ジョン・P・コッタ― 実行する組織―――大企業がベンチャーのスピードで動く (Harvard Business Review Press)

制作 : 村井 章子 
  • ダイヤモンド社
3.29
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本棚登録 : 72
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478028377

作品紹介・あらすじ

大組織のメリットを残しつつ、ベンチャーのスピードで組織を動かすには?経営学の世界で半世紀の歴史を誇る栄誉ある賞「マッキンゼー賞」二〇一二年金賞を受賞した『ハーバード・ビジネス・レビュー誌』への寄稿論文「Accelerate!」をもとに書かれた、注目の意欲作。

感想・レビュー・書評

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  • コッター教授の最新作。
    議論のベースとなっているのが、昨今の経営環境の変化のスピードが乗数効果的に速くなっており、従来の階層型組織は限界に近づいているということである。

    この問題に対しての解決策として、本書の大きなテーマは従来の組織と並行してデュアル・システムというネットワーク型の組織を作り運用することを提唱している。ただ、この概念はこれまでに行われていたようなタスクフォースといったようなものとは異なるというのが著者の立場であるものの、それには説得力が欠けるという印象は拭いきれなかったのが正直な感想。また、運用についても色々ケーススタディを例示しているが、組織形態のフレームワークとして一般化できるほどまだアイディアは洗練化されていないという気がする。いみじくも著者本人が第6章で、「組織変革の真の問題は、人間である。」と述べている。これについてのもう少し深掘りとケーススタディや解決策が欲しかった。

    参考になった記述
    <u>変革に対するメッセージのポイント</u>
    - 短い
    − 論理的である: 合理的な人は現実を踏まえない夢物語を受け付けない
    − 感情に訴える
    − 前向きである
    − 本音である
    − 明快である
    − 整合性がある: 既存の戦略や目標と矛盾してはならない

    上記を言い換えると、
    機会の提言は
    論理的: 背景と理由をはっきりさせる
    感情に訴え:誠実で前向きで本音である
    覚えやすい: 短く明快で専門用語や業界用語を使わない


    <u>変化について</u>
    変化の速い世界は、重大なリスクを孕む一方で、大きなチャンスを秘めている。
    そもそも、戦略を年に一度考えるだけで良いのか?
    チャンスもリスクも律儀に一年毎に出現するわけではない。
    戦略の実行中に、状況が変わったら?
    新たなデータが発見された?

    戦略はもっとダイナミックに変えていくべきであり、プランニング部門がこしらえたものを1年間粛々と実行するようなものではない。
    戦略とは絶えず機会を探し、発見した機会を活かすイニシアティブを決め、素早く効率的に実行するためのものだ。

    「戦略とは、絶えざる探求、実行、学習、修正の連続である。」


    <u>階層組織</u>
    現在にフォーカスしすぎる嫌いがある。
    サイロ化:部門の孤立化、専門化

  • 組織のデュアルシステム化の話。
    ネットワーク型組織のアクセラレータ
    危機感を高める
    コア・グループを作る
    ビジョンを掲げ、イニシアチブにきめる
    志願者を増やす
    障害物を取り除く
    早めに成果を上げて祝う
    加速を維持する
    変革を体質化する

    運転をするというタスクに求められるスキルはレースサーキットにいるのか、大型バスを運転するのか状況によってまったく違う

  • 俺の考えは正しい。

  • 読み物としては学びになる。ただし、これを実践に移せるかと考えると簡単ではない。

  • リーダーシップの大御所、コッターの組織提言本。
    本書で書かれているデュアル・システム。従来の階層型組織とネットワーク組織を融合させて、機動性を高めるというもの。大きな組織になっていくにつれて、スピードが遅くなってしまう問題を抱える。そのような組織の課題を遂行するために、このデュアル・システムが有効だという。
    だけど、なんかイマイチぱっとしない。今まで議論されている内容であるし、新鮮さは一切ない。
    スタートアップ企業も成功すれば、どんどん大きくなって階層化して、重たい組織になってしまうというケースは大きな問題として取り上げられている。
    それは階層型とネットワーク組織のメリットを活かして解決させようとするのは、いたって、そうだよね。ってところであるけれど、そこから新しい視点がないので、得るものがあまりないと感じてしまう。

  • 論旨は明確で、ピラミッド型組織とネットワーク型組織が共存するデュアル型組織がよいというもの。

  • コッター先生の最新作!
    本作は組織論となっています。

    ざっくりまとめると、階層型組織とネットワーク型組織を融合したデュアルシステムを提唱していて、それが、変化にも柔軟に対応し、イノベーティブな動きを導き出すことができるとしています。

    デュアルシステムを成功に導く5つの原則として
    ・社内のさまざまな部門からたくさんのチェンジエージェントを動員する
    ・「命じられてやる」ではなく「やりたい」気持ちを引き出す
    ・理性だけでなく感情にも訴える
    ・リーダを増やす
    ・階層組織とネットワーク組織の連携を深める

    さらにネットワーク型組織を機能させる8つのアクセラレータとして
    ・危機感を高める
    ・コアグループを作る
    ・ビジョンを掲げ、イニシアチブを決める
    ・志願者を増やす
    ・障害物を取り除く
    ・早めに成果をあげて祝う
    ・加速を維持する
    ・変革を体質化する

    としています。
    そして、その理論を裏付ける成功事例の紹介。さらには、従来型の階層組織での失敗例の紹介もなされています。

    この本の最後のほうにあるFAQみたい章にもあるのですが、デュアルシステムと部門横断型のタスクフォースとの違いが完全に腹に落ちません。
    本書によれば違いは「命令されてやって、レポートを上に上げる」か「自らがやって、自分たちで管理する」の違いのようです。
    部門横断のタスクフォースを志願制で集めて、成果を自分たちで確認しながらやればそれがデュアルシステムというわけでもない感じです。

    日産の改革事例と比べて、同じなのか違うのか?
    自分の知っている事例と比べて、ここが違うとか、本質的には同じとかって誰か解説してくれないかしら...

    成功事例を読むと理解できた感じがするのですが、じゃぁ、それを自分の組織でやろうとしたらどうなる?といったイメージができません。

    ということで、まだまだ勉強が足りないなぁと思いました!

  • 縦割型・階層型組織の弊害として官僚主義や意思決定の硬直化に陥った企業が、外部環境の変化に柔軟に対応するための変革プロジェクトを成功させるにはどうすればよいのかを、主に組織論の観点から解説した一冊。

    企業は創業時のフラットな「ネットワーク型」組織から、ビジネスの拡大に伴い、効率的なマネジメントを行うために「階層型」組織へ移行することが多いが、著者は変化の少ない定常的業務を行う階層型組織を基本としつつ、変革プロジェクトのような緊急性・重要性の高い業務を行う組織としてネットワーク型組織も並存させる「デュアル・システム」を提唱し、熱意ある社員が様々な部門から自主的に参画し、役職に関係なくリーダーシップを発揮することで、変革に成功した企業の事例を紹介している。

    全く異なる価値観をもった組織が共存するためには、そもそも社員が変化や機会に対して「オープンマインド」であることと「真の危機感」を持つことが不可欠であるというが、逆にそれらがあれば、デュアル・システムではなくても成功するのでは、という気もしなくはない。とはいえ、所謂"大企業病"を克服し、"変革マインド"を根付かせる実践的手法として、有効な手段であることは間違いないと思う。

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