地球を「売り物」にする人たち 異常気象がもたらす不都合な「現実」
- 株式会社ダイヤモンド社 (2016年3月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784478028933
作品紹介・あらすじ
北極海に眠る資源争奪戦に明け暮れる石油メジャー、治水テクノロジーを「沈む島国」に売り込むオランダ、水と農地を買い漁るウォール街のハゲタカ……壊れゆく地球すらビジネスチャンスに変わる「新しい現実」を全米注目のジャーナリストが追う。あらゆる紙誌で絶賛の嵐を巻き起こした現代の「必読書」、ついに上陸
感想・レビュー・書評
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氷河の下からわんさか出てくる油田や鉱床。北極の氷が溶けて新たな航路が出現して物流の費用が安くなる。水が無くなることを見越して、水に投資する。雪が減ってしまったヨーロッパのスキー場に人工降雪機を売りまくる・・・。
これまで、「自らの利益のために多少環境が破壊されるのもいとわない」という仕事をしている企業はたくさんあると思ってきたが、まさかここまで「環境が破壊されることで利益が上がる」企業が多いとは・・・これじゃいくら環境保護をうたってもダメだと感じた・・。
ただ、希望もある。遺伝子操作した蚊を使ってマラリアを防ぐとか、ハリケーンをコントロールしたり、石炭から排泄される硫黄を成層圏に散布して太陽熱を反射し、温度を下げる。みたいな研究がされているようだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
開発目標13:気候変動に具体的な対策を
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac.lib.setsunan.ac.jp/iwjs0021op2/BB50006872 -
WINDFALL: The Booming Business of Global Warming
https://www.diamond.co.jp/book/9784478028933.html ,
https://www.mckenziefunk.com/#windfall -
書いてある内容が個人的すぎて理解できないところがあった。もう少し大きい視点で書いて欲しかった
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配置場所:1F電動書架C
請求記号:451.85||F 89
資料ID:W0185101 -
内容は興味あるけど、ダラダラと冗長すぎた。
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地球温暖化をビジネスチャンスとして動いている企業や国のルポ。北極航路は想像がつくが、民間消防会社、防潮堤ビジネス、水利権といやはや色々あるものだ。
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ちょっと内容は古いかもしれないが、ある意味、今話題の環境ビジネス。何が正しい道なのか人間たちは大騒ぎしてるけど、当の主役の地球さんからしてみれば、ちっちゃい話かもね。
地球が人体なら、僕らは細菌みたいなもの。
いつかは地球さんに殺されて終わりかな。 -
・人類の経済活動が世界規模の気候変動を引き起こしている,その気候変動は新たなビジネスチャンスにもなれば,今ある生活を追いやられる人
もいる.
・資本のある,また,温暖化の恩恵を受ける北側の国が気候変動をチャンスと捉えたビジネスを展開しやすい.
・しかし世界全体で共有地の悲劇起きている
・個々人や国の利己的で合理的な判断が必ずしも肯定されるべきとは言わないが「先進国は早急に気候変動に対する対策をとるべきだ」と安直で実現性がない綺麗事で締めないところは効果が持てる.
・気候変動に対する危機感が行動に結びつかないのは,他者を犠牲にすることが遠回りなプロセスになると途端に鈍感になる(鈍感なふりをする)人のサガだと思う.
・気候変動に危機感を感じるまではいいが,綺麗事を叫ぶだけの人たち,「人間の経済活動がなければ今の気候変動は起きなかった」という推測や,「これからこういう対策を打てばこうなる」という,地球規模の複雑系に対する安直な予測を訴えるだけの人たちには自分も嫌悪感を覚える.
