれを「アルメニア人虐殺」と呼び、今もトルコ政府を非難しています。この論争に対し、フランス議会やアメリカ議会がトルコ非難決議を可決しています。つまり現在なお、西欧諸国やアメリカでは、アルメニア人が一定の政治力を持っており、無視できない存在であるということです。(132~133頁)

    (預金通帳やキャッシュカードについて)その始まりはテンプル騎士団です。十字軍の時代、聖地エルサレムをイスラム教徒の襲撃から防衛し、キリスト教徒の巡礼者を保護する軍事組織として結成され、フランスの貴族が歴代の騎士団長を務め、西欧各国の王や貴族たちから土地を寄進されました。
    治安の悪い時代ですから、エルサレムへの巡礼者は途中で盗賊に襲われることが多く、現金の持ち歩きは危険です。
    そこで騎士団は巡礼者の旅費を預かって預かり証を発行し、預かり証を提示されれば現金を払い戻すシステムを確立しました。預金通帳やキャッシュカードの原型です。
    その際、「預かり手数料」という形で利子をとったのです。やがて騎士団は莫大な資金を運用するようになり、フランス王室にも融資を行いました。国際金融機関のはしりです。
    フランス王フィリップ4世はイギリスとの戦争で財政難に陥っていました。王はユダヤ人の財産を没収して国外追放したあと、テンプル騎士団員の全員逮捕と財産没収を命じます。「悪魔崇拝・同性愛」の罪状で拷問にかけて自白させ、騎士団長以下、火あぶりにするというめちゃくちゃな方法で騎士団を壊滅させ、その財産をフランスの国庫に移しました。(138~139頁)

    ドイツのフランクフルトでは、ユダヤ人両替商のロスチャイルド家が各国の王や貴族への融資で台頭しました。初代マイヤーは危険の分散のため息子たちにロンドン・パリ・ナポリ・ウィーンの支店を任せます。ロンドン支店のネイサンは、ナポレオン戦争(ワーテルローの戦い)でフランス軍敗北の情報をいち早く入手、そしてフランス軍勝利のニセ情報を流して、イギリス国債を暴落させてから買い占め、欧州最大の金融資本として不動の地位を確立するのです。(140頁)

    1920年代後半にはヨーロッパ経済が復興し、アメリカからの輸出はピークを超えていました。これに伴って企業は売れ残った商品の在庫を抱え、収益もマイナスに転じ、経済成長率は息切れしつつありました。つまり実体経済の不況はすでに始まっていたのに、何も知らない庶民が株式に手を出していたため、株価だけが異常な上昇を続けていたのです。まさにバブルです。
    「ウォール街の靴磨きの少年が株の話をしているのを聞いて、これはヤバいと思った」と語ったのは投資家のジョゼフ・ケネディです。彼は暴落直前に株を売り逃げ、巨大な利益を得ました。彼はこの資金をある政治家に投資します。1932年に大統領選挙で当選したF・ローズヴェルトです。ジョゼフは功労者として政界入りし、駐英大使に抜擢されました。大統領になるというジョゼフの夢は、次男のジョン・F・ケネディに引き継がれます。(156頁)

    バブル期の有効求人倍率2.8倍(1991年)、金融緩和前に1万3000円台だった日経平均株価が1989年には3万8000円台に上昇しました。これを見た日銀の三重野総裁は、金融引き締めに転じます。1989年末、日経平均株価は3万8915円(「産婆、食い殺す」)をピークに急落し、翌年には2万円を割りました。(161頁)

    フランスの黄金時代を築いたルイ14世を支えたのが、財務総監コルベールです。(中略)コルベールは財務総監(財務大臣+経済産業大臣)に抜擢されます。毛織物商人出身の彼は毎朝5時起きして仕事に没頭し、その冷徹さから「大理石の人」と呼ばれました。北米にルイジアナ植民地を建設して輸出産業を育成し、勤労を美徳とする新教徒の金融・商工業者を保護します。(181~182頁)

