仮想通貨革命---ビットコインは始まりにすぎない

著者 : 野口悠紀雄
  • ダイヤモンド社 (2014年6月6日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478028445

仮想通貨革命---ビットコインは始まりにすぎないの感想・レビュー・書評

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  • 通貨革命の影響は、通貨にとどまらない。その中核であるブロックチェーン技術は、より広範な応用範囲を持ち、さまざまな経済取引に拡張可能だからだ。
    金融資産の取引が、いまはない分散市場に移行する。
    新しい資産が作り出されて、所有権の概念が変わる。
    人々が自由意志で参加する世界政府が作られ、地球規模での直接民主制を実現できる????????
    p.5

    すっごい。ワクワクする内容。
    仮想通貨は世界を変えてしまうのか?

  • 会社でブロックチェーンについて調査しておいてほしいという依頼を受けて、手に取った本。
    社会的な影響についての切り口を主に期待していたが、ブロックチェーンの仕組みについても記載があり、暗号化や電子署名と、思っていた以上に情報が多く、勉強になりました。
    ブロックチェーンのテクノロジーそのものについては、Webで検索をするといろいろと出てくるのですが、一冊にまとまったものとして有益でした。
    仮想通貨革命という題名ですが、主になっているのは、なぜビットコインなのか?という点とその基盤テクノロジーのブロックチェーンの解説、世界中の金融機関がどう見ているか、社会的影響についてです。

    ビットコインについては、「通貨史上の大きな革命であり、全く新しい形の社会を形成する可能性を示した」とまで言っていて、ブロックチェーンという分散的に取引記録を保持することができるテクノロジーを使用し、偽造貨幣や二重取引を排除した正しい取引の記録ができ、改ざんも事実上できない。そして、このブロックチェーンの維持は、ボランティア活動ではなく、報酬を受け取れる仕組みがある点がビットコインの特徴となっていると。
    当初、仮想通貨を作ったとして、その運営は主体者や経過時間とともに脆弱になるだろうし、資金としての裏付けとなるものもない(仮想だけに)だろうと思っていたので、主体となる運営者がいないこと、ブロックチェーンの維持によって報酬が得られる仕組み、裏付けとなるアルゴリズムがわかったときは、なるほどなと。

    社会的な影響としては、安全性と送金コストの安さが注目されており、現状では現金の送金コストが2~3%となるケースや、固定額で高額になるケースへの適用で、これがほぼタダになる点、デジタルコンテンツの販売での直接収入、等。

    eコマースについては、2012年で個人家計消費300兆円のうち、3%程度しかない理由の一つは、カード決済にかかる店舗側コストが原因と分析しているが、この領域も仮想通貨によって、広がるとみている。ビットコインに限定すると、決済までにブロックチェーンの制約から決済まで約10分待つことが課題。

    国際送金では、貿易決済通貨としての利用をあげ、信用状決済の手数料、銀行送金の送金手数料、為替スプレッドなどがほぼゼロになるが、現実通貨との変動比率などに課題はある。ここの市場は、全世界貿易量が約1500兆円あり、銀行手数料が4%と考えると60兆円、この一割がビットコインに移行されると銀行の収入は6兆円失われることになる等のインパクトがあると。

    ブロックチェーンについては、取引の履歴をまとめてブロックを生成する仕組みとそれらがP2Pで行われるうえで、課題となるビザンチン将軍問題についての解説がある。
    当初、ブロックを生成する仕組みがよくわからず、ビザンチン将軍問題?という感じであったが、要は、P2Pに参加している全ノードで同じ処理している(ブロックを作っている)はずの状況で、誰を信じていいのかの確証が得られるようにするため(不正を防ぐための仕組みとして)、ある特定のノードだけがブロックを作れないようにするために、キーとなるナンスを特定するための膨大な計算(ナンス自体はランダムに生成するところから宝くじに似てる)を全部のノードに課すことがこの仕組みの特徴ということがわかった。ナンスがわかったら他のノードに同報して、検算をしてもらい、正しければブロックを確定。
    ブロック間はハッシュ値でつないでいくため、改ざんするとブロックがチェーンにならない。ブロック生成の際の計算時にナンスはただ一つとは限らないため複数のナンス値が出た場合ブロックが同時に生成され枝分かれするが、その枝は次やその次のブロックが生成され、長い枝が採用され、短い枝は捨てられる等、理解が進んだ。
    ただ、仕組みを理解してみると、本書の中でのビザンチン将軍問題の解決策としてこの仕組み社会問題まで広げて展開するのは大胆な気もする。

    ビットコインに続くものとしては、リップルが紹介されているが、これは、ビットコインのP2P特有の不特定多数参加、プルーフオブワークが要らないという点で、既存金融機関になじみそう。コインの代わりにIOU(借用書)を使いながらも、手数料の仕組みとしてリップルズという物も用意されているようだ。

