問題解決ラボ――「あったらいいな」をかたちにする「ひらめき」の技術

著者 :
  • ダイヤモンド社
3.67
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本棚登録 : 1028
レビュー : 81
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478028926

作品紹介・あらすじ

ロッテ、エステーなどの日本企業からコカ・コーラ、ルイ・ヴィトンなどの欧州名門ブランド、さらには「箸」や「桶」の伝統工芸職人まで-世界中がうなった「問題発見プロフェッショナル」の頭の中を大公開!300超の案件を同時進行で解決しつづけるデザイナーが明かす「すでにそこにある答え」に気づくための「正しい問い」の見つけ方。

感想・レビュー・書評

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  • 日本でもとても活躍しているデザイナーだけど、海外にも拠点を持って沢山仕事をされているとは知らなかった。すごい。
    デザイナーだけではなく、広く社会人全般に対して、発想や問題解決に至るまでの思考のヒントを教えてくれている。4,5ページの小さい章に分かれていてとても読みやすい。
    全体を通してとてもポジティブで、爽やか&軽やかな印象。挿入されている、過去に手がけたものの写真を見るのも楽しかったし、ハッとさせられることもあった。デザイナーの端くれの自分も、もっと「デザイン」というものに対する視点を軽やかにして、今まで目を向けていなかったものにも注目してみるのもいいかもしれないと思った。

    ・デザイン料は依頼主の予算次第で決まってしまうが、割に合う頑張りしかしないのでは意味がない。お財布自体を広げられるような頑張り方をデザインすることも必要。
    ・「誰も見たことがないもの」は「誰も求めていないもの」。「本来そこにあるはずのものなのに何故かない」ものを補充するくらいの感覚が良い。
    ・印象に残るものは弱さを孕んだもの。
    ・ボヤッと見であらゆるものをフラットに見る。
    ・相対評価では他との差別化はできない。
    ・THREEのパッケージの「美味しそうなデザイン」という話が面白かった。
    ・欧州では客を家に招いてもてなす機会が多いので家具デザインが盛んになった。逆に日本では飲食店のデザインやサービスは世界トップクラス。

  • 私はデザイナーでないが、第一線で活躍している方の本を読むとやはり気づかされることが多い。
    トイレに関する話が沢山出てくるが、ここはとても共感できる…。何だかとても仲良くなれそうだ。
    デザインも、AとBが既に世にあったときに、Cを作るのではなく、その間の隙間を作るのがデザインという言葉が妙に腹落ちした。それはありそうでなかったものだとか…
    この方の親しみやすさ、はそんなところにもあらわれているのかもしれない。この方の笑いのセンスも割と好きだ。笑のセンスと呼ぶものでないかもしれないが…。
    ウラの裏はオモテだけど、最初のオモテとは違うものになっている。
    他にも色んな刺激を受ける言葉がこの本に散りばめられている。
    私のような、デザイナーでない人間が読んでも十分に楽しめる著書だ。働き方や、その上でのポリシーなども考えさせられる。

    作品の写真も目に楽しい。
    働く人に、デザイナーであればなおのこと一読の価値アリ、だと思う。

  • Amazonの関連書籍かなんかで出てきてなんとなく買った本だったけどすごい良かった。
    デザイナーの思考回路をなんともわかりやすくユーモアを交えて語っているので読みやすく、よく理解できた。
    この人面白そうだから違う本も読んでみよう。

    【なるほど!そうだよな!と思ったフレーズ】
    ほとんどどうでもいいような「違和感」は、「当たり前の行為」や「ありきたりのもの」の周囲に何食わぬ顔をして居座っていることが多く、日々「気づき続ける」ことが、アイデアが出やすい体質にしてくれる。

  • 私が考えるデザイナーの仕事が曖昧であり、ひらめきや突拍子もない発想が必要な職業かと思っていた。しかし、ちょっと見る角度を変えたり、違和感から生活を良くする形にしたり、企業がぼんやり考えているものを形にしたりする仕事であることを知った。緻密さ、観察力、相手の考えていることを出すためのコミュニケーション、整理、ひらめき等、デザイナーだけでなく、企業で働いている人にも共通して必要な要素に感じた。佐藤オオキさん、すごい‼︎

