世界に1つだけの子育ての教科書 子育ての失敗を100%取り戻す方法
- ダイヤモンド社 (2014年12月18日発売)


- 本 ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478028438
感想・レビュー・書評
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著者は自身の考えが常識を覆すものだと考えているようだが、にもかかわらず、読者に自分の考えを理解してもらおうという気がないように感じられ、面白くもない無駄な文章や脱線した話に紙面の多くを割いている。
また、著者の自己肯定感が低いからなのか自慢話が好きだからかわからないが、一部の精神科医、指導者や教育学者をバカにしたり、著者の解決事例やテレビ出演の実績を吹聴したりしている。それであれば、自身の考えの説明や補足に紙面を割いたほうが良かったと思う。
上記2点が改善されていたら、より良い本になったと思うので残念だ。
著者は自身の考えが常識を覆すものだと考えているようだが、どれも聞いたことのある考えであり、衝撃的だ!常識が覆された!という内容はなかった。(発行が2014年で、私が読んだのが2022年だからかもしれない。)
「生きていてもしょうがない」という言動を「暴力」とみなすべきと著者は主張するが、希死念慮の場合もあると思うので、決めつけ(みなし)は良くないと思う。
P80〜P103は読み返して、深く考えたいと思った内容である。
P132〜P137のトイレトレーニングについては、そこまでしておむつを外す必要性があるのかと思った。
“本当にトイレ以外では食べ物や飲み物を与えない”など虐待につながることが注意もなく書かれており、著者の人間性を疑った。
以下、気になった文章を引用する。
「無気力」というのは「性格」の1つのように思われがちですが、実はこうした対処不可能な経験(つまり学習)の繰り返しによってつくられていくもの
子どもの暴力や暴言をやめさせたいのに、大人がそれを使って圧倒的な力で封じ込めようとするのは問題です。
何度も子どもに警告して、いつまでもそれを実行しなければ、大人の言葉はどんどん軽いものになってしまいます。
何かの分野で苦手な子をバカにするのは愚かなことで、どんな子でも苦手な課題でさえ楽しむ方法があるという事実を知るべきです。
あれこれ10回工夫したら、10回とも報われたいというのは虫がよすぎます。
約束やルールを破った場合、罰則を与える方法(略)が中心になると「ウソ」「言い訳」「他人のせいにする」「失敗を隠す」などの行動が増えてしまいます。
約束やルールに関しては(略)「時間と「距離」が重要になってくると私は考えています。「心構え」や「心がけ」とは無関係です。
子どもの「道徳心」みたいなものに期待して、言われた相手の気持ちをわかろうと訴えかけるのは、町の中の標語みたいな感じです。(略)それを見て行動を変える人は、ほとんど稀です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おもしろかったです。いろいろ驚きの対応ですが、すごく納得です。
できることやってみようかと思います。
忘れないようにくりかえし読み返そうと思いました。
他の著書も読んでみよう。 -
過激で極端な内容と思われるかもしれないが、理論と実績があるので、実践するかどうかは状況によるかもしれないが、参考になる。
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著者の奥田先生のドキュメンタリーを見たのがきっかけで先生の著書を数冊手に取りました。奥田先生のご専門の、応用行動分析は最近少しずつ日本でも認知されるようになってきました。この本の中には子育てにも参考になる様々な具体例がありました、本に書かれているように上手く行くかはわかりませんが、大事なポイントを頭の片隅に置いておきたいと思いました。
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タイムアウト法。スモールステップ。やりたければどうぞ。ゲームぽく。楽しくが一番。
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過激な提案だが、読む価値はある。
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自分にとっての本書の位置づけは、子育てにおけるテクニカルな指針となる。
子育てにおける、理想や目標を考える、そういうことは、自分にとっては、本書の守備範囲外ととらえている。
本書を読んでの気づきは、以下3つである。
・取引や条件によって子どもが動くようにするのではなく、習慣化によって、子どもが勝手に動く状態ににもっていくことが大事である。
・行動分析学は、アドラー心理学とは矛盾しない。むしろ、アドラー心理学を臨床によって強化している、とも言える。ただし、アドラー心理学と違って、実施した結果から効果が認められている、ある意味、科学的な学問である。
・子育てにおける、数多くのテクニックを学んだ。以下のようなテクニックである。
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・やりたければどうぞマインド (p057)
・行動追跡チャート(p080)
・学習を促進する3原則(p084)
1. 個人能力の原理
2. 個人ペースの原理
3. 個別から集団への原理
・スモールステップの原理(p087)
・まごころ行動査定法 (p090)
1. 注目が得られる
2. ものや活動が得られる
3. 逃避・回避できる
4. 感覚が得られる
・行動バイパス道路計画図(p097)
・プレマックの原理(p111)
・約束とルールは「時間」と「距離」を意識する(p146)
・最初はゲームっぽくやるのがコツ(p148)
・体験する、行動の結果に責任を伴わせる、参加し続ける(p152)
「ただお決まりのルーチンをこなし続けるのがいい方法です。」
・"イネイブリング", "イネイブラー"(p168)
・「週間変動」と「日中変動」をどう活用するする?
「曜日や時間を決めて役割を持たすなどをして、とにかく習慣づくりを目指すのです。親があれこれ条件を出して、子どもを動かすのではありません。子ども自身が自分からやるように仕向けるのです。」
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私は、自分の中で、次のことを進めたいと思います。
・子どもにどういった習慣をつけさせたいかを考える。
・その習慣をどうつけさせるかをスモールステップの原理に従って考え、適用する。
本書では、いくつか、現実的ではない、残念と感じる部分はあった。
・自分から勉強する子になる法則(p159)
⇒ 一例としてはいいが、自分にはできそうもない。他の方法はないのか、と思ってしまう。
・子どものインターネット利用は、飲酒や禁止薬物と同じ(p168)
⇒ 正しい主張だとは思うが、むしろ、インターネットとうまくつきあう方法を考えるべき。 -
暴言や暴力には毅然とタイムアウト、学童期から自主性を持たせるなど、具体的で参考になるアドバイスが多かったです。
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とっても役に立つ -
行動分析学に基づいた子どもの指導法を分かりやすくまとめた本。行動分析学や応用行動分析、ペアレントトレーニングなどについての知識が全くない人が、こうした理論を育児や療育に生かすための入門書としてはいいと思うが、ある程度の知識がある人にとっては物足りない。また、10歳に満たない子どもの暴力に対して、将来のエスカレートを防ぐために「予防的に」精神科入院させるべきという主張は、理論的には正しいにせよ、あまり現実的でないだろう。
著者プロフィール
奥田健次の作品