    (イギリスのフランスとの第2次百年戦争について)人口や軍事力ではフランスが圧倒的でした。しかし大陸国家のフランスは、周辺諸国との領土紛争を常に抱えており、植民地に大軍を送れません。イギリスはこの弱点を突きます。フランスが欧州大陸で戦争を起こすたびに、イギリス軍がフランス植民地を攻撃したのです。結果は圧倒的でした。4回戦ってイギリスが2勝2引き分け。最後のフレンチ・インディアン戦争で敗れたフランス軍は北米から撤退し、カナダとルイジアナをイギリスに割譲します。(185~186頁)

    5代将軍・徳川綱吉の財務大臣(勘定奉行)に就任した荻原重秀が、財政再建に着手しました。
    ①直轄地の検地をやり直して、米の税収をアップさせる。
    ②金銀貨幣の改鋳を行い、金・銀の純度を下げて再発行する。
    「金銀の採掘量が減っているのであれば、金銀の純度を下げた貨幣を発行すればよい」と荻原は考えました。それまでの慶長小判2枚分の金を溶かして元禄小判3枚を発行したのです。この差益で幕府が得た臨時収入は500万両に達し、財政は魔法のように回復しました。今の言葉でいえば、金融緩和です。
    しかし、大量の元禄小判が市中に出まわったため、通貨価値が下がるインフレが発生します。貯金をしていると目減りしてしまうので、大商人たちは預金を取り崩して積極的な投資を行いました。この結果、「元禄バブル」といわれるような好景気になり、華やかな元禄文化が生まれました。(189頁)

    ドイツは2度、死にかけました。第一次世界大戦後のハイパーインフレと、世界恐慌下のデフレです。この2度の危機を乗り切って、「財政の魔術師」といわれたのがシャハトです。(中略)恐慌はモノ余りのデフレ不況です。財政出動(税金や国債売却で得た資金を公共事業に投資すること)でデフレ脱却ができると考えたシャハトは、第1党となったナチスに接近します。ナチスは素人集団で、経済政策となると無策でした。
    「彼ら(ナチス)は統治できない。私が彼らを使って統治する」
    と豪語したシャハトは、ヒトラー政権の中央銀行総裁と経済相を兼ね、第1次4カ年計画を立てます。紙幣を増刷してアウトバーン(高速道路)などの公共事業と再軍備に投じ、国民の所得向上を約束しました。

    ケインズ主義的な財政政策に対して激しい批判を開始したのは、シカゴ大学のミルトン=フリードマン教授を中心とする新自由主義者です。
    「公共事業は税金の無駄。産業保護は民間活力を削ぐ。政府は貨幣量の調整だけを行え」
    1980年代、レーガン大統領が新自由主義的な経済政策、レーガノミクスを開始。イギリスでも「鉄の女」サッチャー首相が国営企業民営化と、公務員削減を断行します。

  • お金、貿易、金融、財政。
    歴史と関連付けて分かりやすく解説してくれる一冊。

    だけどお金って何?
    というような根本のところの説明がなく、そこが残念。

    ま、そこまで期待するのは無理な相談か。

  • 現在のニュースがどういった歴史の上にたっているのか、点と点を結ぶように自分の頭の中で物事を捉えることができるようになる。
    歴史は繰り返すと言うが経済の流れも歴史みたいに一定の法則性があって事象を根本から捉えれば大脈が掴めるんじゃないか、ならば歴史とともに勉強だ。と思い手にした本。金融関係の知識に疎いから初歩の解説はありがたい。 歴史と経済が相互補完的に勉強できて理解度がぐんとUPすると思う。

  • 勉強になる

  • ↓利用状況はこちらから↓
    http://mlib.nit.ac.jp/webopac/BB00542329

  • 読みやすいね。
    ちょっと挿絵のイラストがくどいけど。

  • お金

    世界最古の紙幣 中国北宋の交子
    →交換券 貨幣が重かった
    →国が発行権を取り上げ担保以上に発行
    →貨幣価値の暴落 インフレ抑制に銀行管理
    →戦争と貿易から変動と固定の間で揺れる
    →ヘッジファンドの台頭、統一通貨の限界
    →ネーションの崩壊、仮想通貨へ?