  • デザイン界はパーティ文化で成り立つ。カンパリソーダ、カンパリビター、ボンベイ・サファイア、ネグローニ
    (アイデア)日常の違和感に気づくことがアイデアが出やすい体質に
    (メモ)小さい紙。クリアファイルに挟み、数日後見てピンとこないのは捨てる。数週に一度棚卸し(グルーピング、並べたり、まれに化学反応)、メモは捨てる(頭の中に)
    (入力)グレー状態、ビジュアル化、ポジティブにとらえる。入力日を2週間に一度
    (アイデア)妄想する、共通因子を見つける(メタファー)
    (考える)300件以上あるので、目の前の考え事に区切りをつける
    (アイデア)振り切った二択に絞る
    (問題をとらえる)事の発端を共有
    (デザイン思考)整理、伝達、ひらめき
    (デザインとは)現状を改善する
    (突破口)曲げてはいけないものを一つに絞り込む
    (正解)一番面倒くさい選択肢の中に。逆風はウエルカム
    (デザイン事務所)1.職人型 2.発想型(真のブレークスルー、慣れの否定)

  • アイデアは、探さない方がいい
    ものごとを「凝視する」ことは、それ以外のものを「無視する」ことと同じ。周りにあるものを「ボヤッと」見てみる
    中心視と周辺視

    どんなに複雑な問題も必ず2択に絞る。それでも決断に迷ったら、「最初に正しいと思った方」か「難易度の高い方」を選べば、だいたい正解する

    ルールをゆるやかに崩す
    さまざまな課題を解決するにあたって重要なのは、その課題を正直にそのまま受け入れないこと。そもそもなぜその解決に至ったのか、「事の発端」を共有することで、糸口がいろいろと見えてくる

  • NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも特集されていた有名デザイナーが、問題解決思考法を教えてくれる。語り口は若干お下品だが、著者はマーケティングの本質を深く理解しており、内容は示唆に富んでいる。

    例えば、第1章の1『本当の課題は、相手の話の「ウラ」にある』では、エステーから、「既存の電池式の消臭芳香剤をベースに、外装だけをキレイに整えてほしい」という依頼を受けた際、内部の構成要素の簡略化や配置換えを提案し、約25%のコンパクト化に成功すると同時に、以前よりも安く製造できるデザインを提案した事例が紹介されている。ここから学べることは、単に顧客が言っていることを実現するだけではなく、「本当に解決しなければならないことは何か」を深く掘り下げなければ、問題の真の解決にはならない、ということである。かつてハーバードビジネススクールの教授を務めていたセオドア・レビットは、『ドリルを買った人たちは、本当にドリルが欲しかったのだろうか。この人たちが本当に欲しかったのはドリルではなく、そのドリルであけた「4分の1インチの丸い穴」だったのではないだろうか。4分の1インチの丸い穴さえ手に入れば、ドリルなんて必要ない』と語っていた。つまり、「外装を整えてほしい」という、いわば「手段」に過ぎない指定を単純に実行するだけではなく、「コスト削減下でもできるリニューアルをしたい」というクライアントの真のニーズ「目的」に気づき、それを形にすることが本当のプロなのだ。そのためには、先入観を持たず、目の前で起きている現象をありのままに見る観察眼、そして問題の原因を徹底的に追究する「なぜなぜ分析」が必要とされるのだと思う。

    他にも学ぶべきところはいろいろあるが、あと一つだけ紹介したい。著者は、デザインの本質は「整理」「伝達」「ひらめき」と明確に定義しており、デザイン自体はあくまでメッセージを伝える「手段」に過ぎない、と冷静に分析している(第5章の1『デザインとは、あくまで「伝える」ための手段』)「デザイン」と言われると、何となく「ものをカッコよくするもの」という程度の認識しかなかったが、本書を読んで、その価値と意味をきちんと把握することができた。そして著者によると、「整理」と「伝達」については、デザイナー以外の人でも鍛えられる(鍛えるべき)ものらしい。

    デザインに興味のある、または関係ある仕事に就いている以外の人が読んでも、学びのある本である。

  • nendoのオオキさんとは同い年。絡みつくように一本化されたお箸のデザインには鳥肌が立ちました。発憤させられる実例の数々には、何か元気がもらえます。

  • どちらかというと非デザイナー向けの本という印象でした。
    「できごと→デザイン論→それを使ったプロジェクト」という構成で
サクサク紹介している感じです。

    情報が整理されていてとても読みやすいです。
読み手のことを考えて「デザイン」されているような感じでした。
    難しいことばを使わず、ちょこちょこユーモアも挟んでおり一気に読める内容でした。
    
自身のプロダクトも多く紹介されていて佐藤オオキが世界に通用するすごい人であることがわかります。

    個人的には、アップルの社内デザイナーはレベルが高くない。というような表現をしていたことがちょっとだけひっかかりました。

    私はジョナサン・アイブも好きなのでちょっとだけ悲しいです。
    第一線で活躍するデザイナーから見たらそう思うのかもしれません。
    ただ、双方共にデザインにおいて「親しみ」を重視しているという共通点も見つかったのでそこは良かったところです。