気候変動→新たなビジネスチャンス
水の先物市場ってあるのかな。これからできたりして。
⇨あったわ
緑の長城, バングラディシュ, 護岸壁の販売 -
取材対象人物の多さに閉口した点はありますが、カナダ・オランダ・イスラエル・アメリカ(ロサンゼルス・ニューヨーク・マイアミ)・オーストラリア・セネガル・スーダン・マルタ・バングラデシュ・アイスランドと他国に取材し、日本ではほとんど取り上げられていない「気候変動ビジネス」に焦点を絞ったルポルタージュです。NHKスペシャルみたいな本です。
登場してくる会社をグリードと揶揄するよりも、そこに日本がほとんど登場しなかったことが国力の差を見るようで気になりました(唯一、登場したのがセネガルで緑化活動をしている崇教真光)。先進国から見れば、地球温暖化という現象がもたらすビジネスチャンスが、ほんと多様な領域に及んでました。
翻訳者柴田裕之のあとがきが非常によくまとまっているのですが、例えば地球温暖化によりグリーンランドは北極海路の通年化や資源の掘削経費軽減などデンマークから独立できるだけの国力を備えつつあるとか、地球の皆が一律に困るわけでないのが典型的な《共有地の悲劇》であって、地球温暖化は停めないというスローガンに対する各国の対応が足並みそろわない理由はこれなんだとわかります。幼稚なテーゼはグローバル社会では押しのけられるのです。
そして、地球温暖化のしわ寄せが、富もなく対策もとれない、加害者要素のない貧困国に、旱魃(塩害による農地不適地の拡大)・水没・洪水という形で容赦なくしわ寄せとしてくることも(こちらのほうだけ偏って報道されているのが問題の1つ)。
読む限り、地球温暖化は停止できるものでなく是非もなく到来するものとして適応せざるをえない事象だと諦念してしまいます -
気候変動に伴う様々なビジネスを狙う人たちを取材した本。元の文章も長いんだろうけど、人の名前が多かったり、翻訳が直訳だったりと読みにくかった。
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地球温暖化や気侯変動によって、思わぬ利益がいろいろな形で生まれている世界各地の状況を、6年の歳月をかけてまとめたもの。氷が解けたことにより可能となった、北極海の新航路や、地下資源の採掘。護岸壁や防潮堤、浮遊式建造物。淡水化プラント、人工降雪機。水利権取引、難民の流入防止、火災やハリケーンの保険など、「不都合な現実」によって生ずるビジネスチャンスの数々が延々と描かれている。原文のせいか訳のせいか、いろいろ調べて書いてはいるのだろうが、とにかく言わんとしていることが伝わりにくい。しかもかなりの長編なので、読むのが正直きつかった。ちなみに私は全部読むのに休み休みではあるが1年もかかってしまった。
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地球温暖化をテーマとし、温暖化に商機を見出す企業、プラス効果を見込む北極圏の国家に焦点を当てたルポ。
それぞれの企業が温暖化に付け入ったと表現すれば、道徳的な善悪が問われるのだろうが、そうではなく環境変化に対応しているだけなのではないか。それだけにこの流れは不可逆的に思える。
北極圏、アイスランドからアフリカ、バングラディッシュと巡る著者の行動力が、素晴らしい。またルポの途中で語られる温暖化の実態にも暗澹とさせられる。
それにしても、この「地球を売り物に…」という邦題は何だろう。最初から意図が読み取れなかったが、読み終えてもやはりピンとこなかった。 -
本書の「売り方」と内容がかなり食い違っている。著者はそれを善悪で判断していない。「売り物にしている奴ら」と批判的に読むことも可能だろうが、最後に登場するネイサン・ミアヴォルドの考え方に私は全面的に同意する。排出削減を重視するアプローチは貧しい国に対してアンフェアで、人間的でないと思う。欲望を燃料として解決策へ導いていくしかない。
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「地球の気温が上昇している(=地球温暖化)のは、人間の野放図な欲望と豪奢な生活を支えるために、ありとあらゆる資源を浪費しているからだ」という声が世界各地で高まっているというのに、欲深な人間というのは、なんと罪深いのだろう。さんざん資源を浪費してきた階層が「地球温暖化」を新たなビジネスモデルにするというのは、もはやブラックジョークとしかいいようがない。「多国籍企業」という名の強欲な連中の次のターゲットは、分厚い氷のために資源開発が遅れていたアイスランド。住民は欲深な多国籍企業の掌中で踊らされ、自分たちがもっている資源は、そっくりそのまま自分たちのものになると本気で思っている。そして海面上昇のために国土消滅に怯える島々には、オランダの企業がアプローチする。オランダという国家は、堤防をつくって中の海水を排出することで、耕地面積を拡大してきた。そのノウハウを、バヌアツなど国土消滅の危機に怯える国家に提供しようという魂胆だが、人の弱みにつけ込むようないやな感じしかないのは私だけか。一番の驚きは、グリーンランドを巡ってカナダとデンマークとの間に国境紛争が起きていること。もちろんそこには、まだ地下に眠っている資源問題がある。両国で共同開発をして、利益を分け合うという発想は、彼らにはないのだろうか?
