これならわかるよ!経済思想史

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 172
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478027660

作品紹介・あらすじ

「リベラル」と「自由主義」、「古典派」と「新古典派」はどう違う?ケインズ、シュンペーター、ハイエク、フリードマン…天才たちの人間関係。日銀の「異次元緩和」を支える「貨幣数量説」って?新古典派経済学、ケインズ経済学、マルクス経済学、3つの主要思想が一気につかめる!知識ゼロでも読める経済学の「最初の1冊」。

感想・レビュー・書評

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  • 経済思想の変遷と、各経済思想と政治思想の関連性を体系的に分かりやすい言葉で説明されています。私含む経済学が初学者の方にとっても、すんなり理解できると思います。
    説明形式は、作者(坪井賢一さん)が母校の慶大生の後輩達に講義する形で、時折学生の鋭い質問や感想も織り込まれていて、一緒に考えさせられる気分になり読み進める上で集中しやすかったです。
    経済思想史に並行して当時の欧米の歴史についても述べられており、各国の行動原理について経済思想史から理解することができ、非常に興味深かったです。

  • 経済学に関する思想の変遷を解説している本です。
    経済学の流派の誕生背景と歴史を学ぶことができます。経済学が何を研究していたのかというのを大掴みするには、良いのかなと思いました。

  • 「新古典派、ケインズ、マルクス」を3つの経済思想の柱と定義し、18世紀〜の時代変遷と政治思想を織り交ぜながら、経済思想史を綴った本。もちろん思想史なので各理論は浅く広くにはなるが、最低限の解説は丁寧にされていると思う。個人的には、p6「3つの経済思想と政治思想」、p199「5か国の1970-2000年代の政治思想と経済思想の変遷」、この2つの図表だけでも十分参考になる一冊でした。

  • アダムスミス ピンの工場の説明 分業の利益
    リカード 英国とポルトガルの毛織物と葡萄酒。
    サミュエルソンの弁護士と秘書。
    マルサスとリカードの保護貿易と自由貿易。

    スターリンの5か年計画に対抗するため、日本は企画院をつくって、国家総動員体制を整備した。
    満州国は完全な計画経済体制の国。日産コンツェルンを丸ごと移動させた。

    第一次世界大戦はドイツもオーストリアも戦場からは離れていた。経済学の中心は英国、ドイツ、オーストリア。

    ルーカスの合理的期待形成仮説。=政策の発動はなにをやっても無駄だから放っておくべき。
    サミュエルソンの新古典派総合、
    フリードマンのマネタリズム。

    1990年代は折衷的、リベラル派が強い。
    フィッシャーに依存するアベノミクス。

    ハイエク=人間は合理的な存在ではない。自制的秩序。
    新古典派は、完全競争市場の条件を緩めた。

    国ごとの歴史を分析する比較制度分析。
    収穫逓増を分析する複雑系経済学=インターネット企業の急成長を研究する。

  • 経済学の本って、世の中に山ほどあると思うんですが、主にマクロ経済学とかミクロ経済学を下敷きにしたもの。それも、かなり一面的な見方をしているものが多いと思うんですが、本当は経済学ってめちゃくちゃ多様なんですよね。

    それは歴史的経緯があって、政治体制や価値観にも影響されながら様々に発展してきたもので、今の日本でいう経済学がいったいどういうポジションにあるのか、知っていないと、じつはあんまり分かったことにならない、と思うんです。

    でも、それを勉強するのって、とても難しいよなーと悩んでいた時にであったのがこの一冊。めちゃくちゃわかりやすい上に、説明も丁寧で深い。難しい部分もあったのですが、時間をかけて理解できるようになればいいなと思います。

  • 経済思想史といいつつ、ほかの関連する歴史や政治そのものにも触れていて読みごたえがある。
    最初に大きく経済思想を3つに分類していて、その理解に基づいて話が進むので、頭の中にフレームワークのようなものができてとてもいい。

  • 経済学の知識がない初心者向けではあるものの、知識があるのとないのとでは理解の差は大きいと思う。
    国による経済政策の比較のおかげで、自分の無知を認識。各国のいいとこ取りを日本ができないことに不満を感じていましたが、この本を読んでそもそも相入れない話だと納得。

