戦略プロフェッショナル[増補改訂版]

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 707
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478024225

感想・レビュー・書評

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  • 主にセグメンテーションについて色濃く書かれた作品。もちろん、三枝さんならではな表現やマインドを刺激する言葉も多い。戦略という概念を勉強するのにオススメ。

  • これは素晴らしい。今、自分の部門の閉塞感を変えるためにも部門みんな読んだほうがいいなぁ。
    目標掲げるだけではなく、戦略まではリーダーが考えて、作戦はみんなで考える、だよね。OLPあるけど、部門の目標に紐つくところは上が考えないとだね。それを促すように下からもコミュニケーションせねば。
    広川かっこいい。

  • 戦略プロフェッショナル
    シェア逆転の企業変革ドラマ
    三枝匡
    2021年3月18日読了。

    ダイヤモンド社で1991年に刊行されたものを2001年に文庫化したもの。
    以来2018年で第42刷も版を重ねるベストセラー。

    主人公の広川は大手鉄鋼会社から医療機器会社に出向し経営再建のために奔走する。
    作中の広川は作者の三枝さんがモデルとなっており、実際の企業戦略、交渉、組織の人や雰囲気、再建のために行ったことなどを事実に即して物語にしたもの。
    30年も前の話だが実際にあった話であり、企業戦略の普遍的な内容(今も参考になりそうな)もあり勉強になる。
    分かりやすく書いてあって、キレイなサクセスストーリーっぽさはあるが、本当はもっとドロドロとしたトラブル、苦労もあったという。

    経営トップの責任や、組織においてやはりトップの優秀さ、判断というものが与える影響は大きいのだなと読んでいて思った。特に小規模〜中規模にかけてはなおさらトップの言葉や行動が部下に響きやすいもの。

    企業戦略の肝
    プロダクト・ライフサイクル
    企業戦略論の多くはこの考え方を包含してるか、暗に前提としてる。
    メーカーであれば製品の市場価値と競争の形態変化によって競合に打ち勝つカギも変化してくる。自社の製品の立ち位置は市場のどこにあるのかの見極めは重要。
    再投資サイクルと企業活性化。
    成長戦略のポイントは「絞り」と「集中」。どんな小さな市場セグメントであれナンバーワンになることは重要。
    企業戦略とはもともと「絞り」「捨てる」ための道具である。

    戦略は十分にシンプルか
    良い戦略とは極めて単純明快である。時間をかけて説明できない戦略は大体悪い戦略であることが多い。
    いかにシンプルに落とし込むかが大事。

    人間臭さと戦略
    著者曰く、日本で経営者として成功するためには、戦略性とリーダーシップだけではまだ足りないと言う。
    トップとしての人間性ら包容力、あるいは「男の愛敬」みたいなものがないと、日本では人の上に立つことができない。
    しかしこれを両立させるのは意外に難しい。
    人間臭いスタイルの経営者は戦略的な思考を嫌うことが多い、あるいは苦手に感じる傾向にある。
    一方で、戦略重視の人はどちらかというと人間的にクールで人に対して冷たくなることが出来る。あるいは見られがち。と言ったように両立は簡単ではない。
    経営者としてはどちらの立場としても一方の壁を乗り越えなければ、経営者としての成長はないと。

    経営という仕事は、目の前の仕事(業務)とは異なる能力や技術が必要であることを感じさせる一冊で勉強になりました。
    組織の上を目指したい人はいまある仕事の知識経験だけでなく、経営、企業戦略も勉強が必要ですね。

  • 2021.1.2
    人生を変えるおすすめ本「サバイバル力を身に付ける本 9選」(元リクルート 全国営業成績一位、リピート9割超の研修講師)伊庭正康Youtubeより
    https://www.youtube.com/watch?v=wU9gjEFBT6o

    三枝匡サンの本をAmazon検索したときに出てきた

  • 以前にも確か読んだことがある本ながら、改めて読んでも気づきを得られる名著。時代背景など異なる部分はありつつ、不変の部分が含まれており素晴らしい。
    自身が主人公の年代となり、よりリアリティをもって感じ取れて非常によき。
    成長再投資の話など本質をついた論点多く素晴らしい。

    メモ
    ・もともと企業戦略論は現実を単純化して問題の核心に迫るのが役割である。単刀直入に問題の本質に切り込むのが戦略論の目的。
    ・優れた戦略は優れてリーダーシップと結びついてこそ初めて大きな効果を生む。
    ・仕事の優先順位重要。トップの重要な経営資源の一つが時間なのだから。
    ・生ぬるい会社に共通した特徴は社員のエネルギーが内向していること。
    ・ルート1企業とルート3企業の違い。
    ・目標や計画がはっきりしているから、外形的に成功でも本人の中では失敗という経験が蓄積されていく。それが経営の因果律。
    ・画期的な成果を収めるマーケティング戦略はしましま営業マンのそれまでの常識や習性に逆らうなよ持っている。新しい商品に対するマーケティング戦略は個々の営業マンが思いつかないことを営業のトップレベルで開発しなければならない。
    ・企業戦略の中で、セグメンテーションほど創造性を求められるものは他にない。
    ・フィリップコトラー セグメンテーションが効果的である条件
    測定可能、到達可能、十分な規模
    ・プロだけがプロを育てることができる。プロを育成するためには、その組織にプロの上司や教官がいなければならない。
    ・もともと人間志向の経営者はもっと戦略志向に、戦略志向の人はもっと人間志向にと壁を反対側に越える努力をする必要がある
    ・現状認識、対策と戦略、アクションプラン

  • トップがやるべきことと、リーダーがやることをもっと明確化しないとダメだー、というところから入りました。
    自分の会社だったら、あれを売るための戦略として…というイメージが湧いたり、気づきをたくさんいただきました!

