ウソはバレる 「定説」が通用しない時代の新しいマーケティング

  • ダイヤモンド社 (2016年6月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784478026786

みんなの感想まとめ

現代のマーケティングやブランディングについて深く考察する本書は、消費者の意思決定に影響を与える情報源の組み合わせ「影響力ミックス」を提唱しています。特に、P(Prior)、O(Other)、M(Mar...

感想・レビュー・書評

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    情報の非対称性が解消されるにつれて
    ブランディング → ロイヤルティ → 収益
    の構造が成立しなくなる。
    「絶対価値」および「絶対価値の検索ツール」提供がマーケティングになる。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    現在は「ブランド」が「過大評価」されている。
    これが相対的に格下げされて「適正評価」されるようになる。
    すると、いままで通用していた「定説」が通用しなくなるので、
    これからの時代にあったマーケンティングを考える必要性がある。


    見ず知らずのものを信頼することは難しい。
    謎の会社が作る製品と、好意と信頼をよせるブランドが作る製品。
    それらの製品が同一物(絶対価値が同じ)でも、ブランド物の方が高く売れる。
    それは、謎の会社の製品にはリスク(思っていた価値が得られない可能性)があるからだ。

    リスクヘッジには対価が支払われる。
    当然、ブランドは同じものをより高く売れる。
    非ブランドは同じものをより安くしないと売れない。

    ブランドはその立場を守るために品質・イメージの維持・向上に努める。
    両者を比較したとき、本来の価値を超えて支払ってしまった分は
    「品質・イメージ」への対価として、あまり疑問を持たれることなく正当化される。
    だが、ここで大事なのは、非ブランドも完全同等の品質ということだ。

    考えてみると、これはちょっとおかしな歪みである。
    立場により同じものでも高く売れる、あるいは安く売らねばならないかという違い。
    いわゆる不合理だ。

    しかし、これはブランドがズルいとか、消費者の頭が悪いなどということではない。
    もちろん、非ブランドの努力が足りないとかそういうことでもない。
    情報不足がリスク(絶対価値の評価を不確実性)を生んでいることを考えれば必然的だ。
    また、情報収集と判断にかかるコストを考えれば、自然な流れとも思える。


    昨今はこのリスク(絶対価値の評価の不確実性)が縮小している。
    専門家がブログで情報発信し、莫大な口コミやレビューへのアクセスも簡単。
    既製品なら価格比較サイトで検索すれば、即、もっとも合理的な買い物が可能だ。
    アメリカでは、インターネットの保険比較サイトができただけで、
    定期生命保険料金が全体で年10億ドルも下がったというくらいだ。
    「情報の非対称性が解消」するにつれて、「絶対評価がどんどん簡単」になる。
    価値ある情報へのアクセスと峻別が簡単になるほど、「合理的な選択」がなされるケースが増える。

    たとえば、有名な経験則に
    ・500円ランチ (よく売れる)
    ・1000円ランチ (少し売れる)

    ・500円ランチ (まぁまぁ売れる)
    ・1000円ランチ (よく売れる)
    ・2000円ランチ (ほとんど売れない)
    というものがある。
    しかし、絶対評価が簡単になるとこれが成り立たなくなるようだ。

    もちろん、偽装レビューなどの問題はゼロではないから、なんでも手放しで信用はできない。
    しかし、この「情報の非対称性が解消」されるバイアスはこれから強くなるばかりだ。


    ブランドの「愛される」「信頼される」「誠実」「義理堅い」といった本質はこれからも重要だ。
    けれど「情報の非対称性」から「絶対価値を超える利益を得る」ことはどんどん難しくなる。
    「ブランド確立 → ロイヤルティ(Loyalty) → 絶対価値を超えた利益」という構造はもう寿命だ。


    つまり「絶対価値」に資源を割り振ることが、今にあったマーケティングである。

    では、営業マンやマーケティング部門はどうしたらよいか?
    われわれはどんな人から影響を受けるだろうか?
    信頼と尊敬を寄せる相手からではないだろうか?

