12大事件でよむ現代金融入門

著者 :
  • ダイヤモンド社
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478028544

作品紹介・あらすじ

世界を震撼させた金融危機はなぜ起こったか?次の震源地はどこだ?数々の修羅場を経験した国際金融のプロが、その要因と背景を解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 金融をもっと学びたいと思って図書館。
    よく聞くあの事件とはこういうことだったのね!と流れがわかった。これから学ぶということで、難しい言葉はちょっと飛ばしてしまいましたけれども、それでも基本的な要因と複雑に絡み合ってる事は理解できた。

  • 米ドルが基軸通貨になっている矛盾、アメリカの金融政策で資金が急速に流入流出することで危機が起きる。
    アメリカの債券売りが日本に波及すると、国債の受け手は日銀以外にはいない。

  • 詳しくない金融というジャンル、なるほどそういうことだったのかと膝を打つことはほとんどない。そこをケアしてほしいなと思いながら、そこを調べたら詳しくなれそう、と思う。

  • 過去に何があったか把握が難しい金融の歴史をできるだけわかりやすく書かれている。少なともこの前に読んだ書籍より、わいの頭にすっと入ってきた。

  • 金融や世界経済にあまりに不勉強だと思い手に取った。リーマンショックやギリシャ問題、、といった不勉強ながらに耳にはしたことのあるワードの表層的な中身を知ることができた。が、出てくるワードや概念はもっと勉強が必要。そのきっかけとしてはよかったかなー。

  • 電子書籍で。以前から気になっていた本で、無知な金融についてちょっとは勉強してみるか…的な考えで読みました。ニクソンショックからブラックマンデー、ごく最近の中東などの紛争問題まで、『なるほど。そういうふうに繋がるのね』と理解できた部分もありました。もっと勉強しないとな…と思った面も多々。
    現在の中国での恒大問題などは、まさにこれからどういうように中国政府が動くのか?はたまた動かないのか?など色々気になることが出てきて、注意深く見ていこうと思いました。

  • 今までの世界の金融の流れがぎっしり詰まっていました。内容量が多く、いろんなことを知れました。
    しかし、入門というわりに、金融の知識がないと難しく感じると思います。他の本を読んで勉強してからなら、内容がよりわかると思います。日米貿易摩擦のところは理解しやすくて面白かったです。また、ブラックマンデーの話はわからないながらも、なるほどと思えました。

  • 良い点
    ・第二次大戦以降の金融史を概観するのにとても良い。

    気になった点
    ・入門書というには難しい。多分一通りの会計や金融の用語は知っていないと付いていけない
    ・参考文献リストが欲しかった


    その他感想
    ITバブル崩壊やリーマンショックは金融業界の暴走が原因だけど、他の金融危機ってほぼ全部「固定相場制が悪い」なのでは…?ギリシャ危機も、結局は形を変えた固定相場制である統一通貨の問題なわけだし。

  • 入門というには相当ハイレベルだったが、ブレトン・ウッズ体制から今までの現代金融の歴史が網羅的に解説された良書。
    金融技術は高度になっているものの錬金術ではない。流行っている金融商品がどういう仕組みで、なにが起これば儲かり、なにが起これば損をするのか、という点も理解する癖をつけたいと思った。

    【メモ】
    ◯デリバティブについて
    ・P&Gのデリバティブ事故は、有利子負債コスト引き下げのためにドル建て金利スワップの支払いコストが利上げによって急上昇したことで発生。利下げを読んで変動金利を支払って固定金利を受け取るスキームにしていたので大損となった。販売した銀行側は高いROEを求められる中でリスクを説明するインセンティブを失い、ガバナンスが大きく問題になった
    ・デリバティブは本来リスクヘッジ手段だが、低金利下の中機関投資家がリターンの向上を意識して利用し始めたことで多くの損失例が出た。
    ・一方、デリバティブを規制することは市場にとっても良いことではないし、リスク管理商品として他の代替手段がない。2013年末で金利スワップの名目元本ベース残高は461兆ドル、店頭デリバティブの約65%

    ◯不動産バブルについて
    ・銀行はバブル経済下で新たな収益源を模索し、後に不良債権の種となる中小企業屋ノンバンク、不動産、個人への貸し出しを増やした。
    ・住専は個人向け住宅ローン専門銀行としてスタートしたが、銀行等の侵食によって企業の不動産事業にも手を出した。住専への融資は総量規制の対象外だったため、銀行は農林系金融機関がこぞって住専への融資を拡大。その後不動産バブルが崩壊し、不動産開発業者への融資が焦げ付き。95年8月には総資産の約半分の6兆円超の巨額損失が発覚した。
    ・リーマンショックも、各金融機関が不動産神話に飛びついた構造は同様。銀行はサブプライムローンを増やし、これを証券化して市場にばらまいた。しかし市場のニーズが高いことから十分な信用力評価と信用力補完をするインセンティブが薄れ、金融技術への過度な期待もあって不当に格付けの高いゴミ証券が市場に溢れた。
    ・また、手数料ビジネスを行っていた投資銀行が、商業銀行のようなアセットビジネスの収益性に魅力を感じ、レバレッジをかけて証券を保有するようになった。ベア・スターンズは2007年末時点で110億ドルの資産に対して4,000億ドルの資産を保有、しかも流動性の低い長期保有を前提とした証券であり、これが暴落してJPモルガンに身売りすることになった。
    ・リーマン・ブラザーズもレバレッジを効かせてCMBSを買い漁っていたことから、サブプライムローンが焦げ付き始めてからは破滅の一途を辿った。AIGはCDSの大量ポジションを抱えていたため瀕死となって公的資金投入された。ちなみにGSはゴミCDOを売る傍ら密かにそれにCDSをかけたり、別ルートでAIGのCDSを買ったりして儲けていた。

  • 金融の現代史が概観できる良書でした。
    ニクソンショック、オイルショック、日米貿易摩擦、ブラックマンデー、日本の不動産バブル、ポンド危機、デリバティブズ事故、アジア通貨危機、ITバブル、リーマンショック、ギリシャ財政危機、地政学リスク等々に触れており、それぞれの出来事の発端・経過から今に残る課題まで整理されています。

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