  • 早稲田大学交響楽団で学び,余暇を経済学科で過ごした後,ダイヤモンド社に入社したが,著名な経済学者数名にいじめられ,現在ダイヤモンド社取締役~三つの経済思想:①古典派経済学(18c後~19c後)→新古典派経済学(19c後~)-右派自由主義(18世紀のリベラリズム:政府からの自由)・新自由主義・保守主義/②ケインズ経済学(19c後~)-中道リベラリズム(19世紀のリベラリズム:政府による自由:政府が弱者救済)/③マルクス経済学(20c前~)-左派社会民主主義(国営事業・福祉国家)//1960s日本の高度経済成長→ケインズ経済学:70sスタグフレーション→新古典派:80s英国復活→新自由主義:90s日本デフレ→マルクス政策:00sリーマンショック→銀行国有マルクス政策:10s米欧日でバラバラ→新自由主義への出口はあるか?///古典派スミス(1723-90)労働価値説・分業・市場メカニズム・セイ(1767-1832)供給は価格調節機構においてすべて需要される・リカード(1772-1823)比較優位説・マルサス(766-1834)人口は等比級数で増えるが食糧は等差級数でしか増えないという悲観的未来→ダーウィンやマルクス・ミル(1806-73)19世紀のリベラリズム・労働者の団結権///マルクス派マルクス(1818-83)労働価値説継承・利潤率低下法則(資本家が不変資本に投資すると利潤率は低下する)///新古典派ジェヴォンズ・ワルラス・メンガー限界効用逓減法則←物やサービスを1単位消費するごとに満足度は減少していく(一杯目のカツ丼は旨いが,二杯目・三杯目になると)・マーシャル(1842-1924)見えざる手を可視化した需要供給曲線///ケインズ派ケインズ(1883-1946)マクロ経済学の確立・乗数理論(所得と雇用への投資の影響・限界消費性向が0.7だとすると追加好況投資額÷(1-0.7)で3.3倍になる)・資本の限界効率(投資に関する利子の影響・金利が下がれば投資が増える・限界効率が利子率と等しくなるまで投資は増える)・流動性選好(利子率に対する貨幣供給あるいは貨幣政策の影響・政府投資が増え,金利を下げて貨幣供給を増やすと国民所得は増える←ヒックスIS-LM分析)\国民所得Y=消費C+民間投資I+政府支出G+貿易差額(輸出X-輸入M)\需要はそれ自身の供給を創造する\総需要管理政策\///スタグフレーション発生でケインズ理論・フィリップ曲線(インフレ率-失業率)は崩壊///マネタリズム・フィシャー(1867-1947)貨幣数量方程式<貨幣量M×貨幣の流通速度V=価格P×取引量T>マーシャルM×V=P×Y(実質国民所得)→M=1/V×PY→M=k×PY(現金残高方程式)フリードマン(1912-2006)インフレ率を制御するには生産物1単位当たりの貨幣量が変化しないようにすればよい:価格Pは貨幣量M÷数量Qに比例するor価格Pは貨幣量M÷国民所得Yに比例する:長期的に見れば失業率はインフレ率と関係なくある水準で安定する///新古典派総合サミュエルソン:フリードマンと合理的期待形成仮説のルーカスを統合?///急進的自由主義ハイエク(1899-1992)リバタリアニズム:経済システムは自生的秩序によって形成される(仮想通貨を予測)///ゲーム理論(劣位均衡:ナッシュ均衡で安定する←囚人のジレンマ)~共犯者と裏切りのジレンマと云うべきだよね。ようやく分かったけど。限界効用って云うのもカツ丼の喩えで理解できました。GDPの1位はアメリカで2位が中国,3位が日本だけど,一人あたりだと米国9位,日本は24位。16.3%の子どもが年間122万円以下の所得に達していない…新古典派・自由主義では<派遣事業規制を更に緩和し正社員の既得権を排除する・雇用の自由化流動性を高め,全体としての労働者の所得を上げ,子どもの貧困率を引き下げる>・ケインズ派・リベラル<終身雇用を維持し,派遣事業規制を強化・貧困線以下の子どもの教育費を援助する>・マルクス派・社会民主主義<全児童の教育費を援助・シングルマザーの児は小学校まで公機関で預かる・シングルマザーの正社員採用をする企業に補助金>…さあどれだ?

  • ~2/2
    文章の質はともかく(^^;
    わりと網羅はしてると思う

  • もう一回読み直そう。

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