    以下ネタバレです。


    ■本をゆっくり二度見するのがおすすめ
    反復することで、2回目以降で気づくこともたくさん出てくるとのことで
    雑誌でも読むのにすごい時間をかけるそうです。


    ■蜂の脳は自分の役割によって脳の仕様自体が変化してしまうらしい
    (人間もそうなのかもしれませんよね。後天的な才能も多いような気がします。
特にデザインの分野は「考え方」なので鍛えることができるかもしれません。)


    ■デザイナーで仕事をもらうならキャラ系がおすすめ
    あの人はシンプルなのが得意、あの人はゴージャス系などキャラ立ちしていれば認知されやすい。

    が、飽きや似たようなタッチの人が出てくるリスクがある。


    ■掛け合わせにもコツがある
    AとBのハイブリットを最初から狙うと中途半端になるリスクが高くなるので、
    1つに集中して、結果的に2度美味しいみたいなプロジェクトのほうが美味しい掛け合わせになる。

    ■モノにこだわりがない
    (意外でした。youtubeとかでデザイナーの私物紹介とか見るの好きなんですけど、
佐藤オオキは特にないようだ。かっこいい。最近は違うのかな。ちょっと前webでみたらこだわってる感じあったけど。)


    ■リニューアルとリデザインの違い
    そもそも、パクることに対する感覚は国によって違うようです。
    リニューアルは同じ商品を改良すること
リデザインは目的やターゲットを変えたりすること。


    ■オリンピックについて
    2014年の本なので今から準備。
    とかの話ですが、
    日本人が広場や大空間に集まって盛り上がることに馴染みがないとのこと。たしかに。
    お祭りも神輿も町を歩くイベントだし、「移動」を目的として楽しんでいるんじゃないか説。
    東京ディズニーランドのパレードを喜ぶ民族も特異らしい。
    (ハロウィンとかサッカー時の渋谷とかそんな感じですよね。)


    ■友達のオカンに伝えれるか
    デザインは「素人目線」を持ち続けられるかが大事で、いいアイディアを伝える力がいります。
    (どっかのメディアでみたへべれけでもわかるデザインを!みたいなのに似てる。)


    ■日本企業の特徴
    「見る人が見ればわかる」「いいものさえ作っていれば売れるはず」みたいな考え方が多いらしいです。
    
(最近知り合いの零細企業の社長が全く同じようなこと言ってて納得した。)

    が、海外は逆で「売れるものがいいもの」くらいの感覚らしいです。ただ正しいかは謎です。


    ■「シェフ」じゃなくて「主婦」にもならないと

    「高級食材をキッチリと調理する」のも大事ですが、
    今は「冷蔵庫のあるもので献立を考える」ことに需要がある時代です。


    ■デザイナーに向いてる人
    根気強さ、伝えるコミュニケーション能力、
そして例え話が上手か。らしいです。
    
(たしかにオオキさんの例えはめっちゃわかりやすい)


    

■1%のデメリットも伝える
    デメリットを伝えた方が信頼をされることが多い。



    ■仕事は楽しいものか
    仕事はつらい。が、後から振り返ると初めて「楽しみ」を感じれるものなのかもしれません。
    
(高校の部活に似てるなって思いました。私は帰宅部だったけど。)


    ■職人型ではなく発想型からブレークスルーが生まれる
    仕様にそって100%を作る→職人型
    ざっくりしたイメージから企画からデザインをつくる→発想型
    日本企業は高度経済成長期のインハウスデザイナーが多数養成されたため職人方がほとんどです。

  • ローソンのプライベートデザインで話題のnendoの代表佐藤オオキさんの本。
    予想ほどは内容にトガリはなく、デザイナーの思考回路を分かりやすく面白く説いている。頭良さそうな方、という印象を受けた。

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著者プロフィール

デザイナー。デザインオフィスnendo代表。
1977年カナダ生まれ。2000年早稲田大学理工学部建築学科首席卒業。2002年同大学大学院修了後、デザインオフィスnendo設立。東京とミラノを拠点として、建築・インテリア・プロダクト・グラフィックと多岐にわたってデザインを手がける。「ニューズウィーク」(米)の「世界が尊敬する日本人100人」(2006年)、「世界が注目する日本の中小企業100社」(2007年)に選ばれる。

「2020年 『問題解決ラボ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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