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この一冊地球を「売り物」にする人たち マッケンジー・ファンク著 気候変動ビジネスの最前線と警鐘
2016/5/8付日本経済新聞 朝刊
気候変動はビジネスチャンスだ、そう考える人たちがいる。地球が温暖化すると凍土が融(と)け、従来地中に閉じ込められていた鉱物資源や化石燃料が取り出しやすくなる。それに氷が融けて北西航路(カナダ北極諸島の間を抜けて太平洋と大西洋を結ぶ航路)が常時航行可能となれば、物資の輸送も格段と楽になり、ビジネスチャンスが広がる。アメリカ、ロシア、カナダなどが受ける恩恵は大きく、経済が活性化するというわけだ。グリーンランドなどは、これまで手が付けられなかった石油、鉱物資源、漁業資源等が手に入るようになり、そのおかげでデンマークからの独立の見込みさえ出てくるという。
本書の著者は、このような楽観論を支える一つの柱が自由市場主義だとみる。水を例に考えてみよう。気候変動がもたらす旱魃(かんばつ)と洪水によって、利用できる水の量が減る。問題は水の需給バランスの地理的不一致がはなはだしくなることだ。だが、水の取引を市場に任せれば問題は解決する、そう考える市場原理主義者がいるのだ。一連の水ビジネスをハイドロコマースと呼ぶのだそうだが、やがては「水のナスダック」が登場する気配さえある。
楽観論のもう一つの柱がテクノフィクス(ハイテクによる問題解決)と著者は言う。気候変動によって洪水が起き、海面が上昇しても、浮島や浮遊式の町を造れば適応可能だ。高潮防潮堤も洪水対策に有効である。海面上昇のペースが世界平均よりも早いニューヨークなどは大助かりで、技術の売り込み合戦も始まっている。
もちろん著者はこのような考え方を肯定しているわけではない。新たな化石燃料の採掘はエネルギー使用を増加させる恐れがある。テクノフィクスで海水を淡水化するにしても人工的に雪を降らせるにしても大量のエネルギーを必要とする。気候変動を加速化させてしまうかもしれないのだ。
もっと深刻な問題がある。こうしたビジネスが盛んになっても、その恩恵を受けるのは資金と技術を持つ豊かな国だけということだ。温暖化によって北極圏域の資源の恵みにあずかれる国はわずかである。
他方バングラデシュのような国は、水の塩性化、サイクロン、洪水などによって大打撃を受ける。貧しい国は経済的にも環境的にも損害を受けかねない。「しわ寄せは弱者へ」というわけだ。気候変動を抑止する努力を忘れてビジネスに走る現代経済へ、本書は鋭い警告を発している。
原題=WINDFALL
(柴田裕之訳、ダイヤモンド社・2000円)
▼著者は米国生まれ。米スワスモア大で学ぶ。ジャーナリストとして「ハーパース」「ナショナル・ジオグラフィック」誌などに寄稿。
《評》慶応大学教授 細田 衛士 -
(後で書きます。良書)