    求められてもいないのに電話をかけてくるようなマーケター(営業)は基本的に信頼されない。
    人は自分から情報収拾を始めると、その情報を重視し、活用しようとする。
    大事なのは、ふとしたときに真っ先に浮かぶ、信頼と尊敬を寄せる人物になること。

    例えば、以下3者が「その人」意思決定にどれくらい影響力シェアを持つかを考える。
    ・P (Prior)
     「その人」が前々から持つ嗜好、信念、経験。
    ・O (Other)
     「その人」に影響を与える「情報」。周囲の人、情報サービス (レビュー) など。
    ・M (Marketers)
     「その人」に営業する「営業マン」「広告」。

    Mの影響力は少ない。Pはそもそもコントロールが困難。
    ではOに影響を与えることを考えるべきか?
    いや、それも違う。絶対評価が容易な時代にあっては、Oの影響力も細っていく。

    よって
    1.「絶対評価」を高める活動に資源を割り振る
    2.マーケティングでは「絶対評価」を容易にするツールの提供に資源を割り振る
    という方向性を頭の片隅置くとよい。

  • ・現代の消費者は浮気性
    ・ロイヤルティはマーケ費用減少や他社参入阻止などに繋がる
    ・LTVの計算方法を説くのは間違いなのかもしれない。よほどスイッチしにくいものでない限り

  • ビジネス

  • レビューやSNSでの情報増に伴い、製品の絶対価値がわかりやすくなる事で、旧来型マーケティング手法の効果が薄れてきている。この時代において「影響力ミックス」と呼ぶ新しい分析フレームワークを提唱している。
    極論も多いものの全般的に納得感のある内容です。原著は2014年で、その後USでは事情はだいぶ変わってると思いますが、日本はまだまだな印象です。
    気になったのは邦題。直訳の「絶対価値」で副題もつければ内容はわかるだろうに、文中にも登場しない「ウソはバレる」としてインパクト重視したのは、旧来型マーケティング手法のパロディなんだろうと思う。

  • Vol.362 ブランドが効かない時代に、マーケターは何をすればいいのか?http://www.shirayu.com/letter/2016/000733.html

  • 世の中が口コミなどができて、企業の評価が変わってきた。

    ブランドというものの優位性がおちたり、マーケティングの意味が薄まっている。

    ちゃんと良いものを作らないといけない。
    逆に何度か失敗しても評価が製品ごとのものになっているので失敗も許される。

  • ブランディング、ロイヤルティ、ポジショニング ―― 。これまでのマーケティングの”常識”は通用しない⁉︎ 「クチコミ」を予言したベストセラー作家と、スタンフォード大学教授が、いま消費者に選ばれるための「影響力の公式」を明かす。

    パート1 時代は「相対」から「絶対」へ
    第1章 なぜソーシャル・メディアではマーケティングが効かないのか――経済学者が夢見る「完全情報」世界の到来?
    第2章 消費者は本当に〝不合理〟なのか?――意思決定を操作する「心理戦術」はすべて無効に
    第3章 ソーシャル・メディアが生んだ新しい「意思決定パターン」――「情報過多で消費者は混乱する」のウソ
    第4章 「カスタマー・レビュー」がマーケターを凌駕する――絶対価値の時代へのシフトが必ず起こる理由

    パート2 これからのマーケティングのかたち
    第5章 失われゆく「ブランド」の価値――「ソニーだから安心」の終わり
    第6章 ロイヤリティと顧客満足度も「過去」のもの――グーグルですら「これまでの実績」を見てもらえない
    第7章 製品の普及パターンもキャズムも消えつつある――マイクロソフトが陥った「カテゴリー」の罠
    第8章 ポジショニングや説得はムダ?――フェイスブック・フォンが「フェイルブック・フォン」に終わった理由

    パート3 新しいフレームワーク
    第9章 「影響力ミックス」で考える顧客の意思決定パターン――「P・O・M」の3つの影響力を見極める
    第10章 顧客とのコミュニケーションは適切か?〈応用編1〉――「認知」ではなく、「関心」を呼び覚まそう
    第11章 市場調査の方法を180度転換しよう〈応用編2〉――顧客の動きは「予測」するのではなく、「追跡」するもの
    第12章 顧客セグメンテーションを見直そう〈応用編3〉――騙されやすい市場から騙されにくい市場への変化
    第13章 「絶対価値」はこれからどこへ向かうのか――「テクノロジー×データ」でツールは加速度的に進化する
    第14章 「絶対価値」の世界で勝ち残るマーケターの新しい常識

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