    とにかく、本書は、ブロックチェーンが流行りだした今、何度も読み返して、理解が進むとさらに理解が深まる情報が提供されている。2016年も何度か読み返すことになると思う。

  • 2014年発行ながら今でも遜色ない内容で面白い。送金手数料が高い現行の電子マネーと安い仮想通貨の比較や、ブロックチェーンを証明書として使う話はまず知るべき。あと、「(ちょっとしたニュースで)さわぎすぎと(長期的な視野で)さわがれなさすぎ」という指摘があって鋭い。

  • 仮想通貨が未来を変えると断言!
    まぁ今ならそれほど珍しい言説ではないけど、ちょっと待ってほしい。この本が発刊されたのは2014年6月なんです。
    3年半前ですよ!
    未来予測がバッチリ当たっているし、ビットコインは始まりにすぎないことを、この時点で断言してるのスゴい。
    ただ情報は古め。最新の本と合わせて読みたいし、預言者として価値あり。

  • ビットコインの仕組みや社会に与える影響について書かれた本。2014年の本だが、2017年に読んだ今でも十分に通用する内容。

  • 仮想通貨virtual currencyの過程、仕組み、影響について書かれている本。

    3年前の2014年に初版発行であるが、現実として、日本でも仮想通貨が乱立してきて一般的にも少しづつ利用が進み始めている。
    仮想通貨により、海外送金、少額取引などの手数料が格段にダウンするため、ビジネスの在り方が変わる革命になりうる。電話の登場、IT革命、などに続き、仮想通貨革命。

    このような技術革新は、既存事業を喰って新しい事業が出てくることを示しており、危機感と可能性を把握し、行動することが大切だと感じた。

  • 仮想通貨革命

    7/19の一橋フォーラムの予習として。ビットコインとは何かということやビットコインが何をもたらすかということが書いてある。筆者が強調していることは、ビットコインとは送金に強みを持つもので、資金の保存・保有には向かないというものだ。マウントゴックスというビットコインの運営会社が破たんしたことで巨額の損失を被った人がいるが、その人たちは、そもそもビットコインの性質が保存や投機に向かないことを知らなかったゆえの失敗だとしている。マウントゴックス破綻により、ビットコインに関する注目度は下火になっているが、筆者はビットコインの可能性について過小評価されているという。
    岩井克人の貨幣論や平川克美の路地裏資本主義でも述べられていたが、貨幣の本質とは「情報」であり「記号」である。物質的なお金というものは仮象に過ぎず、ビットコインはその本質をついている。だからこそ、送金は本来、情報の処理で可能になる。ビットコインを用いることで国際送金の為に今まで用いられた仕組みやコストが削減される。しかし、人間が紙幣や硬貨を使っているのは、情報の処理だけでは信用が仕切れないからであり、そのような情報の処理技術に高度な信頼を担保する技術がブロックチェーンなのである。情報をブロックとして生成し、チェーン状に連ねて遡及的に変更できないような記録を残せば、改竄が出来ず、単なる情報の処理で送金や決済が可能になる。このブロックチェーン技術の応用はビットコインにとどまらず、自動車や賃貸などの所有権の管理にも応用され、煩雑な書類手続きなしで安全に所有権を移すことが出来る。所有権の管理が電子化され、簡易化されれば、担保として今まで扱うことのできなかったものまで担保になり、借り入れが出来る可能性が高くなる。現代の経済の仕組みとして、人々は送金や為替、証券などはそれぞれ既存の会社の信用と集中管理への対価として手数料を払っている。ビットコインやブロックチェーンは、集中管理の壁をやぶり、分散型かつ分権的に取引を中抜きすることで、広範な可能性やビジネスチャンスを生むと共に、既存の企業群に対して大きな打撃を与える。筆者はこの集中的な管理システムは近代の産物であり、それ以前、つまり中世の商人たちは分権的なシステムで運営していたため、現代においてもその実現は可能であると確信している

  • 仮想通過を含めたブロックチェーン技術の解説にとどまらず、現在の経済システム含めた社会基盤の抱える課題を踏まえたうえで、それに与える影響と、日本が進むべき方向が、コンパクトにまとめられている好著。

  • 難しくて理解しきれていない部分も多々あるのだけど、ブロックチェーンはお金のやり取りだけでなく社会の仕組みそのものに大きな影響を与えうるものだ、ということは捉えられた、と思う。

    ビットコインじゃないけど、ケニアのエムペサの話は印象に残っている。お金は銀行のATMで引き出すものだと思っていたけど、ATMの普及よりも携帯の方が速かった、だからそこに送金のシステムを組み込んだ。

    お金というものの概念、あるいはもっと広い視野でいうと取引記録や情報管理などの仕組みがどう変わるか、そしてそこに人間の理解と意識がどこまで追いつけるか…楽しみだなぁと思う。

  • 新技術のどの要素が、これまでの通貨の使われ方を本質的に変える可能性があるのかを大枠で掴める。私には難しくて理解できない部分もあり。

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