    国際通貨

    1450年代 大航海時代 ドル スペイン
    1780年代 産業革命 ポンド イギリス
    1914〜 第一次大戦 ドル アメリカ
    →大戦の経済的勝者はアメリカ、日本
    1929 世界恐慌 各国が金本位制から離脱
    →貿易がストップして日本、ドイツが暴走
    1940年代 第二次大戦 ドル アメリカ
    →戦時国債の保護目的アメリカ2度目の勝利
    1944 ブレトン=ウッズ体制 金ドル本位制
    1971 ニクソンショック 金本位制の停止
    →変動相場制へ移行
    1985 プラザ合意
    →アメリカ 軍事 貿易の双子の赤字解消へ
    →円高 バブル経済へ
    1992 ポンド危機 ヘッジファンドの台頭
    1995 1ドル79円まで円高
    1997 アジア通貨危機
    2003 円高対抗 日銀砲 30兆円
    2007 世界金融危機


    ドル アメリカ

    1 植民地時代
    各州が独自の通貨を発行

    2 ワシントン時代 イギリスから独立1776年
    合衆国銀行が統一通貨ドルの発行権
    出資割合 連邦政府20% 欧州資本80%

    3 ジャクソン時代
    南部の不満により合衆国銀行を閉鎖

    4 リンカーン時代 南北戦争1861年
    戦費調達のため政府紙幣の発行
    暗殺は欧州資本のしわざ?

    5 新興財閥時代 モルガン ロックフェラー
    金融危機の救済を力に事実上の中央銀行
    政府紙幣から金本位制の兌換紙幣へ

    6 FRB 1907年の恐慌後に新興財閥の出資

    7 ケネディ時代 ベトナム戦争1965年
    戦費と福祉予算調達
    暗殺の理由とも


    円 日本

    飛鳥時代 和同開珎は発行されたが物々交換
    戦国時代 鉱山採掘石見銀山は世界第2位
    江戸時代 西は銀貨 東は金貨 庶民は銅銭 米
    元禄時代 金貨の貨幣改鋳 インフレ元禄文化
    幕末時代 小判の流出 3倍のレート違い
    明治時代 新たな銀貨 円 の発行
    1894 日清戦争賠償金を金に金本位制へ
    昭和恐慌 クーデタで国が通貨発行権で戦争
    第二次大戦後 ドル円レート固定の新円
    1971 ニクソンショック 円も変動相場制へ
    1997 日銀法改正で大蔵省から独立
    2001 省庁再編で大蔵省の発言力弱まる
    2013 アベノミクス 金融緩和と公共投資
    2015 日銀黒田体制 政府の日銀コントロール


    ユーロ EU

    ドイツがユーロ導入を誘導
    →輸出大国の貿易黒字も通貨高にならない

    ECB欧州中央銀行が
    通貨発行権
    金利決定権
    を掌握

    1990 東西ドイツ統一
    1993 欧州連合EU発足
    2009 ギリシア財政危機


    貿易


    経済の自由化は国境の成立が妨げ

    関税 カスタム 古い慣習
    自由主義イギリスVS保護主義フランス

    1780 産業革命 イギリス

    1803 ナポレオン戦争 フランス
    →産業革命後の安価なイギリス製品を阻止
    →ロシア、ポルトガルの農業国はマイナス

    1815 穀物法 イギリス
    →地主保護で小作人極貧 アメリカへ移民

    1833 ドイツ関税同盟
    →圏域の保護主義へ 脱イギリス

    1840 アヘン戦争
    →中国の保護貿易を解体
    →貿易赤字で中国から銀が大量流出で衰退

    1858 日米修好通商条約
    →不平等条約 関税自主権なし

    1861 南北戦争 アメリカ
    →北部工業の保護主義へ 脱イギリス

    植民地支配による極端な保護主義

    1929 世界恐慌から高関税のブロック経済
    →工業国の日本、ドイツ、イタリアを大戦へ

    1948 GATT 多国間交渉で関税を段階引下げ
    1955 GATT 日本参加
    1986 ウルグアイラウンド
    1989 日米構造協議
    →トイザらス出店のため大店法改正へ
    1991 牛肉オレンジ自由化
    1995 WTO世界貿易機関
    2002 ドーハラウンド 何も決まらず
    →地域や二国間の自由貿易協定へ
    2006 TPP シンガポール ブルネイ N Zチリ
    2010 TPP アメリカ参加
    →その後、OZ ベトナム マレーシア ペルー
    →追って、カナダ メキシコ