  • このシリーズはどうやっても面白い。ビジネスマンとしての著者の経験がそもそも興味をそそるので、本としてどうこうの前に、情報として知りたくなるのはしょうがない。必読。

  • 日本人には非常に難しい事だが、日本経済の今の状況打破するためには、一人一人が起業家と同種のメンタリティーを持って、変革を恐れないで自ら判断をして事に当たらなくてはいけない。シンプルながら、的を得たストーリーにてそれを表現している。

    自分も、米国企業には勤めていた当時、色々な社内構造変革プロジェクトに参加させてもらったり、はたまた90年代の日米構造協議の米国通商メンバーと関わった事がある。当時はまだ若く経験も限られていたので、彼らの思考回路や進め方に非常に違和感を覚えて反発したものだが、今になって、実は本質的には日本がそういう考え方を獲得していかないと、今の世界経済社会においては通用しない事を痛感している。ゲームの土俵が変かった場合、その環境に合わせるか、その土俵から降りるかしか無いが、今の日本には土俵を降りるというオプションは無い。

    是非とも部下にもお勧めしたい本なのだが、実はこの手の感覚は、読者だけでは得られないのだ。。。。著者の三枝さんも、やはり自分が中に入っていたからこそ分かって、これでは駄目なんだという意識が湧いてきたのだろうが、その経験がない者が読書だけで同レベルの感覚が得られるのかはどうか…

  • 2016 11 19
    リーダーに大事なのは熱き心と論理性

  • 2016年6冊目は、三枝匡さんの「戦略プロフェッショナル」。三枝三部作の一発目で、かなり有名な本にも関わらず、恥ずかしながら、これまで手に取ったことがありませんでした。
    「V字回復の経営」は事業再生メインの本でしたが、こちらはベーシックな戦略を実戦でどう使っていくか、それがどういう効果を生み出すのか、ということについて、実話に基いて描かれています。
    戦略とリーダーシップは両輪であること、プロを育てるにはプロしかいないこと、など参考になる内容ばかりです。

    また、この内容は、著者が30代前半に体験したことを描いているのですが、今の自分と重ねあわせたとき、自分の知識量、経験値、リーダーシップいずれも全く足りていないことに、かなり危機感を覚えました。ちょっと、キャリアプランを再度見直す必要があるかもなーなんて思ったり。

    沢山ビジネス書読んだり、MBAで学んだけど、実戦でイマイチ結果を出せていない、という方(もし、いればですけど)にはオススメの一冊です。
    やや多いですが、気になったポイントを紹介しておきます。

    <この本のポイント>
    ・もともと企業戦略論は、現実を「単純化」して問題の核心に迫るのが役割である。

    ・いくら優秀な「戦略コンサルタント」を雇っても、それだけで会社はうまくいかない。いつの時代も「優れた戦略」は「優れたリーダーシップ」と結びついてこそ、初めて大きな効果を生むからである。

    ・プロダクト・ライフサイクルのセオリーだけは「完璧に」理解する

    ・画期的な成果を収めるマーケティング戦略は、しばしば、営業マンのそれまでの常識や習性に逆らう内容を持っている。

    ・経営戦略の要諦は「絞り」と「集中」である。もし事業に絞りがなければ、組織のエネルギーを統一することはできない。

    ・セグメンテーションの手法を導入したのに効果が出なかったという場合、セグメンテーションの組み立てが悪かったというよりは、それを組織の末端が忠実に実行したのかどうか、実はよく分からないというケースが圧倒的に多い。

    ・プロとは社会のなかにおける「個人の突出」である。プロだけがプロを育てることができる。だから、プロを育成するためには、その組織にプロの上司や上官がいなければならない。

    ・世のいわゆる成功者になるには、30代後半の5年間の経験がいちばん大切なような気がする。(中略)若い人々は、もし自分が21世紀に組織のなかでリーダーシップのとれる人材になりたいと思うなら、30代を今まで以上にアグレッシブに生き抜く覚悟が必要ではなかろうか。

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著者プロフィール

(株)ミスミグループ本社名誉会長・第2期創業者。一橋大学卒業、スタンフォード大学MBA。20代で三井系企業を経て、ボストン・コンサルティング・グループの国内採用第1号コンサルタント。32歳で日米合弁会社の常務、翌年社長就任。次いでベンチャー再生等二社の社長を歴任。41歳から事業再生専門家として16年間不振事業の再生に当たる。2002年、ミスミCEOに就任。同社を340人の商社からグローバル1万人超の国際企業に成長させ、2021年から現職。一橋大学大学院客員教授など歴任。著書4冊の累計100万部。

「2023年 『決定版 V字回復の経営 2年で会社を変えられますか? 「戦略プロフェッショナル・シリーズ」第2巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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