    財政

    ピラミッドは失業治安対策の公共事業

    ケインズ主義:公共事業と減税で民間投資と消費を喚起


    公共事業と軍事費が二大支出

    公共事業は官僚の肥大化を生む

    増税と民業圧迫

    景気後退と貧困層拡大

    農民暴動、軍事クーデター

    国家組織の崩壊


    財政から見た日本史

    701年 大宝律令
    →土地国有原則、現物税の徴収

    743年 荘園制の始まり(墾田永年私財法)
    →貴族の私有、統治

    1185年 封建制度(鎌倉幕府)
    →武士の徴税権

    1401年 明との交易独占
    →室町時代に銅銭が流通

    1526年 鉱山開発
    →石見銀山開発 戦国時代

    1639年 鎖国による交易独占

    1871年 廃藩置県
    →借金体質の藩の財政で無血革命

    1904 日露戦争
    →戦時国債の半数をユダヤ系財閥が引き受ける
    →戦勝国となるも利益は少なかった

    1929年 世界恐慌
    →金本位制離脱、紙幣増刷、大規模公共工事で世界で最初に恐慌離脱


    財政から見た西洋史

    大航海時代(15~17世紀)
    スペインによるアメリカ軍事支配で銀の略奪
    →銀の枯渇で没落
    イギリス・フランスは産業の育成による
    植民地からの貿易代金を得る戦略へ転換


    金融

    金融は農業から
    農民に種を貸し、収穫時に元本と利子取った

    金融業者として活躍した民族

    フェニキア人(カルタゴ:現レバノン)
    →地中海貿易を独占
    →ローマに支配される

    ソグド人(中央アジアのオアシス:現ウズベキスタン)
    →シルクロード貿易を独占
    →中国(唐)、ウイグル、モンゴルの官僚を輩出

    アルメニア人(アルメニア王国:トルコ東部)
    →ローマとペルシアの分割統治
    →オスマン帝国による虐殺
    →アメリカや西欧諸国にディアスポラが存在

    ユダヤ人
    →ローマの侵略により離散
    →ロスチャイルド家がナポレオン戦争で大儲け

    客家(黄河流域:中国南部・広東福建)
    →華僑の多くは客家出身


    テンプル騎士団(エルサレム)
    遠征に向かう騎士団の資産預かり
    →預金通帳、キャッシュカードの原点

    メディチ家(フィレンツェ)
    →両替商


    航海に関連した金融

    オランダ東インド会社
    →初の株式会社

    亀山社中
    →日本初の商社


    保険

    ロイズ
    →保険業

    ドイツのビスマルク
    →公的年金・健康保険革命運動の阻止

    1960 日本の皆保険制度


    投資

    哲学者ターレス
    ・オリーブ圧搾機の先物取引

    大坂の米市場 堂島
    ・18世紀

    オランダ チューリップバブル
    ・17世紀 1637年

    イギリスの南海バブル
    ・18世紀 1720年
    →公的監査制度と公認会計士制度

    世界恐慌
    ・1929年

    ブラックマンデー
    ・1987年

    日本のバブル崩壊
    ・1989年の株価大暴落

    世界金融危機
    ・2007年のサブプライムローン


  • 世界史から学べとあるが、経済を学んで行く上で、必要である世界史の知識が多かった。

  • 書店で気になったので手に取った。
    予備校講師の方が書いているので、比較的読みやすい本だった。
    第1章から第4章まではお勉強って感じで読み流すばかりだったが、
    第5章 財政は現代日本も題材にしているので実感を持って読めた。
    巻末の読書案内を参考にして、もう少し先に進んでみたい。

    - グローバリズムは常に、経済的強者に恩恵をもたらします。
    - 徴税と公共事業は本来、富の再配分が目的
    - 民主主義においては、人々は自らにふさわしい政府しか持てない

    3つ目の言葉は経済とは関係ないが、国政や都議選の結果を見たせいか、より身に染みる言葉だ。

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